2コマ堕ち的ハーレムエロす in ガルパン 作:槇村 a.k.a. ゆきむらちひろ
みほをはじめとした女の子たちが、戦車に乗ってガレージを出ていった。
実践練習の舞台になるのは、学園校舎の横手に広がっている森林地区。試合の内容は、各チームがばらけたところからスタートして、互いを撃破し合うというものらしい。すげぇな。
「よし。みんなスタート地点に着いたわね」
蝶野教官の弾んだ声が聞こえる。すごく楽しそうだ
オレたちが今いる場所は、ガレージ横に立っている櫓の上。森林地区が一望できるくらいの高さがある。木々の間に紛れて走る各チームの戦車を俯瞰して見て取れた。
そこにオレ、まほ、自動車部のナカジマさん、ホシノさん、スズキさん、ツチヤさんもいる。一緒に並んで実践練習を見学することになったんだけど。
「けっこう、高いな」
「ん? 俊一は高いところが苦手だったか?」
「いや。そんなことはない……と思ってた」
ふと漏れたつぶやきに、まほが反応した。
高所恐怖症っていうわけじゃないんだけどさ。この櫓、なんだか怖くない?
いや、ちょっと違うか。
「怖いっていうよりも、不安っていう方が正確かもしれない」
「不安?」
だってさ、オレたちが立ってるココってさ、櫓を支えてる基礎のタワー部分よりも出っ張ってるところにあるわけじゃん。なんていうか、ほら。ねぇ。
落ちたりはしないと思うよ。そんなことはまずないと思うけど、なんとなく不安になる。ビビリと言われても構わない。そう感じてしまうんだから、仕方ないじゃないか。
「なら、私と手をつなぐか?」
少しは不安もまぎれるだろう、と。まほが微笑みながら手を差し伸べる。
まるで菩薩のような優しい笑顔。
まほちゃんマジ女神。
オレは、まほの手を取って握りしめた。
ちょっと力をこめると、彼女の方も「きゅっ」と握り返してくれる。
現金なもので、それだけで不安が和らぐ。
恋人の存在っていうのは偉大だなぁ。
「ありがとう、まほちゃん」
ほんわかした気持ちのまま、お礼を言えば。
まほも笑みを返してくれる。
クールな年上お姉さんの微笑み。
いいね。
可愛い。
そんなふうに内心でほっこりしていたら。
「じゃあさ、もう片方の手は私とつなぐ?」
まほと逆側から、思わぬ声が聞こえてきた。
振り向いてみると、そこにいるのはナカジマさん。何か気負うでもなく、「持ってる荷物を少し持とうか」くらいの軽さで手を差し伸べている。
あまりに自然過ぎて思わず、オレの方も当たり前のように。
「じゃあ、せっかくなのでお願いします」
「いいよー」
ナカジマさんの手を取った。
……うん。趣味で機械をいじってばかりと言ってるけど、ナカジマさんの手は女の子らしくて柔らかい。思っていたよりも小さくてついつい、にぎにぎと、手の中の収まり具合を確かめるように何度も握ってしまう。
彼女はそれに気を悪くした様子も見せず、ふんわりと笑顔を浮かべる。
おぉ、ナカジマさんも女神。
……ちょっとだけ、「どういうこと?」みたいな気持ちが浮かんできたけど。まぁいいか、細かいことは。女の子の笑顔に比べれば些細なことだな。
とはいえ。
ホシノさん、スズキさん、ツチヤさんはそうでもなかったみたいで。
「ナカジマ、すごく自然な流れで手を握らせたぞ」
「うん。恥ずかしがるとかなしで、ナチュラルに手を出してた」
「というか、恋人のまほさんと同じ距離感で、大瀬良君の横に立ってたよ」
「え? ……え?」
……あ、ナカジマさんが真っ赤になった。
これはなかなかレアなショットなのではなかろうか。
普段はおっとりというかマイペースというか、フレンドリーなお姉さんが、素で赤面してるとか。すごく可愛いなぁ。
それでいてつないでる手は離さずに、オレの手を握ったままというのも。
うん、キュンキュンする。
やべぇ、顔がニヤつく。
「いや違うんだって。私そんなつもりじゃなかったからっ」
「つまりナカジマの中で、大瀬良は素で手を握れるポジションにいると」
「でも抜け駆けとか、そういう考えじゃないっぽかったよね、今の」
「それだけナチュラルに出てきたってことじゃない? 好意とかが」
なんかナカジマさん、ホシノさん、スズキさん、ツチヤさんが、小声で言い合いをしてるけど。全部聞こえてるって気付いてるんだろうか。悪い気はしないんだけどさ。どんな顔をすればいいか悩んでしまう。
「モテモテだな、俊一」
