2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン 作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ
今日の晩飯はハンバーグで確定。みほも大喜びしていたので変更はない。スーパーにとんぼ帰りをしたオレは作り置きの分も考えた追加の材料、主にひき肉を買い込んだ。
みほを基準に考えて、女の子ふたり分にプラスアルファくらいの量があればいいか。武部さんと五十鈴さんがどれくらい食べるかは分からないけど。
「まぁ大丈夫でしょ」
ハンバーグの材料に加えて、お菓子やジュースなどもあれこれ買った。ぱんぱんになった買い物袋をぶら下げて、行きと違ってひとりで帰宅。
アパートの部屋にたどりついて、扉を開ける。
「ただいまー」
「おかえりー、俊一くん」
帰ってきたぞと声を掛ければ、みほの声が部屋の奥から返ってくる。
恋人の返事を聞いて、少しにやけつつ、靴を脱ぐ。
いいよね、こういうの。
三和土にはすでに靴が3人分。みほと、おそらく武部さんと五十鈴さんのものが。みんな上がり込んでいるようだ。
戻ったぞーと部屋の中に入って、まず出迎えてくれたのは。
「あ、おかえり。エプロン借りてるね」
エプロン姿の、武部さんだった。
……可愛いけど、どういうこと?
「おかえり、俊一くん。あ、お菓子とかもある。ありがとう」
みほが寄ってきて、買い物袋を受け取った。
彼女は、虚を突かれたオレを気に留める様子はないようだ。
オレはオレで、自分の部屋で、恋人以外の女の子がエプロン姿で出迎えてくれた、ということに少し混乱したせいか。
「ひゃっ」
思わず、みほを抱きしめてしまう。
腕を彼女の細い腰に回して、頬をサラサラヘアの頭に擦りつける。ちょっと小柄な体が、腕の中にすっぽりと納まる感じが心地よい。
「俊一くん、どうしたの?」
「いやー。オレ、エプロン姿の女の子に弱いのかもって。思わず武部さんに抱きつきそうになっちゃったから。自制したら、つい」
会ったばかりの女の子、もっと言えばろくに会話もしてない相手に、そんなことはさすがにできない。代わりにと言ったらすごく申し訳ないけど、恋人であるみほに、直接的なスキンシップをしてしまった。
いやでもさ、考えてみてほしい。
自分の部屋に戻ったら、可愛い女の子がエプロン姿で「おかえりなさい」なんて出迎えてくれたんだよ? 男だったら胸キュン必至だと思うんだよ。実際、杏さんにやられてオレ、胸キュンせずにいられなかったし。今だって、よく頑張ったよ、オレの理性。
なんてボケたことを言うオレに、みほは「しょうがないなぁ」みたいな呆れた顔をする。いや本当に、すいません。
それでも、みほが腕の中から出ていこうとしないのが嬉しくて。さらに抱き寄せてしまった。密着した身体の柔らかさを堪能してしまう。
一方、武部さんの反応はというと。
「やだもー、わたしの女子力は彼女持ちもメロメロにしちゃうんだー」
なんだか嬉しそうに、自分の頬を両手で包みながら身をよじっていた。
今日初めて会ったばかりだけど、ずいぶんと親しみやすい性格みたい。おまけに明るくてノリもいい。女子力云々といっているところから見るに、さぞかしモテるのだろう。うん、無理もない。
一方で五十鈴さんは、テーブルの前に座って微笑んでいた。浮かれている武部さんを生温かく見守っている、とも取れるけども。
「残念ですが、わたくしは戦力にならないようなので」
彼女は笑顔のまま、自分の手を持ち上げてみせる。
人差し指に、絆創膏が巻かれていた。どうやら武部さんと一緒に料理を手伝おうとしたら、包丁で切ってしまったらしい。
「あ、ごはんはちゃんと研いでスイッチ入れておいたよ。5合くらい」
お米を研ぐくらいしかしてなくてごめん、と言う彼女。指を切ってしまった五十鈴さんにあわあわしていたらしくて。絆創膏を引っ張り出すなりなんなりして、落ち着いたところにオレが帰ってきたと。
それはいいんだけどさ。
5合ってちょっと多くない? 女の子3人に男1人だよ?
