「まず……もうこんな時間か」
俺は沈み始めた陽が差し込む廊下を急いでいた。ちょっとした頼み事を引き受けていたのだが、思っていたより時間がかかってしまった。
今日は桜の部活が無く、もともと一緒に帰ろうと約束をしていたのに、結構な時間待たせてしまっている。学校内にはもうほとんど生徒はいなくなってしまった。
「悪い、桜。遅くなっちまった」
教室のドアを開ける。窓際の席に座っている桜は、橙色に染まるグラウンドを眺めていた。
「あ、先輩。頼み事、終わったんですね」
「ああ。ちょっと──」
「頼まれたこと以上のことまで引き受けちゃった、ですよね?」
「う……」
お見通しだった。言おうと思っていたことをそのまんま桜にいわれてしまった。
「うん、全くその通りだ。さすが桜」
「先輩のことですから、これくらいわかっちゃいます。ずっと一緒にいるんですから」
「ああ、これじゃ隠し事も簡単にできないな」
「ええ、先輩のことならなんでも見破ってみせます」
ふふん、と誇らしげに胸を張る桜。
それを見ながら、ふと思う。桜は最近ずいぶんと明るくなった。元々俺や藤ねえの前ではよく笑う子だったが、近頃は俺たち以外の前でもよく笑っているのを見かける。
「桜」
だから、なんとなく。その変化が嬉しくて。
「あ……先輩?」
する、と髪を梳くように桜の頭に手を回す。少しの驚きで、その瞳がわずかに揺れる。
でもすぐに俺の意図を察して、瞼を閉じて軽く顔を上げた。
「ん……」
柔らかな唇をそっと塞ぐ。そして、ほんの挨拶とばかりに甘く啄んでから唇を離した。
「んっ──ふふっ」
桜は目を開けると、満足そうに笑った。
最近は時折、こんな風に誰もいない教室なんかで桜と唇をかわすようになった。理由は特にない。強いて言うならば、お互いにこういう恋人らしい行為に慣れてきたことか。
こういうことに恥じらいを覚えていた桜も、進んでキスに応じてくれる。桜の方から口付けを求めてくれる時もあるくらいだ。
でも、今日はもう少しだけ──
「せ、先輩っ?」
頭に回していた手を背中におろして抱き寄せる。するりと腕の中に収まった桜がうろたえるのが可愛らしい。
「桜……ここで、いいかな」
「えっ、こ、ここで、ですか……?」
ちらりと顔を盗み見ると、桜は頬を朱にそめて戸惑っていた。
多少は恋人らしい行為に慣れたとはいえ、情事となるとさすがにまだまだ。誘うときも誘われる時も、気恥ずかしさが残る。それが学校ならなおさら。
「うん。桜はイヤか?」
「そ、それは……。もう、その聞き方はずるいです、先輩」
「はは、悪い。でも、イヤとは言わないんだな」
「だ、だって、イヤなわけ、ないじゃないですか」
そういって桜は、もじもじとしながらも上目遣いで俺を見つめてくる。その仕草に、不覚にも俺のほうまで照れてしまった。
それをごまかすように、桜のひたいにひとつキスを落とす。
「うん、ありがとう、桜」
「もう……でも、あんまり長い時間はダメですからね?」
桜は少しだけ困ったような表情を俺に向けながら言った。それは「しょうがないですね」と言いたげな顔だったが、どこか嬉しそうな色も含んでいた。
そうしてもう一度桜の顔を引き寄せて口付けた。今度はディープキス。お互いに舌を突き出して、しばらくの間唇と舌同士の愛撫を楽しんだ。
「ん……先輩、もうこんなにおっきくして──えっちなんですから」
机に後ろ手をついて立っている俺の前にしゃがみこんだ桜が、制服の上から股間のふくらみをさする。それは愛おしむような優しい動きだったが、俺にとってはまるで焦らされているみたいで興奮が高まってしまう。
「あ……またおっきくなりましたね……苦しそうでしょうから、だしてあげます」
慣れた手つきでジッパーを下ろすと、中から興奮でいきり立つ肉棒を外気にさらした。そして挨拶するように先端へ口付けた。それに反応して性器がびくんと跳ねる。
「あは──先輩の、すごい元気です……たくさん気持ちよくしてあげますね」
