「うー、ひっく……」
アルザーノ帝国魔術学院の講師、グレン=レーダスはある邸宅の一室でグラス片手に酔っぱらっていた。
顔を赤らめ、だらしなく弛緩するその表情を見れば、先日の雄姿が嘘のようだと誰もが思うだろう。
つい先日、ジャティス=ロウファンによるルミア誘拐に端を発した『メギドの火』に関わる一連の騒動で、グレンはシスティーナを始めとした魔術学院の生徒や教師陣、かつて所属していた特務分室の者達の協力によって魔人アセロ=イエロを撃破し、『炎の船』を消し去った。
フェジテ消滅の危機を救った彼は正しく英雄と呼ばれるに相応しい偉業を成したと言えるが、偉業を成したからと言って普段の生活がそれに相応しいものであるかどうかはまた別の話だ。
そんな彼が現在いる場所は、今まで住んでいたセリカの邸宅ではない……一連の騒動でセリカの家は文字通り消し飛んでしまった為、新しい住居を用意するまでの間、セリカの家に居候していたグレンは文字通り家なしとなった。
セリカのあの一件から独自に動いているらしく、連絡もまともに取れない日々が続いている。
そんなワケで家がなく途方に暮れていたグレンだったが、救いの手は意外な所から現れた。グレンの生徒、システィーナ=フィーベルがグレンの現状を知り、手を差し伸べたのだ。
システィーナ……グレンに『白猫』と呼ばれる彼女は、色々と理由を付けて暫くの間グレンを自分の家に滞在させると申し出た。
無論女生徒の家に泊まり込む事にグレンは難色を示したが、システィーナの真摯な……ともすれば必死な説得に折れ、なし崩し的にフィーベル邸に厄介になる事になったのだった。
とうのフィーベル家の邸宅もジャティスの襲撃により色々破損していたが、アルフォネア邸のように消し飛んだワケではない為、既に修繕済みであり、暮らすには全く問題ない。
こうして、フィーベル邸にルミア、リィエルに続く三人目の居候が住み込む事になった。
この事は当然同居人のルミアやリィエルも了解しており、グレンに好意を抱く彼女達からしてみればむしろ望むところであった。
素直になれないシスティーナだけはあれこれと理屈をこねていたが、その本心は付き合いの長いルミアには筒抜けであった。
グレンからしてみれば家なしになって焦った所に降りて来た救いの手であり、この時ばかりはシスティーナが天使に見えた。
生活力皆無のグレンにとって、三食食事付きで生活出来るだけで非常にありがたい環境と言えた。
そこに美少女3人との同居もセットで付いて来る為むしろ楽園と言っても過言ではないが、グレンは普段から絶世の美貌を持つセリカを見慣れている為、表向き騒ぐ事はなかった……あくまで表向きは、であるが。
特務分室時代からの付き合いの所為か、リィエルは容姿はともかく素行が幼く『女性』というより『手のかかる妹』のような認識であり、幸い一緒に生活したところで意識する事はあまりなかった。
故にリィエルだけなら問題ないと言えるのだが……他の二人の女生徒の存在が、予想以上にグレンの頭を悩ませていた。
ルミアはその圧倒的なプロポーションもさることながら、性格も控えめで非の打ちどころのない美少女であり、しかもグレンに好意的で全幅の信頼を置いている。
学園で接する分には『教師と生徒』という立場があり問題なかったが、一緒に生活する以上普段以上に無防備な姿を目にする機会が多くなり……結果として、グレンの理性をガリガリ削る結果となっていた。
今は女王陛下にルミアの事を頼まれている事に対する責任感と、『ルミアは守るべき生徒』という自己暗示でなんとか理性を保っている有様である。
もっとも、当の女王陛下……ルミアの本当の母親であるアリシア七世はルミアがグレンへ向ける感情にはとうに気付いており、二人が結ばれた時には全力で応援する心づもりなのだが……その事はグレンは当然、ルミアすら気付いていなかった。
