神様project・異世界もチートも欲しくない【欲しいのは女神様だけ】 作:うきぐもさん
……というより、そんなカゴに1000個も入るわけがないって気がつけよ。
――盲点だったと頭を抱えて落ち込む。
よほど喉が乾いていたのか一気にサイダーを飲み干してゴミ箱に捨てるも、大変なことに気がついたのだ。
それは、それほど大きくもない竹製の背負いカゴが満杯になってしまい、これ以上はどうしようもないのである。
リサイクルボックスはこっちの世界では見かけないし、仮にあって入れたとしても証拠がなくなってしまう。
智美の事ばかり頭に浮かんであのときは勢いで来てしまったのが間違いだったと気がつくも、もう遅いのだ。
「あ……あぁ。」
ガッカリと肩を落としトボトボと神社へと向かう。
神社から歩いて三十分もかかるこの場所はというと、一日でそう何度も往復して来れるものではない。
それでも何より智美に頑張るという誠意をみせてしまったのだからここで諦めたくない思いが強いが、現実は甘くはない。
「まぁ、でも智美さんのあんな優しい顔が見れたのと大人のキスが出来たのは大きな進歩か。」
空を見上げても太陽はまだ高く、先程十二時を迎えたばかりなのだ。
そんな早い時間に帰ってきたなら追い返されるに違いないと思いながらも挙動不審になりながら鳥居をくぐり抜け、今は住みかの神社へと帰宅をするのである。
――あまりにも早い帰りに智美は少し驚く。
あれほど熱を入れてあげたはずなのに、もうパワー切れで帰ってきた言うのならまた一喝してやらねばと智美は柱の影越しから覗き込むも、どうにも翠の落ち込んでる様子を見るとただ事じゃなく、また別なことで悩んでると察したらみたいだ。
「あら、早いじゃない? どうしたわけよ。」
「カゴにはあまり入らなかったのを忘れてね。 今日で千個は無理だ……。 とりあえず中身を洗ってくるよ。」
そのまま台所へ行っては流し台に空缶を置いて、一つづつ中身を流水で洗ってプルタブを外して干しておく。
明日にでも引き取り先を探しておこうと、電話帳をめくりながら業者を探す。
「けど、少しでも街がきれいになるんだったら毎日でもやりたいよ。」
遊び心で空缶は左から赤っぽいコーラの間から、オレンジジュースにレモンジュース、お茶やスポーツドリンク等と並べて虹をイメージして並べたのは内緒のこと。
「残りの時間は神社の中の清掃をしてみようか?」
「頑張ってるじゃない。」
流し台にバケツを置いてお湯を溜めてるときに智美は後ろから感心している。
まだ時間はたっぷり残っているので、ここで空缶拾いの件を挽回しておかなくては……と考えていたのだ。
そんな考えを察した智美は労ってやろうと、時間の清掃を手伝ってあげたとさ。
けど、渡る世間に鬼ばかりではない。
むやみやたらと叱ってもコンディションは下がる一方なので、ここはムチではなくアメをあげてみましょう。