※この作品はR-18です。

2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン   作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ

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今回は三人称にて進行。
主人公は出てきません。



大洗学園、戦車道始動?
17:戦車道行進曲!パンツァーフォー!/前準備


 茨城県に属する学園艦・県立大洗学園。この学園はかつて貧窮の一歩手前にまで陥り、一時期は廃艦の憂き目にさらされていたという。

 大洗学園は元々女子校で、生徒数の減少、資金難による運営の苦境といった諸問題が表面化。それに伴い、もっと広く人を集めるために男女共学へと舵を切った。現在、男女の比率はまだ女性の方が多いものの、生徒数は格段に上がっている。艦上で生活する人の絶対数も増え、経済的な循環も良くなっていた。当面、学園艦の進退がどうこうなるという事態はないだろう。

 今現在、学園の運営はいくらかマシになってきている。

 でも、もう一押し何かが欲しい。

 大洗学園の生徒会長・角谷杏はそう思っていた。

 学園が活性化し、知名度を上げるために出来ることが何かないものか。

 そう思っていたところに、西住みほ及び西住まほの転入を知った。

 昨年の戦車道全国高校生大会の準優勝校。そんなところの隊長と副隊長が、戦車道のない学園にやってくるのだ。目を引かずにはいられない。

 杏はそこで閃く。

 戦車道をやってみてはどうだろうか。

 大洗学園でも、数十年前までは戦車道をやっていたという記録がある。この上ない経験者が学園にやって来るのだ。教えを乞うて、戦車道を復活させれば、学園のアピールとして相当なものになるのではないか。

 名案だと思えた。

 次いで、転入してくる西住姉妹のことを思い。

 杏は頭を振る。

 わざわざ戦車道のない学園に移ってくるのだ。事情があるに決まっている。そう簡単に協力が得られるとは思えない。

 杏は転入の理由までは知らない。けれど妹・みほの事情については、想像がついた。

 昨年の戦車道全国高校生大会決勝戦。川に落ちた戦車に乗る仲間たちを救うため、単独行動を取る。その結果、仲間を救うことはできたが、試合には負けてしまった。そのあたりが関係しているんだろう。何しろ前代未聞の10連覇が懸かっていたのだから、周囲からの突き上げなどもすごかったに違いない。

 となると、姉・まほの転入も同じような理由か。それならなおさら協力を得ることは難しいだろう。杏は頭を抱えてしまった。

 

「んー。難しいかねぇ」

 

 半ば諦めていたところに、朗報が入った。生徒会副会長の柚子を通して、西住まほが、大洗学園に1台だけ残っている戦車の使用許可を求めてきたのだ。

 

「少なくとも、姉の方は戦車道に関わることに問題はないってこと?」

 

 とりあえず、協力のお願いだけはしてみよう。

 杏は、まほとの顔合わせの場を用意することにした。

 

 

 

 西住姉妹が学園艦にやってきて数日後。艦上や大洗港の周辺は、新入生やその家族、新たな学園関係者などで賑わい、どこも慌ただしくなっている。そんな中、春休み中の学園校舎は生徒もほとんどおらず、静かなものだった。

 その校舎の一角、生徒会室に、まほは呼び出されていた。

 対面するのは、生徒会長の杏、副会長の柚子、広報の桃の3人。テーブルを挟んでソファに座り、顔を合わせる。挨拶もそこそこに、まほが希望している戦車使用の許可についてと、現在の戦車の取り扱いなどが説明された。

 その途中で、杏が話を変える。

 

「実は、西住さんにお願いがあってね。いや、お願いというよりも、意見を聞きたいっていう方が正確かな」

「私に?」

「そう。実はね、大洗学園で戦車道が復活するんだ」

 

 杏の言葉に、まほは少しだけ目を険しくする。

 何か言おうとするまほを、杏は手を上げて遮る。

 とりあえず最後まで耳を貸して欲しい。

 その言葉に、まほは再度、聞く姿勢を整える。

 

「わたしは生徒会長として、大洗学園の知名度をもっと上げたいと思ってる。その一環として、戦車道を選ぼうと考えたんだ」

 