だが、それ以上に問題なのがシスティーナだった。スタイルはルミアと比べて控えめであり、性格も意地っ張りな直情傾向でありながら色々とひねくれているのだが……彼女はかつてのグレンの同僚であり、好意を抱いていた女性……セラ=シルヴァースと似過ぎているのだ。
無論、表面上の性格は異なる。だが、その根本にある性根や時折垣間見せる包容力が強烈にセラの姿をダブらせるのだ。
グレンとしてはシスティーナにセラの事を重ねるのは失礼だと重々承知しており、システィーナを呼ぶ時『白猫』と呼ぶのは、かつて『白犬』と呼んでいたセラと明確に区別する為でもあるのだが……似たような呼称を付けている段階で、どうしても二人を重ねて見ている部分があるのは否定出来ない事実だった。
そんなシスティーナと一緒に生活していると、まるでセラが今も生きているかのような錯覚に陥り、その都度グレンは酒に逃げていた。
自分でも情けないと思うが、グレンにとってセラの存在はあまりにも大き過ぎた……愛した女性を目の前で失った悪夢の記憶は、今も確実にグレンを苛んでいるのだ。
(チッ、散々『あいつとセラは違う』と言っておいてこれかよ……ったく、女々しいにも程がある)
グレンは苛立ち紛れにグラスの酒を喉に流し込み、舌打ちする。プライベートでも毎日システィーナと顔を会わせている為、ふとした事でシスティーナにセラの面影を重ねてしまい、その都度自己嫌悪に襲われ酒に逃げる……今のグレンはそんな、一種の悪循環に陥っていた。
──彼女なんて、所詮、君にとっては、セラの代替物だろう? ──
(……っ! 黙れ黙れ黙れ……っ! 白猫は、あいつとは別人だ……っ! なのに、俺は……っ!)
先の一件の最中、ジャティスに言われた言葉が脳裏に蘇る。あの時は激昂し即座に否定したが、今の状況を思えば彼女をセラの代わりとして見ている事を完全に否定しきれる要素は微塵もなかった。
以前、アルベルトにもシスティーナとセラを重ねているのではないかと指摘されたが、他者にそう言われてもおかしくない程、自分はシスティーナの中にセラの姿を垣間見ようとしているのだ。
「先生、入りますよ」
不意に部屋の扉が開き、寝間着姿のシスティーナが姿を現したのはそんな時だった。
部屋に入って来たシスティーナは何かを言いかけた様子だったが酒の入ったグラスを持つグレンを見るとため息を吐き、苦笑を浮かべた。
「まったく、また飲んでいたんですね……色々大変なのは分かりますけどお酒の飲み過ぎは体に良くないですよ。遠慮しろとは言いませんから、少しは気を付けて下さい」
以前ならば酒を飲んでいるグレンを問答無用に罵倒し説教に繋げていたであろう場面だが、なんだかんだで先の一件以降、システィーナのグレンに対する態度が若干柔らかくなっていた。
学院ではそうでもないが、こういった日常生活の中ではグレンがだらしない姿を見せても、苦笑しながらやんわり注意するに留まっていたのだ。
皮肉な事にその態度の変化も、グレンがシスティーナにセラを重ねて見てしまっている一因ともなっていた。
『グレンくん……』
──不意に、幻聴が聞こえる。システィーナの穏やかな笑みに触発されたのか、一瞬彼女の双眸にセラの顔が重なって見える。
酔いが見せる、幻覚だろうが……今のグレンには目の前にいるのがシスティーナなのかセラなのか、わからなくなっていた。グレンの脳裏から現実感が消え、現実と空想の区分が曖昧になっていく。
「……その様子だと休んだ方がいいでしょうし、今日は失礼します。おやすみなさい、先生」
そんなグレンの様子には気付かず、システィーナはそう告げると背を向け部屋から出て行こうとする。
……その姿があの日のセラと重なり、得体のしれない焦燥感がグレンの心を支配する……気づけばグレンは乱暴に立ち上がり、システィーナを背後から抱きすくめていた。
「せん、せい……?」
「……行くな、行かないでくれ、セラ……」
突然の行動にシスティーナが混乱する中、グレンの懇願するような呟きが耳に入り、システィーナはようやくグレンの異変に気が付いた。
グレンの身体は小刻みに震えており、その声も親を求める幼子のように頼りなさげだ。
