2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン 作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ
57:桜の花、舞い上がる道を
新しい朝がきた。そう、大洗学園の新学期の始まる日が。
早くも、いや、ようやくと言うべきか。みほとまほが熊本から大洗にやってきて、まだ半月経つかどうかくらいなんだけどね。もうすいぶんと長いこと時間が経ってる気がする。
この春休みの間、いろいろ充実してたせいかもしれないな。
暇さえあれば、それこそ朝から晩まで彼女たちと一緒にいたし。思い返してみても、離れていた分を取り戻そうとするかのようにイチャついてばっかりだった。日によっては晩から朝までエロいことをしっ放しっていうこともあった。
もちろん、柚子さんも一緒になってイチャイチャべたべたしてた。
といっても彼女の場合、生徒会の仕事があるおかげで、頻度そのものは西住姉妹よりも少なかったけど。その分べったりと甘えてきて、可愛がってくれとおねだりしてくるのが可愛くて堪らなかったなぁ。要望に応えて濃いめに甘やかしてあげましたとも。
あとは、あれだ。恋人が増えたこと。
アンチョビさんと、杏さんという、魅力的過ぎるお姉さんがふたり。すでに恋人がいるオレを受け入れて、好きだと言ってくれた。思い返すだけで顔がにやけてだらしなくなってしまう。
とはいえ、まさか5人の女の子と付き合えるようになるとは思わなかった。春休みの思い出と簡単に言うには、濃密で濃厚過ぎる。こんな奴はオレくらいだろう。
ともあれ。
そんなこんなで、今日からまた学校に通う日々が始まるわけだ。
普段通りに起きて。
朝食を済まし。
久しぶりの学生服に腕を通す。
「よし」
いろいろあったけど、改めて気を取り直して。恋人たちに見限られないようなイイ男になるために精進していこう。
そう決意を新たにしていたところに。
ピンポーン
部屋のチャイムが鳴った。
一緒に登校する約束をしていた、みほとまほだろう。
カバンを手にして、玄関に向かう。
扉を開けると。
「おはよう、俊一くん」
「俊一、おはよう」
大洗学園の制服を着た、みほとまほが笑顔を浮かべて立っていた。
可愛い。
「おはよう。みほちゃん、まほちゃん」
「今日から学校でも一緒だよ!」
「同じ学校に通えるというのは、思った以上にワクワクするな」
姉妹揃って、ずいぶんと御機嫌だ。
みほは分かりやすいくらいにウキウキしていて。
まほも一見クールっぽいけれど表情が柔らかくなっている。
あとはやっぱり、大洗学園の制服を着てるのが目に新しい。
黒森峰の制服もキリっとしていて良かったけど、これもすごくいいな。
「みほちゃんも、まほちゃんも、すごく似合ってるよ。うん、可愛い」
白地に緑のライン、緑のスカートのセーラー服を着るふたり。揃って制服姿を見るのは、学園艦に来た時以来かな。西住姉妹の可愛さを改めて認識する。
「俊一くんの学生服姿も、カッコいいよ」
そんなことを言いながら、みほが抱き着いてきた。
オレもそれに応じて、彼女を抱きしめ返す。
片腕を腰に回し。
もう片方は頭を抱え込むようにして。
優しく力を入れる。
軽く髪を梳きながら、みほの頭に頬ずりする。
さらさらの髪の感触が心地いい。
幸せ。
「俊一。私も抱きしめてほしいぞ」
「もちろん」
待ちかねたのか、まほがハグをおねだりしてきたので。みほにちょっと離れてもらうと、入れ替わるようにして、まほも抱き着いてきた。
もちろん、彼女も抱きしめ返してあげる。
腕を回した腰の位置とか。
胸の膨らみが当たる場所とか。
頬ずりした時の頭の高さとか。
みほとの違いがいろいろなところで感じられる。
でも抱きしめると柔らかくて気持ち良くて、可愛いのは変わらない。
つまり幸せだ。
ハグを堪能していると、まほが少し背伸びをしてきて。
「んっ」
ちゅっ、と。唇を重ねてきた。
それがあまりに可愛らしかったので。
オレの方からも、ちゅっ、と。唇を重ねてしまう。
「あっ、ずるい。わたしもキスしてほしい」
もちろん、大歓迎だ。
片腕を差し出すと、みほが嬉しそうにまた抱きついてくる。
再度、彼女の腰に手を回して抱き寄せつつ。
ちゅっ、と軽くキスしてあげる。
みほは表情を緩ませながら、キスを返してくれた。
「みほちゃんもまほちゃんも、可愛い。大好き」
制服姿のふたりを両腕に抱きしめて、ちゅっちゅっと交互にキスをする。
おいおい、朝の登校前から天国過ぎるだろ。
とはいえ、こうしてばかりもいられない。部屋の中とはいえ玄関先に突っ立ったままだし。何より、そろそろ登校しないと、時間的によろしくない。
「というわけだから、学校に行くよー」
ハグもキスも、これから毎日できるわけだから。
がっつかなくても逃げやしないぞ?
