2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン 作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ
アッサムさんと、オレンジちゃんと赤毛ちゃんの新入生コンビを伴って歩くことしばし。聖グロリアーナの校舎が並び建つ一角にたどりついた。
普段なら、勉学に励む女子生徒たちが行き来しているんだろう。でも今は始業どころか入学式の前。残念ながら人の姿はさほど見られない。
だから、合流する相手もすぐに見つかる。
校門前に立っている女の子が3人。ダージリンさん、それにまほと杏さんの姿が見えた。
あちらもオレたちに気づいたようだ。手を上げて彼女たちに応える。
とまぁ、軽い気持ちで手を振ったんだけど。
まほと杏さんが小走りでこちらに駆け寄ってきた。
「俊一っ」
「うおっ」
そして、まほが勢いよくオレに抱きついてくる。
予想はできたので、しっかりと彼女を抱き留めた。
「俊一、平気か? ケガはしていないか? 痛いところはないか?」
「心配してくれるのはすっごい嬉しいけど、何ともないよ」
ほれこの通り、と。お道化た調子でポーズを取り、力こぶを作る真似なんてしてみせる。
まほはしばらく、オレの顔をじっと見つめて。気が済んだのか、納得したのか。心配げだった表情を緩めて、笑顔になる。
「心配してくれてありがとう。まほちゃん」
嬉しくって、腕の中にいる彼女を抱きしめた。
ぎゅっと抱え込んで、目の前にきた頭に顔を埋めて頬ずりをする。
「んっ。俊一……」
まほも同じように、オレの胸元に顔を埋めて。すりすりと擦りつけてくる。
その動きが実に可愛らしくて、こそばゆい。
甘えてくるまほの後ろでは、杏さんが苦笑いしてる。
「大瀬良くんが暴漢に出くわしたって聞いてさ。西住さん、そわそわしっ放しだったんだよ」
「暴漢? まぁ、暴漢になるのか。でも連絡が行ったのは、全部終わってからでしょ?」
まほを抱きしめて、撫でてあげながら。杏さんの言葉に答える。
でもオレの言いように、杏さんは少し呆れてるっぽい。
「事が済んだっていっても、好きな男の子が危険な目に遭ったって聞いたんだからさ。心配するのは当たり前だろう?」
「それはそうだ、うん。ごめんなさい」
「分かればよろしい」
うんうんとうなずきながら、杏さんが笑みを浮かべる。
「まほちゃんもごめんね。それと、心配してくれてありがとう」
まほの頭を抱えて、髪を梳きながら撫でる。加えて少し強めに、きゅっと、抱きしめた。
それから、まほにちょっと離れてもらって。
「杏さんも」
おいで、と、杏さんに向けて腕を広げる。
ためらうことなく、彼女もオレに抱きついてきた。
「んー。なんにせよ、無事でよかったよ」
「ありがとう。杏さんにも、心配かけちゃった?」
「まぁ、それなりにね」
なんてことを言いながら、抱き着く腕に力を入れてくる杏さん。それがまた可愛くて、嬉しくて。オレも彼女を抱きしめ返す。ツインテールの髪を梳きながら撫でてあげる。
あー。オレって本当に幸せ者だわー。
改めてそんなことを思いながら、ナチュラルにイチャつくオレ、まほ、杏さん。
もちろんそれは、ダージリンさんたち聖グロ組の目の前でしているわけで。
「まほさんと杏さんから話は聞いていましたが。目の前で堂々とイチャつかれると、さすがに驚くわね」
「……本当に、おふたりと同時におつき合いをされてるんですね」
遅れて近寄ってきたダージリンさんと、一緒に歩いていたアッサムさんに、感心するような呆れるような、そんな言葉を掛けられた。
あと杏さんの呼び方が、「角谷さん」から「杏さん」に変わってる。ずいぶん仲良くなったらしい。杏さんのコミュニケーション力の高さには驚かされるな。
あ、そうだ。お礼を言っておかないと。
「ダージリンさん、と呼べばいいでしょうか」
「えぇ。ダージリンでよろしくてよ、大瀬良さん」
名前の呼び方を確認すると、ダージリンさんがにこりと微笑む。
オレも笑みを返しながら、戦車を見せてくれてありがとう、と、頭を下げて礼を述べた。想像よりも大きなものを見て、触れられて、思わず興奮してしまったと。気がついたら、杏さんから手を離して、身振り手振りも交えながら「戦車すげぇ」をまくし立てていた。
ダージリンさんは、そんなオレを見ながら楽しそうにクスクスと笑っている。
「喜んでいただけたのが良く分かりました。何よりですわね」
「えぇ、終始楽しそうでしたから。見ているだけで微笑ましくなるなるくらいに」
さらにアッサムさんの微笑みまで加わって。はしゃぎ倒した自分の姿を想像して少し恥ずかしくなってしまった。アッサムさんに関しては、今さらな気がしないでもないけど。