そして、その口から出た『セラ』という名前……それは、以前グレンから聞かされた『自分と似ている』という……グレンが愛していた、既に故人である女性の名前だった。
(……そっか、先生は、私にその人を重ねて……)
全てを理解したシスティーナは胸の奥にチクりとした痛みを感じつつも、自分を抱き締めるグレンに対して強烈な庇護欲求が沸き上がるのを感じた。
この人を放っておけない、そんな庇護欲にも似た気持ちが心の奥底から湧いて来る。
そんなシスティーナの脳裏に、先日の……アセロ=イエロとの決戦の為、『イヴ=カイズルの玉薬』を一人で調合していた時のグレンの姿が浮かび上がる。
在りもしない幻影に怯え、錯乱したように叫ぶその姿……それを見て、胸が締め付けられるような痛みを覚えた事を思い出した。
あの時、泣き叫ぶ程のトラウマと向き合いながらも必死に自分達を救う為に奮闘するその姿を見て、力になりたい、とシスティーナは心から望んだ。
結局、あの時は自分が調合に立ち会う事でなんとかグレンは心の平静を取り戻し、『イヴ=カイズルの玉薬』の調合に成功した。
その事自体は嬉しかったが、グレンが落ち着く事が出来たのは……自分の中に、そのセラという女性の面影を見た為だという事もなんとなく分かっていた。
正直、悔しかった。自分がグレンの助けになれたのは、たまたまそのセラという女性と自分が似ていた為だった。
なら、今度はちゃんと自分自身を、システィーナ=フィーベルという一人の人間として見て貰い、その上で力になりたい……その想いが、今まで素直になれなかった自分との決別を決意させた。
「……先生……」
「……っ! す、すまん、白猫……!」
システィーナの『先生』という言葉に、グレンは我を取り戻した。そして背後からシスティーナを抱き締めている現状を認識し、慌てて離れようとするが……今度はそんなグレンの手をシスティーナが掴み、正面から抱き締めた。
「お、おい、白猫……」
「いいんです、先生……家にいる間、あまり私と目を合わせてくれなかったのは……セラという方と重ねてしまうから、なんですよね」
「……っ!」
システィーナのその言葉に、グレンは冷や水を浴びせられたような感覚に陥った。
酔いは急激に冷めていき、圧倒的な自責の念が胸中に渦巻き始める……だが、そんなグレンの心境を察したのか、システィーナがグレンを抱き締める力を強めた。
「私とその人を重ねてしまう事に関して、全く思うところがないワケじゃないです……けど、どんな形であれ先生の負担が軽くなるのなら……私、なんでもやります。私がその人になる事はできないけれど、先生のしたい事なら私、なんでもさせてあげますから……」
「そ、そんな事出来るかよ……っ! 大体、こんな俺にお前に優しくして貰う資格なんかねぇんだ! 口ではお前とセラは違うと言いながら、お前とセラを重ねて心の中でお前にセラの
もう此処にいるべきじゃない、そう続けようとしたグレンの唇が……システィーナの唇で、塞がれた。
茫然とするグレンを尻目に、そっと唇を離したシスティーナが顔を赤らめながら口を開く。
「……だから、それでも構わないって言ってるんです。どうしても私とその人を重ねちゃうなら、私の事をもっと知って貰って、身体で覚えて貰います……キスは、その人とはしてなかったんですよね」
「お、まえ……」
赤らんだ顔で告げるシスティーナの言葉に、グレンの理性が悲鳴をあげた。
頭の中は再び酔いが回ったかのようにおぼつかなくなり、抱き締めているシスティーナの柔らかな感触に動悸が早まっていく。
彼女の唇の感触が脳裏に蘇り、目の前の少女への認識が徐々に書き換わっていくのを感じ取る。
「好きです、先生。教師としてだけではなく、一人の男性として……愛しています。もう私は、私の気持ちを誤魔化したりはしません」
……システィーナの言葉に、グレンは口付けで応じた。システィーナは腕に更に力を籠め、グレンに身を委ねた。
