転生したらラスボスの孫で特典はラスボスでした 作:アイギウス
東堂家屋敷の天然温泉にエリカが入ると
「あら、エリカ」
今、ある意味
「ごめん、入ってたんだ」
「いいわよ別に、エリカも一緒にどう?私に聞きたいこともあるでしょう?」
どこか見透かしたような言い回しに少しムッとしつつも軽く湯を浴びてから浴槽に入る。
「‥‥深雪、四葉は‥‥‥惣夜をどうするの?」
「どうもしないわ。さっきも言ったけど、将来私が四葉の当主になるのはもう確定、それは惣夜様を守る為。惣夜様の御力は余りにも強力すぎる‥‥その気になれば世界だって滅ぼすことも造作もないほどにね‥‥これはお義母様の勘だけど‥‥惣夜様は近々起こる時代のうねりに巻き込まれ、その中心になると仰ってるわ」
「だから?まさかアンタ達惣夜の為に一族を私物‥‥惣夜の軍隊にでもする気?」
深雪はエリカに懐疑的な目に苦笑する。
「当たらずとも遠からずね。でも、四葉全体は只の小間遣い。惣夜様を守ろうとすれば従いはしないわ。軍隊は惣夜様の側の女性達、エリカだって惣夜様を護らなきゃって思った筈、嘘とは言わせないわ」
「‥‥‥いつの時代よ‥‥」
「でもそれが一番効果的。だからお願いエリカ「断るわ」
深雪が言わんとしてる続きをぶったぎってエリカはピシャリと言った。
「アタシは確かにアイツが好き。でもアイツを守る為にアイツの愛人になったり、ましてや体で縛ろうなんてのはアタシには無理」
「‥‥そう‥‥それは惣夜様を諦めるということ?」
「違うわ。アタシはもう人生でアイツ以外を好きになる気はないわ。だからってアイツと結ばれたりすりゃいいってもんじゃないでしょ?」
「将来惣夜様以外の殿方は「願い下げよ」
言うと深雪は安心したように心の中で安堵すると同時に勝手に結論づける
──エリカは我慢してるだけ、素直になればきっとわたくし達と同じになってくれる──
なら今はできるだけこちらを知ってもらってその上で改めて話をしよう。
「ならエリカ、もし惣夜様を害そうとする者どもがいたら力を貸してくれる?」
「それなら了解よ」
深雪の心中を計り損ねてるエリカは差し出された手を握った。
翌朝──
深雪とエリカが惣夜の部屋に入ると、椅子にかけながら片手に手のひらサイズのブラックホールを浮かべる蛇の意匠を持つ頭部装甲の額付近に星座早見盤のようなパーツと全体的に宇宙、惑星を思わせる装甲姿のナニかがいたが、深雪達をみるとおはようと、ブラックホールを握りつぶす。
「おはようございます惣夜様。鍛練中でしたか?」
「いや、大したことはしてないよ」
答えながら腰のベルトから赤と黒のボトルを抜くと、その姿が紫の粒子となって霧散し私服の惣夜が現れた。
「今のがEVOL?」
「まぁな、で、どうした?」
「はい、エリカがそろそろお帰りになられると‥‥もう少しいても良いと立夏お義母様も仰ってるのですが」
「着せ替え人形にされんのはも懲り懲りよ」
「‥‥そうか‥‥流石に幼なじみとはいえなぁ‥‥」
演技でもなく本気で残念そうな惣夜にエリカは苦笑する。
「また来るわよ。そんな顔しない!」
「お、オウ」
そんなに分かりやすい顔してたかなぁ‥‥と顎をさすると今度は深雪がクスリと笑みをこぼす。
「惣夜様は身内の前では分かりやすいですから」
ギョットして咳払いすると惣夜はこれ以上イジられないようにと足早に部屋を出た。
すいません。今さらながらにこの時の惣夜は設定的におかしかったので修正します。