※この作品はR-18です。

転生者は平穏を望む ~ルートPINK~   作:白山葵

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安価…アンケは絶対。



…今回…頑張った…。

挿絵有です


※ルート壊 【宴編】※ 女子会ですっ!! そのいちぃ!★★

 …やっちまった。

 

 その一言。

 

 宇津木さんとも関係を持ってしまった…しかも、今回は殆ど俺からだった。

 しかし罪悪感は強くある物の…何故か心が軽く、その事をその夜に、アッサリとみほに白状した。

 経緯と共に、その状況も…。

 自分でも驚く程…今日何があったか話す様な感じで、口を開いてしまっている。

 そして、何も言わない。彼女もまたふんふんと頷いている。

 

 …報告を聞いている内に、彼女の目が怪しい色を放ちだし…どこかその話を興味深く聞いていた。

 

 キスはしていない。

 

 言い訳にしか…いや、言い訳ですらないソレを聞いたらば、もはや何も言わなかったのに…変な恐怖感に襲われた。

 俺が嘘をつくと、それはすぐに分かるそうだ。俺の癖…の様なモノがある様で、ほぼ100%の確立で分かる様だ。

 …アレの最中は何故か分からないと、顔を赤くして言っていたので間違いないんだろう。

 なぜか…確信した。

 

 一般なら…はっ、今更だが完全な浮気。

 

 …そういや麻子が、言っていたな…。

 まほちゃんは、まぁ…特別枠なんだろうが…。

 

 みほの許容範囲は、あんこうチーム。

 

 その許容範囲を逸脱したというのに、何も言わない。

 そして、コレも何となく分かった…みほの価値観が、次の段階にシフトしている。

 

 壊したくない関係…とやらが、今のコレなんだろう。

 あんこうチーム全員と、肉体関係を結んでしまってる今の狂ったこの環境を…みほは…楽しんでいる。

 

 快楽をも話し合い、痴態すら暴露すらお互いがして話している。

 

 何をどう考えても異常だというのに、それが歪んだ一体感でも生んでいるのだろう。

 

 それらをすべてを共有している、この仲間との一体感。

 

 彼女は受け入れ、溺れてしまっているのだ。

 

 そしてもう一つ。

 

 …謎のスキルが、解けない。

 

 前々から気が付いてはいたのだが、スキルが掛かっている状態の彼女達には、ある一つの特徴がみられた。

 

 それは…目の奥に怪しい光が灯っている。

 

 歪んだハートマーク…とでもいうのか? 強く影響を受けている時には、その光もまた強くなる。

 

 …それが…通常の時にも消えていない事に、この時に気が付いた。

 

 その瞳の奥に、うっすら…と。

 

 しっかりと見てみないと気が付かない程だったが、ハッキリと…確認が取れた。

 

 …。

 

 はっ…もう今更どうにもできない。ならば俺としては…できるだけ彼女達の要望を聞くだけ…叶えてやるだけ。

 壊れ、壊してしまった責任を…トラナクテハト。…アタリマエニ、ソウオモウ。

 

「あ、そうそう隆史君」

 

「…ん?」

 

 …そして、最後。

 

 みほに…恐怖した。

 

 冗談でもなんでもなく…ただ怖い。

 

「隆史君、優しいから…まぁ仕方ないかな。あ、それに! ちゃんと家に何時もの時間には、帰ってきてくれているから安心感もあるの!」

 

「……」

 

「外とかで? 黙(・)っ(・)て(・)お(・)泊(・)り(・)とか…浮気とかだとすぐに疑っちゃうでしょ?」

 

 そんなセリフが出たというのは、すでに倫理観やら何やらが、完全に歪んでいる。

 とうか、文脈が変だぞ…所処、自分に言い聞かせているみたいに聞こえる…。

 

 浮気…の概念が何なのだと、今の彼女に聞いてみたかった。

 

 …俺としての最低条件。みほを最優先にする事。

 生活リズムというか…何と言うか…。できるだけ普通の時間…コレばかりは曲げないようにしていた。

 

 しかし…俺が本気で恐怖したのは、こんなセリフじゃない。

 

「うんっ! でもコレだけは、聞いておいて欲しいの!」

 

「なんだろう?」

 

 何時もの表情。何時もの明るい声。

 

「お母さん」

 

「…しほさん?」

 

「……あぁ~…お姉ちゃんなら、特に怒るだろうけど…。キス抜きにしても、私も怒るよ?」

 

「あ…あのな? …昔から言ってるけど…」

 

「うんっ! でも!!」

 

 極めて明るく言う彼女に、あぁ会話の〆に冗談か…と思ったが…。

 

 …表情が変わった。

 

 それは、後に映像で見た顔。

 

 あの準決勝の会場で、あの犯人の仲間を捕まえた時の顔。

 その顔は…その時に見せた、愛里寿の表情を思い出させた。

 

 見開かれた目からは、…スキルに掛かった怪しい光すらも真っ黒に押しつぶされ。

 

 無表情にも似た表情だが、目にだけは力が入っていた。

 

 付き合いの長い俺でも…幼い頃から見てきたこの幼馴染の…見た事のない…。

 

 …一瞬、目の前にいるのが誰か、分からなくなるような…そんな顔。

 

 そして…ハッキリと一言…。

 

 

 

 

 

「 …エリカさんとだけは、絶対に許さない 」

 

 

 

 

 

 

 ▼

 

 

 

 

 

 余り今回は時間が掛からなかったな。

 雑木林を抜けて、焼却炉の前にへといくつかのゴミ袋を運び終えた所で、漸く一息着くことができた。

 

 それは、あの宿直室としての利用されて…いた、小さな建屋。

 この建物は、存在すら知られていないというのもあるので…すでに俺しか利用する者なんていなかった。

 生徒会室よりも戦車倉庫に近かった為に、仕事類の物を置いたり、備品の置き場所として重宝していた。

 その為に、俺の仕事部屋…兼、戦車道準備室。

 

 …兼…け…。

 

 改めて考えると…ヤリ部屋と化しているな。

 

 …。

 

 ま…まぁっ! 不必要な書類をまとめて、ダンボールに入れていた物を、漸く今日処理出来た訳だ。

 

 …書類作成、不要な書類の判別…それをひたすら繰り返してな…。

 主に広報関係の書類だったな…は…はは…。

 正直、無駄なモノが多すぎて…余計判別に手間取った…。

 その書類作成自体は、既に済ませてあったので、今日はゴミ処理の為だけに登校。

 

 あの部屋、一応は電気は通っているので、まとめていた書類を、持ち込んであったシレッダーに、何度も何度も何度も掛ける…。その単純作業を繰り返した…。

 大量の細切れの紙を生産する作業は、地味にきつい…って、休日に俺は何してんだ…って途中で嫌になりそうだったけど…。

 大概の物が桃先輩の仕事類だった為に、頬っておけば…最終的に柚子先輩が、処理する羽目になりそうだったので仕方がないと言えばそれまでだ。

 書記…という役職だが、ほぼ雑務処理役という俺にとっては、もう慣れてしまった仕事だった。

 まぁ桃先輩は桃先輩で、あの人なりに忙しいらしく、少しは手伝ってあげたいと思っていたのでコレも良しとしよう。

 

 …。

 

 ま…まぁ、結構なブラックな生徒会だとは思うが…昔の職場に比べれば、パールでホワイトな職場だろうて。

 

 午前中で片付く位だから、まっしろぉ!!