そんなことを言いつつ、まほが手が握り返してくる。柔らかな感触が心地いい。
モテモテかぁ。うん。
嬉しいよ? 嬉しいんだけどさ。
オレって、5人も女の子を恋人にして、誰にも渡さないからって公言しているやつじゃない? なのに、気さくに接してくれるのが少し、申しわけなく思ってしまって。少なからず好意も感じられるからなおさら。
傲慢な考えだってことは百も承知。
でも、どんな反応をすればいいのか悩んでしまうのも事実。
ホイホイと手を出すのは倫理的にどうかと思う。今さらなのは分かってるが。
だから、まほちゃん、恋人仲間を増やすような囁きをしてくるのは止めて。
「あなたたち。もう始まるわよ」
蝶野教官が、オレたちの方に目を向けながら注意をしてきた。
口調はいささか穏やかではないもの。でも怒っているというよりは、どこか呆れてるような感じがする。目付きもなんだか、半目というかジト目というか、イチャつきやがってみたいな感じ。
どちらにせよ、非難していることには違いない。どうもすいません。
あとナカジマさんたちが、オレのすぐ横で何をしゃべっていたのかを自覚したようで。オレと目が合うなり顔を赤くさせた。ホシノさん、スズキさん、ツチヤさんまで。
みんな可愛い。
でもまぁ、ここはあえてスルーしておこう。
「それでは、試合開始!」
さてさて。
蝶野教官がマイク越しに合図をするなり、戦車たちが動き出した。
おぉ、ちゃんと動いてる。
というか、みんな今日初めて戦車に乗るんだよね?
「蝶野教官。戦車ってそんな簡単に動かせるようになるものなんですか?」
門外漢の、素朴な疑問。
みほはともかく、他の女の子たちは、戦車に触れるのは初めてっぽかったのに。いきなり「試合をやるぞ」と言われて、戸惑いながらも、地図上に指定されたポイントまで戦車を運転してみせている。これってすごいことなんじゃないか。
「そうね。正直なところ、もっとたどたどしいかと思ってたけど」
どうやら教官の目から見ても、やっぱり大したもののようだ。
蝶野教官いわく、進む道を外さずに目標地点まで動かせれば上出来。その上、相手を撃退しようとそれなりの作戦や意図を持って戦車を動かせているのは見どころがあるとか。
「今日、初めて戦車に乗ったとは思えないわね。みほさん、あるいは、まほさんが前もってレクチャーでもしていたのかしら」
「いえ、私は何もしていません。みほもそうだと思います。そもそもメンバーが顔を合わせて、まだ数日ですから」
感心している蝶野教官に、まほが言葉を返す。
確かに、誰が戦車道に参加するのかも分からない状況だったし。ましてや戦車が揃ったのは昨日一昨日のレベルだしね。
「その割には、作戦っぽいものをちゃんと考えて動かしてるみたいだけど」
「確かに。即興で、戦車同士が同じ目標を狙いに行く。なんとなくではできない動きですね」
なんだろう、すごく褒めているように聞こえる。まほと蝶野教官、戦車道経験者から見て、目の前の試合展開は初心者にしてはなかなかのもののようだ。
でも、ちょっと待って。
「作戦?」
「そうだ。見てみろ」
まほが指を指している先には、1輌の戦車。みほたちが乗っている「IV号戦車D型」というタイプのものらしい。
「試合が始まってまず、みほのチームが砲撃を受けた。単発なものではあるが、2輌の戦車からほぼ同時に標的にされている」
話を聞くに、その2輌というのは歴女チームとバレー部チーム。自分以外全部敵というバトルロワイアル状態の中、結託して一番強いヤツから墜としていこうという判断をしたんだろうとのこと。なるほど。
「じゃあ、みほちゃんが集中砲火を受けるってこと?」
「そうだな」
「いやいや。そうだなじゃないでしょ、お姉ちゃん」
「だが戦略としては、唯一の戦車道経験者であるみほが乗っている戦車をまず狙う、というのは間違っていない」
おぉう。まほが、戦車道プレイヤーとしてマジな表情になってる。
オレがいつも見てる、妹大好きな顔とは違ったもの。
その凛々しい横顔に「やっぱり美人さんだよなぁ」とか思ってしまう。
「見ろ。示し合わせていたのかまでは分からないが、他の面々も、みほの戦車を狙い始めたぞ」
「え?」
まほに促されてフィールドを見てみれば、河に架かった吊り橋の上で戦車が立ち往生してる。あれが、みほの乗ってる戦車らしい。その後ろからも前からも、挟み撃ちをするように戦車が迫っていた。
うわぁ。絶体絶命じゃない?
