※この作品はR-18です。

DQ8 エンド後の世界   作:ぽんぽんペイン

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ククールがマルチェロに刃を向けます。(残虐な描写タグはここから対象です)


トルソー

「あの薬、販売禁止になっちゃった」

「当たり前だ」

 

数日前、妙な媚薬を手に入れてきたククール。翌日の仕事がなかったからよかったが、その次の日は午後の仕事をキャンセルしていた。

 

「あの時の兄貴、凄かった……エロかった」

「うっとりするな。薬のせいだ」

 

ククールはいたずらっ子のようにぺろりと舌を出す。

 

「死人がでたんだって」

「何?」

 

あの薬はそんなに強いものだったのか。

 

「危なかったよ。オレ、一回で使っちゃったけど、本当は十回分なんだって」

 

なんということだ。十回分を一度に……。それもそのはず、あれほどの効果は、私の祈祷体験の中でもなかった。祈祷先の相手が、常識はずれでなくてよかった。

 

「オレたちは、並みの体力じゃないからね。ちゃんと放出して耐えられたんだよ」

「喜んでいる場合ではないだろう。死人が出たのだろう?」

 

「うん。まあ、オレたち無事だったから言うけど、あの薬剤、マイエラでは禁止になってたんだって」

「マイエラでは?」

 

「うん。マイエラやアスカンタ辺りに生えてる草から取れる薬なんだって。で、どっかの誰かさんが、薬物はいかん、て言って。だけど高い滋養効果があるから、医薬品として許可制にしたんだってさ。マイエラ修道院で管理してる」

「……………」

 

「西の大陸には生えてないから、規制もなくて、誰かがこっそり密輸してたみたい」

「よく見つけたな」

 

「オレは、客からもらったんだけど、そいつは商人のテント裏で買ったって言ってた。どうやら味をしめた密売人が、サザンビーク城のバザーでこっそり売ったらしいんだ。で、死人が出て大騒ぎになって、すぐお縄になったんだってさ」

「お粗末な奴だ。死人はどうしたのだ?」

 

「なんか、薬物中毒気味の人だったらしいよ」

「気の毒なことだ」

 

 

 

 

 

「じゃあ行ってきます。いい子にしててね」

 

 

私は相変わらず手足を縛られ、たらいに尻を入れられている。

 

ククールの好きなようにさせているのだが、果たしてこれが奴のためになっているんだろうか。

 

そういえば、弟の口からマイエラやサザンビークなどの言葉を聞くのは久しぶりだった。あの薬物をマイエラで禁止し、修道院で管理するようにしたのは私だ。

 

私は目を閉じる。することはない。だから考える。

 

ククールの身体のことだ。どれだけ気をつけていても、魔物から攻撃を受けないではいられないはずなのだ。だがククールには目に見える傷がそう増えていない。自分で薬を見つけたのか、支給されているのか。

 

このままでよいはずもないのだが、何か言えばまた怒り出すし、私も痛い目に会うのはごめんだった。

 

 

「ただいま。午後キャンセルになっちゃった」

昼過ぎにククールが帰ってきた。

 

「その代わり、明日からしばらく休みなしなんだ」

今日はずいぶんと機嫌が良い。

 

これならば、少しなら意見しても大丈夫だろう。

 

すぐに酒に手を出すククールを咎めれば、「はあい」と素直になる。少し手の込んだ料理を作ると言っても、文句を言わずに手伝いを始めた。

 

 

「料理の腕が上がったよね」

「そうか? 通常のまかない料理ではないか。……ドニやマイエラの料理だ」

「まあね」

 

ドニ、マイエラ、という言葉を出しても、特に動揺することはなかった。いや、ククールが動揺するはずもない。動揺するとすれば、私のほうだ。

 

粉を、ぶどうの酵母と少しの塩と油脂で練り上げ、布にくるむ。

 

「オレ、パン好きだな。木の実のペースト塗ったり、オリーブの油や香草のせたりしてさ」

「木の実か。お前は木の実が好きだな。クルミか?」

 

「うん。クルミが一番好きかな」

「……この西の大陸ではどんな木の実があるのだ?」

 

「そんなに変わらないよ」

「お前は世界中を旅したのだろう? なにか珍しい物など……」

 

「……………」

 

こぼした粉を片付けていた手が止まる。……地雷を踏んだか。

 

「何なの?」

「何がだ」

 

「何を言わせようとしてるんだよ!」

「他意はない」

 

「誤魔化すなよ。オレがどんな旅したのかなんて、兄貴には関係ねえだろ!」

「ないな。すまなかっ……」

 

洗っていた布を取り上げられる。

 

「何で謝るんだよ。何で兄貴が謝るんだよ!」

「お前が怒るからだ。私が気に入らない質問をしたからだろう? 言いたくないこともあるだろう。だから……っ! よせ、落ち着け!」

 