グレンの舌がシスティーナの唇を割り開き、舌と舌が絡まり合う……二人が唇を離すと、その間には唾液の橋がかかっていた。
「……いいのか?」
「はい、私の全部……先生にあげます」
システィーナは微笑みつつそう告げると、シュルリシュルリと衣服を脱いでいき……やがて、一糸纏わぬ姿となった。
真っ白なその裸身はまるで妖精のようで、グレンはごくりと生唾を飲み込んだ。
胸はお世辞にも巨乳とは言えないが、少女らしいなだらかな線を描いており、未成熟で危うげな色香を感じさせる。
手足はスラリと細く、シミ一つない肌を惜しげもなく晒している。無駄な贅肉のない、一個の芸術品のような肢体がそこにはあった。
「えっと、こうすればいいんですよね……」
システィーナはその場に膝を突くとグレンのズボンをずり下げ、服の中で勃起していた陰茎を露出させた。
そしてグレンの腰に手を当てると、躊躇いつつもそのペニスを口いっぱいに頬張った。
「うぉ……っ!?」
「んむ、あむ、んちゅ……」
グレンのペニスを口内に収めたシスティーナは拙い舌遣いでチロチロとペニスを刺激し、その度にグレンの背筋に言いようのない快感が沸き上がり、腰がびくびくと震える。
「うぁ……」
「あむ、んむ、ちゅぅぅ……」
そんなグレンの反応を気を良くしたのか、システィーナは髪をかき上げながら一心不乱にペニスをしゃぶり始めた。
端正な美貌を持つ少女の口を己の欲望で穢しているその光景は、予想以上にグレンの理性を溶かし……気付けば、システィーナの頭を掴んで喉奥で精液を吐き出していた。
「んむ……っ! むぅぅ……っ!」
「う、お……っ! ぐ……っ!」
びゅるるるるるるるる! と凄まじい勢いでペニスから精液が放たれ、瞬く間にシスティーナの口内を埋め尽くしていく。
システィーナは突然の射精に驚きながらも抵抗する事なくそれを受け入れ、こくり、こくりと精液を喉に流し込んでいく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「ぷは……っ! うぅ、苦い……けど……先生のだったら……」
ようやく射精が終わり、グレンが頭を掴んでいた手を離すとシスティーナはペニスから唇を離し口元から垂れ落ちる精液を腕で拭った。
拭いきれなかった精液がシスティーナの胸元を汚し、少女を己の精で汚したという実感が背徳的な興奮を抱かせる。グレンのペニスは、一度射精したにも関わらず未だ衰えてはいなかった。
「まだ、硬いですね……なら……」
そんなグレンの様子を見たシスティーナはそのままベットに腰を下ろし、おずおずと股を開く。
ぴたりと閉じた秘所からは愛液が滴っており、グレンはその光景から目が離せない。
「……私の処女、貰って下さい。先生」
「白猫……っ!」
グレンの理性の糸がぷつりと切れ、グレンはそのままシスティーナの上に覆い被さるように彼女を押し倒した。
そして煩わし気に服を脱ぎ捨てるとペニスをシスティーナの秘所に宛がい、一気に突き入れた。
「んっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!」
「く、うぉ……っ!」
ぶちり、という音と共にシスティーナの処女膜が破れ、シーツに血が滴り落ちる。
グレンのペニスは根元までシスティーナの膣内に埋まっており、腰も隙間なく密着している。
処女を失ったばかりの初々しい少女の胎内は侵入してきた陰茎をきゅうきゅうと締め付け、グレンは快楽に呻き、衝動のまま抽挿を開始した。
「うぁ、うぅ、あぁ……っ!」
「うぉ、お、おぉぉぉ……っ!」
処女の切ない締め付けに耐え切れず、グレンは激しく腰を打ち付ける。パンパンパンパンッと肉を打つ音が響き渡り、その度に血と愛液が結合部から飛び散り、シーツを体液で汚していく。
「く……っ! もう、出そうだ……っ!」
「だ、出して下さい、先生……っ! 全部、私の中で……っ!」
初めての女体の快感に呆気なく限界が訪れ、グレンは外へ出そうと腰を引くが、腰にシスティーナの白い足が絡まりそれを押し留めた。
