この話を読む前に重雷装巡洋艦チ級の画像検索しておいた方がイメージつきやすいかもです。
もう誰も居なくなった鎮守府。
蔦が生い茂り、赤煉瓦の壁が所々崩れ掛かっていて、建物も鉄筋コンクリートが剥き出しになっている。
それはその役目を終え、静かに佇んでいた。
そんな鎮守府の執務室で見つかったのが一冊のノート。床には乱雑に書類が散らかっていたが、そのノートだけは丁寧に机の上に置かれていた。そしてそのノートの表紙には何か書かれているようなのだが、大分年季が入ってしまっているようで、文字がかすれてしまっていた。
だが表紙の文字が判読不能なのに対して、その中身はどうやらまだ読めるらしい。
そこに記述されていたのは…。
―――私が奴と最初に出会ったのは、この鎮守府がとある海域を制圧した時のことだ。出撃した艦隊メンバーからとある報告を受けている。
…歪な形をした砲門を携え、ゆっくりと海上を進む深海棲艦らしき物体を発見。砲身は二つ確認出来るが、左右でその大きさに違いが見られ、片方に対してもう一方はかなり肥大化しており、まるで深海棲艦イ級を想起させるような歪な歯を生やした特徴的な砲身であるとのことだ。そして今まで確認された深海棲艦と決定的に違うのは、それが艦娘のように人の形を成しているということだろう。白い
にわかには信じられない報告だったが、私はすぐその存在を認めざる得ないことになった。
突然、ソイツはこの鎮守府の近海へと攻め込んで来たのだ、しかも単機で。もちろんすぐに迎撃部隊を展開させ対処したのだが…。
一騎当千とはこのことを言うのだろうか…。
ソイツは単体にも関わらず、圧倒的な火力で迎撃部隊を打ち負かすと、それを皮切りにあれよあれよと鎮守府まで迫ってきた。そして鎮守府の全戦力を投入して、ようやくその侵攻を食い止めることに成功したのだが、ソイツが放った魚雷は、鎮守府の機能を一時的にではあるがダウンさせたのだ。
幸い轟沈する者は皆無だったが、たった一機の深海棲艦にここまで手酷くやられたのは、この鎮守府で後にも先にもこれっきりだろう。
そして驚くことに…私たちはその深海棲艦を鹵獲することに成功した。そして鎮守府の工廠に、その身を幽閉することになったのだが…それには大分苦労した。明石が特製の捕縛用ロープを作ってくれたことで、今は大人しくしているようだが…。
そこで私は―――今、文字を綴っているこのノートにその深海棲艦の様子を事細かに書き記すことにした。この記録が後々人類の発展に大きく貢献すること切に祈っている。今日がその記念すべき第一日目となる。そして便宜上、私はその深海棲艦を「チーちゃん」と呼称することにした。
[一日目]
…凄まじい咆哮に耳が痛くなる。相変わらずチーちゃんの瞳には、黄金色の閃光がまるで火花のように散っているが、もう攻撃をするほどの力はないようだ。
[二日目]
チーちゃんは不気味な呻き声を終始あげている。それはまるで海に還りたいと嘆いているようにも感じられるのだが、気のせいだろうか。時折、大きな方の砲身がガタガタとその歪な歯を鳴らすので恐い。
[三日目]
チーちゃんが「キュウキュウ」と可愛らしい声で鳴いている。それは今までの不気味なものとは一線を画していたのだが、思わず私はときめいてしまった。これは他の艦娘たちには絶対に内緒だ。
[四日目]
…なんと明石がものすごい発明をしてくれた。なんとその食べ物を私が食べれば、深海棲艦の言葉が分かるらしい。しかもチーちゃんと意志疎通が図れるらしいのだ。ふむ、こんにゃくのような食べ物だが…食べてみる価値はあるな。あ、ちなみにチーちゃんは最近めっきり大人しくなってしまった。
[五日目]
…素晴らしい。明石、君は天才だ。
なんと本当にチーちゃんと意志疎通が取れるとは…正直驚きを隠せないでいる。それで早速、チーちゃんに声を掛けてみたのだが、彼女からの返答は「くっ殺せ!」という訳の分からないものだった。
[六日目]
私がなんと声を掛けてみても、「くっ殺せ!」としか言わないチーちゃん。うーむ、どうしたものか…と頭を捻ったが妙案が浮かばない。とりあえず、私の大好物…瑞鳳特製卵焼きを食べさせてみた。すると一口食べたチーちゃんはそのまま黙ってしまったので、ひとまず卵焼きを置いて私はその場を後にした。あ、捕縛用のロープは一人で食事をするのには、食べにくそうだったので、外しておいた。
[七日目]
さすがに後悔した。いくらチーちゃんとは言え、捕縛用のロープを外したことは間違いだったと気付く。
チーちゃんが工廠から姿を消した。
[八日目]
なんとチーちゃんが工廠に帰って来た。
どうやら瑞鳳の元を訪れ、たくさん卵焼きを食べてきたらしい。お陰で瑞鳳とは友達になれたそうだ。チーちゃん、嬉しそうだったな。
[九日目]
チーちゃんと少しずつだが仲良くなってきたので、いろいろとお話をしている。あ、あの日以来ロープは外しっぱなしなので、チーちゃんは結構自由に鎮守府内を行き来しているらしい。最近は、食堂へ行くのが楽しみなのだとか。
[十日目]
チーちゃんのトレードマークだった白い髑髏のような仮面がなくなっていた。食事をする際に邪魔だったらしく捨てたとか。そして私は驚いた。そこには本当に美しい顔があったのだ。おそらくこの鎮守府にいる誰よりも美しい。
[十一日目]
この日から私はチーちゃんにスキンシップをよく取るようになった。チーちゃんも「…ッ!やめてよぉ!」とか「もぉ~~!怒るよ~!」と満更でもない様子だ。
反応がいちいた可愛らしい。
[十二日目]
[十三日目]
[十四日目]
[十五日目]
しばらくノートをとることを怠ってしまった。
そしてこれがおそらく最後の記述になるだろう。結論から言うと、私とチーちゃんは結婚することになった。
ムラムラを抑えられなくなった私がチーちゃんを襲ったのだ。そして最初こそ嫌がる素振りを見せていたチーちゃんだったが、次第にその美しい顔が雌の顔になっていくのは、今思い出しても興奮する。「…あんッ!大切に…してね?」と言っていたが、そんなの言われなくても分かりきったことだ。
私とチーちゃんはいつでも一緒だ。
意外と深海棲艦も可愛い?
次の内容についてアンケートを取りたいと思います。お気軽にご参加下さい。※話が出来るのはいつになるか未定です。作品が前後する場合もあります。エロか非エロになるかはこちらで決めます。思ってたのと違う…ってのはご容赦下さい。
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