転生したらラスボスの孫で特典はラスボスでした 作:アイギウス
突然だが。あたし千葉エリカには幼なじみがいる。
東堂惣夜。人当たりがよく頭が回るかと思えばトボけたことをするよくわからない奴。でも剣術のあたしより上で次兄貴と互角。
そいつと昨日3年ぶりに入学した高校で会った。久し振りに会ったアイツは背も伸びて制服越しだが体つきもがっしりしてたし、なにより手のひらを見たとき。最近出来たであろう豆が潰れた後があった。
あの豆のできかたは剣を握っていたからだ。それが分かったあたしは幼なじみが剣術を続けてることがちょっと嬉しかった。
「そういえば、アイツに会ったのってあの時か・・・」
と、あたしは自室のベッドの上で過去を思い出す。
今にして思えば惣夜に対する第一印象は最悪だったろう。
何せ入ってすぐ、あたしが剣で負かしたからだ。それも完膚無きまでに。
初めて惣夜を見たのは10才の夏、母親に連れられ、純粋な目をして育ちの良さ全開のアイツが気に食わなかった。
どうせすぐ辞める───そう思っていたがアイツは泣き言も言わずに竹刀を握り道場で振り続け、それが3ヶ月続いたあと、あたしはアイツに負けた。
あとから聞いた話ではアイツは家でも竹刀を振り続け、家の人に止められるまで振っていたらしい。
それからアイツも変わらず話しかけてきて・・・あたしも、まぁ認めてやらなくもないかなって思い始めて。そこからあたしと惣夜はよく話したりするようになった。それからアイツに誘われて剣術以外にも手を出したりした。そしていつしかアイツとの時間が楽しくて仕方なくなった。
でも三年前からポツリと姿を見せなくなった。その時あたしは素直に思ってしまった───寂しい───ふとアイツとの日々がその時のあたしの頭をよぎった。
惣夜が側にいた時はあたしの周りはいつも楽しかった。いつも心地よくて、ちょっとキュッと苦しいあの感覚と時間が楽しかった。
だからあたしはその時、どうして惣夜が来なくなったのか考えた。
家の事情と言ったがあたしは惣夜の家の事情をまるで知らないことに気づいた。
でも、惣夜の立ち振舞いからしてかなり裕福な家庭。実業家?若しく軍人。それかどこかの研究所出身かと思った。惣夜の魔法の才能は正直異常だ。あの赤黒い禍々しくも綺麗な
そこから研究所出身と思ってたが、今日久し振りに会って従兄という達也君達に会ってすぐに本当ではないと分かったが、アイツがそういう嘘をつく筈ない。
ただでさえ家族を大事に想う奴だ。ならそれに近しい関係・・・だとしたらアイツの家族とも関係ある筈・・・いや
「これ以上は止めよ」
恐らく惣夜にちゃんと聞けばキチンと教えてくれるだろう。それか本人が言いたくなるまで待てばいい。
なにせようやく会えたのだ。
「今度は逃がさないわよ惣夜?」