 杏は正直に話す。

 戦車道の世界での有名人が転入してくることを知り、何とか頼れないかと。

 けれど昨年の戦車道大会の顛末も知っているため、接触にはためらいがあったこと。

 ところがまほから戦車使用の話が来たので、忌避感があるわけではないと判断。

 おそらくは初心者ばかりの中で、戦車道を始めてどうにかなるものか話を聞きたかったこと。

 まほ側の事情はまったく分からないので、不愉快であれば断ってくれて構わないこと。

 などなど。

 

「どうだろう。少しばかり関わってもらえないだろうか」

「……いくつか、言っておくべきことがある」

 

 まほは、まずこちらの事情も考えた上で事情を話してもらえたことに礼を言い、彼女自身の事情を差しさわりのない程度に話す。

 自身の転入はあくまで一時的なものだということ。

 いつ黒森峰に戻されるか分からないこと。

 アドバイス程度でいいのなら問題ないが、戦車道チームそのものには深く関われないこと。

 何より、自分が絡むと西住流、黒森峰の亜流になってしまうこと。

 もし自分が率いるとなったら、初心者にはいささかキツい内容になること。

 などなど。

 

「去年の戦車道大会決勝。何があったかは知っているか?」

「試合の映像と、戦車道連盟のコメントに目を通したくらいだけどね」

 

 十分だ。

 そう言って、まほは居住まいを正す。

 

「あの試合を巡って、黒森峰の戦車道チーム、西住流の流派内で騒動が起きた。その結果、みほの追放と、私の一時謹慎が決定。西住流から離れるため、わざわざ戦車道のないところにやってきたわけだ」

「それ、私たちに言っていいもんなの?」

「構わんよ。少し事情に通じていれば想像できることだ。それに何かが起きたとしても、それで西住流の歪なところが改まるきっかけになるなら望むところ。いくらでも矢面に立つさ」

 

 もっとも、そう言うなら最初からやれという話なんだが。

 まほは自嘲するような笑みを浮かべる。

 杏と桃はどう反応したものか分からない。だが柚子は、まほに苦笑いを返している。俊一を通して、彼女は西住姉妹の両方から少なからず話を聞いていた。

 

「まぁ、いろいろと事情があってな。私が大洗学園の戦車道立ち上げに参加するのは、良くないと思う。自分で言うのもなんだが、私は戦車道の世界ではそこそこ有名人だ。ハードルが高くなり過ぎて、かえって失敗できなくなるぞ?」

 

 黒森峰、西住流、日本戦車道連盟など、いろいろなところからあらぬ期待や圧力が掛かりかねない、と。まほは口にする。

 杏はそれを受けて、なるほどとうなずいた。

 一流を引き入れたのだから、すぐさま見合った結果を出さないと関係各所が納得しないということ。学校運営に関わる生徒会長という立場から、外部からくるしがらみの面倒さはよく理解している。

 

「じゃあ、妹さんはどうなの?」

 

 杏は、いろいろな意味を込めて尋ねる。

 まほ自身のことは分かった。ならば追放されたという妹の方はどうなのか。

 戦車道を避けている、というのであれば無理強いはしたくない。

 けれど可能ならば、杏としては無理をしてでも引き入れたい人材である。

 

「……戦車道を嗜む者として見れば、みほの方が初心者を率いるのに向いているだろう。新しい戦車道チームとして引き込もうとするなら、私よりよっぽど適任だ」

 

 私は西住流に染まり過ぎているからな。

 それ以外の応用が利かないと、彼女はまたも自嘲の笑み。

 手のひらを合わせ、組んだ手を額に当てる。

 

「だが姉としては、正直なところ、悩む」

 

 まほは想いを吐き出すように、嘆息。身じろぎをし、座っているソファがわずかに音を立てた。

 妹・みほは、自分の行動と理想を、西住流そのものから否定された。心に負った傷は決して小さいものではなく、まほの目にも、その意気消沈ぶりは痛ましいほどだった。

 今でこそ、俊一との出会いと交流のおかげで明るさを取り戻している。戦車道に対する忌避感のようなものも和らいでいた。

 