 

「はぁ~…」

 

 そして…いくつかの仕事を終わらせた今、漸く…落ち着くとか…。

 

 

 …。

 

 き…昨日のみほ…。

 

 

 ……こ…怖かった…。

 

 命の危機…とか、そういう問題じゃない。

 人の恐怖心を、体の芯から引き出させる様な…そんな顔。

 

 …だから昨晩は、スキル全開でガンバリマシタ。

 

 うん…。

 

 やっぱり、常軌を逸脱した行為の時は、記憶を操作しないとダメ…だよなぁ…。

 色々と説明が出来ないからなぁ…やっぱり。うん、夢として処理しよう。

 腰に手を置き、背筋を伸ばしながら空を仰ぐ。

 

 …あ…降ってきたな。

 

 朝から余り良い天気とは言い辛い雲行きだったのだが、ついにポツポツと雨が降り始めた。

 

 …そういや、みほ達…傘ちゃんと持って来たのだろうか?

 

 今は、どこにいるか知らないが、一度は学校に行くとか言っていたし…後でちょっと電話でも掛けてみるか。

 本日は練習もなんもない、完全な休校日。生徒会長は用があるとかで、一応学校にはいるようだが…そういや見てないな。

 戦車倉庫になんぞ用があるらしく、一度学校へ寄り…陸へというのが、みほ達の今日の予定。

 

 なんか…女の子だけで会合…らしい。よく知らんけど。

 どうやら、みほとマコニャンに、悩みがあるようで、それの相談会を今から開く様だ。

 相談お姉さん枠として、絶賛宿泊中のまほちゃんも参加する様だ。彼女はそういった事に今まで無縁だったらしく…って、まぁそうだろうな。

 それも相まって初めての女子高生らしい事! …らしく、すこぶる楽しみにしていた。

 

 そうそう、それはそうと…何か悩み事なら、俺も力になれるかもと言ったら、力強く拒否された…。

 

『 戦車道の事だからっ!! 』

 

『 そうだっ!! 書記には関係ないっ!!! 』

 

 いや…今さらだろ…。

 まぁ…良いけど、それなら戦車道の会議が、何故女子会になるのだろう…良く分からん。

 みほとマコニャンの言葉で、華さん、優花里、沙織さん。…そしてまほちゃん。彼女達も何かある様で、せっかくならと…その? 女子会とやらの開催が決定した。

 女の子達の集いのど真ん中に参加する…という地獄を味わいたくない為、快く承諾。俺は無事に別行動と相成った。

 

「さて…と」

 

 午後からの予定がない。

 

 取り合えずと…悪友連中に声を掛けてみようと思ったが…中村とは連絡が取れない。どうせまた戦車道関連を廻っているのだろう。

 林田に電話をかけ…「 ナンパ行こうぜっ!! 」ので…速攻で通話を切った。…から連絡は取れない。

 

 ブレねぇなアイツ…。

 

 よって…やはり予定はない。

 

 しかし…久しぶりに一人だ…。昔ならボッチ街道まっしぐらだったというのに…生活一つで人生変わるもんだなぁ。

 まぁ…たまには一人で、船外にでも行ってみるか…。筋トレでも良かったのだが、昨晩…ある意味で筋トレした為に筋肉は休ませないとな。

 

 あ…。

 

 そういやアノ件どうなったかなぁ…。

 一応は学生が自治体の様な学園艦で、権限を強く持っている人だ。

 防犯対策を強化の為に会長に一度、相談をした事を思い出した。

 

 不審者…らしき者がいた。というか、来た。

 

 一応、俺が居るとしても、我が家には若い女の子が、現在4人も住んでいる。…字面すげぇな…。

 だから変なのに目を付けられても不思議じゃない。

 鈴木…じゃない。…カエサルさん達の様な女の子だけで、住んでいる家も結構多いしな。

 

 下着ドロ…ではないにしろ、不審者らしい人影が、一度夜中に庭先に来襲した。

 

 …まぁ…ちょっと、アレ用に利用させて貰って、処理したけど…。

 男にも効くんだな…スキル。寧ろ分かっている分、掛けられた男は悲惨な事になってたなぁ…。

 

 華さんが遭遇した痴漢もそうだし、防犯意識を上げる事は悪い事じゃない。

 

 会長に会うにしろなんにせよ、一度荷物を取りに宿直室に戻るか。

 

 うん。

 

 危ないからな。考え事をしながら歩くものじゃない。

 普段なら気が付く事でも、ボケーとしてると気が付かないで、事故に繋がる可能性があるからな、うん。

 ほら、特に戦車道履修者の隊長各って、気配を殺して人の背後取るのが好きみたいだからな、何時殺られるかわかったもんじゃない。

 

 …。

 

「…うん、将来有望だよ…宇津木さん…」

 

「本当ですかぁ♪ なんの事ですか分かりませんけどぉ~」

 

 今みたいに…気が付いたら、腕を取られている可能性あるしな…。

 相変わらずコロコロした笑い方をして、俺を見上げている宇津木さんが…いた。

 

《 ……… 》

 

 その後ろには、ウサギさんチームが固まって見てるし…。

 そりゃそうだろうな…いきなり、コレだし…。

 

「優季…ちょっと近くない?」

「………近い」

 

 澤さん!?

 丸山さん!?

 

「えぇ~そんな事、ないよぉ? …まだ外側だしぃ、触れ合う程度ならぁ~問題ないと思うよぉ?」

 

 っっ!?

 

「は? 外側?」

「…意味不明」

 

「あぃ~…」

「…何が起こってるんだろう」

「優希、タラシ先輩と仲良かったっけ?」

 

 いっ…一年達は、自主練…戦車は動かせないが、それでもできる事はあると…登校してきたらしい…ねっ!!!

 

 というか、宇津木さん!! 目の奥に例の光が見える! と…解けてないのか…まだ。

 しな垂れかかるとうか…小指で唇なぞったり…なんか…少し幼い色香が、ヤベェ…。更に強まってる…。

 

「あらぁ~…。隆史先輩、雰囲気戻っちゃいましたねぇ~?」

 

「なっ…何が…かな?」

 

《 ……… 》

 

 宇津木さんが、腕を下に引っ張ってきた…。腰を下ろせって事か?

 腰を少し下げると、彼女はつま先立ちをして耳打ちを…っっ!?

 

( 昨日の容赦無い、隆史先輩も好きすよぉ? )

 

 …と小声で言い、少し…耳の端に舌を当てた…。

 内緒話をするように、手で耳元を隠しているので大丈夫だとは思いますけどね!?

 いや…教えたけど…確かに、それも教えたけど時と場所を考えようね!?

 

「っ!?」

「っ!?」

 

「…?」

「……桂里奈は分かってないみたいね」

「…どうなってるんだろう…被害者が増えた」

 

( 宇津木さん!? )

( 優希でいいですよぉ~…あ、でもそれだと、わざとらしいかなぁ? )

 

 …。

 

 あかん。この子あかん。

 

 将来…いや、今もそうだが…。

 男が彼女相手に、浮気や不倫した場合…高確率で、身の破滅を招くタイプだ。

 単純な色香…ではない。何ていうか…。

 

( 私は何時でも良いですのでぇ~…それでも余り頬っておかないで下さいねぇ?   )

( っっ!? )

( 誰のモノ…とか、女の子から宣言させられる位なんですからぁ~♪ 責任は取ってくださぁい♪ )

(  )

( あ、でもぉ、何時もと、あの時の違いのギャップは良いかもぉ~♪ )

(  )

 

 この子…距離感というのを、ちゃんと理解している…。

 じ…自分から都合の良い女宣言…とか…。

 …というか、あの時の真っ黒い俺が良いって…華さん以外には初めて言われた…。

 

「ゆぅぅきぃ! 何やってんの!! 尾形先輩困ってるでしょ!?」

「…西住隊長に…報告」

 

「ぁ~…ねぇねぇ」

「何? 桂里奈! 後にしてっ!!」

「……ちょっと面白くなってきた!」

 

 …丸山さんが、ストレートにチクり発言した…というか、久しぶりに声聞いた…。

 

「…いや、澤さんが別に、ソコまで怒る程、困って…」

 

