※この作品はR-18です。

ターニャちゃんが体を売る話   作:セイラム

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小児性愛者との遭遇

 秘密を秘密のまま保つのは、想像以上に難易度が高い。

 一部上官の間でのみ交わされていたターニャの噂も、いずれ他者の耳に届くのは当然の事実とも言える。

 

 故に、ターニャは防ぐのではなく管理を行った。

 明確な制度を決め、上官以外の……例えば同期にも体を売る。

 

 命令ではない、要望には対価を払えば答える。

 そうしてターニャは顧客を増やし、軍学校での生活を充実させていった。

 

 今日もターニャは、複数の客に対応していた。

 個室で服を脱ぎ、裸体を男に晒す。

 

 こんな体のどこに興奮できるのかターニャには理解できなかったが、配給券が手に入るのなら文句を言う気にもならない。

 指示された通りに扇情的なポーズを取り、男の劣情を煽る。

 十数分後、軍服を再着用したターニャは渡された報酬を手に部屋を出る。

 

「おや、奇遇だな」

 

 そこで、不意に遭遇した相手に慌てて敬礼の姿勢。

 相手は上官で、かつ上客でもある。

 

 ターニャは作り笑顔を浮かべ、普段より高い声を作りしばし談笑する。

 自然な流れで上官の部屋に誘われ、ターニャは美味いコーヒーが飲めると内心でほくそ笑んだ。

 

 

 

 相手の話を聞き、適度に相槌を返す。

 営業トークは慣れたものだ。

 

 本物のコーヒーとケーキという贅沢を味わい、ターニャは労働に邁進する。

 滅多に味わえない幸福に頬を緩ませると、上官の反応も色良くなった。

 

 これぞウィンウィンの関係。

 だと、思っていたのだが。

 

「……その、この手はなんでしょうか」

 

 困惑の声を上げるターニャ。

 いつの間にか上官はターニャの背後から両肩に手を置いていた。

 

 いや、ターニャも理解はしていた。

 だが、いざその時ともなると躊躇いが出る。

 

 ゆっくりと、上官の喉が動く。

 発せられた言葉は想定通りで、ターニャに拒否権はない。

 

「……上官の命とあらば、断れるはずもありません」

 

 本意ではないが、仕方ない。

 そうした嫌味を込めた一言も、残念ながら相手には伝わっていない様子だった。

 

 雰囲気を大切にしている、慣れた言葉だ。

 そんな都合のいい勘違いに、上官は唇を歪ませた。

 

「んっ……」

 

 肩に置かれた右手が、滑るようにターニャの肌を伝う。

 服の中へと潜り込んだ右手は胸部で停止し、ターニャの乳房を刺激していく。

 

 元が男だとか女の体だとかは関係なく、息を荒げた中年に肌を触られているという事実がターニャの生理的嫌悪感を増幅させる。

 サラリーマン時代にセクハラ被害を涙ながらに訴えてきた部下の気持ちが、ターニャは今になってようやく心から理解できた。

 

 意識的に呼吸を深くし、意志を持たぬ人形であれと心に命じる。

 相手が満足するまで耐えるだけだと、心中で繰り返す。

 

 幸い、上官は幼女の小さな乳房に夢中だ。

 喘ぎ声の演技をする必要もなく、顔を醜悪に歪ませながら息を荒げている。

 

 十数分の時間が経過し、ようやく上官はターニャの肌から手を放す。

 軍服越しにもわかる股間の膨らみを一瞥し、ターニャは静かに席を立った。

 

「どうも、ご馳走さまでした。軍に身を置くとはいえ女の身ですからな、個室で男と二人ではどうも緊張してしまいます。気の利いた対応が出来ず、申し訳ございません」

 

 あえて平坦に、心にもない台詞を吐く。

 見返りがあるうちは黙認するが、それを怠ればどうなるかは分かっているなと。

 そんな脅迫を言葉の裏にたっぷりと滲ませて、ターニャは退出した。

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