「むー。確かにそうだけど」
「仕方ない。行くとするか」
なぜかしぶしぶという感じで、みほとまほは言うことを聞いてくれた。
おかしいな。オレ、当たり前のことを言っただけなんだけど。
まぁオレだって、ふたりの柔らかい身体をぎゅーっとしていたい気持ちはあるから。分からんでもないけどね。
そんなこんなで、オレたちは部屋を出る。
すぐさま、みほは手をつないできて。
まほは、腕を絡めてきた。
両手に華の幸せな状態で、3人揃って学校へと歩き出した。
オレの住んでいるアパートから、校舎まで短くない距離がある。つまりその道中は、同じように登校する生徒がいっぱい歩いているわけだ。
となると、女の子をはべらせて歩いているオレは注目されてしまう。もともとは女子校で、今でも男子生徒が少ない中、朝から女の子とイチャついてる男がいれば目立つのは仕方がない。
ちなみに、杏さんと柚子さんはもう登校してる。生徒会の人だから、始業式でいろいろとやることがあるんだろう。前準備では済んでいても、当日じゃなきゃできないこととかさ。本当にお疲れ様です。
そんなわけで。杏さんと柚子さんは、登校前の早い時間にオレの部屋に立ち寄って、ハグとキスでオレ成分なるものを補給していった。嬉しいなぁ、可愛いなぁと思いつつ、求めに応じて思い切り抱きしめて、いっぱいキスをした。やっぱり幸せ者だな。
で、今もまさに幸せ気分続行中のオレ。
みほとつないだ手を握り返し。
まほが腕に身体を押しつけてくる柔らかさを感じつつ。
おしゃべりをしながら歩いている。
うん。周りの目を気にしてこの幸せを自重するとか、あり得ないな。見たければ見ればいい。むしろ見せつけてやるぞ。
なんて風に、悦に入っていたら。見知った顔に声を掛けられた。
「朝から恋人とイチャついてるとか、わたしにはまぶし過ぎる……」
「仲良しさんで素敵じゃないですか」
武部さんと、五十鈴さんだ。なにやら苦悶してるような声と、微笑ましいものを見つめるような目を向けられる。
「あっ。沙織さん、華さん、おはよう!」
「みぽりん、おはよー」
「おはようございます、みほさん」
みほが笑顔で挨拶をし、ふたりもそれに返してくる。
うん。仲良さそうなところを見ると、オレまで嬉しくなってくるな。隣にいるまほも、心なしかほんわかしているような気がする。
さて。オレとも朝の挨拶を交わしてから。みほが、初対面の姉・まほを紹介する流れに。これまた嬉しそうなみほに、武部さんと五十鈴さんも少しばかり苦笑していた。
「話には聞いていた。妹と仲良くしてくれて、ありがとう」
「いえそんなっ。友達になったくらいで」
「むしろわたくしたちの方こそ、親しくさせてもらえて嬉しいです」
「ひとつ年上だが、良ければ私とも仲良くしてやってほしい」
まほがそんなことを言ってくる。
対して武部さんと五十鈴さんの方は、食い気味で首を縦に振ってきた。
「むしろわたしの方こそ仲良くしてほしいです。ひと味違うできる女の人、みたいな雰囲気に憧れますっ」
「芯のあるたたずまいと言いますか、ひとりの女性として素敵です。ぜひともいろいろご教授いただきたいです」
まほの、きりっとしているけど柔らかな笑顔。
うん。すっごい破壊力あるよね。
案の定、ふたりともメロメロになっていた。そんな魅力的な顔を間近で見せられたら堪らない。頼れるお姉さんって雰囲気で、その上ちょっと親しみやすさも感じるというか。
と思っていたら、別の意味で破壊力のあるセリフがぶっ込まれる。
「俊一の恋人仲間になりたい場合も、私は大歓迎だぞ」
「おーい。まほちゃん、ちょっと待って」
「む。そういうのはないのか。私はてっきり……」
ついツッコミを入れてしまった。成り行きを見守っていた後方から、まほの頭をがしっとわしづかみしてみせる。
「いや、俊一、痛いぞ。力を緩めてくれ」
「まほちゃんが変なこと言うからでしょ。そんなこと言って、みほちゃんから友達が離れていったらどうするのさ」
「……なるほど。それは良くないな」
「普通は、オレたちみたいな関係は良く思われないものなの。隠せとまでは言わないけど、知り合いを変に巻き込もうとするのは止めなさい」
「私はそれなりに相手を見て誘っているつもりなんだが」
「そもそも誘うのがおかしいよね? 自分の恋人に女の子が増えるのを勧めるとか、おかしいよね?」
オレも男だから、女の子と仲良くなれるのは嬉しいよ。まほといい、みほといい、恋人が複数いることを許容してくれていることにはもう、頭が上がらないし。でも彼女たちが率先して増やそうとするのは違うでしょ。
「俊一、そろそろ本当に頭が痛くなってきたんだが……」
「あ、ごめんね。って、オレが謝るのは何か変じゃないか?」
まほの頭をつかみ、ぎりぎりと力を入れてお仕置きをしていたのを止めて。彼女の頭を撫でてあげる。
つい反射的に謝っちゃったけど、絶対違うよな。
でもまぁ。まほが嬉しそうにしてるから、細かいことはいいか。
みほも、オレたちの様子を見ながらにこにこ顔だし。
「それにしても本当に、姉妹で同じ男の人が好きなんだね」
「実際に目の当たりにすると、やっぱり驚きです」
確かに。話を聞いただけなら、モテない男の妄想そのものだからなぁ。
だから、みほも変な勧誘をするのは止めなさい。
姉と同じように恋人云々とか言い出したので、みほも頭をわしづかみにしてやる。いやー、とか言ってるけど、声がなんだか楽しそうだぞ。構ってもらえて嬉しいのか?