「はいぃ!!??」

 

「あ…はい。困ってます」

 

 …この子…怒ると結構怖いな…。

 優希さんの腕を引っ張り、強引に俺から引き剥がした…。

 剥がした瞬間、丸山さん含め…残りのウサギさんチームが彼女を取り囲む。

 

「…どういうつもり?」

「……………つもり?」

 

「えぇ~? 他の人達もやってる事だよぉ? ほらぁ~」

 

「そっ…そうだけどっ! あれって、尾形先輩の昔からの知り合いでしょ!?」

「……」

 

「身近の人もそうだよねぇ~? じゃあ、いいんじゃなぁい?」

 

「良くないっ!」

「……ない」

 

「一人増えた所で、隆史先輩ならぁ~…問題なさそうだしねぇ~」

 

「大問題よっ!!」

「……もんだい」

 

 ……。

 

 宇津木さんの言葉だけ、別の意味に聞こえるのが不思議だ…。

 

「無差別で女性に、粉を掛けて廻っているツケですわね」

 

「…無差別にって…」

 

 確かに昔はそうだったかもしれんが…宇津木さんに関しては、何も言えねぇ…完全に自業自得…。

 

「…止めなくてよろしいの?」

 

「いや…止めるけどさぁ…。なんか、身の破滅になったとしても…俺には色々とそういった権利なんて…既に無いような気がして…」

 

「まっ…自覚症状が出てきただけ、マシですわね」

 

「自覚症状って…」

 

《 ……… 》

 

 はぁ~…まぁ、そろそろなぁ…。

 グランドの片隅で、なにやってんだって話だよな…。

 それこそ、もしみほ達がまだ学校にいて、此処に来たとしたら更にまた収集が付かなくなるしな…。

 

「…あの…澤さんや」

 

「なんですっ…か…」

「…」

「…タラシ先輩?」

 

「雨も降ってきたし…そろそろ…って、どうした」

 

《 ……… 》

 

 全員が一斉に俺を…じゃないな、俺の横にへと視線を集中させた。

 何を驚いた顔をしているのだろう…。別段不思議じゃないだろ…普通に学校指定の制服を着た生徒が…。

 

 

「 ごきげんよう 」

 

 

「んっっっで、いるのっ!?」

 

 崩れ落ちた…両腕を地面に叩きつけるよに…。

 

「…チッ」コンニチワ

「…チッ」コンニチハァ

「…チッ」…ナマステ

 

「ダージリンさんだぁ」

「…いや、それよりもあの三人、あからさまに舌打ちしたよ?」

「全て理解してだよねぇ…。エリリン先輩の時とは、また別の反応…面白いっ!!」

 

 面白かねぇよっ!!

 

「ふふっ…久しぶりに変装…と、いうものをしてみましたわ。うまく騙せたようですわね」

 

「オペ子の時の事、言ってのか!? ありゃ変装とは程遠かったわ!」

 

 大洗の…制服を着た…ダージリンがいた…。

 手を…口元に添えてのドヤ顔がうぜぇ…。

 

「エキシビジョンの最終打ち合わせに参りましたの。…そちらの生徒会長さんから聞いていないのかしら?」

 

「…分かりやすい返答ありがとよ。そんなに、俺は分かりやすい顔してるか?」

 

「えぇ。ものすごく」

 

 くっそ…。今回は紅茶を持っていないからまだいいが、すげぇ嬉しそうに言ったな。

 しかし…なんで、大洗制服を入手して…あぁ…そうか…ダージリン、ご令嬢だしな…。あと、あの会長じゃあ面白がってすぐ渡しそうだ…。

 

「あれ…そういや、ダージリン一人か?」

 

「えぇ、今回はあのおじゃ…二人には内緒で来ました。…今日はそちらの生徒会長さんとだけの会議。おあつらえ向きという奴ですわね」

 

「…出し抜くって…何をだよ」

 

《 ……… 》

 

「…一瞬で、尾形先輩の意識を持っていかれた」

「…不法侵入」

「…うざぁい♪」

「アノ人…あの恰好で、絶対、尾形先輩探してたよね…」

「…迷惑」

「うっざぁい♪」

 

「…この三人は、何と戦っているのだろう」

「……尾形先輩。こんな雰囲気に、何時も身を投じていたんだ…」

「タフにもなるのも分かるよね…」

 

 …。

 

 いかん。そうだ、まずはダージリンより…一年だ。

 宇津木さんが、どういうつもりか分からんが…このままだと、俺のせいで仲が悪くなってしまいそうだし…。

 しかし…どうしたものか…。

 

「…タラシ先輩ぃ?」

 

「っ…な…なに? 宇津木さん」

 

 また…なんか見透かした様な笑顔で、俺を見上げてきた…。

 

「雨も強くなってきましたし、私達帰りますねぇ?」

 

《えっ!?》

 

「あ~そうか。まぁ…本降りになる前には、そうした方が…」

 

 あ、よかった。この子ちゃんと空気読める子だ。

 人の顔色ばかり窺ってきたお陰で、何となく分かる。…この嵐を終わらせてくれる! この台風の目の娘!

 いや…俺が一番悪いんだけど…そういった事を言うなと、それが私に対する責任だと、この娘に言われてるからなぁ…。

 

 …何故か良(・)心(・)が(・)痛(・)ま(・)な(・)い(・)から…どこかで納得してしまっているんだろう。

 

「大丈夫ですよぉ? 私達…ちゃんと仲良し…ですからぁ~」

 

「…ちゃんと仲良しって」

 

「心配しないでくださいねぇ~」

 

「あぁ…ありがと」

 

「はぁい…仲(・)間(・)ですからぁ~♪」

 

 …なんだ? 一瞬…あの光が強くなった気がしたけど…。

 クルッと背を向け、他の一年生達の背中を押した。まぁ、すぐに帰ろうと暗に言っているのだろうか?

 この場を収め………

 

「…ねぇ皆ぁ~…ちゃんと…説明するからぁ~今日は帰ろうねぇ~?」

「…ホント?」

「……」

「まぁ、雨強くなってきたし…って、傘っ! 本格的に降ってきたぁ!」

「メガネが…」

 

 ダージリンが現れたから…という事ではないのだろうが…何となく逃げるように…。

 

「…ちゃんと教えてね?」

「…説明」

 

「うん…仲間だからねぇ~♪」

 

 走って行ってしまった。

 

 そして…何故か思い出した。

 

 また訳の分からないスキルが…昨日、宇津木さんと別れる時に…発現していた事を。

 

 

 たしか…。

 

 

 スキル【 伝 染 】

 

 

 …段々と発現するスキルの名前が、怪しくなっていく。

 

 

 

 

 

 

 ▼

 

 

 

 

 

「人気のない一軒家へ、隆史さんに連れ込まれました…と」

 

「人聞きの悪い事を言わないでくれ…ここ仕事もしてる部屋なんですが?」

 

 はい、例の宿直室…。嵐が去りて…という奴には、まだなってない…。

 いよいよ天候が悪くなり、あの場にいる訳にもいかないので、荷物もあり傘もあり…で、ここにダージリンを連れてきた。

 

「送信…っと」

 

「何やってんだぁぁ!!」

 

 確かに遠目には、古ぼけていて壁に苔も生えて、ホラー映画の舞台になりそうな見た目だが、中は…俺が丹精込めて掃除した事もあり、普通に家賃取れるレベルにまで修復した室内だ。

 雑木林の下を走ってきたので、びしょ濡れ…程には、濡れはしなかったが…女の子はそうはいかないのだろう。

 肩が雨に濡れ、白い大洗の制服から肩の肌色が少し透けて見える。

 部屋に常備してあったタオルを渡すと、ポンポンと軽く叩きながら拭いている。…とか、思ったら携帯を操作しながら物凄い事を言っていた…。

 