「ようやく笑顔になってくれたんだ。それなのに、戦車道に関わらせてしまっては、元の木阿弥になってしまうんじゃないか。また妹を傷つけてしまいそうで、怖い」

 

 みほは、戦車道に対してトラウマのようなものを抱いてしまった。

 戦車道のないところで、好きな男と一緒に穏やかに過ごす。その上で、戦車に触れる程度のことから慣れていけば、心の傷も払拭できるのではないか。まほはそう考えていた。

 だが、戦車道の試合となると話は変わってくる。

 みほはまだ、精神的にリハビリをしているような状態。姉としては、もう少し落ち着かせてやりたいというのが本音のところだ。

 けれど。

 

「結局は、みほ次第だな」

「……妹さん、巻き込んでいいかな?」

「何かあれば、私はお前たちよりもみほを優先する。それは忘れるな」

「オーケーオーケー。当然だよ」

「というかだな。私に打診するまでもなく、すでに戦車道復活は動いていたんだろう?」

 

 まほの言葉に、今度は杏の方が苦笑する。

 彼女の言う通り、大洗学園の戦車道復活はもう確定事項だ。学園のカリキュラムが追加されるのだから、昨日今日のやり取りでやるやらないが決まるはずもない。学園運営に影響力を持つ生徒会長といえど、独断でそこまで決めることはさすがに出来ない。4月から始められるように、下準備はもう済んでいるのだ。

 

「きっかけが西住さんたちだってことは否定しない。強引に勧誘してでも参加してもらいたいところだけど、そこは自重するよ」

「そうしてもらえると、助かる」

「でも西住さんから、妹さんに伝えてもらえないかなぁ。君の才能を欲している、みたいな感じで」

 

 一から始めることになる戦車道。実際に関わるメンバーの中に経験者がいるといないとでは大違いだ。できることなら、みほも引き入れたい。そう思うのも当然で。

 

「……何度も言うが、みほ次第だぞ」

「分かってるよ。せっかく得た相談役まで失いたくないからね」

 

 協力を快諾してくれて、ありがとう。

 杏は手を差し伸べ、感謝を述べる。

 まほも、それに応えて、杏の手を握り返した。

 

「相談に乗るくらいなら構わない。だが、私から口を出すことはまずないと思ってくれ」

「了解了解。いやー、新学期の前に懸念事項が解消できて嬉しいね」

 

 笑顔で応える杏。

 ただ話を聞いているだけだった柚子と桃も、ほっと息を吐く。

 

「じゃあ早速なんだけど、相談に乗ってくれない?」

 

 いきなり、杏は身を乗り出して話を振った。

 いわく。

 戦車道を始めるに当たって、どのように進めていくべきかのノウハウを知る人間が大洗学園にはいない。だからこそ経験者である西住姉妹に協力を仰ごうとしたのは前述の通り。日本戦車道連盟に指導員の派遣を依頼してあるものの、それはあくまで戦車の扱い方などを指導をすることに限定したものだ。

 

「戦車を動かす人の目線じゃなくて、学園を運営する立場から、他の学園はどういう風に戦車道を扱っているのか知りたいんだよね」

「ふむ。なるほど」

「で、他校にちょっと見学に行こうと思ってるんだ。わたし個人のツテで、友人が戦車道をやってる学校に行く予定なんだけど。ぶっちゃけると、そこって運営がカツカツのところでさ」

 

 資金難の辛さって良く分かるよー。などと笑う杏。まほはもちろん、彼女の両隣にいる柚子と桃もどう反応していいか分からず微妙な顔をしている。

 

「そことは別に、余裕をもって戦車道チームを抱えてる学校を見てみたい。それで、西住さんにそういうツテはないかなーと思って」

「ツテといっても、あくまで他校で戦車道をしている知人、というだけだぞ?」

「もちろん、運営上の書類まで見たいとは言わないよ。単にその学校での戦車道の受け入れられ方とか、そういうのを実際に見てみたいだけだから。あとは施設なんかを見ながら、チームの隊長格の人と話ができたらなーって」

「ふむ……」

 

 まほは腕を組んで、しばし思案する。

 

