神様project・異世界もチートも欲しくない【欲しいのは女神様だけ】 作:うきぐもさん
そこのところ理解してる?
甘く見てない?
――さて、どうしたものか。
神社の鳥居をくぐり抜け森の中を抜けると、なんとも立派で大きな都会の街並みが見えてとても驚いた。
神社の周辺が森であったからとても田舎なのだろうと思っていたのが間違いであったようだが、ここまで賑やかな都会には来たことがない翠にとっては見るものすべてが新しく、それは未知の世界に思えただろう。
「あまり遠出はしない方が良いよな。 帰ってこれなくなったら困るしな。」
さすが都会かな、地平線の彼方まで巨大なビルの群が広がっており中心には一際すさまじく高いビルが一棟。
そんな巨大なビルを見上げてはついつい心を奪われ放心してしまう。
「はぇー、大きいな。 ……っと、そうじゃなくてだな。時間は少ないからな、見とれている場合じゃないぞ?」
智美との約束を思い出した瞬間、気になる回りの景色すらにも囚われないで急いで空缶を探し出す。
少し顔がニヤけていたようで、こらえるのが必死ではあったものの周りからしてみれば変にニヤニヤしながら歩いているなど不審人物に思えなくもないのだが、なんとか平常心を保つことは成功したみたいだ。
――町の中心部のビルの真下に到着する頃には空缶も大量に拾ったことを確信し、少し空缶を眺めてはお腹をさする。
「はぁー……お腹すいたなぁ。」
お金には困るような家庭ではなかったものの世界が違うとお金も違うのか、飲食店にすら入れないとガッカリする。
「炭酸水でも良いから腹を膨らましたい。」
専門外だが一応ゴミとして拾えるものなら見過ごしては置けない空のペットボトルを器用にジャグリングしながらため息をつく。
「ほいっと。」
自販機の脇に設置してあるごみ入れのペットボトルの場所に放り込んでは、少し気になるのか自販機のラインナップを見てみることに。
こちらの世界の物とは何一つ違うものの、コーラやスポーツドリンクと言ったものは一目見てわかるし、お手もお手頃な価格である。
「ちょっと待て!? ここもお金の単位は円なのか? なら……。」
財布から百円を取り出すと、硬貨の入れ口に投入する。
すると、きちんと読み込んで反応しディスプレイには百円の文字が。
「おっ、使えるじゃん。」
さすがに炭酸水は無いので甘いのは妥協してサイダーを購入し、隣のベンチでゆっくりと飲む。
春の陽気が暖かく心地いい公園は時おり強い風が吹き付けるも、雰囲気が悪くないためか、約束があるのにも関わらずのんびりと少しずつサイダーを飲み干すのであった。
仕事開始からちょっとしかしてないのに、休憩時間はまだ先だろうが!!
だが、水分はこまめにというのでオッケーです。