「というか、みほちゃんはなんで戦車から降りてるのさ」
「戦車を先導してるようだな。橋の耐久度が限界で、バランスを取りながら渡り切ろうとしてるのかもしれん」
「フリードキンの『恐怖の報酬』かよ」
思わずツッコんでしまったオレ。残念ながら誰にも分かってもらえなかった。
そんなことを言ってるうちに、ドカンドカンと砲撃が始まった。
距離が離れているにも関わらず、オレたちのところまで音が響いてくる。
でも、みほたちの戦車には当たっていないようだ。気がついたら、外に出ていたみほは戦車に乗り込んでいて。砲塔がキリキリとゆっくり回っている。
「俊一、見逃がすな」
「え?」
ドォンっ!
何を、と返す暇もなく。橋の上にいた戦車が砲撃を返した。
ゴァンっ、と、激しい着弾音が響き渡る。
「当たった!」
「しかも撃破判定が出る、いい砲撃だ」
見ろ、と再び促された先には、撃たれた戦車が白旗を出していた。
運行不能となる部分に直撃を受けたりすると、エンジンが止まって白旗が飛び出るようになってるらしい。それで撃破判定をするんだとか。
「遮蔽物がなくて丸見えということは、逆に言えば見渡しがいいということでもある。視界に相手の戦車が見えて狙っているということは、こちらからも狙えるということ。もちろん地形上の位置取りによる有利不利はあるが、互いに相対している状況なら、みほの指示が付いた砲撃にはそうそう勝てまい」
「初心者ならなおさら?」
「そういうことだ」
「はえー」
思わずマヌケな声を上げてしまう。
そうこう言っているうちに、みほの乗る戦車が次のアクションに移る。
1輌を撃破してすぐ、また砲塔を回転させていた。今度は端の反対側に陣取っている戦車を狙っている。
「あっ」
と思う間もなく、次弾を発射。
着弾するなり、相手の戦車は鈍くて通る音を立てて、白旗を上げた。
「マジかよ、すげぇな」
経験者は強い、ということだろうか。その後も、みほのチームは他の戦車も見事に撃破してみせた。1年生チームだけは、泥濘にはまって動けなくなったせいっぽいけど。
ともあれ。
みほのチームが勝利ということで、試合終了となった。
「回収班を派遣するので、行動不能の戦車はその場に置いて戻ってきて」
蝶野教官が通信越しに集合を求める。
試合参加者はこれで授業終了。
だけど、これからが本番の人もいるわけで。
すぐ横を見れば、やる気になっている自動車部の4人がいた。
「さて、私たちの出番だね」
ナカジマさんが、自分の手を叩きながら言う。さっきまでオレの手を握っていたのを放して、真面目モードに切り替わっていた。
といっても、いつもの笑顔なんだけどね。大変な作業だけど、楽しそうなのが救いかな。そんな風に、自動車部の4人を見送るオレ。
「あ、そうだ。今日もおやつを作ってきてるから。ナカジマさんも、ホシノさんも、スズキさんも、ツチヤさんも、戻ってきたら食べてね」
「分かった。じゃあ、行ってくるねー」
嬉しそうに言葉を返してくるナカジマさん。ついでに、笑顔のまま手を上げてきたので。ノリに合わせて、オレも彼女に手のひらを向けて、ハイタッチをする。
「今日のおやつも楽しみにしてるよ、大瀬良」
「戦車道が始まってから、いっぱい美味しいものが食べられて幸せだね」
「整備以外でも、放課後が楽しみになっちゃうよねー」
続けてホシノさん、スズキさん、ツチヤさんが、同じように手を上げてきたので。順番にハイタッチをする。パン、パン、パン、と手を合わせてから、4人は先に櫓を降りていった。
いやでも本当に、自動車部は大変じゃないか? 試合なり訓練なりをするたびに、戦車の回収やら修理やら整備やらをしなきゃならないんだから。
「何か喜ぶようなものを差し入れすれば、少しはフォローになるんだろうか」
「十分なるだろう。実際に、4人ともすごく嬉しそうにしてるじゃないか」
腕を組んで唸っていたら、まほが、オレの背中を叩きながら声を掛けてくる。考えていたことがまた独り言になっていたみたいだ。