「あー、すいません。舞い上がってしまって」
「そんなことはありませんわ。むしろ殿方にそこまで興味を持ってもらえるのは、戦車道をする者としては喜ばしいことですもの」
「そういうものですか?」
「そういうものですわ」
オレ自身、みほたちと会うまで興味も知識も薄かったから。その分反応が強いだけなんじゃなかろうか。まぁ、ダージリンさんが本当に嬉しそうだから。無粋なことは言わないでおこう。
「それに、実際に案内をしたのはアッサムですもの。大瀬良さんが楽しめたと言うなら、アッサムのおかげでしょう」
「それは確かに。アッサムさんのおかげで楽しかった、っていうのはありますね」
「なっ」
なぜか、驚いたような声を上げるアッサムさん。
いやでも事実だから、驚くところではないでしょう? 戦車道に無知なオレに、分かりやすくいろいろとレクチャーしてくれて。とてもためになりました。
そんな風に持ち上げたら、アッサムさん、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
彼女の反応を見たダージリンさんは、いいものを見たという感じに笑みを浮かべる。
でも。
「本当なら私とみほが、戦車道について手取り足取り教えてやるはずだったんだが……」
まほが少し面白くなさそうな、というか拗ねた表情を見せる。
なるほど。ごたごたして結局、「西住姉妹の戦車道教室」はお流れになっちゃったから。自分たちがするはずだったことを横から取られた、みたいな気持ちになったのかもしれない。
うん。もうね、まったく。
「可愛いなぁ、まほちゃんは」
まほちゃんの頭に手を伸ばして、慈しむように撫でてしまう。
考えるより前に、手が動いていた。自分でも少しびっくりしたよ。
「これから大洗学園は、戦車道で賑やかになっていくんでしょ? これからいくらでも機会はあるじゃない」
「む。確かにそうかもしれないが」
ぐずぐずと拗ねる姿を見せるのも、まほが甘えていると思うと嬉しくなってしまう。
だから、また彼女を引き寄せて、抱きしめてしまう。まほも、オレの背中に腕を回して。抱き着いて何も言わなくなった。
視界の端で、杏さんも飛び込んでこようとしてたのが見えたけど。
「本当に、黒森峰の頃からは想像できない変わりようですわね」
「自分でも、変わった自覚はあるな」
ダージリンさんが、会話を差し込んできた。
まほがそれに答えたおかげで、杏さんがタイミングを逃してしまう苦笑しつつ、おいでおいでをして。杏さんの頭を軽く撫でてあげる。
「まほさんの真面目な仏頂面が、ずいぶんと表情豊かになりましたわね」
「ダージリン。お前、私のことをそんな風に思ってたのか……」
まほとダージリンさんの会話。言い方はどうかと思うけれど、中身は良く分かる。
恋をすると人は変わる、と言うけれど。実際、まほは随分と変わった。出会ったばかりと同じく凛々しい雰囲気はあっても、どこか柔らかさがある。ダージリンさんはそのあたりを感じ取ってるんだろう。
「まほさんどころか、出会ったばかりのアッサムにまで影響を与えているようですし。本当に気が多いんですのね、大瀬良さんは」
「ダージリン。貴女は何を言ってるんですか」
話を振られたアッサムさんが、目を細めて睨みつけてくる。
もちろんダージリンさんは気にすることはなく。むしろ楽しげに弄ろうとするわけで。
「アッサムが異性に興味を示すなんて、初めて見たもの」
「そうなんですか?」
「女子校なんですから、男性との接点なんてほぼないのは当たり前でしょう。だから私が男性と一緒にいるところなんて、見たことがないに決まってるじゃないですか」
第三者からそういうことを言われると、ちょっと嬉しい。オレも男だし。
でもダージリンさんは楽しそうにしてるから。アッサムさんをからかおうとして言ってるように見えて、素直に喜べないところもある。
実際、アッサムさんは少し赤くなってるけど、言い返してる声は案外冷静だ。
「そもそも異性との接点云々というのなら、ダージリンもそういうところを見たことがありませんよ?」
「あら、藪蛇だったかしら」
「私ひとりだけをやり玉に上げようとするからです」
「こんな言葉を知ってる? 『人生とは出会いであり、その招待は二度とくり返されることはない』。せっかく知己を得たのだからもう少し誼を深くしてあげようと、そう、これはアッサムの友人としての気遣いなのよ」
「ほほう、厚き友情というものですか。嬉しさのあまり涙が出そうです」
ダージリンさんに、ジリジリと迫るアッサムさん。なんだか迫力のある様子に、ダージリンさんは笑みを浮かべながらも少しずつ後ずさっていた。心なしか冷や汗をかいているようにも見える。
