2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン 作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ
大洗学園の新学期が始まるまで、あと10日ほどある。
みほとまほは、少しでも早くオレに会いたいと学園艦乗り込みの初日にやってきた。オレも久しぶりに2人と会うことが出来て嬉しかったし、これからは同じ学校に通えるってことはもっと嬉しい。気持ちが盛り上がり過ぎて、柚子も交えた3人と爛れた4Pプレイをしてしまったくらいだ。正直、少しがっつき過ぎたと思っている。
とはいえ。オレたちが四六時中べったりと引っついているかといえば、そういうわけでもない。
昨日は、みほがコンビニを求めて、散策ついでにひとりであちこち歩き回っていた。しかも寮住まいの同級生と知り合って、友だちになったんだとか。
嬉しそうに、満面の笑みで報告するみほ。オレは胸が温かくなるのを感じて、まほに至っては少し涙ぐんでいた。いろいろと入り組んだ事情もあって、妹の交友関係が広がるのが我がことのように嬉しく思えてしまったんだろう。妹思いなお姉さんだ。うん。
まほも、今日は生徒会に呼び出されて学園校舎に出向いている。学園艦に1輌だけ残っていた戦車を使わせてもらうための許可とか説明とか、そういうものがあるらしい。
その戦車をいじるのには、みほも参加すると言っていた。これまでがどうあれ、戦車に触れること自体は楽しいらしく、今から楽しみだと彼女は言う。門外漢ではあるけれど、みほのそんな笑顔を見るととても嬉しく思える。
戦車絡みの話から、オレにも戦車道について興味を持ってもらいたいと、西住姉妹が揃って言い出して。今日は、まほが帰ってきたら3人で戦車についての勉強会が開かれることになっている。
まほが帰宅するまでまだ時間があるので。定番となりつつある映画鑑賞の流れになった。
テレビのスイッチを入れ、プレーヤーにDVDをセット。
オレがソファに座って、みほが足の間に腰を下ろして背中をあずけてくる。
そして背中から彼女を抱きしめる。
この体勢が、自宅で映画鑑賞をする時のスタンダードになっていた。
で。約2時間が経過して、映画が終わった頃。
「ただいま」
「おじゃましまーす」
まほが帰ってきて、柚子も一緒にやってきた。
ちなみにここはオレの部屋。まほだけじゃなく、当たり前のように「ただいま」と言ってくる西住姉妹に、嬉しいやらくすぐったいやら。
それはそれとして。
「……2人とも、どうした?」
まほと柚子が部屋に入ってきた時、オレは、みほに腕をつかまれてぐわんぐわんと揺さぶられていた。傍から見ればケンカをしているように見えたかもしれない。
でも中身はそんな大層なことじゃなくて。
「コメディだって、コメディだって言ってたのに!」
「いやいや、コメディだったでしょ」
「ラブコメのつもりで観始めたのに、どうしてゾンビばっかりのお話になるのぉ」
「でも結構、ラブだったでしょ?」
「確かにラブだったよ。ラブだったけどさ」
「じゃあ問題ないじゃん。ラブでコメでしょ。ホラーだけど」
「しかも結構グロかったよ!」
「面白くなかった?」
「……面白かった」
「うん、よかったよかった」
「うー。絶対騙されてるよわたし……」
なんてやり取りをしていた。
まほも、何を騒いでいるのか想像はついたようで。特に騒ぐ気配もない。
「まぁ、なんとなく経緯は分かった」
「みほさん、そんなに大騒ぎするような映画だったの?」
「柚子さん柚子さん、気になるなら柚子さんも観ましょうよ。今なら俊一くんに後ろから抱きかかえられる特等席で」
「みほちゃん、それって被害者仲間を増やそうとしてないか?」
呆れるまほと、興味を示す柚子。
少し黒い考えを見せたみほに、元凶のオレ。
まぁ、それくらい仲がいいってことで。
お茶を入れて、ひと息ついて。
まほが、生徒会に呼ばれていた理由を話し始めた。
戦車の使用許可についての話だと思ったら、大洗学園に戦車道が復活するんだとか。
まほと柚子が気まずげというか、心配するような目をみほに向けている。
オレも彼女の様子をうかがうけれど。
「へぇ、偶然だね」
みほは、落ち込むとかそういった反応は見せなかった。
「へぇ、って、それだけか?」
「え、どうして?」
「せっかく戦車道のないところに来たんだ。それなのに、新しいチームの立ち上げに巻き込まれるかもしれないんだぞ」
