「団長、味はどうかな……?」
遠慮がちにイフェイオンが尋ねてくる。その声には隠し切れない期待と不安がにじんでいる。
素直にとても美味しいと感想を伝えると、イフェイオンはパッと花のような笑顔を咲かせてくれた。
「口にあったみたいでよかった。でも味の好みとかあったら遠慮しないで言ってね?なるべく団長の好みに合わせていきたいから」
その言葉に思わず頬が緩んでしまう。それはつまりこれからも食事を作りに来てくれるという事なのだろうから。
こちらの考えていることが表情でバレたのか、イフェイオンは少し赤い顔を背けて早口でこちらに言い聞かせてくる。
「騎士団長なんだから体調を崩さないよう栄養バランスにも気を配らないと。それに一人分作るのも二人分作るのもそう変わらないし、これくらい別に手間じゃないから……」
それでも自分の為にしてくれていることなのは確かだ。ありがとう、と感謝を告げるとイフェイオンは更に顔を赤くして俯いてしまった。
こちらの好意を素直に受け止められず、対応に困ってるその姿がとても可愛らしい。
イフェイオンの思いを知り、そして誤解を解くことができたあの夜から二人の関係は変わった。
彼女は今まで以上に世話を焼いてくるようになり、半ば同棲に近い日々を過ごしている。
今日も仕事が終わった後、彼女が作ってくれた夕飯に舌鼓を打っていたところだった。
「団長、お風呂湧いたから早く入ってね」
食事を終えてくつろいでいたところにイフェイオンが声をかけてきた。お言葉に甘えて先に入らせて貰うことにする。
浴室に入り、まず髪を洗おうと風呂椅子に腰かける。すると脱衣所から微かな物音が聞こえてきた。タオルを用意してくれているのだろうか。
そう思って脱衣所の方に目を向けると、丁度開かれるドア。そこにはタオルだけを身に着けたイフェイオンの姿があった。
あの夜以来初めて見る彼女の裸を前に、思考が固まりフリーズしてしまう。こちらをよそに、イフェイオンはそのまま浴室に入ってきてしまった。
「背中流しに来たよ」
どうやらそういうことらしい。これも彼女の心遣いだ。少し気恥ずかしいがお願いするとしよう。
こちらの背後に回ったイフェイオンがボディソープをつけたタオルで背中を擦ってくれる。隅々まで綺麗にしてくれるような丁寧で優しい指遣い。
誰かに背中を洗ってもらうのは初めてのことだが、これは中々に気持ちいい。
「リラックスしてるね団長。すごい無防備な背中。今なら誰でも簡単にやれちゃいそう」
確かに否定できない。自分はかなり気を抜いている。しかしそれはイフェイオンの前だからだ。
「そうなんだ。わたしの前だから安心してくれているんだ……」
かみしめるような声が背後から聞こえる。彼女の手が止まり、浴室にしばしの静寂が訪れた。
温かな、それでいてこそばゆい沈黙。まったく嫌ではないがずっとこうしていたら風邪を引いてしまう。
イフェイオンに声をかけようとしたその時―――ふにょん、と柔らかいものが背中に押し当てられた。
信じられないほど柔らかいのに確かな張りと弾力を感じる豊かなふくらみ。わざわざ確かめるまでもない、イフェイオンが背後から胸を押し当ててきたのだ。
先程以上の驚愕にこちらが身動きできないでいるとイフェイオンは少し照れの混じる声で囁いてきた。
「この前読んだ本に書いてあったの。男の人はこうして体を洗ってあげると喜ぶって」
読書家なのは知っていたがまさかそんな本まで読んでいたとは。
イフェイオンはそのまま体を上下に動かし始めた。ボディソープで滑りを増した胸が淫らに形を変えながら背中に擦りつけられる。
「んしょっ、けっこう、んっ、むずかしいね……んぁっ」
しばらく続けているうちにイフェイオンに変化が訪れる。柔らかい感触の中心、乳首が硬度を増してその存在を主張し始めたのだ。
「ふぅぅ、んっ、んんぅ……ふぅ、ぁっ……」
敏感な突起が擦られてイフェイオンも感じているのか、その吐息には艶が混じり、時折小さな喘ぎ声が聞こえる。
その声と背中に感じる幸せな感触によって既に自分の肉棒ははち切れんばかりに勃起している。このまま手も触れずに射精してしまいそうなほどだ。
「んっ、すごいね、団長。こんなに大きくして。私で興奮してくれたんだよね……」
こちらの様子に気付いたイフェイオンは動きを止め、前に回り込んで跪くと、肉棒にそっと指を這わせた。
細く、しなやかな指が絡みつき、自分で触るのとはまるで違う快感をもたらしてくる。
「大丈夫だよ団長、わたしに任せて……。ちゃんと最期まで気持ちよくしてあげるから」
そう言ってイフェイオンは両手で乳房を持ち上げ、肉棒を挟み込んできた。これも本で読んで覚えたのだろうか。
そして両手を使って胸を動かし、肉棒を圧迫するように刺激してくる。ボディソープによってぬるぬるになった谷間は、思わず呻いてしまうほどの気持ちよさだ。
「団長、我慢しないでね。いつでも好きな時に射精していいから」
浴室にぬちゃぬちゃと卑猥な水音が響く。イフェイオンはただ上下に動かすだけでなく、緩急を付けたり、交互に動かすようしたりして射精を促してくる。
柔らかくそれでいて張りのある乳房に包まれる気持ちよさ。それに彼女が胸を使って奉仕してくれているという視覚的刺激を前に、こみ上げてくる射精感をこらえられそうにない。