「アッサムさん、友情物語はそれぐらいで」
助け舟を出すわけじゃないけど、キリがないのも事実なので。
「……そうですね、皆さんをお待たせするのも申し訳ないですし。ダージリン、命拾いしましたね」
「ちょっとアッサム。からかったのは悪かったけれど怖いわよ」
「なるほど。やはりからかっていたのですね?」
「あっ」
いやマジでキリがないからやめようよ。
アッサムさんをなだめつつ。一方でダージリンさんには妙な感謝を向けられる。
でも彼女は懲りる様子はないようで
「でも本当に、殿方と親しくするような印象が持てなくて。大瀬良さんと仲良さげなアッサムを見たら、つい、ね」
「ダージリン、貴女は本当に……」
「フォローに入るとか、彼も満更ではなさそうだし」
「まぁ、美人なお姉さんと親しくなれて、オレとしては嬉しいですけど」
「なっ」
思わずオレまで乗ってしまう。
いやでも本当に嬉しいし。
「あら、良かったじゃないアッサム。貴女さえその気になれば、新しい恋人候補になるのもいいんじゃないかしら。『男の幸せは"われ欲す"、女の幸せは"彼欲す"』と言うわよ?」
ダージリンさんはからかいの色を乗せて、再びアッサムさんに言い募る。本当に懲りない、愉快犯タイプの人だと分かる。困ったもんだ。
対して、アッサムさんはもう真っ赤っかになってる。慌てる年上のお姉さん、可愛い。
上手く聞き取れない言葉で何やら反論しているけど、そういう態度を取られると、ひょっとしたらひょっとするんじゃないかとか思ってしまうじゃないか。
そこへさらなる爆弾が投下された。
「お兄さまとアッサムお姉さまは、おつき合いされているんじゃないのですか?」
オレンジちゃんから、想像外の言葉が突っ込まれる。
「ものすごく自然な仲良しさんに見えましたのに。意外ですわ」
さらに同意するセリフを、赤毛ちゃんが突っ込んでくる。
これにアッサムさん、ひどく狼狽。つき合ってなんていません! と、真っ赤になって、あわあわしながら否定の言葉を上げる。
正直、その様子がすっごく可愛くて。にやけてしまいそう。
ダージリンさんはすでに、にやけていた。確実にニヤニヤしてるんだけど、品が悪く見えないのはどういうことか。美人はどんな顔をしても様になるってことなのかね。
「もう、アッサムったら。そんな必死に否定していたら、かえって気になってますと認めてるようなものじゃない」
「ですから、違います! そもそも彼にはすでに恋人がいるじゃないですか!」
「複数の女性とおつき合いをしていて、まほさんも杏さんもそれを受け入れている。その上で幸せそうよ?」
「確かに、恋人が5人もいると聞いて驚きはしました。異性の友人として嫌ってはいないのも事実ですが」
「ちょっと待ってアッサム」
「はい?」
「聞き間違いかしら。5人? まほさんと杏さんだけではなくて?」
「彼が言うにはそうらしいですよ。むしろあのお二方は後の方から加わったらしいですが」
ダージリンさん、今度は本気で驚いてる。虚を突かれたみたいな顔をした。オレを見てから、まほと杏さんの方に目を向ける。
対して、まほと杏さんは。
「俊一をお兄さまと呼んでいたが、どういうことだ?」
「なんだかいろいろあったっぽいね。是非とも詳しく聞きたいなぁ」
聖グロの新入生コンビに詰め寄っていた。
「ちょっ、近いですわ。待って、待ってほしいですの!」
「ひぁっ。あわわわわ」
やんわりと問い詰めてくるふたりに、赤毛ちゃんが少し顔を引きつらせながらたじろいでいる。オレンジちゃんはその背中にしがみついて慌てふためき、怯えていた。
まぁ、他校の上級生にいきなり迫られたらねぇ。ビビりもするよ。彼女たちが理解しているかは分からないけど、まほは戦車道の有名人だしね。
「ちょっと皆さん、落ち着こうよ」
自分の左右両側で、別々のことで騒いでいる面々。
どちらも原因が自分だってことを棚に上げて、途方に暮れるオレだった。
―続く―
おかしいな、全然先に進まない。(仕様です)
槇村です。御機嫌如何。
同じ場に7人もいてどうやって絡ませろというのか。
でも弄られるのは主にアッサムさんだけという。不憫な。
それはいいとして。(いいのか?)
ようやく「最終章第2話」を観に行きましたよ。
対知波単戦が想像以上に面白かった。なんだあいつら超強ぇ。
あとマリー様とそど子のヒーローものみたいなアクション。なんだアレすげぇ。
ボコミュージアムでのみぽりんが異様に可愛い。
とかいろいろあって、今回「劇場版」並みにかなりツボにきた。
続きを書く前にもう一度観に行こうかな。(早く続きを書け)
※誤字のご指摘、ありがとうございました。