「連絡を取れる相手は、いるにはいる。その前に、行くつもりだという学校は?」

「アンツィオ高校だよ」

「……あぁ、イタリア系のところだな」

「新学期前の今の時期、どの学園艦も母港に寄ってるでしょ。アンツィオの母港は静岡の清水港だから。できればその道中か、近辺だと助かるんだけど」

「そんな都合のいいところが……」

 

 言いかけた言葉を飲み込んで、まほは何かを思い出すように黙り込んだ。

 

「……あるな」

「え、本当に?」

「聖グロリアーナ女学院。確か、母港は横浜だったはず。そこの戦車道チームの隊長とは、いくらか交流がある」

「西住さん、連絡取れる?」

「連絡自体はできる。だが見学を受け入れてくるかどうかは、先方次第だぞ」

 

 ちょっと待っていろ、と、スマホを手にしてソファから立つ。生徒会室の窓際へ移動して、電話を掛け始めた。

 それを見ながら、杏は本当に楽しそうな顔をする。

 

「いやぁー、助かった。しかも聖グロかぁ。お嬢様学校ってやつだよね。楽しみだなぁ」

「会長、ウキウキし過ぎですよ」

「え、そう? 大瀬良くんと一緒にいる小山よりは浮かれてないと思うけど」

「なんでわたしが出てくるんですか!」

「でも、ウキウキしてるじゃん」

「してますよ。ウキウキですよ!」

「柚子ちゃん、当然のように惚気るのはやめてくれ……」

 

 杏、柚子、桃の生徒会3人がコントのようなやり取りをしているのをよそに。

 まほの電話での話は進んで、会話を終えた。

 戻ってきたまほは改めてソファに座り、メモ帳にペンを走らせる。

 

「生徒会長、連絡が取れた。とりあえず連絡先を教えるから、直接話を通してくれ」

「ん、分かった。ありがとう、西住さん」

「なに、これくらいは」

「で、先方さんの名前は?」

「聖グロリアーナの戦車道チーム隊長、ダージリンだ」

「だー……、何?」

「ダージリンだ」

 

 いきなり横文字の名前、名前と言っていいんだろうか、紅茶っぽい名前を耳にして、杏は少し面食らう。思わず聞き返してしまったが、どうやら聞き間違えではなかったらしい。

 

「え、外人さん?」

「日本人だ」

「あぁ、ニックネームとかあだ名とか、そういうのかな」

「まぁそんなものだと思っていい」

 

 まほから電話番号の書かれた紙を渡されて、杏はひとまず自分の出した答えに納得することにした。書かれているのは、電話番号と、ダージリンという名前だけ。

 徹底してるなー。

 杏は呆れるやら感心するやら、だった。

 

「それで、行くのはアンツィオと聖グロになるのか」

「これから連絡して、先方の返事次第だけど。んー、今日明日に先方とウチの許可を取って、アンツィオと聖グロで1日ずつ、っていうのが希望かな。新入生とかの受け入れで忙しいのは大洗だけじゃないだろうしね。強行軍でちゃちゃっと終わらせたい」

「なるほど」

 

 まほは、またも思案顔。

 

「それは私も行った方がいいんだろうな」

「一緒に来てくれるなら、聖グロとの面通しも楽になるし大歓迎だけど。いいの?」

「いや、私が同行するのは問題ない。ただ、少し気になることが」

 

 腕を組み、難しそうな顔をするまほ。

 杏はそんな彼女を見て、何か問題でもあったかといぶかしむ。

 

「何か都合の悪いことでも思い出したの?」

「そういうわけじゃない。なんというか、ものすごく私的なことになってしまうんだが」

 

 そういうわりには真剣な顔をしている。先ほど、妹のみほのことを話していた時と同じような雰囲気だ。いったい何事だと、生徒会の3人が思っていると。

 

「アンツィオ行きに、俊一も連れていっては駄目だろうか」

「え?」

「俊一くん?」

「西住、なぜここで大瀬良が出てくる」

 

 まほの予想外の言葉。

 杏、柚子、桃は思わず素っ頓狂な声を漏らす。

 