またやってしまった。

 

謝れば、余計怒らせてしまう。

 

「わかったよ……兄貴。知りたいことをなんだって教えてやるよ」

 

ククールの青い視線が迫ってきて、唇を塞がれる。

 

「その代わり、知りたくないこともしゃべってやる……」

 

私は寝台に押し倒される。

 

しばらく乱暴な口づけを与えられ、私が抵抗しないとわかると、ククールはゆっくりと顔を上げた。

 

 

「木の実っていえば、ドラゴンの大好物でジョロの実ってのがある。人の頭よかでかい実なんだぜ……」

 

「そうか……知らなかった……っ!」

私は右足に鈍痛を感じた。弟が、思い切り体重を載せてきたのだ。大腿の真ん中に思い切り乗られ、恐ろしく痛い。

 

「オレ、兄貴の足が好きだ」

「……そうか」

 

「斬っていいか?」

「!!!!!」

 

ククールの青い瞳は、狂気じみてはいなかった。

 

真面目に言っているのだ。

 

「斬ってどうする」

「抱きしめて、べろんべろんに舐めまくって、股に挟んで擦る。それから皮を剥ぎ取って、オレの足に被せる。血は全部飲み干して、肉も食ってやるさ。残った骨は、綺麗に洗って乾かして、それから……」

「それから……?」

 

「とりあえず、飾るさ」

ククールは、口の端を少しあげ、寝台の横の壁を指指した。

 

私の足の骨を、あそこに飾るというのか……。

 

「お前がそんなスプラッター好きとは知らなかった」

想像するのはいささか気持ちが悪いが、ただの世迷い言だろう。

 

「本気にしてないだろ。このへんから斬るんだぜ」

「!!!!!」

 

ククールは、右足の付け根に剣を突き立てた。

 

「これはなあ、ライトシャムシールっつって、使うとき長くなる剣さ。どこで買ったっけなあ」

 

ブスッという音と同時に、血が吹き上がる。

 

「ううっ……」

思わずうめき声を上げた。

 

この血の吹き出し方……動脈をやられている。

 

「骨を斬るなんて、オレにとっちゃカンタンだ」

「そ……そうだろうな」

 

「そうだ、木の実の話だったよな。そうそう、この右足を西の大陸だとすると、右肩のあたりはオークニスだな。オークニスには、ヌーク草っつって、クソまずいお茶になる辛い草があるんだぜ。木の実は寒すぎてあんまり採れねえらしいが、兄貴の血みたいに赤い赤い、酸っぱい木の実があるらしいぜ……」

「うっ……」

 

ククールは、レイピアを私の右腕の付け根に突き立てた。どくどくと血が流れる。

 

「あんたの右腕には、数えきれないほど世話になったな。あんたがさんざん振り回してたレイピアに腕が斬られるって、どうよ?」

「あまり……見たくはないな」

 

「だろ? 右腕は、レイピアで付きまくってあげたいところだけど、オレのあそこをしごくのに使わせてもらうよ。気持ちいいだろうな。ゾクゾクする」

 

ククールは、うっとりとそう言い、手の甲を撫でた。そして左腕に目を移す。

 

「……そうだ、リーザスの話もしなきゃね。リーザスは、大した食べ物はないけど、オレの大好きなクルミがたくさん取れる。兄貴にも食べさせてあげたいな。オレが口移しで食べさせてあげるから、この左腕もいらないよ」

「!!!!!」

 

左腕の付け根には、見慣れない剣を突き立てられた。

 

「じごくのサーベルっていうんだ。この剣。いい色だろ? 兄貴の血と同じ色」

 

「……さあ、兄貴には左足しか残ってないよ。ねえ、逃げる? オレから逃げる?」

 

「……逃げるわけなかろう。……私はお前と生きると決めたのだ」

「可愛いこと言ってくれるね……」

 

ククールは、私の左足に跨がり、股間を擦り付ける。

 

「あっ……あっ……」

私を見つめて腰を振る。

 

右足と両腕の付け根に3本の剣を刺され、私は出血のために意識が遠のいていた。

 

「あっ……あっ……あっあっ……」

ククールは限界に達してきたのか、息づかいが荒くなる。

 

「挿れたい……挿れたい……。あっ……あっあっ……!」

 

私は死ぬのか。

うすぼんやりした視界には、ゆらゆらと揺れるククールの白っぽい身体。鮮やかな、サファイアの瞳……。

 

「あっ……あっあっあっ! 挿れるよっ!」

 

激しく腰を振るククールは、一言「邪魔!」と言って残った左足の付け根に自分のレイピアを突き刺すと、疾風のごとく、4本の剣で私の手足を斬り落とした。

 




出血多量で生きちゃいないでしょうね。でもこれはファンタジーですのでご了承ください。
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