両腕をグレンの背中に回し、種付けをねだる少女の姿になけなしの自制心を吹き飛ばされ、全身を密着したまま精を解き放つ為、激しく腰を打ち付ける。
「いいんだな……っ! 出すぞ、白猫……! システィーナ……っ!」
「はい、下さい、先生……っ!」
グレンはシスティーナの背中に手を回し、逃がさないよう抑えつけるとぱぁんっ、と鋭く腰を打ち込み、腰と腰を隙間なく密着させた……そして、膣奥に亀頭を押し付けたまま腰を震わせ、射精を開始した。
「う、おぉぉぉ……っ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁ……っ! でて、る……先生のが、出てます……っ!」
亀頭がぷくりと膨れ上がり、びゅるるるるるるるる! と堰を切ったかのような激しい勢いで精液がシスティーナの胎内に放たれた。
それはすぐさまシスティーナの膣内を白く染め上げ、システィーナはその熱さを感じて身悶える。
「うぉ、まだ、出る……!」
「あぁ……先生の、いっぱい……」
グレンがぶるぶると腰を震わせる度、びゅくり、びゅくりと新たな精液がシスティーナの胎内に注ぎ込まれる。
白濁液がシスティーナの膣奥を叩く度、グレンの身体の下でシスティーナの身体がびくり、びくりと震え、愛しい雄の体液を受け入れていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」
やがて射精が終わり、グレンはシスティーナの身体の上に倒れ込む。結合部から収まりきらなかった精液が流れ落ち、シーツをぐしゃぐしゃに汚している。
グレンはシスティーナの身体の柔らかさを堪能しながら、ため息を吐いた。
「悪ぃ、白猫……中に出しちまって……」
「いいんですよ、私が望んだ事ですし。それに、今日は大丈夫な日の筈ですから」
システィーナはにこりと笑い、グレンの背に回した腕に力を込めた。こうして彼女と抱き合っていると、日頃の鬱憤が全て晴れたかのような安心感を覚える。
自身の生徒に手を出してしまったバツの悪さを感じながらも、グレンはこれまで以上にシスティーナが愛しく感じる自分に気が付いた。
『──もう、大丈夫だね』
ふと、グレンの耳にそんな幻聴が聞こえた気がした。改めてシスティーナを見据えても、もうその顔にセラの姿が重なる事はない。
身体を重ね愛し合った事で、ようやくグレンは己の中のセラの幻影とシスティーナとの間に区切りを付けたのかもしれない。
完全に吹っ切れたワケではないが、それでもこれからはきちんとシスティーナ自身を見る事が出来る。根拠はないが、そんな予感がした。
「先生の、まだ硬いですね……続き、します……?」
「馬鹿野郎、まだ痛ぇんだろ。無理すんな」
「あはは、バレちゃったみたいですね。すみません、じゃあ……もう少しこのままで、いて下さい。痛みが治まるまで、抱き締めて下さい」
システィーナの言葉通り、グレンは少女の華奢な体を抱き締めた。安堵するようにシスティーナは目を閉じ、グレンに身体を預けた。
「……ん……もう、いいですよ。先生、続き……していいですよ」
「そっか……じゃあ、お言葉に甘えさせて貰うぜ」
「きゃ……っ!」
グレンはシスティーナを抱き起し、対面座位の体勢になりより深くにペニスが突き刺さった声でシスティーナは切なげな声を漏らし、その声に触発されたグレンはシスティーナの腰を掴んでその身体を揺さぶり始めた。
「あぅぅぅ、あぁ、うぅぅぅ……っ! さっきより、ふか、い……っ!」
「くっ、おぉぉ……っ!」
正面から抱き合いながら、グレンはシスティーナの腰を上下に揺さぶり腰を突き上げていく。
腰を突き上げる度に密着したシスティーナの乳房がグレンの胸板に擦り付けられ、その柔らかな感触がグレンの興奮を後押しした。
「く、白猫……っ!」
「さ、さっきみたいに、名前で、呼んで下さい……っ! お願い……っ!」
「ああ、システィーナ……っ! 幾らだって、呼んでやる……っ!」
