何番煎じかのお話です(焼き土下座
深夜のテンションなので更新は凄く遅いです
時系列とか細かい設定とかにわかですのですべてクラッシュしてます
あの人は突然現れた。
地底の奥底、かつては地獄だったが縮小計画で切り離された旧地獄が奥にある地霊殿。
私は積もりに積った書類を整理するため外へ出ることなく部屋に籠って書類をまとめていた時だった。
目の疲れで一度手を止めて休憩しようと席を立ち、背伸びをしながら窓を眺めると
遠くの方に何かがいた
遠くで何やら白く揺れるものが見えた。それはふわふわ‥‥いや、くねくねと風になびくように動いていた。
白い布?ペットのお空が飛んでいるのかしらと思っていたがあの子は灼熱地獄で温度管理をしている時間だ。こんなに早く帰ってくるはずがない。
それじゃあお燐が変わったペットでも見つけたのかしら‥‥いや、それにしては無機物のようにゆらゆらと揺れている。
あれは一体何かしら‥‥地上を追われた新しい妖怪か、どこかの巫女や魔法使いのように遊びに来た侵入者か
地霊殿の主であり、心を読む程度の能力を持つ妖怪『覚』である私、古明地さとりの能力なら心を読んであれの正体がわかるかもしれない。
私は試しに第三の眼を遠くに揺らめていている謎の物体へと向けた。
「――――お嬢さん、そいつで俺の正体を知っちゃぁいけませんよ」
「!?」
声は私の背後から聞こえた。驚いた私は咄嗟に遠くにある物体を見るのをやめて振り向いた。いつの間に地霊殿に入り込んできたのか、私の第三の眼をもってしても気づけなかったことが驚きでしかない。
「あー…すまない、驚かすつもりじゃなかったんだ。ただ俺の正体を知ろうとしてたから止めたんだよ」
後ろには宙に浮いて胡坐をかいている男性がいた。少しボロボロな白い羽織に白い袴を着た短い白髪の黒目の男性だ。
「貴方は一体‥‥それよりもどうしてここに?どうして私の眼で貴方の心が読めないの‥‥?」
見てからしてこの男性は妖怪だというのがわかる。だが心が読めない、第三の眼を通して脳裏に見えるのは雑音と白黒の線ばかりの風景。この男性のトラウマも、私をどう思っているかも、心の声も何もかもが見えない。この男性がどんな妖怪なのかさっぱりわからないのだ。
「待った、お前さん『覚』か。これ以上深入りしちゃあいけない」
その男性は慌てて私の手を握ってきた。その時私は一瞬ゾッとした。何せ私達『覚』は心を読むことができるせいで人間や妖怪に忌み嫌われているのだ、だから私は人の関わりを避けてこの地霊殿に籠っているのだ。
本当ならすぐにでも手を引き離して突き飛ばしてやりたかった。でも、できなかった。この人の眼は、眼差しは人や妖怪が私達を忌み嫌うような眼差しではなかったからだった。乱れた心は次第に落ち着きを取り戻した。
「――――貴方は私が怖くないのですか‥‥?」
「怖いもんか、可愛いじゃないか!寧ろ地上のあの巫女の方が怖いな。あいつ、殺す勢いで殴ってくるから」
その男性は明るく笑い飛ばした。か、可愛いって‥‥!?巫女‥‥博麗の巫女が弾幕勝負せず肉弾戦に持ち込むほどなのかしら‥‥?
