「どうだ?」
タオローの問いかけにリュオウは首を縦に振る。どうやらこの方向で間違いはないらしい。
事実、タオロー達をここまで導いた微かな匂いの痕跡は、消えることなく一本の光の筋となって明瞭に標的の行き先を示していた。
「少し、先ほどのジネブラの問いを考えていた。恐らく闘技場の惨状はヘヴォルムの偽装だ。この異貌のものどもの死体の山も、標的の少年がやったと見てまず間違いない。傷口の痕も研究所のそれによく似ている」
「人と異貌のものでは段違いだけどね」
吐き捨てるジネブラの声には若干の不安が混じっているように見えた。それもそうだろう。当初の見積もりでは少年の戦闘能力というのはそこそこ腕利きの十一階梯程度、という認識だった。
しかし、目の前に広がる破壊痕はどうだ。異貌のものどもの大軍を鎧袖一触に薙ぎ払うような真似など、腕利き程度になせる業ではない。
「標的は十三階梯、あるいは」
「問題となるは動機だ。無差別殺戮などまともな精神の持ち主では到底できはしない」
なにも不思議ではない、とジネブラは心の中でリュオウの疑問を一蹴した。あの狂った施設での実験は人一人の心を狂わすには十分な地獄だったのだから。
問題は、話が通じない相手であればどうするかという点に尽きるだろう。
長命竜でさえ厄介なのに、それと同じ化物を敵に回すとなると戦術としては最悪の手になる。ただでさえ不利な戦いを二方面で同時に展開するなど失敗する作戦の典型だ。
もし対象が大人しくタオローについて来なかった場合は、はいそうですかと逃がすわけがない。腕利きの咒式士を集めた理由を二人とも察していることだろう。説得から対象の捕獲。臓器袋程度にはなってもらわねば困る。
「ああ、楽しくなってきたな」
今回ばかりは頼もしすぎる発言に苦笑しか出なかった。横を見るとリュオウは口の端に不敵な笑みを浮かべていた。
ジネブラは顔を背け頬を撫でた。あの少年がここまで強くなっているのは完全に想定外だった。竜の血族とはいえども、訓練なしであそこまでの戦闘能力を発揮できるはずがないと高を括っていた。流石に最初の一人だけのことはある。
こうなった以上、長命竜に標的の少年を殺させて依頼そのものを破綻させる筋をも視野に入れておく必要がある。幸いジネブラは単なる傭兵だ。失敗しても二度とこの街に近寄らなければいい。
とにかくこれ以上は怪しまれることになる。
無意識のうちに右足が脳内と同じリズム刻む。行く道も血まみれなら変える道もまた血まみれだ。
螺旋状に抉れた天井も高い玄室で、あなたはガラクタの山に背を預けていた。わざわざ来た道を引き返してこの場所を待ち合わせの場所としたのは、特徴のない迷宮において目立つ場所だったからだ。待ち合わせにはうってつけだろう。
とはいえど、一所に留まる愚を、如何に追跡術を知らないあなたと言えども理解できないわけではない。出来るだけ早くこの場所を離れるのが賢明な判断と言えた。
そうこうしているうちにヒルヅっぽい感情の波があなたの感知範囲に入った。瞑った眼を開く間合いを測る。
「ごめん、」
開口一番、今のあなたが口にすべき言葉はそれしかないのだ。どうしようもないほどごめん。……そう思うのだが言葉が足りなかったかもしれない。
人の心が読めてしまうということは、この世でただ一人真実を見続けなければならないということだと思う。などと嘯いても、結局のところあなたには理由は分からない。結果は分かってもなぜそう思うのかは分からない。