桜はまるで暴れる獣をなだめるように、片手で竿を包んだ。そして再び亀頭へとキスを落とされる。でも今度はさっきみたいな触れるだけのものじゃない。唇を軽く開けて、ぱくりと口に含まれる。
「っ……桜、気持ち、いいっ……」
桜は俺の言葉に嬉しそうに目を細めると、咥えているものへの愛撫を始めた。押さえつけるように先端を口に含まれたまま、竿を包む手をしゅこしゅこと動かされる。その、雄を堕落させる快感に、思わず声が漏れる。
落ち着いた場所じゃないからなのか、その動きはいつもより激しい。興奮を煽るようなゆったりとしたものではなく、射精を促すようないやらしい手淫。
「んっ……ふぇんふぁい……ちゅ、ん、く……ふ……」
さらに桜はそのまま口に含んだ先端を舌でぺろぺろと舐めてきた。その痺れるような刺激に、肉棒の根元に煮えたぎるような感覚が集まってくる。睾丸の中で白い欲望が急激に作られていくのが自分でもわかるくらいだ。
そしてそれを外へと誘導するかのように、竿を包む手が上下運動を続ける。それで我慢しきないものが、先走り汁となってあふれ出る。桜はそれをまるでジュースでも飲むかのように、こくこくと飲み下す。
「ん……っ、ふふ、おいしいです、ちゅ、んっ……もっと、だしていいですからね……」
そんなの、言われるまでもない。桜にこんな風に奉仕されているんだから、イヤでも漏れ出してしまう。桜の白い指が膨張したものの上を滑るたびに、快感に押し出された液がぴゅるん、と飛び出る。
そしてそれを柔らかな唇で余すことなく受け止められる。時折、自分から迎えに行くように亀頭を奥まで咥えこまれて、さらに大量の先走りを放出してしまう。
「んっ、ん、ちゅ、ん、ぅ……先輩……ん、ふっ……」
だんだんと桜の口淫が熱を帯びてくる。竿を擦る動きはどんどん早くなって、桜の唾液と合わさっていやらしい音が響く。その動きで桜の髪が揺れて、淫らでありながらも美しかった。
そうしている内に、先走りだけじゃなく精液まで昇ってきてしまう。このまま、桜の口の中へ白濁を出してしまいたいという欲で頭がいっぱいになる。
「桜……そろ、そろ……」
「ん、ふ……はい、出してください、先輩の熱いの、いっぱい飲みたいです……」
桜はにこりと微笑むと、口を軽く開いて再び俺のものを咥えこんだ。そして精子を搾り取るような激しい動きで竿を扱きあげてきた。ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響いて、一層俺の射精欲を掻き立てる。
一分もしないうちに熱く滾ったものが竿の中をどくんどくんと昇ってきて、桜の口内を白く汚したいということしか考えられなくなる。桜も俺の気持ちを感じ取ったのか、まるで「好きなようにどうぞ」と言うように咥えたまま俺に微笑みかけてきた。
「っ……! さくら、でる……っ!」
それで我慢できなくなった。桜の頭を両手でがっしりと掴んで、そこへ思い切り射精した。
「んっ……! ぅ、んく……!」
射精の勢いに流されるように、腰を突き出して喉奥まで性器を突き入れる。そして一番奥で精を放つのが、腰が抜けそうなほど気持ちがいい。その快感に押し出されて、俺の意思とは無関係に精液がびゅくびゅくと放出される。
「ん、ふ……ぅ、んっ……っく……おいし……」
桜はあふれる精を嫌な顔一つせずに飲み下してくれる。それどころか、もっと欲しいとばかりに両手を俺の腰に回してぎゅっと抱きしめてきた。
そんな桜の頭を撫でながら、あふれ出る快楽のままに吐精する。時折桜の舌に亀頭を舐められるのが心地よくて、いつまでもそうしていたい。
「ん、は──あ……ぁ、いっぱいでましたね……先輩。とっても濃くて、おいしかったですよ──」
恍惚とした色に顔を染めた桜は、俺を見上げてそう言った。口の端からは入りきらなかった精が少し垂れていて、それが桜の顔を淫らに彩っていた。
「でも──まだ先輩のこんなに固くて……もっとしたいんですね、先輩」