でもなぜだろうか、生まれて初めて本当に心が読めない妖怪に出会えたことに安心感が湧いてきた。私達を忌み嫌うどころかこんなに接してくれる‥‥まあ侵入者だけど
「しっかし地獄の閻魔さんも変わったのかい?久しぶりにこっちに帰って来てみれば大分変わったな」
「?ここは旧地獄で、新しい地獄へと引っ越した閻魔…四季映姫さんはご健在ですが?」
「おおっ!?本当かい!地上じゃ人に迷惑掛かるからこっちに来たんだがなー‥‥」
男性はやれ困ったと頭を掻いた。話を聞けば長いこと行く当てのない旅を続けていたという、久々に帰って来てみれば周りの変化に戸惑い取りあえず地底にでも行って滞在しようと思ってここへ赴いたとのこと。
「まあしゃあない、迷惑かけちまったし俺はここをお暇しよう」
「――――待って」
あの時どうして私はこの男性を呼び止めたのか‥‥私を忌み嫌わない人に出会えたからなのだろうか、この人の正体を知りたいからなのだろうか、最初は分からなかった‥‥‥
「あの‥‥よかったら此処にいてもいいですよ?その、男手も必要な仕事もありますし‥‥そ、それに貴方のような心が読めない妖怪がいてくれた方が私には嬉しいことですし‥‥」
あまり人と接したことがないのでどう話したらいいか分からず言葉足らずになっていた。男性は少々驚き困った顔をした。や、やっぱり迷惑だったかしら‥‥
「構わないけど‥‥あまり俺に関わらない方がいい。正直に言って『知らない方がいい』、俺はあんたの思うよりも遥かに凶悪で嫌われ者の妖怪だよ?」
「そんな‥‥!あ、貴方よりもわ、私の方が嫌われ者ですし!というよりもこのまま放浪を続けるなんて見ていられません!」
男性は面食らったような顔をしたがすぐさま大きな声で笑いだした。
「はははは‼いやー、こいつは参った!分かった、可愛いお嬢さんの頼みじゃあしょうがない。お言葉に甘えて居候させてもらおう!」
「か、可愛いお嬢さんじゃありません!地霊殿の主、古明地さとりという名前がちゃんとあります!」
「悪い悪い‥‥さとりさん、改めましてよろしく」
「いや貴方の名前は?」
「俺かい?名前は―――――あー‥‥白波ななし、だっけな‥‥」
「‥‥もしかして忘れてたとかじゃないです?」
ジト目で睨む私に彼は笑って誤魔化した。
これが地霊殿に居候をした謎の妖怪、白波ななしとの出会いだった
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白波さんは本当によく働いてくれます。
ペットのお世話をはじめ、地霊殿のあらゆるところの掃除、お燐と一緒に死体や怨霊運び、お空と一緒に灼熱地獄のお手伝いしたり、神出鬼没な妹のこいしを見つけてくれたり、こいしの遊び相手になってくれたり、旧都の星熊さんやヤマメさん達とお酒の席にでたり、その他建設や修理やら力仕事と色々とやってくれます。
もちろん私の書類整理の手伝いや紅茶を用意してくれたり(味はあまり美味しくないけど)、と、時々マッサージしてくれたり(肩たたき)‥‥色々と私を助けてくれます。
白波さんは一緒に住む代わりに『俺の正体を探らないでほしい』と言ってきました。私のような『覚』をはじめ特に探知に優れている妖怪にとっては天敵なのだと。もし知ってしまったらと聞いたのですが、白波さんは只管『知らない方がいい』と言うだけ。でも白波さんの心は未だに読めないので、いや読んではいけないですね‥‥
この間、妹のこいしが「お姉ちゃんは本当に知らない方がいいかも」と青ざめて言ってきたことには驚きました。こいし‥‥一体何を見たのかしら‥‥
白波さんは自分を凶悪な嫌われ者と言っていますが、そんなことはないと私は思います。
白波さんは私に優しく接してくれます。恐れることなく嫌悪することなく親しみを込めて触れてくれます。
白波さんは私を地上へと連れていってくれました。地上へ出れば人や妖怪達が忌み嫌う眼差しで見てくると最初は怖かったのですが、そんな私に白波さんは私と連れて空高く飛んで満点に輝く綺麗な星空を見せてくれました。
地底じゃ見ることができない風景、地上にいた頃一度も見ていなかった風景。満点に輝く星空や大きく輝く月だけでなく、人のいない静かな森林や広大な草原、様々な自然を見せてくれました。
心が読めなくても、白波さんは私を恐れなかった、私を嫌わなかった、私に勇気を与えてくれた、私に見ることができなかったものをくれた
私に大切なものを取り戻してくれた
いつしか私の荒んだ第三の瞳の中に、心の中に‥‥仄かに焦がれるような感情が芽生えた。
これは
恋
なのだろうか、いやきっとそうだ‥‥
私は恋焦がれてしまったのだろう
「――――すまない、さとりさん。俺はその答えに答える事はできない」
「――――え?」
時を経て、恋焦がれた感情は燃える勢いが高まり、私は白波さんに思いを伝えた。感情を伝えた。貴方が好きだと伝えた。
でも白波さんは悲しい顔をして首を横に振った
「どうして‥‥」
「さとりさん、もうこれ以上俺に関わっちゃいけない‥‥このままだとあんたは俺の正体を知ってしまう」
「そ、そんな事ありませんよ!ほらまだ第三の眼でもまだ貴方の心は読めな「見るなっ‼‼」」
第三の眼でもう一度白波さんの心を覗こうとしたその刹那、白波さんは恐ろしい剣幕で怒鳴った。
その数秒の間、私はほんの少しだけ見えてしまった‥‥白く、白く、白く、白く、白く、白く、
ゆらゆらと、ゆらゆらと、ゆらゆらと‥‥‥‥いや、違う
くねくねと、くねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねとくねくねと
クネくねと蠢イタもの‥‥ソの正体ハ
「さとりさん‼」
「っ!?わ、私は‥‥一体‥‥」
白波さんに呼び止められて、私は正気に戻った
あれは一体何‥‥?