武部さんが、オレの疑問に答えてくれる。
「華って、あぁ見えてすごく食べるんだ。そのくらいの方がいいよって、わたしが言ったから。それ以上はさすがに、他人様の台所で勝手に増やすのははばかられて」
「そうなの? というか、武部さん。ただ待ってるだけでも良かったのに」
「みぽりんから、メニューはハンバーグだって聞いたからね。ご馳走になるんだから、下準備くらいはしておこうかなって思ったの」
なるほど、それでエプロン姿なわけか。その気遣い、とてもありがたい。
みほが、オレにお願いされた通りにお米を研ぎ始めて。さらに冷蔵庫の中やら戸棚の中やらを開けたり閉めたりしているのを見て、手伝いを申し出たらしい。えぇ娘たちや。
「わたしがハンバーグのタネを作ろうとして、華に付け合わせ用のジャガイモをお願いしたら、早々に指を切っちゃったから」
「なるほど。そうこうしてるうちにオレが帰ってきたと」
「そうなの。ごめんね、何もしてなくて」
「いやいや。その気持ちだけでも嬉しいよ」
もともとオレが全部用意するつもりだったんだし。今からでもテーブルに戻って、みほたちと駄弁っててもらっても構わないくらい。
「でもせっかくだから、わたしは手伝うよ」
むん、となにやらやる気一杯の武部さん。
五十鈴さんはリタイヤを宣告済み。
みほは座り込んで、五十鈴さんの相手をすることにしたようだ。
「じゃあ、お願いしちゃおうかな」
というわけで。
オレもエプロンをつけて、広くはない台所に武部さんと並んで立つ。
「武部さん、ハンバーグの作り方は分かる?」
「分かるよ。どうして?」
まずはじめに、今日のメニューの作り方について尋ねてみる。
一緒に作るのはいいんだけど、各家庭ごとのルールみたいなものもあるからね。同じ料理を作ろうとしてるのに、やってることが食い違ってるなんてことは避けたい。
で、オレがやろうとしてる作り方と、彼女の知っている方法のすり合わせをしてみたんだが。幸い、材料や手順はさほど違わなかった。
「ハンバーグって作る順番的に、分担してやるところってないじゃない」
「確かに、そうかも。タネを形にする時くらい?」
「だからいっそのこと、ふたりで並行して作ればいいんじゃないかな、と」
無理をすればまな板もふたつ並べられるし、包丁もフライパンも2人分あって、コンロも2口のもの。だから同時にハンバーグを作っていこう、という提案だ。多く作ってしまった分は冷凍して保存しておけばいいだけなので、オレとしてはむしろその方がありがたい。
「では、始めまーす」
オレと武部さんは、ハンバーグ作りを開始する。
まずは、玉ねぎをみじん切りに。
「ひたすら、切る」
「大瀬良くん、慣れてる手つきだね。危なっかしさがないから、安心して見てられるよ」
「見てるだけじゃなくて、武部さんも切ってよ」
「はいはい。トントントンっと」
「って、すげぇな。よどみない包丁の使い方。速いし正確だ」
手慣れたように玉ねぎを切っていく武部さん。しゃべりながらでも危なげないその手つきは相当、料理をやり慣れていることが窺える。
「料理は得意だよー。未来の旦那様のために女子力を上げてるからねー」
「胃袋を責めて、わしづかみにするわけか」
「得意料理は肉じゃがだよ」
「なるほど。ベタだけど効果的だと思う」
「だよね。そうだよね。男の子からお墨付きをもらっちゃった」
「でも、オレみたいに料理をする奴ならともかく。普通の同年代の男って、ラーメンとかハンバーガーとか、ジャンクっぽいのが好きそうなイメージがあるけど」
「え? 家庭的な女の子アピールは効かないってこと?」
「どうなんだろう。味を吟味するよりは、量をがっつり食べられるかどうかを重視しそうな気がする。もちろん、美味しいのは前提で」
