※この作品はR-18です。

DQ8 エンド後の世界   作:ぽんぽんペイン

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無事に竜の試練を終えたエイトさんたちです。この章はククールの語りです


下界へ

竜神の里9日目の朝。竜の試練の疲れがまだ身体にしっかり残っている。だが、いつまでもここにいるわけにもいかない。グルーノじいさんに別れを告げ、下界へ。するとじいさんはネズミのトーポに変身し、またエイトに着いて行くという。

 

「うん、別に困ることもないから、行きましょう」

「すまんな、エイト。だが、これからは、下界だけではなく、竜神の里とちょくちょく行き来しようと思う」

じいさんの勝手な言い分にも、エイトは「はい、わかりました」なんて可愛く言いやがって、じいさんを喜ばせた。

 

「まず、リーザスに行ってくれる?」

竜神の里を出たオレたち。

ゼシカの頼みでリーザスへ。

 

 

 

下界は、エイトの休暇2日目の夕方になっていた。

 

「明日、ゲルダさんのところに行きたいの。ヤンガス、リーザスに泊まってよ。あともしククールも暇なら」

「嬢ちゃん、なんだってゲルダのところなんかに?」

 

そういや、竜神の里を目指してフィナンシェ休憩とってた時も言ってたな。

 

「ヤンガスが帰ってきたら、こってり料理が出てくるわよね?」

「ああ。まあ、あいつはいつもこってり料理だからな」

 

ゼシカはふふんと得意気に笑った。

 

「キッシュよ。パイとか」

「は?」

なんのことだ?

 

オレとヤンガスが?マークに包まれていると、エイトがそうか、と言って手を叩いた。

 

「分かったよゼシカ。キッシュにパイとかだね。型とかの準備が必要だもんね」

「さすがエイト!」

 

何の話かわからないまま、みんなでアルバート家までゼシカを送る。話がまた長くなりそうなので、マダムには会わずにおこう。

 

「じゃあね。エイト。……いろいろあったけど……。また誘ってね」

「うん。近いうちにまた来るよ。マダムに用事もあるし」

 

「ヤンガスは明日宿屋に迎えに行くわ。ゆっくりしてていいけど、飲み過ぎないでよ」

「おお。分かってるよ。じゃあな」

 

「じゃ、ククールも、暇なら一緒に行きましょうね。お休みなさい」

ゼシカはそう言って帰って行った。

 

「おい、なんか面倒なことになってねえ?」

「まあ、嬢ちゃんがゲルダに会いたいってんならしょうがねうよ。……おめえこそ、どうするんだ? 荷物運びついでに来るか?」

 

オレだけ用事がねえからな。どうするかな……。

 

「ところで、エイトの兄貴、兄貴は今日中に城へお戻りですかい?」

「うん。夜ご飯をどっかで食べて帰るよ。リーザスでいいか。ヤン、一緒にいい? ククールも食べて行けば?」

「そうするかな」

 

腹なんて減っちゃいないが、またしばらくみんなに会えそうにねえからな。

 

時間的にまだ早かったが、酒を飲みながら、男三人で話をすることになった。

 

「じゃあ、城の修理は順調なんでがすね?」

「うん。完全に分担して作業してるから、どんどん進んでるよ。ありがたいことに、職人さんたちが喜んで仕事してくれてさ。休んでって言っても、職人魂がどうとか言って、みんな張り切っててね」

それは良かった。

 

「兵士長におなりになった兄貴は、何をされてるんでがすか?」

「僕は主に外交関係だよ。王の用事であちこち」

「忙しいんだな」

「うん」

 

しっかり仕事してんだな。

 

「サヴェッラが多くて……」

「うわー! あのあいつでがすか。法皇の……ニノ?」

ああ、そんなのいたよな。

 

「いや、法皇にはあんまり。なんか書類多くてさ。王は忙しいから、僕が代わりに」

 

エイトはため息まじりにそう言うと、マッシュポテトをつつく。

 

「……ククールは」

「ん?」

「ううん……おかわり頼もうか……」

エイトは何か言いかけたが、飲み物のおかわりを頼むのにウェイターを呼ぶ。

 

「兄貴はもうお飲みにならねえんですか?」

ミネラルウォーターを注文したエイト。ヤンガスはビールだ。

 

「うん。この後ルーラするし、酔ったら大変」

「そうでがすね。さすが兄貴、仕事をしっかりやりなさる」

ヤンガスがうっとりとした目をエイトに向ける。エイトは、えへへと照れくさそうだ。

 

「ククールは何を飲む?」

「オレは……オレもミネラルウォーターで」

 