「冗談ですわ。そんなメールを送ろうモノなら、ペコからの電話が鳴りやまなくなります」

 

「……寄りによって、どこに送ろうとしてんだよ」

 

「あら、ペコの気持ちには、お気づきになっていますのね?」

 

「ぐっ…」

 

 そ…それも、まぁ…今更だろうがな。

 みほとの付き合う事になってから…まぁ…大体は把握…してきた。

 しかし、今の関係なんかバレようモノならば……。

 

 …。

 

 っ…! まずい…。

 

 久しぶに、ま…《【  】…タ 》

 

 

 

 

 …ま、いいや。今はダージリンだ。

 

 

 雨に濡れて、少し湿っぽくなってしまった室内。

 その…雨に濡れた為か、ダージリンから少し甘い香りがするので…変に緊張する。

 昔なら…青森にいる頃では、こうはならなかった。

 何処か心の中で距離を置く事で、どうにかなっていたと…今になって確信する。…完全に逃げてたな。

 

「今日はエキシビジョンの打ち合わせ…会議といっても、諸々の取り決め確認の為だけでした」

 

「…あ…あぁ、そう言ってたな」

 

「冗談半分で生徒会長さんに制服を頼んでみたら…すごい乗り気で貸してくれましたわ」

 

「……やっぱり」

 

「ま・あ? …それで何時も通りの? 何処かの、女っタカシを見つけた訳ですが…」

 

「…スミマセン」

 

 軽く口を挟みながら、会話をする中…こちらをジッー…と見つめるダージリンに気が付いた。

 青い瞳と…頬に、濡れた細い髪が張り付き……妙に色っぽく…って!! なんだ!? なんなんだっ!? 

 

 おかしいぞ!?

 

 今まで意識はしないようにしていたというのに、いくら何でも逆に意識しすぎだろう。

 確かにシチュエーションとしては、王道といっても良い状態なんだが…なんで…。

 寧ろ意識しろと言わんばかりに、変な所ばかりに目が行ってしまう…。

 

 うっすら透けている為に肩から見える、下着の…青い紐。

 

 そこから流れる制服が…女性らしい…体つきを、妙に…て……。

 

 …が…そう…か。

 

 あ…。

 

 この狂った状態も関与してる…から…それで分かってしまった。

 宇津木さんとの事も…そうだ。体の…年相応に、彼女達を女として…いつの間にか俺は意識してしまっていた。

 

「隆史さんと二人きり…という状況は、結構稀有ですな」

 

「ですなって…」

 

「……噛みました」

 

 ダージリンが…緊張している…。

 

 これもすぐに分かった…。

 

 その事に気が付いてしまった為に、急速に彼女の魅力と言うのを…在り在りと感じる事ができた。

 

 まずい…本気でまずい…。

 

 今の俺の状態…良く分からないスキルに振り回されて、倫理観が壊れている俺。

 はっきりと分かる…このままだと俺は、ダージリンにまで手を出す。

 出してしまいそう…ではなく、出す。そう断言できる。

 状況的に考えて…しかし…でも…と、それが悪い事だと思えなくなっている自分が…段々と怖くなっていく。

 

 まずい…まずい…俺ならと…か…で《 【         】 》

 

 

 

 

《【 《【 消 【《 【   】 ガ、発動シマシタ 》…がっ…。

 

 

 

 頭が…痛い。

 

 連続して無機質な声が響く。

 

 響く度に、同じく連続して発する痛みで、思わず顔を顰めそうになってしまう…。連続して警報の様に鳴り響く痛み。

 

 なぜ…が…ぅ…。

 

 顔に出さない様に、視界に集中すると…ダージリンの肩…首……顔…と、何時もと違う雰囲気の彼女が目に映る。

 

 その違いが、女性としての魅力…を…強く引き立たせ…て…。

 

 まずい…。

 

 外の雨音が…その痛みに響く。

 

 段々と何も聞こえなくなって…き…。

 

 

 

 ガチャッ!! 

 

 

 …と、突然ドアノブが回された音が響いた。

 

 この音は何故か、妙にハッキリと聞こえた…しかし「 ッッッヂッッッ!! 」

 

 

 …。

 

 

「んんっ!! …誰か来ましたわね」

 

 

 …あ、うん。

 

「そ…そうだな」

 

 はい…思わず音がした方を見ると…ダージリンが物凄く悔しそうな顔をしていた…。

 

 あ~…良く見知った昔からの顔だぁ…。

 

 …。

 

 何時ものこの空気が、一気に俺を、平常運転にまで戻してくれました。

 

 目が覚めたよ…。

 

 ここまで、ダー様の舌打ちに救われた事はないわぁ~…。

 

 あ~…あと…俺、この部屋に鍵…掛けてないんだけど…。

 

『 あれ~…みぽりん、鍵掛かってるよ? 』

『 そうですかぁ…隆史君、帰っちゃったのかなぁ? 』

 

 …。

 

 oh…

 

『 …みほ、鍵は持ってないのか? 』

『 あ、うん。あるよ 』

『 即答…。確かにみほさんは、頻繁に利用されてますからね 』

『 ぅぅ…華さんには、言われたくない…よ? 』

『 五十鈴殿…バレてますよ? 』

『 なんの事でしょ~♪ 』

『 白々しいぞ、五十鈴さん 』

『 …皆、何を言っているんだ? 』

 

 

 まっずいぃ!!

 

 

「チッ…みほさんの声…チッ!!」

 

 

 ダージリン…今回は何も言いません。…ある意味で、感謝しかないから…。

 鍵かけたのも、ダージリンだろうな…。すっげぇなんか悔しそうな顔してるし…でも今回はグッジョブ!

 

 じゃなくて!

 

 まず初めに!! 

 

 この部屋に対する、全員の認識がヤベェ!!

 

 どうする…どうするっ…。

 この部屋の…あの認識で、ダージリンと二人きりでいる事を見られたら…確実に…。

 

 …。

 

 みほは、なんか…いや、それでもっ!! 少なくとも西住流家元が、二人揃ってる状態だし…。

 

 …。

 

 

「…ん? まほさんの声…?」

 

 よしっ!! 諦めて行動!!

 

 荷物! 靴! 確保っ!! 襖を急いで開く!! 

 よしっ! 今回はマコニャンいない!!

 

「あの…隆史さん、何されてますの? 私の靴をって…え!?」

 

 押し入れを開き…ダージリンの両肩に、優しく両手を乗せた。

 

「あ…あの? あの!?」

 

 真正面から向かい合う形…ほぼ見つめ合う状態になると、ダージリンの瞳が、俺と肩に置かれた手を何度も往復する。

 何故か耳が段々と赤くなっていくが…今はそれを見入ってしまう程の時間はない。

 

「ダージリン…今から言う事は、冗談でも何でもない…」

 

「…はっ…はい」

 

 真剣な眼差しで、今までにないくらいの真面目な口調で、ダージリンに声を掛ける。

 その声で、俺が何時もの様にふざけて言う事ではないと、彼女も感じてくれたのか…。

 彼女もまた真っ赤になりながらも、小さく声を出した…だから。

 

 

「…押し入れに隠れてくれ」

 

「……」

 

 

 あ…目が死んだ。

 

 

 …そして、すっごい無表情になった…。

 

 

『 …みほ? どうした 』

『 あれ…カギどこいったかなぁ… 』

 

 …いやぁ…血の気の引き方がすっごいわぁ…。

 どうでも良いけど、ダージリンって和室が異常に似合うなぁ~…ちゃんちゃんことか…こたつ…とか?

 セットで一度見てみたわー洋風テイストな見た目なのにねぇーよしっ! 現実逃避してる場合じゃない!