「美味しいのが当たり前だと思われるのは嬉しくないなー。作るにもいろいろ苦労はあるのに。あとはほら、付き合ってる彼氏が、作ってもらうのが当たり前だと思ってるとか」
「ありそう。でもその話で言うなら、オレは作る側の人間だからなぁ。当人がどう思ってるかにもよるんじゃないの? 世の中にはダメ男に尽くすのが好きって人もいるらしいし」
「うっ。それってつまり愛が足りないってこと?」
「武部さん、ダメ彼氏につかまって尽くしちゃいそうなタイプじゃない? わたしがついてないと彼はダメなの、とか言って」
「え? そう見えるの?」
「なんとなくそう思った」
「無責任すぎるー」
「今日会ったばかりなのに、責任を求められるとか理不尽だろ」
自分で言うのもなんだけど、くだらない会話のやり取り。
けっこう楽しい。
減らず口を叩きながら、オレも武部さんも料理の手は止まっていない。
みじん切りを終えて、フライパンに玉ねぎを投入。もちろん、切っている間に油を引いた上で熱しておいたもの。木べらでかき混ぜながら、色がつくまで玉ねぎを炒めていく。
「よし。こんなもんか」
「そうだね。このまま粗熱を取って……」
「ひき肉の用意をしよう」
炒めた玉ねぎから熱を逃がしている間に、ハンバーグのタネ作り。
冷やしていたひき肉を冷蔵庫から取り出して、ボウルにイン。本当はボウルを二重にして、氷水で冷やしながらひき肉を練りたいところ。でもボウルの数が足りないので、そこは諦める。
なぜなら。
「ここからは少し、みほちゃんと五十鈴さんにも手伝ってもらいます」
ふたりに、ひき肉の入ったボウルと、調理用の使い捨て手袋を渡す。
台所からテーブルに移ったオレと武部さんの前にも、同じようにひき肉入りのボウルが置かれている。もっとも、ボウルが3つしかなかったので、オレの分は大きめの丼で代用してるけど。
「とにかく、練る。練り上げる。肉の粒を潰して、粘り気が出るくらいになったらオッケーです」
丸テーブルにオレ、みほ、武部さんに五十鈴さんが座り。
ひき肉練り練り作戦が始まった。
用意したひき肉の量はかなりのものになったけど、4人に分けたおかげで、ひとりが担当する量はそれほどでもない。それぞれが食べるだけのハンバーグ、プラスアルファ分の肉を練ってもらおう、というわけだな。
「わたし、ハンバーグの材料って初めて見たかも」
「わたくしもです。作るのも、思ったより大変なのですね」
「でも案外、そんなに時間は掛からないんだよ。育ち盛りの子供がいる家族の分を用意する、ってなると、ちょっと大変かもしれないけどね」
みほと五十鈴さんは、ハンバーグを作るところを初めて見るらしい。汚さないように、袖をまくり、手袋をして、ひき肉を掻き混ぜる彼女たち。その手つきはいかにも慣れてない様子で、微笑ましくもある。
対して、武部さんは料理が得意というだけあって、動かす手に迷いがない。みほと五十鈴さんに目を向けながら、あれこれ会話も挟みつつ、しっかりとひき肉を練り続けている。なんだか娘たちのお手伝いを見守るお母さんポジションで、頼もしい。
そんなこんなで、男ひとりと女の子3人でひたすらひき肉を練り続けてしばし。粘り気が出てきたところに、牛乳に浸しておいたパン粉と調味料もろもろ、溶き卵、冷ました炒め玉ねぎをさらに投入。
「こんなもん?」
「うん。いいんじゃないかな」
オレの目分量でぶち込んで。
武部さんにも確認を取ってオッケーをもらい。
みほと五十鈴さんに改めてボウルを渡した。
そして再び練り練り作戦を指示する。
「それにしても、手慣れてるんですね」
「オレ? まぁ、実家でも食事作りのローテーションに入ってたから。大洗に転入してからもずっと自炊だしね」
「わたくしは、ほとんど料理をしていませんでしたから。美味しい料理をきちんと作れるというだけで、尊敬してしまいます」
「といっても、そんな豪勢なものは作れないよ?」