言い方は荒いけれど、言っていることは真っ当だ。熊本で打ちひしがれていた、みほの姿。それを知っているなら、また戦車道に関わらせようというのは躊躇せずにはいられない。
オレが心配したところと、姉の言葉の意味が分かったんだろう。
「心配してくれてるんだよね。でも、大丈夫だよ」
みほは照れくさそうな笑みを浮かべて、オレたちに言葉を返す。
「戦車道が嫌だとか、そういう気持ちはないから。確かに、学校でいきなり言われたら戸惑ったかもしれないけど」
「じゃあ、戦車道に参加するの?」
「んー」
オレの問いかけに、みほはあごに指を当てながら可愛らしく悩んでみせる。
ちなみに、映画のドタバタが収まってからずっと、彼女はオレにあすなろ抱きをされたまま。
まほも柚子も、この体勢を見ても特に何も言わない。いつものことだし、まほにも柚子にも同じことを良くしているから。
閑話休題。
今は、みほのことだ。
「柚子さん。学園としては、わたしの参加を望んでるんですか?」
「……うん。正直に言うと、そう」
みほの言葉に、柚子がうなずく。
もともと戦車道のない学園だしね。集まるとしても経験のない生徒ばっかりだろう。それは生徒会側も同じように思っているみたいだ。
「新学期になったら勧誘用のガイダンスをするつもりなんだけど、どれだけ集まるかは分からないから。そうだ、人を集める方法も考えなきゃいけないんだよねぇ」
「柚子さんが遠い目してる……」
「まぁ、ゼロから集めないといけないからな」
やらなきゃいけないことに思いを馳せて、乾いた笑いを漏らす柚子。
まほは、そんな姿をすぐ隣で見ても至ってクール。
いかん、話をもとに戻さないと。
「それなら、みほちゃんみたいな、経験者だってもう分かってる生徒は貴重だよね」
「うん。そうなんだよね」
気を取り直して、柚子がオレの言葉を拾ってくれた。
「副会長としては、みほさんにぜひとも参加して欲しいんだけど。でもわたし個人としては、無理強いはしたくないっていうのが本音かなぁ」
「なるほど」
オレを通じて仲良くなって、もう互いに良く知る間柄だから。柚子は学園の役職と、個人の思いが板挟みになっちゃってるのかもしれない。もし知り合っていなかったら、学園のことを優先して立ち回ってたかもしれないな。
でも、まほはどうなんだろうか。
そう思ったのはオレだけじゃなく、妹のみほも同じようで。
「お姉ちゃんはどうするの? 経験者が必要なら、わたしより適任だと思うけど」
「私は転入したといっても、戦車道の所属に関しては黒森峰のままだからな」
「あ、そっか。扱いは一時的な転入なんだっけ」
「自分でも忘れかけていたけれどな」
みほとまほが笑う。
目の前のまほも、抱きとめている腕の中のみほも、ごく自然に。
「とにかく。大洗の戦車道チーム新設に私は関われない。せいぜいクラスメイトや友人として、求められればアドバイスをする程度だ。それについてはもう、生徒会長にも理解してもらった」
黒森峰と西住流のあれこれが、まほをずいぶんと難しい立場にしているようだった。
でも、みほについてはそうでもないみたい。
「みほ。お前は、好きなようにしていい。大洗でまた戦車道に関わるのも、普通の学生として過ごすのも、みほ次第だ」
「会長も、みほさんの事情は分かってるから。無理に引きずり込もうなんてことはしないよ」
みほが、オレの腕を取って少しうつむいた。肩から彼女の前へ出していた腕を、みほが自分の胸に抱きしめてくる。胸の柔らかさと、少しだけ震えているような感覚が、手から伝わってきた。
「いいお姉ちゃんたちだな」
「……うん」
いい話だなぁ。
なんて風に思っていたんだけど。
「……柚子。その言い方は穏やかじゃないな。場合によっては無理やりなことをするつもりだったのか」
「え、まほさんどうしたの。って、目が怖いよまほさん。違うよ言葉の綾だよ。実際にみほさんをどうこうしようなんて、私も会長も思ってないから」
「それなら片メガネの広報はどうなんだ。高圧的なところもあったが」
「桃ちゃんは、えーと、その……。どうだろう」
「語るに落ちたか」
「あー。桃ちゃん先輩は、目的達成のためなら過激な手段も採りそうだよね」
「……俊一くん。桃ちゃん先輩って誰? ずいぶんフレンドリーな呼び方だけど」
「俊一。まさかあの広報にもツバをつけていたのか?」
「え、なんで姉妹揃ってオレを睨んでくるの?」
「みほさんもまほさんも落ち着いて。俊一くんにとっては、桃ちゃんはいつもからかってる相手ってだけだから。そういう感情はないから」
仮にも生徒会の同僚に対して、ずいぶん辛口な物言いをする柚子。
