ターニャは予定していた時間通りに、自室へと一人の男を招く。
男は周囲を見回し誰もいないことを確認してから、部屋の中へと入った。
ターニャを“買った”その男は、指定された報酬をターニャへと支払う。
その顔は半信半疑といった様子だった。
「よし、では始めよう」
報酬に不足が無いことを確認すると、ターニャは男のズボンを下ろし、肉棒を露出させる。
そして躊躇いなく手を伸ばし、右手で扱きだす。
それはターニャにとって、そして客にとってもいつも通りの光景だ。
だが、今日はここからが普段と違う。
ターニャは己の舌先を肉棒に触れさせると、チロチロと舐めだしたのだ。
口淫奉仕。
新たにターニャが売り出したそれには、ある思惑がある。
(臭い、苦い……最悪の気分だ……)
ターニャは訓練のためにこの行為を行っていた。
上官からの要求はどんどん過激になっている。
そう遠くないうちに口淫奉仕や本番行為を要求されるかもしれないと、ターニャは内心で危惧を抱いていた。
故にある程度の妥協を行おうと決意し、ターニャは譲れない一線である本番行為以外を許容することにした。
口淫奉仕で上官を満足させられれば、それ以上の要求も跳ね除けやすい。
商売で練習すれば、報酬も貰えて一石二鳥だ。
そう考えたターニャの神経は危ないラインにまですり減っている。
自分で過激な性的奉仕の道を進んだという事実に、本人が気づいていない。
「ん、れろぉ……」
舌先を動かし、肉棒を舐め回す。
控えめでぎこちない動きだったが、ターニャが舐めているという事実で男は十二分に満足していた。
みるみるうちに肉棒は固く大きくなり、男は沸き上がる快楽に顔を歪める。
「ふむ、これが気持ちいいのか?」
満足させられているか不安だったのだろう。
ターニャは男の表情に満足気な笑みを浮かべると、そのまま口淫奉仕を続行する。
「――ッ!」
そのような台詞を上目遣いで言われたことで、男は限界を超えた。
解き放たれた精液は、一滴残らずターニャの口元に注がれる。
「熱い……もう終わりか、情けない」
挑発するような口調へ対抗するように、男は追加料金をターニャへと差し出した。
獲物が餌に飛びついたと、ターニャは笑みを深く浮かべる。
「いいのか? 料金はかなり高額に設定したつもりだったが……」
まったく、と表面上だけは呆れたように、ターニャは再び男根を舐める。
相変わらずぎこちない動きだが、それでもかまわない。
ターニャは己の服をはだけさせ、乳房を男に見せつけた。
効果は言うまでもない。
出したばかりの男根はすぐさま固さを取り戻し、ビクビクと脈動する。
「ここまで露骨だと、馬鹿にする気も起きんな……」
こんな体のどこが良いのだ。
今度は本心から、ターニャは予想以上の効果があったことに呆れて息を吐く。
「んっ、ちゅ、んぐっ……」
少し慣れてきたのか、ターニャは肉棒の先を咥え口内へ納めた。
そのまま口を窄め、口内で舌を小刻みに動かして肉棒の割れ目を刺激する。
「――ッ!」
先程とは違う、技術による快楽。
男が再び果てるのにそう時間はかからなかった。
二度目の射精をターニャは舌と喉で受け止め、すぐに口内へ入り込んだ精液を吐き出した。
道端に生えた野草をそのまま食べたようなとでも例えられそうな、形容しがたい表情のままターニャは口元を拭いている。
「苦い、臭い……この味だけは当分慣れそうにないな……」
ターニャは用意していたタオルで顔にかかった精液を拭き取り、グラスに注いだ水で口内を洗浄する。
二度の射精で財布も性欲も綺麗になくなった男は、しかし満足気な笑みを浮かべながら部屋を去っていった。