ハンバーグのタネを練りながら、五十鈴さんが話し掛けてくる。おっとりとした雰囲気ながら、ひき肉を練る手元は結構パワフルだ。
だからといって不器用というわけでもないようで。さっきジャガイモの皮を剥こうとして指を切ってしまったのは、単純に慣れていないだけだったみたい。
「ただ、どうしても食べる方に夢中になってしまう質でして……」
「さっきも言ったけど、華ってこう見えてすっごく食べるの。もし彼氏ができて食事に行こうってなったら、おしゃれなディナーより、食べ放題の焼き肉の方が喜んじゃうかも」
「いいですねぇ、食べ放題。何も気にせず食べられるって素敵です」
「華は素材がいいんだから、もっとロマンチックを意識しなよ」
「あー。肩が凝らない相手との食事って意味では、いいんじゃないの?」
ハンバーグのタネをこねながら、なんともグダグダな会話をするオレたち。今日会ったばかりの女の子を部屋に連れ込んでの会話とは思えない。
そんなオレたちを見て、みほはにこにこと御機嫌の様子。自分の友達とも仲良くなってくれて嬉しい、みたいな感じなのだろうか。微笑みながらボウルの中のひき肉を掻き混ぜてると考えると、少しシュールなものがあるけど。
「俊一くん、これくらいでいいの?」
「うん、いいね。いい感じ」
材料全部入りで根気よくこね上げたハンバーグのタネ。肉もとろっとして、いい具合になっている。みほの手元のボウルを覗き見て、オーケーを出した。
武部さんも、五十鈴さんのボウルをチェックしている。あちらの肉ダネも無事に仕上げることができたらしい。
「じゃあ次は、このタネをハンバーグの形にしまーす」
手元のボウルに入っている肉ダネを、自分が食べるのにちょうどいいくらいの大きさにまとめる。程よい大きさの楕円形にして、両手で投げ合うように、パンパンと往復させる。
「こうして肉の中の空気を抜く。空気が入ったままだと、焼く時にひびが入ってしまうんだ。ひびが入ると、中から肉汁が逃げちゃうので、味のグレードが落ちてしまう。だから空気抜きは丁寧にやるように」
変に力を入れてやらなくてもいいからね。
そういうと、みほは「はーい」と返事をする。武部さんと五十鈴さんもそれに乗って、返事をしてくれた。ノリがいいね。
各々が、それぞれ違った大きさのタネを手にする。こういうのにも、その人の性格とか、食の太さ細さとかも出てくるのかもしれない。
五十鈴さんを見て、そんなことを思ってしまう。
「五十鈴さん、それデカ過ぎ。火が通らないからもっと小さくして」
「え、そうなのですか? 自分が食べる大きさにしろと言われたので」
「華、確かに言ったけどそれはちょっと……」
自分が食べる分のハンバーグを、自分でこねる。そういうスタンスだった。でも五十鈴さんが手にしているのは、ボウルに入った肉ダネを全部まとめた巨大なもの。座布団と言うべきか、ラグビーボールと言うべきか。そんな感じの塊に、オレと武部さんは思わずツッコミを入れてしまう。
「わんぱく過ぎるだろ。せめて手のひらサイズにしてくれ」
「伝え方が悪かったかなー。火が通るかどうかまでは伝わらなかったねー」
「食べたい大きさのハンバーグを形にしたわけか。まぁ、分からんでもないけど。座布団みたいなでっかいハンバーグ、とか憧れたしさ」
「作ってみたの?」
「フライパンいっぱいにデカいやつを。うまく焼けなくて苦い思いをした記憶が」
「あるある、そういうの。作ってみたら想像してたのと違う、とかね」
ビッグサイズの肉ダネを手にして不思議そうにする五十鈴さん。
友人を見ながら嘆息する武部さんと、料理あるあるを言うオレ。
その様子を見ながら笑いをこらえている、みほ。
とりあえず五十鈴さんに、肉ダネをもっと小分けにするよう指示する。
……お母さんの料理を手伝う子供たち、みたいな雰囲気になってきたな。
