「今度は何が気に入らないのだ?」
「んだよ、その言い方は! 子供あつかいすんなっつーの!」
このところ、くだらないことで言い合いになる。大抵、私が折れ、寝台で仲直り、というのがお決まりのパターンだった。
だが、いくらなんでも、今回は折れるわけにはいかなかった。
「飲みすぎだと言っている。毎日ぶどう酒2本は多すぎだ」
「兄貴だって飲むじゃん」
「乾杯の1杯だけだ」
「ウソ? マジ?」
「気づいていないのか、馬鹿者め。休みの日は朝からちびちびと一人で3本飲んでいるぞ」
「うそー。つか、馬鹿者ってなんだよ。馬鹿者って!」
「飲むなとは言っていない。減らせと言っている。何度言えばわかるんだ、この馬鹿者。医者に行きたくないのなら、不摂生するな。傷もまた増えている。集中力が弱ったか」
「……んだよ……うるせぇよ!」
ククールは私に飛びかかってきた。殴られる寸前に避けたため、ククールは派手な音と共に床へ転がった。
「よけんなよ!」
「殴りたいなら殴れ。私はよけ続ける」
立ち上がって拳を構えていたククールだったが、私がそう言うと、力なく手を下ろした。
「そうかい……」
ククールは私に背を向けて寝台に寝そべった。
私は夕食の後片付けをし、ククールがいる寝台へ向かった。
ククールは先ほどと変わらずに、こちらに背を向けている。
「お前は反抗期の子どもか?」
「……………」
私は寝台に座り、長い髪をすく。
欲求不満がたまっているのだろうか。ここで暮らしてから、いや、ククールと再会して以来、女遊びをしたらしい形跡はない。
遊びに行けと言ってもまた怒るだけだろう。
私はため息さえ我慢し、ククールの隣へ横たわった。
普段なら、「なあ、怒らないでくれよ」と、怒っているのは自分のほうなのに、なぜか私に叱られたかのような発言をして甘えてくるのだ。そして、夜の営みに進んでいくのだが、今日は向こうを向いたまま。
たまには身体を休めるのもよいだろう。
鈍い痛みに目を覚ました。
!!!!!
「何を、」と言おうとして、猿ぐつわを噛まされていることに気づく。
全裸にされ、両手足を寝台の4すみにくくりつけられていた。
「膝を曲げて」
言うとおりにする。
私をくくっている紐は、ある程度長さがあるようだ。
「紐が長いと思ったでしょ。これさ、調節できるようになってんの。足、伸ばして」
「!!!」
「伸ばせないよ。そういう仕掛けになってんの」
ククールは私の腰の下にクッションを入れた。
「兄貴のお尻の穴が丸見えだ。これからいいもの入れてあげるね」
私は恐怖におののいた。
自らの出世のために身体を売ったとき、さまざまな道具や薬を用いられ、凌辱された。
縛られ、殴られ、締め上げられ、犯される。あれが再現されてしまうのか……。
「あーあ、ちいちゃくなっちゃって。かわいそうにねえ。可愛くしてあげましょう」
ククールは私の物の根元に、何かを巻いた。
「さ、楽しい時間だよ」
「!!!」
何の前触れもなく、何かがアナルに挿れられた。
つるつるした物が出し入れされる。カチャカチャという音が聞こえる。
「へえ……さすが。慣れてんじゃん。もうひとつ大きいのどうかな……」
乱暴に引き抜かれ、別の何かが挿れられる。
「……………」
同じようなつるつるした感触。だが、先ほどより、圧迫感が強い。痛い。
「ちょっとひっかかるな。でも、いい眺めだよ。きれいに並んだ玉の列が、兄貴のお尻を出たり入ったり……」
ククールは、クスクス笑いながら、飽きずにその玉の列を出し入れしている。
私もそのうち鈍い刺激に慣れてきて、疲れてうとうとしていた。
「!!!!!」
「ダメだよ、寝ちゃ。これからなんだから……」
玉の列が乱暴に引き抜かれる。
「……………」
「寂しくなったでしょ。ずっとかわいがってくれた玉の列がいなくなって。それにね、ちょっとお薬塗っておいたから、そろそろ悶えてくるよ」
「!!!!!」
私は、先ほどから微妙な違和感を覚えてはいたのだが、それが大きな刺激となって急激に襲ってきた。
「!!!!!」
身体が熱い。全身の皮膚がピリピリとしている。
「腰、動いてるよ」
身体中の血液が、激しく脈打つ。ものすごい勢いで全身を駆け巡っている。心臓の鼓動も速まり、汗が噴き出てくるのがわかる。四肢を縛られて思うように身体を動かせないもどかしさ。私は大きく強く呼吸し、どうにかして正常な状態に戻そうとした。