「仲いいなー」
「本当にそうですね」
コントみたいなやり取りをするオレたちに、武部さんと五十鈴さんが少し呆れたような声を掛ける。
まぁ、うん。無理もない。
「あと、ドヤ顔でお姉ちゃんを自慢するみぽりん。可愛かったよ?」
「はい、とっても」
「でもさ、美人姉妹だよね。みぽりんは可愛い系で、お姉さんは美人系」
「お姉さんを自慢したくなるのも、分かる気がしますね」
微笑ましい目を向ける武部さんと五十鈴さん。みほはそれに気づいて慌て出すけど。今さらだと思うぞ。
「あううう」
「まぁまぁ、みほちゃんが可愛いことは周知の事実だし」
「そうだぞ。みほは可愛いんだからな。もっと自信を持て」
「それも恥ずかしいけど、違う意味でも恥ずかしいよぉ……」
顔を赤くして悶えるみほを、オレとまほが、よしよしと撫で回す。それがまたみほを恥ずかしくさせる。
対して武部さんは、やや呆れ顔になっていて。五十鈴さんは変わらずにこにこしていた。
まぁ、オレたちはこんなやり取りが普通なので。慣れてもらうか、あきらめてもらうか。悪感情は持たれていないようだから、オッケーということにしておこう。うん。
まほと、武部さんと五十鈴さんのファーストコンタクトが問題なく、問題なく? とにかく終わって。オレは4人の女の子と連れ立って登校することに。学生として、すごい幸せな状況を味わってるぞ。果報者だなぁオレは。
少し顔が緩むのを自覚しつつ、女の子たちとおしゃべりをしながら歩いてる。校舎が近づくにつれて、登校する生徒の数が増えていくのが分かる。
やっぱり女子生徒の方が圧倒的に多い。その中で、女の子に囲まれているオレはなかなか目立つ。でもまぁ、今さらなことなので。オレは気にすることなく。みんなと一緒に正門を通り過ぎた。
校舎の入口近くには人だかりができていた。そこには壁一面に、各学年のクラス分け一覧が張り出されている。
「みんな一緒のクラスだといいなぁ」
みほが、それはもうウッキウキな笑顔でそんなことを言う。オレとまほはもちろん、武部さんと五十鈴さんまで、微笑まし気に彼女を見つめてしまった。
うん、可愛いよね。
熱心な願いが通じたのか。みほとオレは同じクラスに。さらに武部さんと五十鈴さんも同じクラスになっていた。
もうね、みほが上機嫌になって、大喜びだよ。
「沙織さんも華さんも、これからよろしくね!」
「こっちこそ、よろしくねー」
「1年間、楽しく過ごしましょう」
女の子3人が手を取り合いながら、きゃっきゃとはしゃいでいる。
うん。いいね、この光景。
特に、みほが明るくなれているのを見ると、それだけで嬉しくなる。
「なんというか、みほちゃんが大洗に来るって言った時は驚いたけど。新しくできた友達とじゃれてるのとか見ると、よかったなぁとか思っちゃうね」
「そうだな。みほがあんなにはしゃいでいるのを見るのは、それこそ小さい頃以来かもしれない」
まほも、姉という立場から同じようなことを考えていたようだ。黒森峰にいた頃や、それより前のこととか、いろいろ思うところがあるんだろう。
オレには、ふたりがどんな思いでいたとかは推し量ることができない。でも、せめてオレと一緒にいる時くらいは、ふたりとも気負うこともなくいられたらいいな。みほも、まほも、笑っていてくれるならなによりだ。
「まほちゃんも、嬉しそうだね」
「ん。みほもそうだが、こう、立場や振る舞いを気にすることなく、嬉しいとか楽しいとか、そういった感覚を出していられるのが、いいなと思えてな」
これも俊一のおかげだ、と。まほは言う。
相変わらず持ち上げ過ぎだと思うんだけど、口にすると「卑下するな」と怒られてしまうので。何も言わずに受け入れることにする。オレも、これから毎日、ふたりの笑顔を見ることができるのは嬉しいし。
でも、まほは少し不満があるようで。
「みほだけ、俊一と同じクラスになれるのはズルいぞ」
