「あははははははははははははは!!!」
「タネは切れた。我、死ぬの……ぐふっ」
メイジマン達は突貫してきたバーバラに様々な部位を切り裂かれ、その内の一体が末期の言葉を吐こうとした頭に刃が落とされた。
「またのご指名を……」
「弱すぎ! よわっすぎ! 経験値にすらならないわよ!」
ほとんど裸の指圧マスターは次の一刀でバラバラにされた。興が乗ったため丁寧に8等分だ。次に標的となったのはプロレス男。何をする事もなく銅を両断されて二つに別れる。そもそもとして見える世界が違う。魔物達は最初から最後まで何をされているか見えなかった。
勇者が突っ込んできて後衛に回り込み、後ろから順番に斬っていった。それだけだ。この程度の小規模な集団を斬るのには5秒もかからない。入口の魔物はメドロが階段を降りきる前に殲滅された。
「これは……想像以上、ですね……」
「でしょー? 私に任せちゃえば余裕よ余裕!」
――――バーバラは、完全に調子に乗っていた。
第二試験会場、迷宮の浅い層、卒業試験会場エリア。そこで勇者の力は存分に発揮された。学生達がパートナーと連携を取って倒すべき魔物など敵ではない。雑魚にすらならなかった。勇者とはそういうものだ。
「これが今の私の力! 世界最強待ったなし! 私って世界一のラッキーガール~♪」
剣の力を自身の手柄として振るい、自慢する。
自信過剰となったバーバラの増長を止める者はまだ、いない。
「バーバラさんをカバーする必要がないのは分かりました。下手な援護よりも、有効な魔法の詠唱と位置取りが大事でしょうね。頼りになる前衛がいるのは凄くありがたいです」
「えへへー……ばさーっと全部切っちゃうから!」
かろうじて、メドロはその動きを捉えていた。実際に相対して戦えば切り捨てられるだろうが、彼もまた選ばれし人間。この辺りの魔物よりは遥かに機敏に動ける。
「ただ、打ち漏らしもあるので……後片付けだけはしておきますね」
「イカアッ!?」
メドロはイカスミで擬態していた大王イカマンの顔を焼き尽くす炎を放ち、先へと進む。
ゼス三英傑と勇者。誰もがこのエリアの敵に苦戦はしない。魔物に対しては一方的な蹂躙だけがあった。
二人は試練会場を進んでいく。試練会場は魔物も出没するが、どこか学校の延長のような雰囲気が漂っていた。腰まで積まれたレンガとその上にあるのっぺりとした壁。四角四面な道。石畳が敷かれた足下。時折ある扉は完全に人造のものであり、散々に手が加わっていると感じられる。
「これが迷宮……その一部かぁ……」
「そうです。散々大規模な工事と駆除をしたんでしょうね。結界魔法まで使われたはずです。構造をある程度自在にコントロールできるらしいですから」
「皆入り口が違ったけど、大丈夫なの?」
「それぞれが同じような迷宮に叩き込まれていますよ。ちゃんと公平になるように調整されています。卒業試験は出来る事が出来たらクリアできるように作られているので、安全です」
第一応用学校の生徒達は開始と共に違う入り口から入った。だが一人もすれ違うことはない。ここでは一種の異空間になっている。
「ゼスは本当わかんない事するなぁ……どうやってるのかなー」
「これより凄いものがたくさんありますよ。魔法に関する技術力は世界一ですから」
「ま、いいや……それよりとっとと行きましょ!」
「あ、そっちは……」
バーバラは曲がり角を曲がって駆け出した。そのまま素早く道を走って……
「ぐええええええええええっ!?」
勢い良く何もない空中に『激突』し、その場にずるずると崩れ落ちた。
「な、なによこれ……!?」
「魔法障壁ですよ。この手は発生源がすぐ近くにあります。ちょっと探してみま……」
「ふざけるなー! ……えっ!?」
剣戟一閃。バーバラは魔法障壁に切りかかった。初めて、エスクードソードが強く斬り込まれつつも止められた。
「う、嘘ぉ……私の剣が、止められたぁ……?」
「こういうのは突破させるために作ってるのではなく、発生源を見つけさせるためにあるんですよ……それでも、なんで傷つけてるんですかね。これ多分軍用ですよ?」
「一度で駄目なら何度でも斬ればいい! ちょっと待ってて! えいやっ、たぁっ!」