もっとも、オレとみほに関しては、それは当たらずとも遠からず。オレが横であれこれ声を掛けたりして。みほも素直に、集中するような真剣な顔をして、従ってくれる。今も、オレのやり方を真似するように、ハンバーグのタネを右手に左手にと往復させていた。
「うん、うまいうまい。オッケーオッケー」
「えへへ」
褒めてあげると、みほが照れくさそうに微笑む。可愛い。
つい頭を撫でてあげたくなるけれど、調理用の手袋をしているのでさすがに無理だった。外してから撫でてもいいんだけど、手袋越しとはいえひき肉を混ぜていた手でそのまま、みほの髪を触るのはなんとなく抵抗があるので。仕方ないから、後で思い切り撫で回してあげよう。
「みぽりんと大瀬良くんって、本当にラブラブな感じがするよねー」
武部さんが、みほとオレの仲良しぶりを見てうらやましそうにつぶやく。
みほに限ったことじゃないけれど、恋人たちとの接し方は特別なことをしているつもりはない。でも転入してきてからこっち、柚子さんとのやり取りはバカップルと言われ続けてるからなぁ。みほやまほと一緒にいる時も、やっぱりバカップルに見えるんだろう。
「これだけベタベタしてるのに、みぽりんは五股を許容してるのかー。人生っていろいろあるんだねー」
「逆に言うなら、他の恋人の方たちも、みほさんと同じくらい仲良くされているってことですよね?」
内心は分からないけれど、武部さんも五十鈴さんも、オレが5人の女の子と同時に付き合ってるってことに興味はあるらしい。
普通はもっと、オレが罵られたり、みほを説得したりするもんじゃなかろうか。まぁ、何を言われても手放すつもりはないし、見限られないように頑張るつもりではあるけど。
みたいなことを言うと、ふたりは「あー」みたいな抜けた声を漏らす。コイツ自覚はあるんだ、って感じ。みほは相変わらず苦笑いしてるけど。
「五股はともかく、やっぱりうらやましい。甘々でべったべたで、頼れる彼氏とか憧れちゃう。しかもみぽりん、大瀬良くんの部屋の鍵とか持ってるし! ラブラブな関係っぽくてうらやましい!」
「そういえばお部屋にお邪魔した時も、ごく自然に鍵を開けてました」
いろいろ思いがこみ上げてきたのか、武部さんが吠えてくる。みほのいろいろなところから、恋人との仲の良さを匂わせるものがあったらしい。五十鈴さんも、それは感じ取ることができたとか。その最たるものが、オレの部屋の鍵、ということか。
「恋人の部屋に、好きな時に入れるんだよ? もう通い妻じゃん!」
「つまっ」
「あらまぁ」
武部さんの指摘に、みほは顔を真っ赤にして声を詰まらせた。
さらに、ひき肉をこねていた手を、思わず自分の頬に当ててしまう。
「あっ」
もちろん、調理用の手袋はしたままで。
みほの頬が、ハンバーグ用のひき肉で汚れてしまう。
「あー、はいはい。みほちゃん動かないで。じっとしてて」
「はぅぅぅぅぅ」
取り乱しそうになったみほにストップを掛けつつ。オレは慌てず騒がず、自分の手袋を外して、ウェットティッシュとタオルを取ってこようと立ち上がる。
「なんだか、大瀬良くんの方が奥さんっぽいかも」
「でも、みほさんが愛されているのは良く分かりますね」
「沙織さんも華さんも、いじめないでぇ!」
友達のいじりに悲鳴を上げる、みほ。
でもその声は、どこか楽しそうでもある。
そんなやり取りを背中で聞いて。
「可愛いなぁ、みほちゃん」
オレは顔がニヤつくのを抑えられなかった。
―続く―
まだ引っ張るのかよ。
槇村です。御機嫌如何。
自分でも驚いてます。
沙織さん華さん編、あるいはハンバーグ作り編は、
全部でもせいぜい1万字くらいで終わると思ってたのに。
でも、ハンバーグのタネを巨大にする華さんが出せて満足です。
次回、調理&実食編。
ダラダラトークはまだ続く。