「いやいや、さすがにそれは」
仕方ないでしょ、お姉ちゃん。
それに一緒の学年じゃないってことでは、柚子さんと杏さんも同じなんだから。同じ学園に通えるんだし、授業中以外は顔を合わせることができるじゃないか。
そうなだめても、彼女の表情はまだ優れない。
「どうして私は学年が違うんだ……」
うわぁ、ガチへこみしてる。
でもそんな風に拗ねているのも、なんだか可愛らしくて。
ついつい、まほの頭を撫でてしまう。
「まぁまぁ。その気になればすぐ会える距離にいられるようになったんだから。不満ばかり言ってたらキリがないでしょ?」
「確かに、そうか。そうだな」
「オレ成分とやらが必要になったら、いつでも充電を受けつけるからさ」
「よし。それを聞いたら元気が出てきたぞ」
本気なんだか冗談なんだか、まほは妙に抜けたことを口にする。
でもこれ、たぶん本気で言ってるんだよなぁ。
小さく拳を作って、ぐっ、て感じで気合を入れている。可愛い。
「私にとっても、せっかくの新天地なんだ。黒森峰では味わえなかった、普通の学校生活というのを楽しむことにするさ」
なるほど。身の回りの環境が変わったという意味では、まほの方が変化が大きいのかもしれない。黒森峰では常に「西住流の次期家元」みたいな期待を一身に背負っていたみたいだし。大洗学園に来た今なら、西住流や戦車道とかをあまり気にすることなく、わりと自由に過ごせるんじゃないか。
聞いてみれば、柚子さんと杏さんも同じクラスだったらしい。知り合いが誰もいないっていう状況じゃないなら、楽しく過ごせるかもしれない。
なにより、一緒にいられる時間が圧倒的に増えた。それが一番良かったところだな。
うんうん、と、ひとりで悦に入っていたら。
「じゃあ、私は自分のクラスに行くからな」
まほが声を掛けながら顔を近づけてきて。
頬をくっつけてきた。
不意打ちに、ちょっと驚いてしまう。
「まほちゃん。あんまり直接的なのはダメって言ったでしょ」
「だから、キスはしてないだろう? 頬ずりをしただけだ。スキンシップの範囲じゃないか」
楽しそうに笑みを浮かべながら、まほはすぐに離れて。ひと足先に校舎へ入っていった。
同時に、周囲がざわついたのを感じ取る。
即時撤退。それは戦略として正しかったんだろう。
そう、ここは校舎の入口で。常に生徒の出入りが激しい場所。
しかも今は、クラス分けの張り出しがされてるから。いつも以上に生徒が集まっているわけで。
まほみたいな美人が堂々とイチャつくようなことをしてたら、目を引いてざわつくのは当たり前。しかも相手は、ある意味で有名なオレだからなおさらだ。
まいったねこりゃ。
と思うや否や、さらに不意打ちが。
「俊一くん、わたしもっ」
「うわっ」
みほが、オレに向かって突進し、抱きついてきた。
さらに周りのざわつきが強くなる。注目の的だ。
でも、みほを受け止めてこらえるのが精いっぱいだったので。そこまで気を回せなかったのは、幸か不幸か。武部さんと五十鈴さんが苦笑しているのだけは見えたけど。
結果的に、人前で女の子たちとイチャつくのを見せつけたことに。
これ、みほが自分のしたことに気付いてまた慌てる流れじゃないかな。
うん、間違いないな。
そう考えたら、自然と笑みがこぼれてきて。
抱きついてきた彼女を、抱きとめ返し。
いつものように、みほの頭を撫でてあげた。
―続く―
原作に入るも、第1話のAパート分さえ消化できず。
槇村です。御機嫌如何。
年が明けて初めての更新です。あけましておめでとうございます。
どのくらい続くのか分かりませんが、今年もご贔屓に。
そしてようやく、原作に入ることができました。
書き始めてから2年ちょっと経ってますよ。
書きたいネタもそれなりにあるので、
せめて月に2回は更新していきたい。
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