まぁ確かに、からかいやすい先輩って目でしか見てないけど。
「とにかく、生徒会としてはみほさんに無理強いするつもりはないから」
話がズレて荒れかけたけれど、どうにか持ち直して。
大洗の新規戦車道チームに関わるかどうかは、みほの気持ちを重視するということになったらしい。よかった。
でもポジティブに考えてみれば、みほとしても、新しく戦車道をやり直せると考えればいい機会なのかもしれない。
そう言ってみると、まほがうなずき、柚子は少しホッとしたような顔をする。
「やってもいいかな、とは思ってる」
でも、もう少し考えさせて。
みほは気負う様子もなく、そう告げた。
「みほが決めたことなら、私は何も言わない。尊重する。だが辛くなったら、無理をすることはない。いつでも休め。私はみほの味方になる」
「ありがとう。お姉ちゃん」
真剣な顔で告げる、まほ。
対して、みほの表情は穏やかなままだった。
「話は変わるんだが」
姉が妹を想う感動シーン、みたいな展開があって。
当人である姉・まほがその流れをぶった切った。
彼女のマイペースぶりにはほとほと感心させられる。
「実は生徒会長の付き添いで、他校の戦車道チームを視察に行くことになった」
ほほう。
戦車道っていう新しいカリキュラムが始まるわけだから、参考のためにってことだろうか。
あの生徒会長さんは、そういう下拵えというか、基礎部分の準備というか、そういったものはしっかりとやるタイプだ。つき合いはまだ短いけど、そう思える。
「早ければ明後日に出ることになるんだが。みほも行くか?」
「わたしも?」
行き先は、アンツィオ高校と聖グロリアーナ女学院だという。アンツィオには会長さんの、聖グロにはまほの知り合いがいるらしくて、それぞれお邪魔することになったんだとか。まほ自身は先方との仲介なんかをするらしいけど、みほは特にやるべきこともない。
単に観光というか、遊びに行くノリで誘ってみた。
そんな感じみたい。
なぜか、まほを見る柚子がジト目になっているのが気になったけど。
話をきいていたみほは、ちょっと考えてから、同行を断った。
「せっかくだけど、わたしは大洗に残るよ。知り合った同級生と会う約束もしちゃったし」
「そうか」
少し残念そうな、まほの顔。
妹と一緒にお出掛け、と思っていたのにしょんぼり。
みたいな。
そう考えると、可愛らしいなぁと思ってしまう。
「それじゃあ、生徒会長と私、それに俊一の3人だな」
「え?」
「は?」
思わず声を出す、みほと、オレ。
いやいや聞いてないよそんなこと。
みほがオレに目を向けてくるけど、知らないとしか言いようがない。
「まほちゃん。オレも行くなんて初耳なんだけど」
「今、初めて言ったからな」
「そんな当たり前だみたいに言われても」
「聖グロはともかく、私がアンツィオに行くのは、俊一がいないと意味がないんだ」
「オレが?」
いわく。
アンツィオはイタリアを模した学園艦で、本場のローマさながらの街並みが広がっているらしい。まほは、そこで『ローマの休日』の真似をしたいんだという。
「もしかして、まほちゃんが視察の同行を受けたのってこれのため?」
まほは迷う素振りも見せずにうなずいた。
柚子がジト目になっていたのはこのせいか。みほも、姉の言葉にどう反応すればいいのか分からないみたい。
「確かに、お姉ちゃんは古めのラブロマンス映画に夢中だけど」
「まぁ、映画の真似をしたくなるって気持ちは分からないでもないな」
みほにせよ、まほにせよ、後ろから抱きしめながら一緒にDVD観賞をするっていうのを良くやっている。それをきっかけに映画に興味を持ったまほは、特にクラシックなラブストーリーものに傾倒していた。まさか『ローマの休日』の真似ができる場所がある、行こう、なんて言い出すとはさすがに思いもしなかった。
「もしかして、俊一も都合が悪かったか?」
「いきなりではあったけど、オレは平気」
平気なんだけど。
腕の中で抱きかかえられたままのみほが、何やら苦悩していた。異国情緒のある場所で俊一くんとロマンチックなひと時、でも友だちの誘いを断るわけにも、みたいな感じで。
ちなみに柚子も、同じようなことを考えて爆発したらしい。自分も連れていけと。結局、生徒会に課せられた新学期前の仕事あれこれを放置できず、涙をのんで諦めたんだとか。うん、そんな責任感のある彼女が大好きです。
「というか、どちらも女子校じゃないの? オレが同行していいもんなのか」
「男子禁制、というわけじゃない。それに、どちらも今は新入生受け入れの時期だ。男性だっていろいろ行き来しているだろうから、問題ない」