 

『 しかし…随分と、辺鄙な所にある建屋だな 』

『 …書記の…はっ…ある意味で仕事専用になってるがな 』

『 ふむ? 』

『 あっ! あった 』

 

 …。

 

「 」

 

「………」

 

「って、ダージリンっ!? 何で頬膨らませてんの!?」

 

「そぉぉ~ですわよねぇ~~? こんな所、見られたら大変ですわよねぇ~~それでも? やましい事してくれないのですから? 堂々としていれば宜しいのではなくてぇぇ??」プク~

 

「お前、どうして俺の前だと、変に子供っぽくなるんだよっ! 後、文法なんか変だったぞ!?」

 

「この制服姿の感想も、まだ頂いてませんしぃ~? あ~あぁ~がんばりましたのにぃぃ~頭まで下げて頑張りましたのにぃぃ~」

 

「感想っ!?何を…あー…もうっ!! 変にエロすぎて、ちょっと理性が飛びかけたわ! これでいいかっ!?」

 

「エロッ!?」

 

 入り口付近を手で掴み…意地でも入んねぇって拒否してる!!

 こんな所見られたら、ダージリンも困るだろ!? というか! 俺だけならまだしも…あの状態のみほを見ているから、余計に心配なんだよっ!!

 俺だって、まさかここに自分が入るとは思いもしなかったよっ!!

 

『 むぅ…相変わらず錆びて…うまく鍵が回らない… 』

『 隆史さん、普通に開けてませんでした? 』

 

 あ、うん…今度なんとかしておくよ…じゃないっ!!!

 

 こうなったら…俺の靴っ!! 鞄っ…は、もう入れた!! よし!!

 

「…っ!?」

 

 ほい、ダージリン!! 一度引き寄せ、抱きしめる上げる! …って、相変わらず軽いな…。

 えっと…下の方が良いな! 布団少ないしっ!!

 

「えっ…あのっ…えっ!? 隆史さんっ!?」

 

「悪いが、強行させてもらう…文句は後で聞きますわ」

 

 

 襖を再び、スパーーーン!! …と、閉めた。

 

 

『 あっ…やっと開いたぁ~ 』

 

 

 それと同時に…またドアノブを回す音と、ドアが開く音が聞こえた。

 

 間一髪…こうして俺達は、二人仲良く…in押し入れ…。

 

 はぁぁ~…。

 

 危なかった…。

 

 

 

 ◆

 

 

 

「…オレンジペコ?」

「はい? なんですか?」

 

「…ダージリン、今日見ないわね」

「そうなんですよ…特に、今日は予定はないと仰っていましたのに…何処かに出かけられたのでしょうか?」

 

「………」

「アッサム様?」

 

「ねぇ? オレンジペコ? …最近、ダージリンの様子がおかしいと思わない?」

「何時もの事では?」

 

「そうね。概ね同意はしますが、今回はそう言う話ではないの」

「はい?」

 

「…先日、大洗の方々と交流があったでしょ?」

「あぁ、あのカードの時…」

 

「そう。それで、西住 みほさんのご友人に、どうも雑誌を一冊頂いたようなんです。それを最近、熱心に読んでいましてね…」

「雑誌?」

 

「本来は借りるつもりだったようなんですが、既に読み終えたと言う事で、頂いたみたく…あぁもう…コレを見て」

「これですか? 随分と派手な表紙ですね。…えぇっと、女子力アップの秘訣? 彼も大満足?」

 

「最新の女子高生…って記述で、興味を引いたみたいですわね。ダージリンは読み終えたと言うので、今度は私に何時ものアノ顔で…勉強なさい? とか…私に今朝渡して来たわ」

「はぁ…それで。どんな内容な…ん……」

 

「…………」

「 」

 

「…本来ならば、貴女に見せる様な内容ではないのでしょうが…」

「なっ…なっぁぁ!! なんですか、コレは!!??」

 

「…正直、私じゃ意味が分からなくて…卑猥な事だとは思いますが…」

「卑猥どころの話じゃないですよっ!!…いや…露骨に書きすぎですよ、コレ…」

 

「……オレンジペコは、意味が分かるのね…」

「殆ど分かりませんが、何となく分かりますよ! イラスト付きとか…ぁああ…」

 

「……」

「…ぅわ…あ。……え~…」

 

「………」

「………ぇっと…」

 

「………」

「…あ、これなら、なんとか…え…えぇっ!? …でも…イチコロ…」

 

「……」

「……へぇ~…あ、コレ…」

 

「…もういいかしら?」

「ひゃわぁぁ!!??」

 

「…はぁ…もういいわ。それでね? オレンジペコ」

「…な…なんですかぁっ!!」

 

「先程も言いましたが…ダージリンはそれを、読み終えたと言っていたんです」

「…はい?」

 

「特に、この…ドッグイヤーをしてあったと思われるページ。折り目があるから、戻したのが丸分かりでしょう?」

「本当ですね…えっと。特集…男性に好まれるプ…プレイランキング。 1位…セーラー服」

 

「ね?…マーカーまで引いてある」

「……」

 

「……」

「……」

 

「…あの娘…大洗の学園艦に行ってないわよね?」

 

「……………」

 

 

 

 

 

 ◇◇

 

 

 

 

 

 

 スキル【 隠 者 】…の潜伏機能、これで俺達が押し入れにいるとは認識できまい。

 

 明かりの為に、少し襖を開ける事がこれでできる…。

 俺達の話声、その他、些細な事でも、押し入れに異常や違和感を、外の彼女達は感じる事は不可能にした。

 …あ…危なかった…。

 流石に目の前で、んな事したら…絶対におかしな事になるに決まってる。

 

「ダージリン…悪いな」

 

「……」

 

 体の大きさもあり…申し訳ないが、ほぼ抱きしめ合っているような体勢で押し入れの中…というか、ダージリンがさっきから大人しい…。

 というか、ダージリンの甘いにおいで…押し入れの中が充満してきた…。

 

「ふっ…ふふ…一緒にでしたらあそこまで意固地になりませんでしたのに…」

 

「はい?」

 

 …ダージリンの腕が…なんかしらんが、俺の背中に回ってんだけど…。

 

「…ペコに一歩リードォォォ…」

 

 …何言ってんだ?

 

 はぁ~…まぁいいや。後は、みほ達が帰ってくれるのを待つだけだな。

 雨宿りに来ただけだろうから…すぐに出ていくだろ。

 …流石に四畳間で、6人は狭すぎるだろうし…。少し開けていた襖から外の様子を窺ってみた…。

 案の定、雨宿りをしに来たようだ。試合に持っていく用の傘をいくつか取り出していた。

 

『 はぁ~…雨強くなってきたぁ 』

『 …ふむ。どうだろう皆? もう、此処でよくないか? この雨だ、陸にまで行くのは、少々億劫だろう? 』 

『 そうですねぇ~。そろそろ私、みほさんと麻子さんのお話お聞きしたいですし…私は別に構いませんよ? 』

『 …まぁ、もう此処でいっか。内容如何によっては…外じゃお話できないもんね… 』

『 家だと隆史殿、何時帰ってくるか分かりませんからね! 』

『 私は別に構わん 』

『 私も皆さんが良ければ…お家よりかは、安全だと思いますし… 』

『 んじゃ、けってーい! 』

 

 

 …ちょっと待て。

 

 

『 いやぁ~! 先に買い物してきて、良かったですね! 』

『 んじゃ、準備しちゃおー! 』

 

 

 待て待て待て! 

 

 変に大人しいダージリンは置いていおいて! 例の女子会とやらを此処でやる気か!?

 …戦車道の事…と、言っていたし下手すると時間掛かる…よな…ぁぁあ…菓子とか色々取り出してるしっ!!