バーバラが本気になって斬りかかった。勇者になって以来、硬いものを切り裂く反発があるのは初めてだったが、1分もしない内に障壁はボロボロになり、やがて溶けるように消えてしまった。
「…………その剣、なんなんですか?」
「私の剣! 良い剣でしょー!」
あり得ない。真正面から軍用の魔法障壁と喧嘩して刃こぼれ一つ起こさない? どんな名剣だ。国宝、バランスブレイカー、その類じゃないとそんな真似は無理だ。もしかしたら、この人は思ったよりとんでもない存在なのかもしれない。
バーバラが高く掲げた長剣は一切の傷なく光り輝いている。持ち手の下にある半円の秤にかかる目盛と針。神造物のような完成された美しさがある。ただの長剣のはずなのに、眺めていたメドロの背中に冷たいものが走った。残酷、無慈悲、大きな代償。目盛と針を眺めていると、そのような悪いイメージばかり浮かぶ。
メドロは雑念を振り払うように障壁の奥へ進み、赤い扉の前に立つ。
「……バーバラさんが手間を省いてくれたお陰で時間が短縮できそうですね。僕も用意してきたものを使いましょう」
そう言って、メドロは鍵束を取り出した。赤、緑、青、3種類の鍵束だ。同じ鍵に見えるのに、メドロはそれぞれ10個以上を所持している。
「なにそれ。鍵ばかりそんなに持っててどうするの?」
「ゼスでは好成績を残したり、大きく貢献した学生には鍵が支給されます。この鍵はゼス全土にある迷宮やダンジョンのマスターキーになっており、ショートカットや高難易度のエリアへの道に繋がっています。つまり……頑張った人へのご褒美ですね」
メドロはにっこりと笑って、目の前の扉へと差し込んだ。扉が開くと共に、潰れた鍵は扉に溶けていく。それを二回も繰り返すと……モンスターハウスがあった。
「ちょっ!? 前っ……」
「氷雪吹雪」
あらかじめ詠唱を済ませていた魔法をぶちかまし、全ての魔物の動きは止まる。その威力はすざましく、直撃を受けたサワーは氷の彫像になっている。全く魔物達を意に介さず、メドロは部屋の奥に入り宝箱を開けた。
「手垢のついた罠の類は事前に対策してますよ。ショートカットしたら魔物がお出迎えって百年前からやってたんじゃないですか? 卒業試験はこの手のアイテムを3つ集める事です。さっさと行きましょう」
「お、おおう……メドロも図太いなぁ……」
その先に進むと、三つの小部屋があった。黒板が存在し、チョークで謎かけ扉と書かれている。魔法障壁があり、その先に扉がある。恐らくは謎を解かないと先へ進めないのだろう。
「なにこれ。ヒント、二進数って……初期状態ゼロって……」
「情報魔法の基礎です。それではバーバラさん、お願いします」
「ええっ!? 私全然わかんないよ!? これこそメドロがやってよ!」
物凄い勢いで首を振って拒否したが、メドロは穏やかな表情を崩さない。どこまでも落ち着いた様子で障壁を指さした。
「違います。あそこに魔法障壁があります。恐らくはさっきと同じものでしょう。これならバーバラさんが破壊した方が早いのでそれで行きます」
「こういうのって……きちんと解くものじゃ……」
「どうせこの部屋もたくさんある異空間の一つに過ぎません。ダンジョンならルールに書かれてない事は何をやってもいいんです。書かない方が悪い」
最近の情報魔法を絡めた問題は、無駄に手筋に時間がかかる。答えはあっという間に出るのに効率化がされていない。よって壊した方が早い。メドロはスシヌ以外は冷静に最適解を導ける人間だ。人の上に立つだけの資質が垣間見える。
二人はそのまま大して時間を使わず試練を突破した。これで所持アイテムは二つ。
一階下のフロアに降り、数学の鍵が必要と言われた鉄扉は同じようにバーバラが破壊した。メドロは効率という大義名分の下に卒業試験の存在意義そのものを壊していく。無残に破壊された施設を何とも思わず、ショートカットが出来る事に満足して上機嫌に笑みを浮かべている。
「凄いですね! バーバラさんはゼスの魔法鍵よりよっぽどマスターキーになってますよ!」
「頭良い人って……こんなんなの……? それともどこか壊れてるの……?」
「これまででペッパーの予想タイムより3分早い。スシヌさんなら10分ぐらいは差がつくでしょう。このリードを守り切って勝ち切りましょう!」