「まほさん。それって俊一くんも、アンツィオか聖グロリアーナに知り合いがいるってこと?」

「いや、そういうことはないと思う。そもそも俊一自身は戦車道に詳しくないしな」

 

 今回の視察に関係があるのかと思えば、まほはそれを否定する。

 柚子は、俊一にまだ自分の知らない女の子が他校にいたりするのかと考えてしまった。人知れず、少しほっとする。

 それはさておき。

 

「それならなぜだ。なぜあいつを連れていく必要がある」

「大したことじゃない。そもそも視察とはまったく関係ないからな」

 

 食って掛かるような桃の物言い。

 まほはその語調を気にすることなく、涼しい顔で応える。

 

「アンツィオ高校は、校風がイタリアを模したものだろう?」

「イタリアっぽい街並みとか施設とか、観光地化してるくらいらしいね」

「ついさっき、電話を掛けた後に軽く調べてみたんだが。アンツィオ高校はトレヴィの泉やコロッセオ、その他にもいろいろと、本場に迫るくらいのイタリアぶりらしい」

「だからどうした」

 

 深刻な話じゃなさそうだと、杏と柚子は肩の力を抜く。

 ただ桃だけは、少しイラついているような態度を見せていた。

 もちろん、まほはそんなことを気にしていない。

 

「思いついたんだ。アンツィオに俊一と一緒に行って、『ローマの休日』の真似をしてみたいと」

「はぁ?」

 

 一瞬の沈黙。

 何言ってんだこいつ、という感じの空気になって。

 

「あははははははは!」

 

 杏が、爆笑した。

 

「いいよ、面白いよ西住さん。うん、大瀬良くんも連れていこう。ぜひとも連れていこう」

 

 腹を抱えて笑う杏。

 その横で柚子は良く分からない様子で首を傾げ。

 桃は怒り狂っていた。

 

「お前本気か! 会長は遊びに行くわけじゃないんだぞ!」

「視察の邪魔をするつもりはない。ついでに少し楽しいことをしようと思っただけなんだが」

「『ローマの休日』って映画ですよね。有名だけど、わたし観たことなくて」

「あはは、ひひっ、あー、お腹痛い。小山小山、教えてあげるよ、映画の内容。たぶん西住さんがやりたいってのはさ……」

 

 杏が楽しそうに、柚子に『ローマの休日』の内容を吹き込んでいく。映画の中で主人公の男女がどんなことをするのか、ローマの街を巡る様子を情景も含めてたっぷりと。

 すると。

 

「まほさんずるい! わたしも俊一くんと『ローマの休日』ごっこしたい!」

「だが柚子は学園のあれこれで忙しいんじゃないのか?」

「でもでも」

「ごっこ、『ローマの休日』ごっこって。あはははははは、あー。面白過ぎて涙が」

「会長! わたしもローマに連れてってください!」

「柚子ちゃんローマじゃないぞ、行くのはアンツィオだ」

「どっちでもいいよ『ローマの休日』ができるなら!」

「ひひひひ、だめ、小山、これ以上笑わせないでくれぇ」

 

 最後の最後で、訳の分からないヌケたやり取りになりつつも。

 生徒会長である杏、顔つなぎのためのまほ、そして俊一が視察に出向くことでまとまった。

 

 

 

「おい西住。『ローマの休日』の真似をしたいってことは、最後は……」

「最後は真似しないぞ。絶対に真似しないからな」

「都合のいいことを言っているな、お前」

「え。桃ちゃん、最後まで知ってるってことは映画を観たことが」

「ないぞ! ないからな! ときめいたりしてないんだからな!」

「かーしま、墓穴掘り過ぎ」

 

 

 

 ―続く―




こうして、主人公の毒牙は大洗を飛び立つ。(毒牙って言うな)
槇村です。御機嫌如何。


どうやって他校の面々と絡ませていくかを考えていたら、こうなった。
会長はドゥーチェを「チョビ子」呼びしていたので、顔見知りの友人ということに。
まほさんは戦車道絡みでそこそこ交流があるだろうということで、練習試合前に聖グロと絡めた。
正直、このくだりはものすごく気に入っている。
というか、ウチのまほさんはすっかり恋愛脳に……。



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