嬉しい。なるほど、それはなぜなのか。悲しい。なるほど、それはなぜなのか。
だから、ヒルヅの困惑も理由はよく分からなかった。
「ああ……。この姿はまあまあカッコいいと思うんだが、人混みじゃ目立つよな」
あなたは出来るだけ以前のような声を出したつもりだった。姿は大きく変わってもあなたはあなたであり、あなたにとってヒルヅは師のような姉のような頼れる存在なのだ。
「おう……それはいいんやけど。」
ひょっとしてヒルヅの困惑はあなたの背中のそれに起因するのだろうか。
「背中のこれは迷宮で拾った。地上の適切な施設に届けたい」
眉をひそめて近づくヒルヅ。肩越しに覗き込むそのの顔はおおう、と表情を奇妙に歪ませて頷いて見せた。やはり、と言うべきか。絶望的ではあるがあなたはこの幼女を見捨てるわけにはいかない。
「それはいいんやけど。とりあえず読心咒式はもうええんか?」
「よくはない。だがヒルヅにとってはどうなんだ。俺はむしろそっちが心配なんだ」
少しヒルヅは考え込んだ。といってもその全てがあなたには筒抜けではあるが。
「よいわけないやん」
だから一刀両断するヒルヅにもあなたは特に落胆しない。せやけどとあなたの目を見てヒルヅは続ける。
「せやけどこうも思うで。他人の心が読める分だけ他人にとって善い人間になって欲しいと」
「それって?」
言いたいことは分かるし、言おうとしていることも分かる。それでも結局あなたは尋ねずにはいられないかった。人の心を読めると言っても人の言葉まで読めるわけではない。小説を粗筋のみ知れば十分という人間には、文字の味わいなど分からない。だから、あなたはヒルヅの口から聞きたかったのだ。
「異能なんて誰もが持っているもんや。所詮は限定された地域における有用なスキルという意味合いでしかない。世界チャンピオンを競うようなものでもない」
いつのまにか閉じられた瞼の奥で、自分自身の言葉をヒルヅは見つめていたのだと思う。唾を飲む音が鼓膜を叩く。ヒルヅの次の言葉を待つあいだに、以前よりも遥かに強くなったはずのあなたの心臓は悲鳴を上げていた。
「人より力が強いならば、重い物を持つことで他人の役に立てばいい。人よりも賢いなら、その賢さで役に立つものを発明すればいい。人の心が読めるというならば、その分だけ他人を幸せにすることも容易やろ?」
「まあ、恐らくは」
よく分からないが多分出来る。そう思う。
「せやろ」
「となると問題は俺自身か」
そんなことでいいのかと、しかし何をすればいいのかとあなたは顔をしかめヒルヅの最後の言葉を待った。
「せやで、あんた自身が善い人間であるかどうかが、あんたの存在価値を決めるだろう」
なんていうか、……とても難しい。よい人間なんてのがそもそもよく分からない。俯くあなたの目をヒルヅが覗き込み
「おいおい、うちのアドバイスを無駄にする気か?」
「あー違う違う。頑張るよ」
やるしかない。それだけのことだ。
「おう。がんばれや。ま、読心対策はあるんやけど」
「あ、そうなの」
「せやで、これや」
それならばもっと早く言って欲しい。急く気持ちとは真逆のヒルヅの態度が若干、あなたを苛立たせる。そんなあなたの胸中などお構いなしに、ヒルヅはライダースーツのジッパーを下ろし服の中を漁り始めた。ということは当然下着が見えるだけで特に心配はないはずなのだが、