いや、やっぱり目の色は正気ではなかった。あれは全てに形振り構っていない目だ。一位を取ったら後の言い訳はどうでもいいと考えている。
よくよく周囲を見ていれば、魔物に全く容赦がない。溶解している。凍って割れている。女の子モンスターも含めて前に立つものは素早く皆殺し。そしてもう口に竜角惨を流し込んだ。買い込んだアイテムに任せて、魔力を出し惜しみする気が皆無なのだ。オーバーキルな猛火と極寒を振りまいていく。
「……魔力、大丈夫?」
「ご心配なく。ちゃんと幼迷腫まで確保していますから」
試験終了後の事を考える気はないらしい。その道具は確かに全快はするが3日間は動けなくなるアイテムだ。ハピネス製薬が即開発中止を決めた失敗作まで抑えているあたり、いったいどれだけ前からこの日の為に準備してきたのか。
その後もバーバラ達は前にいた魔物達を皆殺しにしつつ障壁を破壊して3つ目のアイテムを獲得した。まったくもって順調である。だが、好事魔多しとはよく言ったもので、メドロ達に予期せぬ事態が起こった。
スシヌはアイテムを一つしか集めなかった。評価に関わるが、それよりも早く行く事でこの迷宮の初踏破による大ボーナスを狙っていた。この試練迷宮ではなく、全体の迷宮における評価値の高さを狙った戦略。優秀なメドロ達を上回るには、それしかないと考えたのだ。
しかしスシヌは試練迷宮クリア直前に道を間違えた。角を何度も曲がり、その先にあったのは……
あ な た の 後 ろ に 殺 人 鬼
と書かれた黒板だった。血の色で書かれており、いかにもおどろおどろしい。そしてその視線をトリガーに呼び出される醜悪なモンスター達。よくあるホラー系トラップだが、スシヌの精神面という弱点を的確に突いていた。
「ギギギッ……キシャアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「きゃああああああああああああああ!!!!! 白色破壊光線ーーーーーーーーーーー!」
「ス、スシヌ様ーーーーーーーーーーー! それはマズいだすよーーーー!」
あっさりとスシヌは理性を手放して、可能な限り強力な魔法を魔物に叩きこんだ。
ゼス最強の魔法使い、lv300のスシヌによる詠唱破棄の必殺魔法が魔物を襲った。魔物は消し飛んだが、それだけで済むはずがない。そのまま白色破壊光線はありとあらゆるものを破壊し、貫通してスシヌの試験範囲外まで迷宮世界を壊していく。
「ど、どうしよう……今のが人に当たったら……」
破壊の跡は完全に抉られて何も残らない。何が間に入ろうと消し飛ばすだろう。それでも、もう自分には何も出来ない。スシヌは茫然とした。
どこかで、振動があった気がした。
「……ん?」
ペッパーは音のした方を振り向いたが何もない。どこか迷宮の端が抉られたのかもしれない。
「……まあいい。さて、ゴールだ」
3つのアイテムを持って、その迷宮の地点に踏み込むとカラフルな紙吹雪が吹き荒れる。ファンファーレが鳴り響き、達成者であるペッパーを祝福した。
『ただいま、最初に到達したパーティが出ました。史上最速記録更新です。リンゴも全部所持、150点満点になります』
「ふはははははははは! そうだろうなあ!」
ペッパーはメドロの予想を遥かに裏切って既に到着していた。メドロが準備していたように、ペッパーもこの試練に対する対策を怠らなかった。
彼がやったのは王道の正道だ。全ての仕掛けを望み通りに作動させて突破した。メドロとの数ある競争の中で、情報魔法の制御や身体能力において自分の方が優れている事を考慮して、ただ早く動く事でメドロの裏技を真正面から超えてしまった。
もう一つは戦闘数に尽きる。優れた身体能力と迷いのないマップ把握。魔物にその身体を届かせる事なく一切の戦闘を回避して振り切った。非常に俊敏で、全ての状況を素早く理解する知能があるペッパーだからこそ可能な離れ業だった。
「アイテムを取るのに戦う必要などない。その間に一歩でも稼げば良いのだ。……まぁ、3年後にはこの手法だけでは駄目だろうがな」
きっとメドロは追いついて来る。今はまだ身体能力の有利だけで押し切れているだけに過ぎない。ペッパーのメドロに対する期待値は高い。生涯を通して良きライバルになると思う程度には。