グレンはシスティーナの懇願に応じ、名前を呼びながら腰の動きを加速させていく。
システィーナは自分の全てをグレンに委ね、愛しい男の律動をあるがままに受け入れていく。
「システィーナ、システィーナ……っ!」
「先生、先生、グレン、先生……っ!」
互いの名を呼び合いながら、二人は絶頂へ向けて高まっていく。グレンは最後に思い切り腰を突き上げるとシスティーナの尻に指を食い込ませ、全身で彼女に密着しながらガクガクと腰を震わせ、溜まりに溜まった欲望を解放した。
「お、おぉぉぉぉぉぉぉ……っ!」
「きゃぅぅぅ……っ! 先生の、熱いの、いっぱい……っ!」
……外に出す事など、考えもしなかった。グレンはシスティーナの子宮口に亀頭を押し付けたまま、びゅくりびゅくりと夥しい量の精液を流し込んでいる。
無意識のうちに腰をぐいぐいと押し付けながら、腕の中の少女に己の種を注ぎ込む。グレンは忘我の心地で射精を続け、そんなグレンの射精を受け止めた少女は身体をびくびくと痙攣させ絶頂へと至っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ! 悪い、また中で出しちまって……」
「……構いませんよ。今日は、大丈夫な日ですし……でも、
「……はは、頼む。俺も、自分を抑え切れる自信がねぇ」
確かに、セックスの最中は理性が殆ど飛んでおり、システィーナに思い切り中出しした事も後になってから気付いたのだ。
安全日と言うのであれば今日の所は大丈夫だろうが、今後も関係を続けていくのであれば避妊の手段は必須だろう。
「分かりました。それで、その……先生、まだ満足してないですよね?」
「う……」
システィーナの言う通り、彼女の中に挿入したままのグレンのペニスは未だにその硬度を保っていた。グレンはバツが悪そうに頭をかくが、そんなグレンを見てシスティーナはくすりと笑みを浮かべた。
「ふふ、大丈夫ですよ。言いましたよね? 私の全部は先生のものだって。だから、何度だって付き合ってあげます。先生の望みなら、私……何でもさせてあげますから」
システィーナはそう言ってくすりと笑い、その顔にセラの顔を重ね……はしなかった。しかし強烈な懐かしさが湧いて来るあたり、完全に吹っ切れたワケではないらしい。
それはそうだろう。グレンの中で、セラの存在は大き過ぎる……口では吹っ切れたと言っても、そう簡単に割り切れるようなら苦労はしない。
なんだかんだで、システィーナはセラを彷彿とさせる要素が多過ぎるのだ。
システィーナの眩しい程の善性や、時折見せるこちらの全てを包み込むような包容力はセラそっくりと言えた。
そして、システィーナはグレンが自分にセラを重ねる事を、拒否しなかった。
彼女もまた、分かっているのだろう……グレンの中からセラの影を完全に消す事は出来ず、またそんな事はするべきではないという事も。
だからこそ、システィーナはグレンを全肯定する言葉をかけたのだ。グレンがまだ迷っている事を承知の上で、自分の存在が少しでも慰めになると信じて。
(全く、敵わねえな……)
グレンはそんなシスティーナの配慮に心から感謝し、苦笑した。彼女は自分の事を無茶ばかりと言うが、彼女のそれも大概だった。
「……そう、か。じゃあ、頼む。正直、初めてって事もあって加減が効かねぇんだ」
「あ、じゃあ先生は私とするまで童貞だったんですね。嬉しいです……じゃあ初めて同士、加減なしでいきましょう」
「言ってろ。途中で止めろっつっても止めねぇからな」
そしてグレンとシスティーナは唇を重ね、再び情事を再開した。その夜、その部屋からはシスティーナの嬌声が絶え間なく響く事になったのだった。
というわけでシスティーナ編です。
システィーナはなんというか、時折見せる母性というか包容力がいいですよね。10巻でグレンの調合に付き合った時のシーンとか大好きです。なんだかんだヒロイン力高いですよね彼女。
さて、次はルミアとなります。お楽しみに。