「まずいですよ!ヒルヅさん!!」
うあーー、とあなたは声に出さず両手で顔を覆って目を塞いだ。見えてはいけないものが見えてしまう気がするのだ。
「前衛咒式士が使う技に咒力を乗せた刃で相手の咒式を破壊する技がある。それはあんたにも以前説明したな」
ヒルヅとの授業を思い出す。そういえばそんなことも教わったことを思い出す。
「ああ、結界による完全な無効化とはまた別の」
「そう。それと同じことや。発動している咒式に意味のない咒力を交えて効力を無効化する。制御できないなら破壊してしまえばええんやって」
そうしてライダースーツの中からあなたに差し出されたのは一枚の札だった。宝珠と同じ素材で輝く記号が描かれ手の平と等しい大きさを持つ長方形の紙片は、主に咒式治療に使われる代物である。
大層な前振りに見合わぬ紙片にあなたは目を細めた。
「これは咒符という。包帯と共に患部貼り付けることで対象の自然治癒力を増幅し回復を早める。普通はな」
「普通は?じゃあそれ以外は?」
「攻性咒式を罠として仕掛ける時にも使うな。最大の利点は、効果が単一である代わりに使用に熟練を要さないという点や」
「なるほどそうか!」
合点がいったあなたの目にヒルヅは微笑みを返した。
「あんたの咒力を使って治癒咒式を発動させる代わりに咒力波長を変化させ、咒力同士を相殺させる形で恒常的に発動している読心咒式を破壊する。完全とはいかんけどこれで随分と変わるやろうな」
ヒルヅから咒符を受け取り背中に貼りつける。肩甲骨と肩甲骨の間だ。僅かな抵抗感のあとに、ようやくあなたの世界には静寂が訪れた。
「ありがとう、ヒルヅ。これで俺は地上に出られる」
「ああ、せやな。礼はいつか返してくれればいいで」
いったい何年ぶりのことだろうか。なんの飾りもない素直な感謝を告げあなたは頭を下げる。だから、あなたはヒルヅの顔を見られなかった。泣きたいような笑いたいような不思議な顔でヒルヅが感謝の言葉を受け取った事実を、あなたは知らない。
「それを待っていた。感知範囲内の人の心を読む結界など、追跡者に対しては無敵すぎる」
背筋を凍らせる絶対零度の振動と、白い影が降り注ぐ。強化されたあなたの知覚をも掻い潜り、悪意の竜の右手はあっさりとヒルズの腹を貫いた。声にならないあなたの喉が聴いたことのない音を立てる。ヘヴォルムは右腕を振るいガラクタの山にヒルヅの体を叩きこむ。我を忘れてヒルヅを追うあなたの姿はあまりにも無防備で、そしてその隙を見逃すほどヘヴォルムは甘くない。
右。遅い。認識に対応が追い付かない。
右頬をヘヴォルムの左拳に撃ち抜かれ、腹部を貫かれたヒルヅが遠ざかっていく。着水。水音が聞こえない。問題ない。足首ほどの高さしかない水底に両手両足の爪をかけて運動エネルギーを制御する。
邪魔だ、とかどけ、などとは言う言葉は頭になかった。脳が凍るほどの恐怖と、脳が燃え尽きるような殺意に右拳が打ち出され、掴まれて止められる。距離にして僅か30センチメルトル、目と鼻の先にはヘヴォルムの狂気の笑みが浮かんでいた。
「人と竜の混じりものか。竜ともつかぬ人ともつかぬ中途半端な姿は実に醜いな」
何かを喋っている。知るか。こいつをここで殺さねばヒルズが。ヒルヅは、生きているだろうか?