そういうわけで。オレは求められるままに、アンツィオ及び聖グロへの視察に同行することになった。
みほは悩んだ末に、できたばかりの友だちとの約束の方を取ったらしい。うん、そんな相手を思いやる気持ちでいっぱいな彼女が大好きです。
もっとも、帰ってきたら相応のイチャイチャ対応をしろと、みほと柚子に約束させられた。
それくらいはなんてことない。
むしろ愛されていることが良く分かって嬉しいくらいだ。
うん。すっごく嬉しいです。
みほと柚子のフォローをいっぱいしていたせいか。
今度はまほがおねだりをしてきた。
「ところで俊一。ずっと、みほを抱きしめっ放しだぞ。私も抱きしめてくれ」
さぁ早く、とばかりに両手を広げる、まほ。
何というか、自分を偽らずに素直だよねぇと思わず苦笑してしまう。
「映画を観ていたということは、約2時間、ずっと抱きしめられていたんだろう? みほ、交代してくれないか」
「うん、いいよ」
オレの腕の中に納まっていたみほは、姉の言葉を受け入れて立ち上がった。
離れ際に、頬に触れるだけのキスを残して。自分でやっておきながら少し照れている。そんなみほがとても可愛らしい。
姉妹とその男の微笑ましくもうらやましいやり取りで済むかと思ったんだけれども。
いきなり、柚子が異議を唱える。
「ちょっと待って。まほさんは一緒に視察へ行くんだから、いっぱいイチャイチャできるでしょ。だから留守番のわたしの方が抱きしめてもらうべきだと思う」
俊一成分の補給は、柚子の方こそ優先されるべき。
そんなことを言い出した。
「言いたいことは分かるが、出発までまだ余裕があるんだから、いくらでも甘えられるだろう。今は私がみほに譲ってもらったんだからな」
柚子の物言いに怯むことなく、まほはオレに抱きついて、頬を擦りつけてくる。柚子を煽っているようにも見えるけれど、ひょっとすると意識してやっているのだろうか。
でも、喧嘩になるのはよろしくない。
「まほちゃん、そんな言い方しないの。抱きしめるくらいならいくらでもしてあげるから」
なだめながら、まほを抱きしめる。
ハグは日課。
日課と言っても、1日1回と決まってるわけじゃないからね。
伝わってくる彼女の身体の柔らかさは何度感じても気持ちいい。もちろん、それはまほに限ったことじゃなくて、みほも柚子も気持ちいいんだけど。
まほの頭に手を置いて、撫でる。髪を梳くようにして動かすと、彼女は大人しくなった。気持ち良さそうに、無言で、顔や身体を押しつけてくる。
「柚子さんも、おいで」
まほを抱きしめている腕とは逆の手を、柚子に差し伸べる。
柚子は嬉しそうに、オレの腕の中に飛び込んできた。
「んー。しゅんいちくぅん……」
「よしよし」
甘えるように、胸板に頭を擦りつけてきた。優しく頭を撫でてあげると、表情を和らげて嬉しそうにする。可愛い。
美人のお姉さんたちが、自分から抱き着いてきて甘えてくる。何度目であろうと幸せを新たにしてしまう。柔らかな身体やおっぱいを押しつけて密着してくる無防備さ。彼女たちがオレを好いていてくれることに嬉しくなる。
「まほちゃんも、柚子さんも、大好き」
2人の頭を抱きかかえる。撫でる。キスをする。
そんなイチャつきぶりを見せつけられて、我慢できなくなったのか。離れていたみほがまた抱きついてきてもみくちゃに。
さらにみほ、まほ、柚子がそれぞれ、オレのどこに密着したいかみたいなことを話し始めて。
結果、3人は今の自分が好きな密着ポイントの住み分けをした。
みほは、オレの横手から胸板に顔を押しつけるように抱きついて。
まほは、膝枕を要求しつつ腰に腕を回すようにしてしがみついている。
柚子は、後ろから抱きつきながらオレの頭をかきいだいてご満悦だ。
女の子たちのむにむにした感触に全身を包まれて、なんというか、もう、至福。
興奮というよりも、幸福感に満たされて。
エッチなことをするでもなく、純粋にスキンシップを楽しむ時間が過ぎていく。
そんな、急遽決まったお出かけ前のひとコマだった。
―続く―
何かにつけてイチャつかせようとする試み。
槇村です。御機嫌如何。
とりあえず、みほがアンツィオ&聖グロ視察に行かないってことも書いておかないと、と思って。
その結果、グダグダした感じの日常っぽい描写になった。
次回はちゃんと視察に出発します。
ちなみに冒頭で主人公がみほに観せていた映画は『ショーン・オブ・ザ・デッド』です。
まったくひどい奴だな(笑)
※誤字のご指摘、ありがとうございました。