シリーズです。
かぐや姫
むかしむかし、竹を取って暮らしている、童貞独り身貧乏のおじいさんがいました。
ある日、おじいさんが竹やぶに行くと、ピカピカ光る、不思議な竹がありました。
「なんじゃこれは。光る竹なんぞこの無駄に長い人生で初めて見たぞい。まぁ、ええか。ワシには関係ないことじゃ。ほいさっ! ……ややっ! これはどうしたことじゃ! 」
おじいさんがその竹を切ってみると、なんとまぁ、小さな可愛い女の子が。
「これは驚いたわい。光る竹には子どもが入っとるのか。知らなんだ、知らなんだ」
一人ぼっちのおじいさんはその子にすっかり見惚れてしまって大事に抱え、昔自分で建てたおんぼろ屋敷に連れ帰りました。
女の子が御爺さんの家に来てから、おじいさんが竹やぶに入ると不思議な光る竹が何本もありました。
「ややっ、今日も光る竹があるぞ。しかし困った。ワシの稼ぎでは赤子を何人も食わせてはやれんぞ」
そう言いつつおじいさんが竹を切ると、竹の中から黄金黄金ざっくざく。ジャラジャラジャラと零れてきました。
「大変だ! 大変だ! 」
おじいさんは大金持ちになりました。
そして、竹から出てきた女の子を「かぐや姫」と名付け、大切に育てたのです。
かぐや姫はあっという間に大きくなり、その美貌はこの世のものとは思えないほどでした。
大きく立派な屋敷で上等な仕立ての装飾を身に纏ったかぐや姫はそれはそれは絵になるもので、おじいさんは毎日のようにかぐや姫に見惚れていました。
しかしかぐや姫が年頃になると、うわさを聞きつけ
「どうか、かぐや姫を私の妃に」
という、若者がたくさんやってきました。
中でも特に熱心な若者が五人いました。
かぐや姫と並んでも見劣りせず、身分も高い五人です。
でも、かぐや姫はお嫁に行くつもりはありません。
はたしてかぐや姫は
「では、私が言う品物を持ってきて下さった方のところへ、お嫁に行きましょう」
と言って、世にも珍しいと言われる品物を一人一人に頼みました。
五人の若者はそれぞれあれこれ手を回しましたが、かぐや姫の望んだ品物を手に入れたものは、一人もいませんでした。
「おお、かぐや姫や。あんな立派な方々の何が気に入らなかったのだい」
おじいさんは小市民なのでかぐや姫になぜあんな無理難題を吹っかけたのか尋ねました。
するとかぐや姫は、
「なぜだなんて、そんなのもうとっくに心に決めた方がいるからですわ」
と返答しました。
瞳を潤ませ顔をしかめてかぐや姫は言いました。
「私はおじいさんが好きです。あなたを愛しています」
「なんと」
おじいさんはあっけにとられてそれしか言葉がありませんでした。
今までの人生で、初めての愛の言葉。それが仮にも娘とはいえ絶世の美女であるかぐや姫からの言葉となればなおさら、その衝撃は計り知れないものでした。
「おじいさん……」
しゅるり…しゅるりと衣擦れの音。
それはかぐや姫が身に纏う衣を剥ぐ音でした。
おじいさんはいまだ固まっています。
「おじいさん……」
そうして、かぐや姫は最後の一枚を脱ぎ捨てて傷一つない美しく魅力的な体を愛しい人の前にさらけ出しました。
均整の取れた体。小柄で愛くるしくも”女”としての色をにじませる艶。初々しくまだ誰も受け入れたことのない秘所からは とろりとろりと滴るものが。
「かぐや姫……」
やっと立ち直ったおじいさん。美しいかぐや姫に魅せられ頭は茹だり、駄目だ駄目だと思っても彼の眠る獣性が魔羅に血潮を送り始めます。
「あ……」
「本気なのだな、かぐや姫。嘘ではないのだな、かぐや姫」
「……ええ、ええ。はい、おじいさん。私は噓を申しません。私はおじいさんが好きです。私を育て、私を愛してくださったおじいさんを愛して恋い慕っております。
今も、ほら」
かぐや姫自身の指を這わせ、滴る蜜を拭い見せます。月明かりに照らされたそれは、なんともいえない妖しさで彼女の言葉が真実だと、千の言葉より雄弁に語っていました。
「私はおじいさんと」
「うおおおお……! かぐや……っ! 」
おじいさんはもうすっかり理性が利かなくなってかぐや姫を犯してしまいました。
かぐや姫は必至で腰を振り、自身を求めるおじいさんを優しく受け入れ、何十年分の溜まりに溜まった精が尽きるまで何度も何度もその
「ぐうおお、かぐや。かぐや」
おじいさんは夢中になって童貞を卒業した自身の魔羅を出し入れしました。
「あっ ああんっ あっ あっ んんっ 」
かぐや姫も処女とは思えぬ乱れっぷりで夢中になって喘ぎました。
愛しい人のものを咥え込んだ嬉しさで乙女の部分がキュンキュン疼き、おじいさんの敏感な童貞チンポを圧迫します。
「ぐおおおおっ ぐうううっ 」
「ああん っ んっ っんん っっ 」
おじいさんはあまりの気持ちよさにあっという間に射精しました。当然中に。当然奥に。中に出しました。
寿命近くまで死蔵されていた精液は、それはもう止め処なく溢れ出ました。
それからというもの、おじいさんとかぐや姫は朝となく夜となくまぐわい続け、屋敷中が二人の淫香で満ちるほどに求め合い続け絡みあい続けました。
そんなこととは全く関係なく、かぐや姫のうわさは、遠く都におわす帝の耳にも入りました。
「ぜひ、かぐや姫を妃に欲しい」
帝はそう願いました。