「えっ? 具合悪いの?」

「お前がもう飲まないなんて珍しいな」

ったく、オレは基本的には深酒しないっての。

 

「夕べもしこたま飲んだろうが。トゲトゲは飲み過ぎなんだよ」

「うるせー」

 

他愛ない話で笑い合い、思い出を語り合い、時間はあっという間に過ぎる。

 

「……兄貴、竜神王のせいで疲れがまだとれやせん。そろそろ寝ます」

珍しくヤンガスが自分からお開きを申し出た。

 

「そう? じゃあまた……近いうちにまたゲルダさんちに寄るよ。今回のことはありがとね」

ヤンガスを見送り、オレも席を立つ。

 

「お前、もう帰るだろ?」

「うん。ククールは?」

 

「……オレはいいよ。さ、見送ってやるぜ?」

オレたちはリーザス村から出た。

 

風車をくぐり、少し歩く。

 

まだ宵の口。昼間の埃っぽさが、空気に残っている。

 

「ククールはどうするの?」

先ほどと同じことを聞かれ、オレはため息をついた。

 

「オレはいいよ。気にしないでくれ」

「……」

 

「?」

エイトは黙ってオレを見る。

 

黒い瞳はキラキラと瞬く。

 

「言ってくれないの?」

「何を?」

 

「これから、君がどうするかを」

「……言えねえよ。決まってないし」

 

エイトめ、何を言えってんだ?

 

「それで君はいいの?」

「どういうことだ?」

昨日はうっかりキスしちまったが、もう、そんなことはしねえよ。

 

「僕……サヴェッラによく行くって言ったでしょ?」

「ああ……」

 

「探してるよ……教会が。躍起になってさ。大っぴらにはしてないけどね」

「……」

 

「でも本当に怖いのは教会じゃない。王家だよ」

「王家が?」

 

「……彼は、教会の弱みになる……。みんな身柄を欲しがってる。早く見つけてあげて。そしてどこかにかくまって。城には近づかないで。特に……トロデーンとサザンビークには……」

意味がわからねえ。

 

放っておきゃいいさ。

 

「早く……」

「わかったよ」

 

「僕を見て、ククール。僕の目を見て……あの人を探しに行くって言ってよ」

なんでそんなこと……。

 

「ねえ!」

「ちぇっ……わかったよ。探すよ」

 

「ククール!」

エイトに胸ぐらをつかまれる。

 

なんて力だ。

 

「あれからマイエラに行った?」

「ちょっとな」

敷地には入らないが、一度だけ外から様子をうかがったさ。

 

「サヴェッラが入ってきてるよ。知らなかった?」

「本当か?」

なんだってサヴェッラが……。

 

「マイエラだけじゃない、主要な教会はサヴェッラが入っている。おそらく小さな教会だって、話は行ってるはずだ」

「……」

 

「……村はその領地の城の人間が入って探している。オークニスとリブルアーチはサザンビークだ。周辺地区の警備だといって、海上はトロデーンが……。だから見つけたら、できれば三角谷か……竜神の里に行ったほうがいい。竜神の里のほうが安全だ。王も知らないから」

 

「お前なしで竜神の里なんて行かれねえよ。別に三角谷まで行かなくたって、パルミドあたりで隠れてりゃ……」

「何言ってるんだよ、それじゃダメなんだよ」

「何怒ってんだよ!」

 

「いい、よく聞いて。僕たち、一週間かけてお礼参りしたよね」

「したな」

 

「……暗黒神を倒した勇者だって、今まで興味なかった人たちも僕らを見たよね」

「見たな」

 

「……僕たちが、誰かと一緒にいれば、『勇者と一緒にいた』って言うよね」

「言うな」

 

「君は、長身で長い銀髪、赤い騎士服で目立つよね?」

「ああ?」

何だよ、まどろっこしい奴だな。

 

「誰かがあの人を探していて、もし……」

「オレと一緒だったら、見つけやすい?」

 

「そう。僕たち3人にも話は来る」

「まさか……」

 

「そんなこと考えるのは……」

「なぜ?」

 

「ごめん、ククール。もう構わないで……僕のこと……。わかってるでしょ?」

「待てよ!」

 

「ダメだよ。あの人を……探して……何年か……隠して。サザンビークとトロデーンの関係が落ち着けば、もう大丈夫だと思うんだ……じゃあ……姫の婚礼に来てもらえないと困るから、必ず来てよ。ドニの酒場のおばちゃんに伝言するから。絶対だよ……」

そう言うとエイトは、ルーラでオレの前から消えた。

 




竜神の里のイベントが終わりました。またみんなそれぞれの生活にもどります。マルチェロはお尋ね者になっていました。
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