 

 

「どうしました?」

「いやな…みほ達、女子会戦車道を…というか、作戦会議ぽくってな。終わるのが何時になるやら…」

「ふむ…そうなると私…作戦を盗み聞きする真似になってしまいますね」

「そうなんだよ…耳を塞いでいてくれっていっても、時間掛かりそうだから無理だろ? 疲れるし…」

 

 

 出るに出られないし…後、エキシビジョンの作戦会議とかだったら、相手がここで聞いてるし、まずいよなぁ…。

 

 

『 よしっ!…では、始めますかっ! 』

『 結局、沙織さんも楽しんでますね 』

『 開き直ってると言って!! 』

『 …で、順番はどうしますか? 』

『 私から行く!! 』

『 あら、麻子さん? 』

『 最初に言って、最初に終わらせたいっ!! 西住さん、良いか!? 』

『 わ…私は構いませんが… 』

 

 …ん? なんか、会話内容が変だぞ? 戦車道だよな?

 

『 私も構わんが…一つ、提案良いか? 』

『 お姉ちゃん? 』

『 前回皆が、呼んでいた呼称でお願いしたい 』

 

《 ……… 》

 

 …前回? まほちゃん、前にも参加したのか?

 

『 ま…まぁ私は良いけど…アレ結構、恥ずかしいですよ? 』

『 ぜひっ!! 今回は、途中で何があっても呼び方を戻さないようにお願いしたい! 』

『 第三者目線で見れますからね。お姉様の気持ちは、なんとなくわかります! 』

『 とりあえず華…まほさんの呼称なんとかならないの…? 』

 

『 では、西住殿、音頭をお願いします! 』

 

 

 …ま・さ・か…。

 

 

『 そ…それでは! 相談・報告を兼ねた、女子会を始めますっ!! 』

 

《 お願いします!! 》

 

 …。

 

 

 あ…いきなり…積んだ…。

 

 

 

「相談…報告? …って、隆史さん? どうされましたの?」

 

 いや…いやいや待て…前回の呼称…と言っていたな…。

 それは「彼」呼びって事だな? ならまだ…って! みほの場合、バレッバレだっ!!

 どっちにしろ、ダージリンに、んな話! 聞かせれるかっ!!

 

 …。

 

 何をどうしようと………八方塞りだ…。

 

 もう…運を天に任せるしか…。

 

 

 

 

『 じゃあ…さっそく私からだな 』

『 麻子は、相談…って言ってよね? 』

『 うん。じ…実はな…? け…結構深刻で… 』

『 深刻? 』

『 …どうしたの麻子。何時になく真剣に言ってるけど 』

『 …… 』

『 突っ込みがない… 』

『 麻子さん、深刻って、どうしまし…!? ま…まさか! …麻子さん! 』

 

《 っっ!! 》

 

『 …え? あっ!! ちっ…違っ『 あら~…おめでたですか? 』

『 』

『 』

『 』

『 』

 

『 なんでハッキリ言うの華ぁぁっ!! 』

『 はぁ…遅れを取りました… 』

『 真顔やめてっ!! 本気で残念がらないでっ!! え……みぽりんっ!? お姉さんっ!? 』

 

『 ちっ…違うっ! 違うからっ!! 』

 

 …。

 

 スキルのお陰で、それは無いと確信はできるが…一瞬、ドキッ…とした…。

 とりあえず、おかんにぶっ殺されて、みほとまほちゃんに轢かれて…最後に、麻子のばあさんの顔が見えた…。

 学校辞めて…とか…即座に人生設計…考えてしまった…。

 

『 は…はぁ…はぁ…まったく…やっぱり五十鈴さんが、ある意味で一番怖い… 』

『 あら、失礼な 』

『 …華 』

『 ま…まぁまぁ、麻子さん続きを… 』

『 う…うん。実は…最近…な? 』

『 最近? 』

 

『 夢と現実の区別が、つかなくなってきたんだ… 』

 

《 ……… 》

 

『 私が良い医者を紹介しようか? お母様に言えば何人か手配できるぞ? 』

『 あ…ありがたいが、話を一度聞いてもらえないだろうか? 』

『 ふむ…そうだな…できるだけ力になろう 』

 

『 ……お姉さんも結構、ぶっ飛んでるわね 』

『 お優しい方なんでしょうが……って、西住殿? 』

『 ……… 』

 

『 感覚が…何と言うか、おかしいんだ。正確には夢だとすぐに分かるんだけど…余韻というか…何もかもが現実に感じて… 』

『 …いや…麻子、アンタそれ…冗談抜きで病院に… 』

『 行けるかぁぁ!!! 』

『 なっ…何よ… 』

 

『 大体、アイツが出てきて!! 私が散々な目にあう夢に限ってソレだぞぉ!!?? 』

 

《 ……… 》

 

『 欲求不満とか言われて良しだっっ!! というか、こんな事他人に言えるかぁ!! 』

 

《 ……… 》

 

『 …あ、うん。ごめん…麻子 』

『 な…なんだ、沙織。随分と素直だな… 』

『 実はね…私も最近、そうなんだ… 』

『 私もだ 』

『 わ…私も… 』

『 拙者も… 』

『 私もですぅ! 』

 

『 沙織は…よくそれで、私に病院へ行けと言ったな 』

『 …ゴメン。とりあえ華は何で嬉しそうなのよ…後、ゆかりん武士語になってる 』

 

『 あの…私の相談って…実は麻子さんと同じなんです… 』

『 西住さんも? 』

『 はい…私…夢で、たかっ…彼が、いっぱい出てきて…大変な事に… 』

『 みほ? …いっぱいって…え? 』

『 き…昨日も…それでちょっと今朝…起きたら、腰が抜けてたの… 』

 

《 ……… 》

 

『 後で聞きましょう!!! 今は、麻子さんですっ!! 』

 

『 華…水を得た魚のよう… 』

『 わ…私も似たような夢…が、あるな…話した方が良いか? 』

『 お姉さまっ!! 』

『 わ…私は少し違いますが…ちょっと現実かどうか… 』

 

『 では、本日は「夢の発表会」ですねっ!! 』

 

『 字面は健全なんだけど…華が言うと如何わしい… 』

『 沙織さん、酷いです!! 』

 

 

 

 …よ…よしっ!! 夢っ!! 夢の話なら、何とかなりそうだ!!

 

「みほさん…夢で腰が抜けるなんて…怖い夢でも見たのでしょうか? 結構可愛い所ございますわね」

 

 …。

 

 あ、うん。ダージリンが免疫ないのは知っていたけど…ま…まぁいいか。

 

 それに、考えてみたら…スキルで、うまく誤魔化せないかな…【 催 眠 】でも…って…え…。

 

《 ------ 》

 

「どうしました?」

 

 …は…弾かれた? スキルが効かない…違う、発動しない…どういう事だ…?

