行軍訓練を終えたターニャだが、その表情は未だ暗い。
上層部から届いた連絡は、休暇を楽しむターニャの希望を根こそぎ攫っていた。
行軍訓練において、ターニャは全てにおいて高い成績を残している。
ただ一つ、参加していない訓練を除いて。
対尋問訓練。
捕虜として捕まった場合の尋問を想定した訓練だが、ターニャはこれを受けていない。
男女平等を掲げる帝国も、流石に男の群れの中で幼女を裸に剥くのはどうなのだと考える良心は持ち合わせていたのだった。
だが、それを口実に呼び出されるターニャからすればどちらにせよ同じことだった。
深夜の訓練施設。
ごく一部の上官が取り囲む中心で、ターニャは縛られている。
“自主的”に訓練へ参加したターニャは“自分の意思”で服を全て脱ぎ捨て、“訓練の一環”として拘束されていた。
両腕は後ろ手に縛られ、両足は正座の姿勢で固定されている。
口には枷が嵌め込まれ、動くことはおろか話すこともできない有様だ。
(訓練であれば、仕方ないと割り切ることも出来るのだが……)
周囲の男共の視線はどう見ても教官が指導を行うようなものではない。
下卑た笑みと荒い鼻息は嫌気が差すほどターニャが見てきたものだ。
尋問訓練で最も辛いのは人間扱いされないことだ。
絶え間ない罵倒で徹底的に人格を攻撃され、人としての尊厳を削り取られる。
肉体ではなく精神を鍛える訓練。
の、はずなのだが。
形式的な罵倒こそ飛んでくるものの、子供が猿真似をしているかのような内容では効果はない。
やはり、とターニャが心中で唾を吐き捨てると同時に、ターニャの柔肌へと手が伸びる。
「――んっ……!」
暴力ではない。
撫でまわすような手つきで全身を弄られ、ターニャの喉から声が漏れた。
感じたのではなく反射的な嫌悪から来るものだったが、上官たちは都合よく解釈したのか醜悪な笑みを一層深くしている。
(女性が捕虜となればこうした性的な目に会うこともある、だと? ふざけるなよ、いったい何世紀前の話をしているんだこいつらは!)
怒りに震え、顔を赤くするターニャ。
そんな様子にますます勘違いを深める男は軽薄な口調のままターニャの胸を両手で揉みしだく。
「う、うぅっ……!」
性感帯を直接刺激されれば、感じるのは自然の摂理だ。
そう自分に言い訳をしながら、ターニャは沸き上がる快楽に反抗を続けている。
だが、太股に垂れだした液体の感触にターニャは己が身を呪った。
数瞬遅れで男たちはそれに気づくと、股から溢れ出るそれを指で掬い取る。
全裸で縛られている今の状況で、ターニャは性的な興奮を感じている。
それを知った男たちの手は、より激しくターニャを愛撫し始めた。
「んぅ、んっ、ぉッ……!」
枷を嵌められた口の端から、泡を吹くように涎が零れる。
優しい、と言うよりは粘っこいと表現するのが適切だろうか。
男たちの愛撫は撫でるように、延々と繰り返されている。
全身を撫でていた手はいつしか性感帯のみを狙っている。
秘部を擦られ、乳首を抓られることでターニャの快感はどんどん増していく。
「――ッ!」
ビクン、とターニャの体が反り返る。
絶頂を迎えたターニャの体は短く痙攣を繰り返し、力が抜けていく。
小さな音を立ててターニャは突っ伏すように倒れる。
股からは愛液ではない黄色の液体がチョロチョロと流れ出ていた。
ターニャは絶頂に意識を失い、体だけが痙攣し反応している。
その姿に上官たちは満足気な笑みを浮かべていた。
そして訓練は終了し、ターニャの心には多大な羞恥心と殺意が渦巻くことになる。
ターニャは出世への階段と同時に、死刑台へと歩を進めている感覚に囚われていた。