唾液と精液でいやらしくてらつく生殖器を撫でながら桜は言う。
「ああ、だって桜がまだ気持ちよくなってない。俺だけ満足して終わりなんて不公平だろ?」
「先輩……。じゃあ、ちょっとだけ、先輩に甘えちゃいます」
「せ、先輩……ほんとにこの格好でするんですか……?」
机の上に座った桜が、羞恥に顔を真っ赤に染めている。それが夕日の赤と重なって綺麗だった。
桜はどんなふうにするかは俺に任せると言った。だから俺は「机の上に座って足を開いてほしい」といったのだが、ちょっと行き過ぎた注文だったかもしれない。
目の前の桜はショーツはもう脱いで片足に引っかけているが、恥ずかしくてまだ足は閉じたままだ。
「でも、『好きにしてください』って言ったのは桜だぞ?」
「それはそうですけど……だって、脚開いたら、あ、あそこ丸見えじゃないですか……」
「うん。でも俺は桜の恥ずかしいところ、見たい」
「うぅ……先輩……わ、わかりました……。で、でもあんまりじっと見ないでくださいね」
桜はそこで観念して、ゆっくりと脚を開いた。恥ずかしくて俺の方を直視できないのか、桜は頬を朱に染めてうつむいている。
そして、開いた脚の間にある桜の秘密の場所は、まるで蜂蜜のような桜の情欲が滴っていた。それが早く入れてと誘っているみたいで、膨張した肉棒が激しく反応してしまう。
「桜……桜のここ、もうとろとろだな……」
「も、もうっ! あんまり見ないでって言ったじゃないですかっ」
「ん……悪い。でも、桜のこんな姿、見るなってほうが無理だ」
「そ、そんなこと言われても、私……」
俺の言葉に、桜はまた顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。その様子にさすがにちょっといじめすぎてしまったと反省する。
だから。
「ごめんな、桜。ちょっとふざけすぎた。……だからそろそろ、桜のここに──」
「──はい。ください、私を──抱いてください」
その言葉にうなずき、桜の秘部に狙いを定める。そして身体を優しく抱きながら、二つの陰部を触れさせた。こうするだけで、その先にある快楽までを想像してしまって、期待からお互いの身体がいやらしく震える。
そして、神聖な場所を犯すようにゆっくりと性器を突き入れていく。ひくつく桜の中は、挿入された異物に悦んでいるみたいに愛撫してきて、ただ入れているだけでも射精してしまいそうだった。
「あ、っん……は、ぁ……おっきいっ……」
奥へ入れるたびに、目の前の桜が可愛く喘いで俺の情欲を誘う。それが膣からの快感と重なって、入れている性器にますます血が集まっていく。それと同時に感度まで上がってしまって、既に射精欲がせり上がってきてしまう。
「あっ……は、あ、先輩の、また、おおきくなって……ん、ぁ、きもち、いい……」
まだ挿入している最中にも関わらず、もうお互いに快感に溺れかけてしまっている。でも、もっと二人でそれに溺れてしまいたい。繋がったまま何度も腰を打ち付けて、そのまま気持ちよく果ててしまいたい。
「っ……桜──はいった、から……っ」
「は、い──いい、ですよ……先輩の好きなように、わたしのこと犯してください……っ」
その言葉が引き金になって、桜の奥まで撃ち抜くように腰を叩きつけた。そしてその勢いを緩めることなく、桜に何度も腰を振り続ける。
「ふぁっ! あっ、ぁ、んっ、や……! あんっ、んぁっ……せん、ぱ、い……!」
俺の乱暴な抜き差しに、桜は嬉しそうな喘ぎ声を上げる。そんなものを、切なさに染まった表情で見つめられながら聞かされて、情欲は激しく燃え上がる。もっと桜を貫いて、もっとその嬌声を聞きたい。
「あっ──! ん、やぁっ……! せん、ぱ……っ、おっぱい、さわっちゃ、あ、ん……だ、め、かんじちゃい、ます……っ!」
制服の上から両手で桜の乳房を鷲掴みにする。すると桜の顔は容易く快楽に溶けた。俺を見つめ返してくる瞳は愛欲が溢れてくるみたいに潤んで、開いた唇は快感に負けて閉じることさえままならない。