このクセ、いい加減に直さないといかんのではあるまいか。
「まほさんも、大瀬良君も。降りるわよー」
ともあれ。
最後は戦車道に全然関係ないことを考えたりして。
蝶野教官に促されつつ、オレたちも櫓を降りていった。
ナカジマさんたち自動車部メンバーが戦車を回収に向かうのと入れ違いになるようにして。試合に参加していた面々がガレージまで戻ってきた。
「みんなグッジョブ! 初めてでこれだけガンガン動かせれば上出来よ」
出迎えた蝶野教官は、初心者揃いの大洗戦車道チームをべた褒めする。
素人目で見ても、初めて戦車に乗ったのに、試合の形になるほど動かせてるっていうのは素直にすごいと思う。試合をした女の子たちも、教官のお褒めの言葉にちょっと嬉しそうだ。
「あとは日々、走行訓練と砲撃訓練に励むように」
何か分からないことがあったらメールしてね、と。蝶野教官はアフターケアばっちりなセリフで話をしめた。なるほど、撮影した動画とかがあれば、メールでの指示や指導もできるわけだ。
「一堂、礼!」
「ありがとうございました!」
蝶野教官の激励と、それを受けた元気な礼で、今日の戦車道の授業は終わった。初めて実際に戦車を動かした、模擬戦で戦車道を体感したということで、いろいろと記念日的なものになるかもしれない。
さて。
これからは、そんな戦車道ガールたちを労うおやつタイムである。
「今日のおやつは、チョコチップをたっぷり入れた蒸しパンです」
ちょっと小さめの食べやすいサイズで、おひとり様2個用意。しっかり袋詰めまでしたものを掲げてみせれば、女の子たちから感嘆の声が上がる。
20人近い女の子たちにキャーキャー言われるという体験に気分をよくしつつ、全員におやつを手渡していく。みんな「ありがとう」と笑顔を向けてくれるのが嬉しい。桃ちゃん先輩でさえ嬉しそうに食べてくれるのだから、やっぱり甘いものは正義なのだということがよく分かる。
もちろん、蝶野教官にもおすそ分けをしたのだが。
「私も学生時代、こんな楽しみのある戦車道をしたかったわ……」
喜んでもらえたようだけど、何かを思うところがあったようで。それ以上触れないようにした。いきなり遠くに目を向けたので、ちょっと驚いたよ。
驚いたといえばもうひとつ。
みほたちのチームに、なぜか冷泉さんが混ざっていたこと。
「おぉ。これは美味しいな」
「でしょ? 俊一くんの作るものって、おやつもご飯も美味しいの!」
渡した蒸しパンを頬張る冷泉さんが、目の色を変えて声を漏らす。それを聞いて、みほがなぜか鼻高々になる。まぁ可愛いからいいけど。
みほが言うには、授業をサボって寝ていた冷泉さんを試合中に拾ったんだとか。拾ったってなんだいったい。
「冷泉さんすごいんだよ! 経験者なんじゃないかっていうくらい、すっごい上手く戦車を動かすの!」
こちらの戸惑いを気にすることなく、みほがまくしたててくる。おやつの蒸しパンを手にしたまま、冷泉さんの操縦がいかにすごかったかを熱弁する。可愛い。
その横で、冷泉さんが蒸しパンをパクつきながら照れているように見えるのも微笑ましい。武部さんも五十鈴さんも秋山さんも、ニヤついてたりにこやかだったりしているので、同じことを考えてるのかもしれない。
でだ。
みほが話す、試合中の戦車内でどんなことがあったのかを聞いていたら。砲撃を受けた際に、五十鈴さんが頭を打って気絶したんだとか。おいおいちょっと待てよマジですか。
「平気ですよ。すぐに気がつきましたし、今はなんとも有りませんから」
「いやいやいや五十鈴さん、念のため病院に行っといた方がいいって」
のほほんとしている五十鈴さんに対して、その現場にいなかったオレだけが慌てている。あれ? オレの反応ってそんなにおかしいことかな。
