週に一度の安息日。
ターニャ・デグレチャフは、いつものように教会へ足を運び祈りを捧げていた。
心中で神へ呪いの言葉を吐くのが日課と化しているターニャ。
周囲からは若いのに敬虔なお方だと感心されているのを、本人は知らない。
だがその日のターニャは普段と少し違った。
微かに赤く染まった頬が、乙女のような色気を醸し出している。
周囲の人間は知る由も無い。
現在のターニャが、露出プレイに興じていることなど。
(以前のはきっと何かの間違いだ、それを証明せねば気持ちが悪い……!)
そう自分に言い訳をするターニャ。
しかしどう言い訳をしたところで、全裸に薄手のコートを一枚羽織っただけの姿で街を出歩く様は確実に露出狂の変態である。
コートはターニャの幼く小さい体を一応覆ってはいる。
だが丈はせいぜい膝程度までだ。
自主的に下着を着用せずミニスカート姿で外出しているような状態。
それが変態でなくて何だというのだろうか。
コートの生地が乳首を擦るたび、ターニャの吐息は熱くなる。
道行く人々がターニャへ視線を向けるたび、彼女の股は愛液を生成する。
教会を出て町中を散歩しているというだけで、ターニャは確かに感じていた。
(違う、これは何かの間違いだ……そうに決まっている……!)
心の中で何度も言い聞かせるが、肉体は確実に反応している。
それどころかターニャの右手はコートのボタンを二つほど外し、首元を露出させ始めた。
このままではマズイと分かっていても、一度肉体が覚えた快楽にターニャは逆らうことが出来なかった。
視線を浴びるたびに、ターニャ自身にもわからない類の快感が脳を突き抜ける。
もし気づかれたらという恐怖が、今のターニャには麻薬のような快感へと変貌していた。
コートのボタンへ、ターニャの手が伸びる。
更にボタンを外されたコートは、既に腹部近くまで開いていた。
少しの振動や衝撃で、コートはターニャの胸元を大胆に露出するだろう。
ふと誰かとぶつかるだけで、大惨事になりかねない。
「くっ、ふぅっ……!」
だというのに、ターニャの表情は喜悦に歪んでいる。
すでに誰かが気づいているかもしれない。
一瞬後には、変態だと叫び声が響くかもしれない。
そう悲劇を想像する度に、ターニャの心はどうしようもなく高まっていく。
「――ッ!」
幸い、ターニャの異常を察知した者は存在しなかった。
ターニャは一切の外的刺激なく、妄想だけで絶頂に達する。
町中という日常の世界で、人知れずターニャは快楽を貪った。
今まではゆっくりと歩んでいた戻れない一本道を、この日ターニャは全力で走り出したのだ。