『この先もありますが非常に危険な領域となります。より高評価を望みますか?』
「愚問だな。己は主席で卒業する。連れていけ」
ここまではペッパーにとっては散歩のようなものだ。自分のやりたい事をやっているだけで競争に勝つ事はわかっていた。前衛寄りの反応速度を持っているのだから当たり前の話だ。
だが、ここからは戦闘を避けるのも難易度が上がり、二人一組で殲滅力が高い魔法を詠唱しやすいスシヌ達の方が有利だろう。今までにどれだけリードを稼げるかが鍵だった。
光がペッパーの身を包む。ここから先は突破する事が前提ではなく、気を抜けば命を落とす戦場になる。それでもペッパーに気負いはない。不適に笑って、後に続く二人へのエールを呟いた。
「早く来いよ、二人とも。でないと己がすぐに終わらせてしまうぞ」
友は得難いが、好敵手はもっと得難い。ペッパーは学園生活を誰よりも楽しんでいた。
物凄い振動が迷宮を揺るがし、立っていられなくなった。
「…………ッ伏せてください!!」
「う、うひゃあああああ!?」
次の瞬間、バーバラ達の目の前に白い光が飛び込んできた。世界そのものを削り取るような轟音がその後に続く。
「ひ、ひぃぃぃぃ!? 何なのこれー!?」
「誰かの魔法攻撃です!」
スシヌの白色破壊光線だ。バーバラ達のいる迷宮は不幸にも、世界を切り裂かれるようにスシヌの魔法の直撃を受けていた。
貫通性を高く設定した破壊光線は当たりさえしなければそこまでの被害を与えない。そのままバーバラ達のいる試練迷宮世界を真っ二つに引き裂いて通過していった。
「…………行きましたね。今のが当たったら即死でした」
「そ、それもそうだけど当たったところ……どうなってるの!?」
「今踏み込んだら場所不明のところに飛ばされます。退がるしかないか……」
目の前にある抉り取られた迷宮は元の形を留めていない。異界のゲートのように、不規則な元の世界と、そうでない狭間の世界が入り混じり、入ったらどうなるかわからない異空間になっている。
「で、でも……出口は目の前なんでしょ!? こんな書き置きもあるのに!」
バーバラは自分達のすぐ横にある黒板を指さした。これまでにもゴールは近いとか、もう少しだとか、最後の試練だと書かれた黒板があった。そこも突破した末にある最後の黒板だ。実際、道を進んで曲がればこの試練迷宮のゴールがある。最後の黒板にはこう書かれている。
もう一息だ、諦めるな
ここで引き返したら
馬 鹿 だ ぞ
覆面校長スターマン
「……ここで突っ込む方が馬鹿ですよ。炎の矢」
メドロは黒板を焼き尽くした。彼自身、カチンと来る部分はあったための八つ当たりだ。順調に行っていて、あと少しというところで予期せぬトラブル。大きな時間の損失。
メドロは足早になって今来た道を引き返す。バーバラも慌ててメドロの後を追う。
「……で、でもゴールってここ以外に出口ってあるの!?」
「無いです! でもマップを考えたら数学の鍵がある小部屋とゴールが近いはず!後はバーバラさんの剣で無理やり突破しましょう!」
「遂に壁破壊までやらなきゃいけないかー!」
今日のエスクードソードはマスターキーで掘削機だ。勇者は土木作業員。カミーラダーク前の時には有り得ない破壊的な方法を取る羽目になっていた。
二人は急いで迷宮を戻り、戻り、戻り……バーバラが破壊した鉄扉を抜けて、スシヌの破壊光線通過後の通路にまた出会った。
「「……………………」」
さっきと同じだ。異空間と現実世界がごっちゃになっていて通行不能。二人は迷宮を真っ二つにされた末、閉じ込められていた。階段すら行けない。
「こ、これ詰んだよね。不合格しかないんじゃ……」
「……ちょっと待ってください。考えます」
メドロはマップを広げて考える。スシヌの破壊光線の被害域は甚大だ。だけどこのフロアまでしか抉れていない。危険範囲はこの階だけだ。階層の移動をすれば壁の破壊と併せて突破は可能。
(破壊した障壁地域の途中にある踊り階段。そこの壁を破壊すれば元のフロアに戻る……?)
遠い。あそこは踊り場から見ても堅いし時間がかかる。もっと考えろ。最善の方法は?
