その日、公的にはターニャは久々の一日休暇だった。
内情は丸一日上官からの要求を受け続けるという意味であるが。
前日受けた屈辱から未だ回復し切っていない己の精神に鞭を打ち、ターニャは上官の元へと重い足を運ぶ。
待っていたのは先日に続く、精神の凌辱だった。
入室したターニャは受けた指示の通り行動する。
その様は己の意思が介在しない、人形のような動きだった。
慣れた手つきで服を脱ぎ、全裸を晒す。
腰を落とし、土下座の姿勢を取る。
社会人として最大級の謝罪を示す姿勢。
だがターニャは知識としてそれを知っていても、実際に行ったことは前世でも無い。
全裸の状態ともなればなおさらだ。
謝罪の気持ちを示せと命じられ、ターニャは自然と土下座の姿勢を取っていた。
「ぐっ、くうっ……!」
ひれ伏しているターニャの後頭部を、上官は己の右足で踏んだ。
体重は乗せず、踏むというよりは足を置いているような状態だ。
靴を履いたままのせいで、靴裏の汚れがターニャの髪を汚す。
そして物理的な汚れ以上に、ターニャのプライドが汚されていく。
上官は己の靴に付着した汚れをターニャの髪に擦り付け続ける。
ターニャの喉からは苦悶の声が漏れ、全身はプルプルと震えていた。
「……うぅっ」
しばらくそうした後、満足したのか上官は足を地面へと下ろす。
そしてそのまま、靴先をターニャの眼前へと突きつけた。
その動きだけで、ターニャは相手の要求を理解できてしまう。
躊躇いがちに舌を伸ばし、突きつけられた靴を舐める。
「んっ、れ、ろぉ……」
上官の靴がターニャの唾液で湿り、濡れていく。
舌から広がる形容できない不快感に、ターニャは涙を堪えて舌を動かす。
口淫奉仕で男性器を舐める時以上の屈辱を、ターニャは感じていた。
「――ん、ぐっ?!」
背後からの突然の刺激に、ターニャはビクンと体を跳ね上げた。
別の上官が、ターニャの尻を撫でまわしている。
時折秘部に指を入れ、膣内をかき回し、ビクビクと震えるターニャの反応に噛み殺した笑い声が漏れていた。
「ぐ、うぅっ……!」
度重なる調教で広げられた秘部は、上官の指を容易く飲み込んでいる。
徐々に大きくなる水音を響かせながら、ターニャは沸き上がる快楽に抵抗する。
土下座の姿勢を必死に保ち、目の前の靴を舐めるターニャ。
全身を悶えさせるターニャの姿に、上官たちは満足気な笑みを浮かべていた。
これだけの屈辱を味わされれば、ターニャも理解する。
上官たちはターニャの心を折ろうとしているのだ。
必要以上に屈辱を与えているのも、彼らが特殊なサディストに目覚めたわけでもない。
いや、それもあるのかもしれないが。
重要なのは、ターニャの極めて強大な自尊心を砕くこと。
若く、優秀で、聡明で、傲慢なターニャは、組織の上下問わず敵が多い。
己の体を売って味方を増やす考えは悪くないが、敵がそれを利用しないとは限らない。
一挙両得。
上官たちはこれを機にターニャを従順な組織の駒にしようと考えているのだろう。
そこまで思考し、ターニャは内心で意志の炎を燃やした。
ならば根競べだ。どのような辱めも受け止めてやろうと。
ターニャは優秀だ。
しかし、時折単純な事実を忘却する。
耐えれば耐えるほど、未来は地獄に近づいていくのだということを。
「うぐっ、うぅ……くぅっ……!」
上官が満足するまでの数十分。
ターニャは絶頂という屈辱だけは見せないように耐えきった。
しかし、蕩けたような表情を浮かべ、紅潮した頬を残して退出する姿はそう遠くない未来の破滅を予感させるに十二分だった。