いやあれは
『知らない方がいい』
その意味を知った私は思わず狼狽してしまった‥‥その私の表情を白波さんは辛そうな顔をした。
「俺の正体を知ってしまったら‥‥貴女はもう貴女ではなくなる。俺に優しくしてくれた、俺を恐れなかった、俺に関わりを思い出させてくれた貴女を、さとりさんを失いたくないんだ‥‥」
「ま、待ってください白波さん‥‥わ、私は」
「いいんです‥‥貴女を狂わせてはいけない。本当は俺なんかに関わっちゃいけなかったんです」
白波さんはふわりと浮きあがった。そして白波さんの体がしだいに透き通っていく。白波さんは別れようとしてる‥‥!
「待って‥‥!」
「俺は噂でしか存在しない妖怪。数日でもすれば貴方は俺の事を忘れることができます‥‥さとりさん、貴女との思い出は素敵な日々でした」
「そんな忘れるわけないじゃない‼勝手な‥‥勝手な事を言わないで‼」
貴方は私を嫌わなかった、私が貴方を忌み嫌い恐れる道理なんてない。
白波さんは辛そうな笑みを見せた
「待って‥‥行かないで‥‥‼行かないで白波さん‥‥‼」
「ありがとう、さとりさん‥‥お達者で」
そして白波さんは消えた。
いや、白波さんは地上へ彷徨っていった
誰にも関わることなく人知れずさまよい続ける事を選んだのだ
白波さんは私に関わりを与えてくれたんだ、私に勇気を与えてくれたんだ
‥‥今度は、今度は私が白波さんを助ける番だ
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「‥‥‥」
俺は人の気のないだだっ広く、何もない空を流れるまま彷徨う。
これでいんんだ‥‥これで良かったんだ‥‥
「おいおい~、そんなん言い訳ねえだろ白ピッピ~?」
かの博麗の巫女に殴り飛ばされて外の世界へと追い出されて以来、俺の名前をふざけた呼び名で呼ぶ奴は幻想郷、外の世界でもアイツしかいない。
「‥‥お前、いつの間に帰って来たんだ?」
「さっき?どっかで失恋の反応があったからビビット舞い戻って来たんだぜぇ?」
「‥‥見てたのか?」
「もち。もったいねえなぁ~、あんな美少女を振るなんてよぉ。いいか?ピンクの子はエロイんだ、エロカワイイのだ」
「彼女は、さとりは、俺の正体を知ってしまう。知って彼女が壊れる前に去ったんだ」
そうしないと取返しがつかないことになってしまう。唯一、俺の能力が効かないのは肉体派の博麗の巫女とその相棒だった賢人、八雲ぐらいだろう‥‥
「お前は効かないのか?」
「当ったり前じゃーん?俺は神様だぜ?恋愛成就、縁結び、あと財産アップとえーと‥‥あと芸能の神様だぜぇ?」
こいつはケラケラ笑って持っている琵琶を喧しく響かせる。そうだ、こいつは終始賑やかな奴だった。
「そんな失恋して黄昏ている白ぴっぴとさとりんの為に俺が一肌脱いでやろう!」
「‥‥は?」
「良くない!良くねえよぉ、俺の目の前で失恋はぜってえ許さねえ!」
ベベンと琵琶を鳴らす。
「恋とか愛とかあれば妖怪だって能力だってそんなの関係ねえ‼見事お二人の壊れた繋がりを彩り直して見せましょう!」
「いや待て俺は‥‥」
ああそうだった‥‥こいつはいくら言っても有言実行するバカだ。
「それに友のためだ、いっちょでっけえ祭りにしてやんぜぇぇっ‼」
「祭りかよ!?」
そして大の祭り好きだ。
白波ななし
性別(男)
種族:■■■■
二つ名:■■■■■■
能力:理解してはいけない程度の能力
危険度:不明
人間関係:不明
いつから幻想郷に存在していたのか誰も知らない
この妖怪の正体は誰も知らないし知ってはいけない
ワからナい方がイイ
見切り発車ですので本当にすみません‥‥