しかしながら、鼓動は速まる一方。とにかく鼻から空気を送り込んで絶えるしかない。そして意図せず作り出されているものが放出の時を待っている。だが……。
「ああ、キツそう。リボンが食い込んでる」
根元に巻かれた何かが、私の解放を妨げているのだ。
苦しい。出せない……。
私は全身に力を入れた。
筋肉を緊張させることで、なんとかこの射精感を逃す。そうでもしなければ全身から血が噴き出してしまいそうだ。
「ああ、すごい力。紐が緩みそう」
そう言いながらククールは、手足を縛っている紐をきつくした。
「……っ! ……っく……!」
今度は堪えようにも力が入れられない。口を封じられている布を強く噛みしめることしかできない。
「なんか液が出てきたよ。兄貴のお尻から。あ、さっきのお薬かな。ちょっと多すぎだったかなあ」
「!!!!!」
ククールの指がが一瞬入り口に触れる。
「すごい! 催淫剤って効くねえ。汗もいいにおいになってる」
確かに、ジャコウの香りが充満している。
「ああ、そそられちゃう……」
ククールは私に跨がり、自らを慰めながら私の体ににじむ汗を舐める。
「いい匂い……」
ひとしきり舐め終わると、私の目の前に細い棒に丸い玉の並んだものを見せてきた。
「さっきね、これが入ってたんだよ。種がこんなふうにつく植物があるんだよ。これにお薬を垂らすと、奥までお薬が行き渡るでしょ、超敏感になってさ……」
「!!!!!」
ククールが胸の先に触れる。
全身にしびれが走り……何と表現してよいのか……とにかく……。
「汗がすごいや。オレにもつけてほしいな……」
ククールは私の身体に自分の身体を擦り付ける。胸の先や脇腹を刺激され、更に汗が出る。
「全身が性感帯だね。そんな怖い顔しないの」
嬉しそうに顔を撫でる。
心拍数がかなり上がり、呼吸も辛くなってきた。猿ぐつわを外して欲しい……だが……。
「辛そうだよ。兄貴、猿ぐつわ外すね」
「!!!!!」
私は首を横に振った。
「何で? 苦しいだろ?」
「!!!!!」
ククールはにやにやと口元をほころばせ、猿ぐつわを外した。
「っは…あ…………」
思い切り息を吸い、吐く。
「どう?」
「……………」
青い視線が刺さる。
「何か言えよ。言ってごらん?」
「……………」
「もう、強がりなんだから……ほら」
「うあっ………」
ククールは私の中心で自己主張している物をぐっと握った。
「やめ……」
「嘘だあ!」
更に強く握る。
「離せ…」
「ふふん」
払うように手を離す。
全身の筋肉が悲鳴をあげている。
「じゃ、こっちは……」
「んっ……! よせ、やめてくれ!」
よじれないとわかっていても、身体をどうにか曲げようと、無駄な力を入れるしかなかった。
「さあ、我慢しちゃダメだよ。兄貴、言って。言わなきゃずっとこのままだよ。お薬、半日は効果が続くんだって。危険だよね、こんなの。ね、兄貴」
「どこでそんな薬を……」
「違うだろ、そんな話してない。さ、早く」
「うっ!」
玉の並んだもので私を撫でる。頬、胸、腹……。
「わあ、カチカチじゃん」
玉は滑らかで冷たい。それで私の男根を撫で上げる。
私は、なるべく顎を引き、限界の限界まで進む。
「もう、素直じゃないなあ。じゃあ……」
「はうっ………!」
「やめ……もう……っ」
息が苦しい、手足を解放して欲しい!
「さあ、言って!」
「外してくれ……」
「いいよ。でも、違うだろ? その前にさ、言ってよ……本当にして欲しいのは?」
「……………」
「え? 聞こえないよ」
「………くれ……」
「何? 何して欲しいの?」
苦しすぎる。脳が脈打つ。私の中心も、放出できずにいて爆発寸前だ。
「出したい……」
「そうだね。でもそれだけじゃだめ」
「………て……」
「ん?」
「挿れてくれ……お前が………欲しい」
「兄貴!」
ククールは縄を外し、私の手足を解放した。私は夢中でククールに口づける。根元に巻かれた紐を外し、ククールのものを扱きながら、自分のものをククールに押し付ける。
「欲しい? オレが? どこに?」
「ああ……ここだ。尻だ。ここに入れてくれ」
私はうつぶせになり、尻を上げた。
「兄貴、いいぜ。思い切りブチこんでやるからな、踏ん張ってろよ………」
「………!」
待ち望んだククールの男根は、私を激しく攻めた。私の内部にある薬剤の効果がククールにも現れ、私たちは薬が切れるまで性交を続けた。
外に出られないし、ククールに従うしかないやられっぱなしのマルチェロです。