そうしておじいさんとかぐや姫の愛の巣に帝の使者が訪れ、かぐや姫をぜひ妃にという勅命を伝えて去っていきました。
おじいさんはかぐや姫の胸に自身の肉棒を挟まれ呻きながら、
「おお、かぐや姫や。これは帝の勅だ。逆らえば殺されてしまうかもわからぬ」
「ああ、おじいさん。どうか恐れないでください。大丈夫です、大丈夫です。おじいさんは何も怖がらなくていいのです。さあさ、もっと、もっと私の胸で気持ちよくなってください。不安も恐れも何もかも、すべてすべて性とともに私の体に放ってください」
「おお、おお、かぐや姫、かぐや姫。愛している。愛しているぞ、かぐや姫。お前はワシの愛する子だ。愛する女だ。お前の心も体もワシのものじゃ。誰にも渡さん。帝だろうと渡しはせん。お前はずっとワシのもとにいて、ワシの魔羅を加え込んでいればいいんじゃ」
「はい、はい、おじいさん。愛しています、愛しています。私はどこにも行きません。私はおじいさんと一緒がいいのです。私はおじいさんとずっとずっと一緒に――――」
「かぐや姫……? 」
「……。 ぁむっ ぅぁむ っんむ あむ むっ ぁ っむ 」
「おおっ っう」
「おじい しゃん っ ほぉぅ っえふ っか っ? もっ ほっ もっお ひもひよふっ っなっへ ふらはいっ 」
「おお、おお、かぐや姫、かぐや姫! 」
帝の勅命があっても、おじいさんとかぐや姫は毎日性交にいそしんでいました。かぐや姫の具合はそれはそれは素晴らしく、おじいさんの性欲は枯れることはなかったのです。
かぐや姫は、なんとか帝の求婚を躱そうと思いましたが、帝の妃といえば貴人であっても望むべくもない名誉。帝相手では婚姻の条件を求めることもできません。
それ以来、かぐや姫は毎晩毎晩、悲しそうに月を見上げては泣いていました。
行為の最中もどこか悲しげで心ここにあらずといった様子です。
おじいさんが心配して寝物語に尋ねると、かぐや姫は泣きながら言いました。
「実は、私は月の世界のものです。少し前から、月からの声が聞こえるのです」
「声とな? それはなにか」
「『次の満月の夜に迎えが行く。月に戻るように』……と」
「な、なん……と……」
「これは月の掟で、定めなのです。逃れられない運命。私が地上にいられるのは、もう本当にわずかな時間しかないのです」
おじいさんは固まりました。
おじいさんの魔羅も固まりました。
悲しげな表情のかぐや姫がそこに跨り、惜しむように慈しむように、愛しく名残惜しく腰を振ります。
うごめく膣壁に刺激されたおじいさんの本能が止まった思考の代わりに肉体を動かし、かぐや姫の尻を掴み腰を抑えます。どこへも行かせないと言わんばかりに力を込められるおじいさんの腕、しかしそれでもかぐや姫は止められません。
叩きつけられ擦り上げられ限界を迎え射精するおじいさん。快感と脱力感で腕の力も抜けてかぐや姫を捕まえておけなくなります。
それは二人の未来、離別の避けられなさを表すかのようでした。
そうして迎えた満月の夜。おじいさんは満月に月からかぐや姫を連れ去る者どもが来ることを帝に伝え、守ってもらおうとしました。
これを聞いた帝は何千人もの兵を送ってかぐや姫の家の周りを守らせました。
おじいさんは屋敷の奥でかぐや姫を強く強く抱きしめました。どこにも行くな、と。どこにも行かせるものか、と。
けれど真夜中になって月が満点の夜空に輝くと兵士たちはいずこかに去り、屋敷の固く閉ざされた門も襖も吹き飛ばされてしまったのです。
おじいさんの体からも力が抜けて、死んでも離さないつもりでいたかぐや姫の体を離してしまいました。
「 さ ぁ つ き の み や こ へ か え る の で す 」
響く声に無言で応え、かぐや姫が立ち上がって歩き出します。
「かぐや姫……行かないでおくれ……かぐや姫……」
「さようなら、さようなら、おじいさん。私の愛。私の旦那様。私の最初で最後の殿方。愛しています。今までもこれからも、ずっとずっとどこからもどこまでも、一生おじいさんのことだけを愛し続けます。
さようなら さようなら」
「かぐや姫……愛している、ワシもお前を愛して」
朝になりました。おじいさんが目を覚ますと、そこには誰もいませんでした。いつも傍らにあった愛しい子。美しく愛らしいかぐや姫の温もりはもうどこにも残っていませんでした。
残っていたのは凍えるほどの静寂と、装飾の施された薬箱一つ。
「かぐや姫、かぐや姫。ワシの愛しい子。愛しい子。ああ、ああ、お前がくれたものなのだね、お前が残していってくれたものなのだね。これを飲んで、これを飲んでいつの日か、会える日まで待っていてほしいと、つまりはそういうことなのだね」
おじいさんは箱の中にあった薬を飲んで言いました。
「ならば待とう。お前に会える時までワシはいつまでも待とう」
その薬は不老不死の妙薬。飲めば老いることも死ぬこともなくなり、永遠に在り続けることのできる薬でした。
「ああ、だが、だがしかし」
「ひとりか」
「一人は寂しいな」
「なぁ、かぐや姫」
おじいさんはそう言うと、声を押し殺して泣きました。震えて涙をこぼして泣きました。涙は枯れることなく零れ落ちてきます。悲しみも、寂しさも尽きることはありません。
おじいさんは、泣いて、泣いて、泣きました。