非エロ。
今回のキャラ崩壊はかなりすごいかもです。
クソ内容。
短文。
「ご苦労」
手元のファイルを机の引き出しにしまい、僕は秘書艦に労いの言葉を掛ける。
本日の執務はこれで終わりだ。
おぉ、辺りも大分暗くなっているな。
「ありがとうございました、司令官。またお願いします」
「ああ、よろしく頼む」
秘書艦を見送った後、僕は自身の椅子に深く腰を掛け、一息つく。
「本日の執務も終わった。これでやっと…」
僕は机の上のパソコンを起動させる。
しばらくすると、空想上の怪物を模した画像が画面いっぱいに現れ、壮大な音楽を流し始めた。
「さぁ!ゲームの始まりだぜ!」
僕は今、『モンスター・スレイヤーズGx』というネトゲにどっぷりはまっている。
数多のモンスターをネットで知り合った仲間と一緒に討伐するというシンプルなものだが、グラフィックはとても綺麗だし、BGMは美しいものから格好良くて、迫力のあるものまで。僕は特にユニコーンホーンと戦うときのBGMが気に入っている。
そしてチャット機能がついているので、同時刻にログインしたユーザーたちとリアルタイムで会話しながら戦えるのが最高に楽しいのだ。
「さーて、今日のクエストは…。おっ!スタンマミーの討伐クエストあるじゃん!」
「よっし!これをやってやる」
《あ、コマンダーXじゃんww》
《今日もクエストか~!?!?www》
《コマンダーX、お前まだネーム変えねーの?》
僕はこの世界ではコマンダーXと名乗っている。
《フッ、貴様ら凡人とは住む世界が異なるのでな…》
………僕はこの世界では、普段の僕とは真逆の感じのキャラを演じている。まあそれがネトゲのいいところなんだけどさ。
《お、おう》
《感じわりー、氏ねww》
《コマンダーXとかクソダサイハンドルネームwww》
……とまぁ、仲良くなったユーザーに直ぐこんな感じで嫌われるので、パーティーとかギルドとかを作ったことはあまりない。
ただ僕には一人だけ仲の良いユーザーがいた。
《お、ピンクの聖騎士★Ren★さん!》
《オウフwwこれはこれはコマンダーXさん!おひさぶりーwww》
ピンクの聖騎士★Ren★さん。
僕より古参のユーザーで、僕が始めた頃いろいろ教えてくれた人だ。たまにパーティーを組んで討伐クエストとかをしたりする。
僕はRenさんと呼ぶことが多いが、Renさん的にはピンクの~っていうのをつけて欲しいらしい。タイプ面倒だからRenさんでいいと思うんだけど…。
《Renさん、スタンマミー討伐クエストやりません?》
《お!いいじゃねぇの!?アッアッアッアッア、ヤロウヤロウ♪》
《ありがとうございます》
《ノンノン!コマンダーXさん、いつも言ってるけどパーティー組んだ時はもっとフランクにいこーぞjk》
《すんません、つい…》
《あー、またでござるな!!?プンプン##》
《では、遠慮なく…》
《行くぞ、Ren》
《ほいさっさ~》
ん、ほいさっさ~?どこかで聞いたことあるようなないような…
《どったのぉぉぉぉぉぉぉ??》
《いいや、なんでもない。スタンマミーはファラミッド神殿に出現するみたいだが…》
《そんな装備で大丈夫か?って言いたいのかなー??》
《……》
《大丈夫だ!問題ないキリッ》
《フッ、では行くぞ!!》
《Sir,yes,sir!!》
Renさんはまったく掴めない人だ。キャラが統一されてるわけじゃないみたいで、口調がコロコロ変わる。
リアルは一体どんな人なんだろうか……?
《さすがに戦いが辛いな…》
《神は言っている…ここで死ぬ運命ではないと…》
《Renさんー、後ろー!!》
《ファッ!?》ドンガラガッシャーン
《大丈夫か?》
《問題ないキリッ》
《HPほとんどないじゃないか!》
《回復薬キボーン》
《ちょっと待っててくれ》
《ワッフルワッフル》
…………いや、誰だよアンタ。
このRenさんっていうのは本当によくわからない人だ。
《これで回復してくれ》
《ありがとナス♪》
《…………》
《大丈夫かね?》
《Renさんって、リアルではどんな人なの?》
《ファーーーwwwwwwwwwww》
《リアル聞いちゃう??聞いちゃいますゥゥゥ?》
《はい、Renさんってどんな人なんですか?》
《よかろう、教えてしんぜよう。…と言うとでも思ったか!?クソして寝ろっ!!》
《俺は本当にRenさんのこと知りたいんだけど…》
《デュフフwww拙者もモテモテでござるなwwwフォカヌポウ》
《Renさん……》
《………》
《分かりました。とりあえず、このクエストを終えたらお話しましょう?》
《……はい!》
《よぉーし、いくどー!》
《儂も昔は強かったんだがな~、膝に矢を受けてしまってな…》
《いやー、ありがとうございました。Renさん》
《そんでさ、拙者の何が知りたいの??》
《うーんと、全部です》
《ほぉー、これはまたwww欲張りですなwww》
《思えばRenさんにはいろいろ助けられてきました。俺、本当はリアルではこんなキャラじゃないんです》
僕はRenさんのことを知りたいあまり、ついつい本当のことを言ってしまった。
《隙あらば、自分語りですかwww》
《…と言いたいところですが、Renも実際はこんなキャラじゃありません》
《そうなんですか!?》
《むー、もし良ければオフ会しません?RenもコマンダーXさんに会ってみたいです!》
《お、オフ会ですか……》
《おや~、顔を合わせるほどの覚悟はないと……》
《なっ!?オフ会行きますよ!!》
《キタコレ!?では次の日曜日に、アオンモールの出入口で会いましょう~》
《わ、分かりました》
《参加者は誰一人来ませんでした…っていうオチはやめてくださいね?》
《僕はRenさんを裏切りませんよ》
《…と思ってた時期が僕にもありましたっと。なーんて!?》
そして、日曜日
「はぁー、いざ会うとなると緊張するな、どんな人なんだろう?」
胸の高まりが治まらない。Renさんの性別は?年齢は?仕事は何してる?もしかして学生?
なにより仲良くなれたらいいなぁ。
期待と不安に胸踊らせながらRenさんを待っていると、不意に声を掛けられた。
「…ご主人さま?」
数分後、僕はRenさんの正体を知ることとなった。