ヘヴォルムの手刀が振り抜かれる直前に、ヒルヅが何かを呟いたのを見た。その言葉と同時にあなたの腕を握りしめるヘヴォルムの握力が僅かに弱まる。
もう一度、彼女の口が動く。
逃、げ、ろ。
逃げるな。あなたの意思は決戦を示し、ヒルヅの意思は逃走を示す。だから、あなたは逃げる。ここで戦ってもヘヴォルムには敵わない。ここであなたが死ねばヒルヅが生み出した最大の好機が無に帰ってしまう。
無策で逃げるわけにはいかなかった。そもそもヘヴォルムとあなたの機動力は互角だ。追いつかれた時点で逃げ切れるものではない。ならば一か八か。伸るか反るか。
密着した体勢から天を衝く右の側踢腿。大鬼の首から上を破裂させる威力の蹴りには、流石のヘヴォルムも右に回避行動をとらざるを得なかった。
勝ったとあなたは勝利を確信した。
右足を避けた先にある頭に「置いた」左の跳び膝蹴り。だが、熟練の竜にこの程度の連携は通じない。ヘヴォルムがのけ反って躱す。
あなたの体は宙にあった。足場のないこの場所では如何なる打撃も不可能で、逆に素の質量に勝るヘヴォルムがあなたを殺すのは赤子の手を捻るよりも簡単だ。
殺害方法は単純至極、地面に叩きつければいい。長命竜の腕力ならば、一メルトルの加速幅で全身の骨を砕くことも可能だろう。
それはひどく迂遠なカウンターとも言えた。
蹴りは足の勢いを活かしてトンボを切り、地に叩きつけようとするヘヴォルム自身の腕力も利用して加速、右腕の戒めを接点に千倍にした自身の質量で天秤を傾ける。
上下が入れ替わる。天地が逆転する。
攻め手の虚をつくドラッケン族式格闘技の捨て身技、天秤返しは受け身などまさか取らせず、およそ時速150キロメルトルにも達する加速は大地を巨神の一撃に変えてヘヴォルムの全身を隈なく打ちのめした。だが一撃必倒の投技でさえ、ヘヴォルムを僅かな時間行動不能に出来るかどうか。
しかし、ここに至ってここでようやく逃げるという選択肢が出てくる。無論ヒルヅも一緒だ。背中の封を剥がし、腹に風穴の空いたヒルヅを担ぎ、走る。
来た時とは真逆に、少しでも声のする方向へ。
静寂の聖堂(カテドラル)。古典的イメージに沿う重厚な柱を玄関に四柱置き左右には二つの塔が並ぶ。よくぞ地下空間でこれほど巨大な建造物を作り上げたと思う反面、冷えた溶岩じみた歪な壁の意匠は見るものを不安に陥れる。入り口の大きさからして人の手によるものだろうに。だとすれば如何なる狂気が創造者を建造へと駆り立てたのか。
標的を追うタオロー達の前に現れた聖堂はどうやら関所となって標的への道筋を塞いでいる。
「立ち止まっても仕方がない。臭いは建物の中へと続いている」
先導するドラッケン族に続いて二人は聖堂の中へと脚を進めた。扉などない石造りの入り口には二匹の魔除けの邪像が悲し気に宙を睨んでいた。奥へ奥へと訪問者を誘うように左右の篝火が火を灯す。天井と窓のない壁に描かれた竜と人の戯画は何に意味もない図形としてタオロー達を迎えた。黄金龍ガ・フーイと初代龍皇の戦闘図、誰にも聞こえないようジネブラが呟いた。
「やれやれ、予定が狂ってしまった。だが、客人をもてなすはずの従者は全てあれに殺されてしまったからな」
白い影と白い声、青い長剣を片手に聖堂の中央に立つヘヴォルムの声がタオロー達を出迎える。よく見るとヘヴォルムの足元を赤黒い液体が濡らしていた。それは倒れた器から零れ落ちたワインのように長く長く、次第に細く、扉に向かって伸び、タオローの靴をも僅かに濡らす。
「だがまあ、ここらでこの馬鹿騒ぎも終わりでいいだろう」
力のある声に六の眼が引き寄せられる。白い影を経由し入り口へと向かう流血の大本、聖堂の最奥に設置された祭壇には猿とも人ともつかない何かが横たわり、それを守るように立つ竜人がヘヴォルムに向けて立ちふさがっていた。