 

 

『 …その…私も、しょ…『 彼 』』

『 …え? 』

『 彼…だろう? 』

 

『 あ…はい 』

 

『 何という気迫…お姉さん、徹底する気だ… 』

『 あくまで、第三者としてお聞きしたいのでしょうね…私も何となく分かりました 』

 

『 か…彼が、3人くらい出てきたってのはあったが…今回はそれじゃくて…な? ちょっと夢が現か、判断してほしいんだ 』

『 そちらもお聞きしたいのですが… 』

『 …華 』

 

『 えぇと…その。私がこの前、家で昼寝をしている時だ 』

『 麻子、夢の中でも寝てるって…アンタらしいわ… 』

『 うるさいなっ! それだから、判断してほしいんじゃないかっ! 』

『 はいはい、で? 』

『 なんか引っかかるな…まぁいい。まぁそれで、縁側で寝ている時にな? 』

『 麻子さん、あの場所好きですからね。日当たり良いですし…よく見かけます 』

『 縁側でお昼寝って…本格的に猫に… 』

『 うるさいなっ!! で…でだ、たまたま目が覚めたら…その…しょ…彼っ!! 彼が、すぐ横にいたんだ 』

『 お姉ちゃん…友達を威圧しないで… 』

『 むっ…すまない 』

『 …徹底してるなぁ 』

『 それよりも、寝顔見られても平気になってきましたね…私達…今更ですからね… 』

 

 

 …あ…アレか…。

 

「あら、随分とお可愛い事…」

 

 あ…うん、ソコまではね…。

 

「あの…隆史さん」

「なに?」

「あの方…彼って…恋人…いるんですのね…」

「……………」

 

 あーーーー~~…何て言ったらぁぁ…

 

 

 

『 スッ…と近づいてきたからな。コイツ、何する気だと思ったら…寝てる振りで観察してやろうと思ったんだ 』

『 何故…あ、いや、すまない。続けてくれ 』

『 お姉ちゃん… 』

 

『 私が寝てると、私のスカート捲ったり、下着をすぐに脱がしたりするだろ? 』

『 確定事項の様に言われても… 』

『 …彼 』

『 だからたまには…と思ってな。何かしようとしたら…起きてるぞ…と、脅かしてやりたくてな 』

『 あ~…うん。普通の事で彼の事を脅かしたいという気持ちは……分かります 』

『 なんで最後ためて言ったんだろ… 』

 

『 手が近づいてきて…頭を持たれた。それで… 』

『 それで…それで!? 』

『 五十鈴殿… 』

 

『 いつの間にか持ってきた枕を頭の下に入れられ…タオルケットを腹に掛けられた 』

 

《 ……… 》

 

『 これは、夢だろう。彼の行動原理としては在り得ない 』

 

『 はぁぁぁ~~~…がっかりです。麻子さんには、失望しました 』

『 五十鈴さん!? 』

『 …もう、黙って見てようか、ゆかりん 』

『 慣れてきましたね…私達 』

 

『 もう結構です。次のみほさんが、グッチャグチャにされるお話に期待します 』

『 華さんっ!? 』

『 だっ…だって彼だぞ!? 在り得ないだろ!? 』

『 …よく見る光景です。アレですか? ただの惚気を聞かせたいだけですか? 』

『 なぅ!? 』

 

 …。

 

 華さん…今日はまた、一段とお黒いですね…。

 

『 …だっ…だってアレだぞっ!? 彼だぞっ!? 私に……ネコミミ着けようと! 態々買ってくる様な変態だぞ!? 』

 

『 ……… 』スッ…

 

『 い…五十鈴さん? 』

 

『 あ、いえ。お邪魔しました。続けてください♪ 』

 

『 あ、華が、微笑ましく笑った… 』

『 興味持ったんですね… 』

『 みほ…お前の友達は…すごいな 』

『 は…はは… 』

 

 ま…まだ…セーフ…まだ…。

 

『 着けたのですか? 』

『 ゴミを見る目で対応したっ!! 』

『 あらぁ~断ってしまったのですか? 』

 

『 当 た り 前 だ !! 』

 

『 …意味が分からん… 』

『 …彼らしいなぁ~…。一度私、黒森峰の時の…えっと…あのカードと同じ格好してって頼まれた… 』

『 みほ…私は、何も頼まれてない… 』

『 お姉ちゃん…なんで残念そうなの? 』

 

『 はぁ~~……で? 麻子…結局? 』

 

『 …… 』

 

『 ……麻子? 』

 

《 ………… 》

 

『 …つ 』

『 つ? 』

 

『 …着けてた 』

 

《 ………… 》

 

『 …… 』

 

『 惨状が、目に浮かぶようだわ… 』

『 知らないっ!! 知らないけどっ! 気が付いたら着けてたんだっ!! 』

『 …… 』

 

『 しかもアイツっ!! 』

 

『 はぁ~…なに? 』

 

『 セットだからと言って!! …尻に…尻尾型のおもちゃ入れてきて…っっ! 大変だったんだぞっ!? 』

 

『 ……… 』パァァ!

『 …華 』

 

『 …あぁ…あの愛のホテルとやら販売していた部類か… 』

『 お姉ちゃん…なんで即座に分かったの? 』

『  麻子さんっっ!! 詳しくっっ!!!  』

 

《 ……… 》

 

 

 

「おもちゃ…? なんというか…彼女のお相手…おいくつくらいの方なのでしょう…」

 

「……」

 

 ダ…ダージリンの純粋に考察してる顔を見ているのが…辛い…。

 

 

『 し…知らない…もう…なんか…気が付いたら、自分でも信じられない声だしてて…。ソコまでの経緯が、おぼろげにしか思い出せないんだ…。

 なんかもう…頭真っ白で…相変わらず、ゴリゴリ人の弱い所ばっっかり!! …擦りつけてきて… 』 

 

『 あ、スイッチ入りましたね 』

『 麻子、頭良い分…普段ならしっかり覚えてるんだよねぇ…それに、気が付いたら~って…完全に気持ちよく潰されちゃってるよね 』

『 ん? 尻尾型のおもちゃ? 』

『 なんか…丸い球体が棒状になって…根本についてる尻尾っっ!! マコニャンだからぁ~って、意味わからんわぁぁ!!! 』

『 …あ、ソレ…やっぱり、大人のおもちゃだ… 』

 

『 アイツの…無駄にデカいから…私の中…いっぱいまで物理的に、こじ開けられてるだろ? そこに…まだ慣れてないってのに…お尻にまで変なの入れて…ゴリゴリーー……って… 』

 

《 ………… 》

 

『 何が、ニャーって鳴いてだぁっ!! 鳴くか、ボケェッ!! 頭おかしくなりそうで、それどころじゃないんだっ!!! また…中で当たるから…変に… 』

『 ニャー…絶対に、鳴いてるよね。いや、鳴かされてるよね? ソレ 』

『 目に浮かぶようです… 』

 

 

 

『 う る さ い な っ !! 』

 

 

 

『 あ、否定しない 』

『 どうでもいいけど、沙織さんと優花里さんが、突っ込みに徹してる… 』

 

 

 わー…俺、キモチワルー…。

 その場のノリって怖いよな…。

 あの…とりあえず、ダージリンさん? すっごい食い入るように覗き込んでますが…普通ならバレそうだぞ?

 

「あの…隆史さん…コレって…ひょっとして…」

 

 暗闇の中でも分かる程に、顔を真っ赤に染め上げ…俺に涙目を向けてきた…。

 

「………」

 

 気づいたか…。

 

 

 

《 ……… 》

 

『 遠慮なく人を使ってくれて…確かに使えと言ったが…もう…前と後ろともグッチャグチャで……両方からなんて、オカシクなりそうだったんだぞっ!? 』

 

『 あ…はい 』

『 麻子…羞恥心はないの? 露骨に言いすぎ… 』

 

『 うっさいなっ! 今更だろうがっ!! だ…だって、あの男っ!! …なんか、ソレこそ発情した猫みたいな声だとか!? 何とか散々耳元で、感想言いやがてっ! だから私も声を我慢しようとするだろ!? そうするとワザと焦らしてなっ!?