でもさ、後になってまた倒れたなんてことになったらシャレにならないじゃん。サッカーでも、ヘディングをやり損なって頭を軽くぶつけただけなのに、時間差で大惨事とかあり得るんだから。もっと硬い戦車のボディに頭突きかましたっていうなら、もっとヤバいことなりかねないんじゃないか。
「みほちゃんも、武部さんも秋山さんも冷泉さんも。どこか打ったとかケガしたとかあったら、無理しないですぐ病院行ってね」
いやマジで。
マネージャーもどきとして救急箱を用意する云々、みたいな話が前にあったけど。逆に言えば、オレには救急箱レベルのことしかできないわけで。重いケガを負ったなんて場合は救急車を呼ぶことしかできないし。そこまでいかずとも、みほちゃんの肌にアザとかできちゃったら、オレはオロオロして使い物にならなくなる自信がある。
あー。そう考えるとオレって本当におやつを作るくらいしかできることないんじゃなかろうか。ちょっとヘコむ。
「危ない真似はよせ、ってのは無理だろうけど。くれぐれも気をつけてね」
そんな風に、みほたちの身体の調子まで本気で心配したら。
「俊一くん、ありがとうっ」
みほが、いきなり抱きついてきた。
なんだなんだ。友達どころか、戦車道メンバーの目もあるところで大胆だなと思ったら。なにやら気遣われたことが嬉しかったらしく。「大好き」と言いながら、オレの胸板にグリグリと顔を押しつけてくる。
みほの喜びアピールをありがたく受け取って。軽く抱き寄せながら、頭を撫でてあげる。他の人の目もあるから控えめにしておいた。
「相変わらず愛されてるねー、みぽりん」
「あら。気遣われているという意味では、わたくしたちもその対象になるのでしょうか」
「その理屈ですと、少なくとも五十鈴殿はそうなるのでは?」
「まだハーレムが広がるのか。たいしたものだな、大瀬良」
何か言われてるけど、まぁいいや。
それはそれとして。
あんなでっかい戦車に乗り込んで、撃ったり撃たれたりするわけだから。どこかに身体をぶつけるなんてことも、当たり前にあり得るわけで。そういったケガとかに、外にいる人間はどう対応すればいいいのか分からない。戦車道の試合はもちろん、普段の練習中だって、何も起こらないとは限らないからな。
「じゃあ本職の人に聞いてみよう」
というわけで、蝶野教官にそのへんのことを質問してみることに。
戦車道のメンバーがケガをした場合はどう対応すればいいのか、単純に救急車を呼ぶだけでいいのか、救急箱みたいなものは何を揃えればいいのか、などなど。
途中で、戦車の回収から帰ってきた自動車部の4人も交えて、戦車にまつわるケガや補修についてなどの話になり。さらに杏さんたち生徒会の3人も呼び寄せて、試合や練習以外の裏方仕事についていろいろ教えてもらった。
ちなみに。
オレたちがそんなやり取りをしている他方で。まほは戦車道メンバーを集めて、さっきの練習試合の解説をしていたらしい。まほが試合の流れを客観的に話し、みほが自分の乗っていた戦車がどんな判断をして動いたのか、などを補足していったとのこと。戦車道経験者が語る、試合の全体像や攻防のあれこれに、初心者な女の子たちは感心しきりだったという。
さらにその後。気がつけば、みほがオレに抱きついていたことが話題に上がって。みんなから「ラブラブだー」と言われ、真っ赤になっていたとか。みほが恥ずかしがりながらも反論はしないことに、みんなほんわかした気持ちになったという。
みほちゃん可愛い。
―続く―
最低1ヵ月に1話とか、どの口が言っていたのか。
槇村です。御機嫌如何。
前話から、間を開け過ぎた。
そうしている間も、なぜか書いてみたいエピソードは増えていく。
不思議で仕方ない。(さっさと書け)
そうそう。
テレビ版の第3話、あの吊り橋のシーンなんですが。
初見時は「おっ、『恐怖の報酬』じゃん」とテンション上がったものです。
ウィリアム・フリードキン監督の1977年リメイク版は傑作だぞ。
好みはあるだろうけど、1953年のオリジナル版もオレは好きだぞ。