でも、そんな風に快楽になされるがままの表情とは反対に、桜の膣は俺を激しく攻め立ててくる。奥へ入れるたび、逃がすまいと言わんばかりにきつい締め付けがきて、そのまま射精してしまいたくなる。
「あっ、あんっ! んぁ、ぅ、あ……っ! せん、ぱ、こし、はげしすぎ……! んっ、あっ、こんな、の……すぐ、イっちゃいます……!」
その桜の言葉通り、桜の膣が精液をねだるように強く締め付けてくる。それに促されるまま射精してしまいたいが、それ以上にもっと桜のことを味わっていたい。目の前で快楽に犯されている桜を見ていたかった。
「あっ、あ、だめっ……! ほんと、に、もうイっちゃう──! せん、ぱいっ、イく、ぁ、んんっ……!」
押し殺した嬌声と共に、桜は絶頂を迎えた。全身ががくがくと痙攣して、桜の身体全体が快楽に悦んでいるみたいだった。
でも、俺はまだ腰を振るのをやめない。むしろ、桜が達する前よりもさらに激しい動きで桜を貫く。
「あっ、や、ふぁ、んっ! だめっ──わたし、もう、イって、ます、からぁ……っ! あ、んっ! わたし、こわれ、ちゃう……!」
桜は溢れてくる快楽に溺れかけたように声を上げる。でも今更止められる訳がなかった。それに桜だって、もっと俺を求めるみたいに激しく締め付けてくる。
その桜の本能に応えるように、ぱんぱんと音を立てて桜を犯す。結合部からは二人の体液が混じったものがぐちゅぐちゅと溢れてきて、時折その水音が肌がぶつかる音と重なる。
「さくら、く、桜……! 俺も、もう、イく……!」
「は、い……! だしてっ……! わたし、に……せんぶ、だして、ください……!」
そして、絶頂している桜の中で抜き差しをしているのも、すぐに限界が来た。桜と愛し合う快楽にいつの間にか俺も溺れていて、精が昇ってくるのは当然だった。
「桜……! さく、らぁ……!」
「っあ──! せん、ぱぁい……!」
そして、一番深くまで繋がった瞬間、二人で腰を思い切り押し付けて絶頂した。限界まで凝縮された白濁が、勢いよく桜の子宮にそそがれていく。
全身から力が抜けていき、それが射精の勢いに加わっていくみたいで気持ちがいい。どくんどくんと先端から精液が飛び出ていって、それが鈴口とこすれあう感覚がたまらない。
「は──あ、ぁあ……せんぱ……あっつい……ぁ、なか、せんぱいので、あふれちゃい、そう……です……」
桜は絶頂の余韻と中で精を受け止める感覚に浸るように、呆然とした表情をしている。それはとても満たされた顔で、思わず抱きしめてちゅ、とキスをした。
それが嬉しかったのか、桜の中が一瞬きゅっと締まった。それで、一気に奥から精が溢れてきた。
「っ……さく、ら……」
びゅくん、と大きな塊を吐き出すみたいな射精。それが最後だったみたいで、そこで先端からのものは止まった。
「は──さくら、抜く、ぞ……」
「ん……はい……」
ぬるん、と引き抜くと、奥から愛液と混ざった精子がこぼれ出てきた。
「あ……すごい、先輩、たくさん出しましたね……」
桜は愛おしそうに割れ目をなぞると、零れたものをすくって口に含んだ。
「あ……悪い、その格好の桜、すごく可愛かったからさ、つい……」
「いいんです、私もなんというか、すごく興奮しましたから──って、あれ、先輩? 先輩、それ……」
桜にならって俺も視線を落とす。
「先輩、すごいですね、まだおっきいなんて……」
ふふ、と楽しそうに笑う桜。
「あ……ごめん、桜。でも、もう時間がマズイし……それに、十分すぎるくらい満足したから、もういいんだ」
桜に夢中で気付かなかったが、日はもうほどんど沈んでしまっている。いい加減帰らないと行けない時間だ。
「あ、そうですね。それに、あんまり遅くなると藤村先生に悪いですしね」
「うん、帰ろうか、桜」
桜ははい、と返事をして机から降りた。そして、二人で後片付けをしてもう帰ろうというとき、桜は不意に俺のほうを向いて言った。
「じゃあ、先輩。今日の夜に、また続きをしましょうね」