ふと思いついたのは、過去のトラップにあった傾向。近道をしようと考え過ぎた者を嵌める罠。
「あります! ついてきてください!」
メドロは引き返し、すぐ近くにある小部屋に入り込む。そこにあったのはワープポータル。どこへ繋がっているのか調べると……期待通りだ。メドロはワープポータルへ飛び込んだ。バーバラも後を追う。ワープした先には、一つの看板があった。
ス カ
はずれを引くこともある
「全然はずれじゃない!」
「当たりです。これでスタート地点まで戻りました! つまり前来た階段を降りる事が出来ます!」
一方通行のワープポータル。本来なら勇み足の学生を陥れる為の罠だが、迷宮が壊れた今となっては救いの手段になる。
いくつかの小部屋を抜けてそのまま進むと、破壊した障壁が見えてきた。
バーバラ達が最初に壊した場所だ。その先にある赤の扉が見えたところで、バーバラも今までの意味を理解した。
「なるほどー! ほんっと頭いい! 私とっとと壊しに行ってくるからマップ頂戴!」
「これでお願いします。恐らくはこの壁と地続きになって薄い壁で破壊可能になってます!」
バーバラはマップを受け取ると勇者として本気の力を行使した。メドロも急いでいるが比べ物にならない。疾風のように三つの小部屋、階段を駆け下りていく。そのまま一目散に数学の鍵がある袋小路に入り込んだ。
学生諸君より注意。トラップ配置ありますと書いてある黒板を見向きもせずに。
「よーし、ぶっ壊すわよ! きゃんっ……ふべっ、あがががが…………」
バーバラは最短距離で壁を壊そうとして踏み込み、物凄い勢いで電撃罠に引っかかった。痺れとショックでまともに剣を振れない状態になり、壁に頭から激突して電撃罠を喰らい続ける。
「あががが……な、なにこれぇ…………」
バーバラはメドロが到着するまで、電撃罠を存分に堪能する事となった。
ゼス三英傑は誰もが苦戦する事はなかった。が、新勇者バーバラにとっては違った。
この後二人はバーバラの回復を待ってから壁を破壊し、無事踏破認定を受けて高難易度の迷宮へと踏み入れる。メドロ達は当初の予定より大幅に遅れ、第二試験会場そのものの突破順番は11番目になってしまった。
誤算はあったが大きな変わりはない。これまでのものは所詮前座に過ぎない。
この先は乗り越える為に用意された卒業試験ではない。二人では本来踏破不可能な地域。
この迷宮本来の魔物と危険が彼等を待ち受けていた。
魔法に関しての戦闘描写について。
使う側は操作性が高く自由度も高くなんでもあり、特に高技能持ちほど。
食らう側は必中のせいで理不尽。でもインフレすればかなり躱す手段も出てくる。
ルド世界の戦闘自由度は下は厳しいが上は物理法則無視できるためゆるゆる。熟知して全シリーズ良いとこどりで使いこなせば自由に華のある戦闘を書ける。
まぁ自分は肝心の腕の方がないんですがね。精進精進。
詠唱破棄
魔法lv3のチート共が仕えるだろうスキル。レッドアイ、アニス、スシヌは確実に使用可能。基礎魔法に至ってはスキル名すら破棄している感がある。使用例をいくつか挙げてみる。
アニス(錯乱)「敵は死ね!メタルライン!白色破壊光線に黄色破壊光線!」→どう考えても詠唱してない。そして本能で無詠唱バリアを生成。
スシヌ「こここ、来ないでええええ!」→対軍クラスの防壁速攻生成。
魔法使用には詠唱が必要?それはデタラメ共以外の話なのだ……
ただ、ホントにそんなの十全に乱発したらスケールの街一つなんてあっという間に消し飛ぶので、多分威力やらもろもろ殺されてるはずと独自解釈。
高速詠唱
魔法lv2の天才共が所持しているスキル。
志津香の局地地震が溜め無しになったり、黒色白色を速攻ぶっ放せるようなもの。
ただし前者はゼス崩壊を通した習熟の結果という可能性も。シィルも溜め2Fレーザーが改善して志津香マジックに並ぶため、習熟度による改善もある気がする。
つまるところ解釈としては
技能lv2はこれ難しくね? が天才だから行けるでゴリ押せる。
技能lv3は無理だろこれというものもデタラメだから行けるでゴリ押せる。うーん便利。