「竜の血を引く人族を誅戮するのが我が使命。貴様らの求める命は我が手の内にある。もう終わりだ。退け人族よ」
発する言葉の圧力は古代の覇王にも匹敵しよう。人身をとろうともヘヴォルムは紛れもなく長命竜、それも人族の敵対勢力に属する者なのだ。今、標的の少年を見逃すことで命を生きながらえることが出来るのならば取引としては最善である。だが、タオローは今度こそ退けなかった。
旧友とはいえど、素性も知れぬ外様に任を預けたホアンの信頼を裏切ればタオローは二度とタオローに戻れない。気圧されるリュオウとジネブラを背に、まずタオローが流れる血を踏みしめ抜刀、前進する。
「聞け、竜よ。お前の目的はあれを殺すことだろう。俺の目的はあれを生きて連れ帰ることだ。邪魔するならば長命竜だろうと容赦はせん」
とたんに、使い手の戦意に呼応したのか長命竜の手に輝く長剣が一際強く、青色の深みを増した。
「会話は無駄か。では死ぬがいい。貴様らの相手などこの木偶で十分だ」
言い捨てて背を向けるヘヴォルムの姿が遠ざかっていく。仕掛けるなら今しかない。左右の二人に目で体内通信で合図を送る。
リュオウは快諾。あとはジネブラの了承を待つのみだった。
こんな地下だから雪でないことだけは確かだ。
戦闘態勢にありながらジネブラが手を止めて、頭に落ちた冷気を振り払ったのは、単に目の前の長命竜以上の脅威に思い至ったからである。地下迷宮はいうに及ばず、こういった地の中にあって真に恐れるべきは竜の出現でも禍式の召喚でもなく、岩盤の崩落である。前者二つはまだどうにでもなるが、落下する巨大質量に巻き込まれれば、十三階梯といえども生存の可能性は限りなく低い。誰でも生き埋めにされてじわじわと死んでいくのは嫌だろう。
幸いなことに崩落の可能性はすぐに否定された。
ジネブラの頭に降りかかった石粉の起点となる揺れは、徐々に彼女以外の生き物にもその存在を知覚させていく。
二足歩行ではない。しかし四足であっても、僅かに混じるこの硬質な擦過音……、破砕音!聖堂の壁が外圧に粉砕され、ぽっかりと空いた穴の大きさは破壊者の強大さを無言のうちに示してる。
「甲剣竜か」
揺れが一つ起こるたびに、整然と並んだ石造りの長椅子は無造作に踏み砕かれ、身を震わせるたびに風圧で篝火がかき消された。
次第に大きくなる揺れと、黴の臭いを上書きする強烈な石油臭と、深海の海流を思わせる重低音の息吹とが攪拌され、石造りの聖堂は異次元へと変貌していく。
未だ正体を明らかにせぬその重厚な気配は、ヘヴォルムの竜形態にも匹敵するだろう。見えぬ恐怖を押し殺しジネブラが魔杖剣の引き金を引いた。
「なんだこれは……」
唖然としたタオローの声は、三人の驚愕を表明していた。
天井付近で燃え上がる粗製ガソリンの猛火に、とうとう魔物の全貌が浮かび上がる。鋼の色の小山は巨大なネズミじみた格好で地に伏せ、その胴体に半比例して小さな目は空虚な殺意に燃えタオローたちを見据えている。
甲剣竜である。鱗竜目巨竜科鈍竜属亜種。鈍重で知能は低いが、硬い鱗を持つ生体重戦車。その上、聖堂内部を圧する呼吸音は、戦場で使役されるそれとは一線を画する体躯をもってヘヴォルムとタオロー達を分かつ壁となる。
大地を揺らす初めの一歩は酷く鈍重だが、止められるものなど皆無だった。
理屈も糞もあったものではない。ただ進路上にいるだけで殺されるかもしれないという恐怖が、タオローの心臓を締め付ける。
一方で即座に先制攻撃権が誰にあるかを察知したリュオウは、硬直したタオローの前で屠竜刀をかざして盾にする。直後に輝く地上の魚群―――、
「防げ!」
降り注ぐ鋼の驟雨がリュオウの叫びを遮り、ジネブラが二重生成した鋼の壁とリュオウの屠竜刀が着弾の衝撃に軋る。砕け跳んだ鱗の破片が周辺の壁にぶつかって、焼き菓子のように石材を飛散させる。