ほどなくして限界が訪れた。腰の奥からせり上がってくるような快感に身を任せ、溜まりに溜まった精を放出する。
「きゃっ、あっ、すごい勢い。こんなに出してくれるくらい気持ちよかったんだ……」
数日ぶりとなる射精は容易には収まらなかった。、彼女の谷間に白濁の水たまりをつくるだけでなく、その顔をも白く汚していく。
「あつい……それに匂いも強烈。これがわたしの中に注がれたんだね」
興味深げに胸に付いた精液を眺めるイフェイオン。その顔は上気し、彼女が昂っていることを伝えている。
これほど出したにも関わらず、自分も全く萎えていなかった。肉棒は未だ硬く張り詰め、更なる快感を欲している。
イフェイオンと目が合う。もう言葉にせずとも互いに意思は伝わっていた。風呂椅子に座った自分にイフェイオンが跨るように腰かける。肉棒が秘裂に触れるとそこは既に熱く濡れそぼっていた。
「団長ぉ、んんっ、くぅっ、んああああああああっ」
そのまま腰を下ろすと一息に挿入する。二度目となるそこはまだきつく狭いが、充分に濡れていたおかげかスムーズに肉棒を根本まで飲み込んだ。
「はいっ、たぁ。団長の、熱くて硬いのがっ、ぁっ、奥までっ、届いてるぅ」
いきなり最奥まで挿れた衝撃にヒクヒクと震えるイフェイオンを抱き寄せ、落ち着かせるために頭を撫でる。小柄な彼女の体はすっぽりと自分の胸元に収まった。
「あっ、こうしてると、団長の鼓動が伝わってくる。トクントクンって脈打って、団長がここにいてくれるんだって教えてくれてる」
熱に浮かされたように呟くイフェイオン。自分もまさに密着した胸元から彼女の鼓動を感じていた。二人の心音が溶けあうような感覚が不思議と心地よい。
しばらくそうしているうちに落ち着いたのか、イフェイオンがゆっくりと腰を動かしはじめる。
「くぅっ、んっ、あんっ、だんちょう……!。ああっ、あんぅ、ふうぅ、うぁああっ」
肉棒が深い所を小突くたびに甘い声をあげる。膣内はまだ狭いが、もっと奥まで誘うように大量の蜜を溢れさせ肉棒に絡みついてくる。あまりにも気持ち良すぎて、さっき一度出していなければ直ぐにでも射精していただろう。
さらに対面座位の状態で密着しているせいで、イフェイオンの華奢で柔らかい体も、抽挿のたびに胸板に潰され、卑猥に形を変える胸も余すことなく感じ取れる。
それは彼女も同じなのだろう。ゆっくりだった腰の動きは次第に大胆なものになり、より密着感を高めるようにこちらの背中に腕を回して抱き着いてきた。
「あっ、あぁん、ふぅあぁ、これすごいよっ、だん、ちょぉ。全部っ、あぅっ、んっ、一つに、うぁあっ、なってるみたい……!」
「やぁっ、ああぁ、乳首も、あんっ、こすれてぇっ、きもちいいのぉ。わたしっ、体中でぇ、あっ、んぁぁ、団長のこと感じちゃってる」
「団長も気持ちいい?あぅっ、団長も、ちゃんと気持ちよくなってくれてる?わたし一緒に、ああっ、団長と一緒にっ、気持ちよくなりたいの……!」
イフェイオンがこちらを見上げてくる。熱を孕み潤んだ瞳。蕩けきった表情。思わず生唾を飲み込んでしまうほど淫らで、美しかった。
もう堪えることなどできるはずがない。イフェイオンの柔らかな尻を掴み、こちらからも猛然と腰を動かす。
「ふぅあああああああっ、あぁぁ、んんぅっ、はあぁっ、ああぁんっ」
浴室に響き渡るイフェイオンの嬌声。互いを求めるように腰を動かし、共に性感を高め合っていく。
「あぁぁあああっっ、だんちょぉ、わたし、もうっ、あんっ、イクっっ。あっ、あぁあっ、イっちゃうからぁ……!」
こちらももう限界だ。爆発寸前の精が、出口を求めて暴れまわっている。
「んんぁ、奥にっ、一番奥で出して……!わたしの中に団長の精液出してぇ……!あっ、はぁっ、ああっ、イク、イクっ、もうっ、んんぁ、ふぁああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」
イフェイオンの絶頂に合わせて、最奥に精を解き放つ。溜まった精を一滴残らず絞り出すように、膣内は痙攣と蠕動を繰り返しており、腰が抜けそうなほどに快感をもたらしてくる。
「はぁっ、はぁっ、あぅっ、おなか……あついのでいっぱいになってる」
やがて睾丸の中まで空っぽにするような長い射精を終えると、自分も彼女も全身の力が抜けていた。
改めて見ると、お互いにボディソープや体液でぐちゃぐちゃだ。まずはシャワーを浴びなおさなければなるまい。
そう思って立ち上がろうとしたがイフェイオンは動かない。彼女は赤い顔のままこちらに顔を寄せると囁くように言ってきた。
「団長。いまさら何をって思うかもしれないけど、こういうのはちゃんと口にしておいたほうがいいと思う。だからこの機会に言うね」
「―――好き。わたしは、団長のことが好き。団長はわたしのことをどう思ってくれているの?」
そんなの考えるまでもなく決まっている。自分もイフェイオンが好きだ。ずっとそばにいて欲しいと心から思っている。
イフェイオンは見惚れるような微笑みを浮かべると、その花のような可憐な唇でそっと口づけをしてきたのだった。
Fin