 敢えて私に、口でオネダリと言わせようとかするんだぞっ!? 羞恥心!? そんなモノとっくにカンストしてるわ!! 』

 

『 オネダリしたんですか? 』

 

『 したさっ! するしかないだろっ!? 』

 

『 ……麻子… 』

 

『 うっさいなぁぁ!! 人間、快楽には、抗えないもんなんだよっ! だから麻薬とか無くならないんだろぉぉ 』

 

『 彼は麻薬か 』

『 …なんだろう…ハッキリ否定できない… 』

『 怖いくらいにしっくりきますね… 』

 

『 即堕ちしてるじゃない…麻子 』

 

『 しょうがな…っっ!!  あーそうですっ! そうですよっ!! アイツ一々、的確に人の弱い所とか気持ちい所とかっ! 全部的確に攻めて、的確に言ってくるんだからっ!!  』

『 あの…麻子さん? 目が… 』

 

『 アイツので、私の中をいっぱいにされると…オカシクなるんだっ!!! 初め苦しいと思ったけど…気が付いたら…口も…お尻も…全部アイツにいっぱいにされて…ほぼ全体的に…しかも同時に…頭おかしくなりそうだ… 』

 

《 ……… 》

 

『 後ろからの時とか…もう…訳が分からない…。ゆっくりと引かれると、内側を捲られるような感覚がずっ…と続いて…そのまま一気に奥まで入れられると…はぁ…。それを何度か繰り替えされたらもう…ダメだった… 』

 

《 ……… 》

 

『 …避妊具…一箱全部使い切ってた…アイツ…底無しか? 』

 

『 そこは物凄く現実感あるね 』

『 ソコで、現実感を感じるのはどうかとも思いますが… 』

『 … 』

 

『 ピル飲んでるの知ってるから、そこからが本番だと言わんばかりに、散々中に出してくれたがな 』

 

《 ……… 》

 

『 ……ま…まぁ、ソコは別にいいんだが… 』

 

『 いいの!? 』

 

『 ……白状すると…私から頼んでた… 』

 

《 ………… 》

 

『 い…いいだろっ!? な…なんか…嬉しいんだ…。中に出されると安心するんだ… 』

 

《 ……… 》

 

『 それにな? …頭真っ白で…気持ちが良いという…感覚しかないんだ…。混乱しているのと変わらん。…それが徐々に…段々と怖くなる…その恐怖が、次に何に繋がると思う? …沙織 』

『 えっ!? 私っ!? 』

『 ……… 』

『 え? …えっと…わかんない。…けど…? 』

 

『 はいっ!! 』

 

『 はい、五十鈴さんっ! しかし…なんでそんなに元気なんだ… 』

 

『 期待に繋がります!! 』

 

『 …いや華、期待って…『 正解! 』』

『 正解なの!? 』

 

『 ほぼ快感の極現状態だろ? でも、その先が見えてくるんだよ…それを態々あの変態は、洗脳させるように言ってくる…具体的にっ!! 』

『 …あぁ…そうですかぁ~…沙織さん、まだソコに至っていないのですね…お可哀そうに 』

『 同情された!? 』

『 …恐怖の先の快楽は…更にオカシクナルゾ? 知らないのか… 』

『 しっ…知らないっ! 知るわけないよっ! んなこと言ってるの、華と麻子だ…け… 』

 

《 ……… 》

 

『 …みぽりん? ゆかりん? なんで目を逸らしたの? こっち見ようか? 』

 

『 私も…まだ知らない… 』

『 お姉さまは、これからですよぉ 』

『 むっ、そうか。楽しみだ 』

『 ……… 』

 

 

 

「…すまんな、ダージリン。紅茶は無い。無いから、持った様な手を震わせるのはやめてくれ」

 

「こっ…こここ、こー!」

 

「ニワトリか。こんな言葉を…か?」

 

 エア紅茶を持った手をガタガタと震わせて…目を見開いて、なにか可哀そうな位に動揺してる…。

 

 ……。

 

 う…。

 

 

『 ま…まぁ…結局、言いなりになってしまう、私も悪いんだが…。なんか…その割に体に触る時とか…妙に優しくて…。それでも携帯で撮影しながらとか…いや、それも慣れたが… 』

 

『 …麻子が隆史君に、完堕ちしてる 』

 

『 うっさいなっ!! 惚れた弱みだくっそぉぉ…アイツ、普段とアノ時のギャップが酷すぎる!! 』

『 それには、同意します 』

『 異議なしであります 』

『 素敵ですねぇ 』

『 …華 』

 

『 そ…そうだな。彼は…まぁ…随分とその…ため込んでいたのだろう… 』

『 …昔から…だもんね… 』

『 私に言ってくれれば、何時でも対応したのにな… 』

『 オネエチャン? 』

 

『 …後…優しくしてくれる時…とかもあるんだが…その時は、全く違って…なんて言うか…アレはアレで凄くて…。2重人格を疑う程うぞ… 』

『 ………飴と鞭…という言葉を思い出したよ… 』

『 西住殿… 』

 

『 また絶妙なタイミングなんだっ!! そうして欲しい時とか、ピンポイントでっ!! 髪撫でるとか! 頬を触るとかっ! 細かい所、変に完全把握してんだ! 』

『 逆に言ってしまえば、いぢめられたいと言う時もあると…お気持ち分かります! 』

『 華…あぁ…もういい… 』

 

『 …はぁ…はぁ…いっぱい喋って疲れた… 』

『 麻子…で、結局その時は最後、どうなってたの? 』

 

『 私か? 私ならもう…体中に使い終わた、避妊具乗せられてるの気づかない程に気をやって…小声でニャーニャー鳴いてた 』

 

 

【挿絵表示】

 

 

《 ………… 》

 

 

『 で…どうだろう? 』

『 何がです? 』

 

『 …これは夢だろうか? 現実なんだろうか…本気で分からん… 』

 

『 現実だと… 』

『 現実ですね! 』

『 現実よね 』

『 現実だな 』

『 記憶が混濁するまで攻めて頂いた事は、素直に羨ましいです♪ 』

 

『 ………… 』

 

 

 ……。

 

 あ、うん。道具召喚とか性力ブーストとか初めて使ったスキルが幾つかあったから…夢で処理しておいたけど…。

 

 あー……それにしても…。

 

 他の玩具を利用したのが、完全に記憶から飛んでるな…。

 

 

「  」

 

 ダージリンが…大人しい…。

 完全にキャパオーバー…って顔してるな…。

 

「お…おぉ…やりぃになりますの…ね…」

 

 その言葉が出た時は、限界が近いと言う事ですね。はい、学習してます。

 

「あの…な? ダージリン。せめて…耳塞いでれば? 俺もそうするから…」

 

「 嫌です!  」

 

「……は?」

 

「ワッ…ワタクシモォ? …ソレナリニィ…チ…チシキクライハアリマスノデェ…」

 

「…無理すんな」

 

 寧ろそうして頂けると助かります…。

 

「ん? …ちょっと待て。ダージリン…言ってる意味分かったのか?」

 

「…あそこの…武部 沙織さんに、参考書を頂いたおかげで…なんとなく…」

 

「 …………え 」

 

「そ…それにしても…あの方の相手は…その…どうなんでしょう? 同じ男性として、どう思います?」

 

「 」

 

「割と…女性に対して、無茶をしている様に思えるのですが…」

 

「サ…サァ?」

 

 俺…ダージリンと何を話しているんだろう…。

 

 …。

 

 あれ…なんで…だ。

 

 多少の明かりがあるとしても、基本的には真っ暗な押し入れの中…。

 狭い為に必然的に密着しているというのもあるし、多少は顔が近いというのも分かる…だからって…なんでソレがあるんだ…。

 

 また…得体の知れない悪寒が走った…。

 

 

 

『 は…恥ずかしい事を暴露しただけだった… 』

『 まぁまぁ冷泉殿っ! …ソレこそ…今更ですよ…… 』

『 あ、因みにソレって場所はどこだったの? またトイレ? 』

『 …またって 』

 

『 …いや…ラブホ… 』

 

《 …… 》

 

『 久しぶりに彼から誘われた…。彼は彼で…あぁいった場所だと本気になるから…その…おかしくなって終わりだったが… 』

 

《 ……… 》

 

『 な…なんだ? 』

 

『 じゃあ、麻子の夢は、夢だったと判明したので… 』

『 あれ!? 現実とか言ってなかったか!? 』

 

『 夢ですよ 』

『 夢だな 』

『 夢ですね 』

『 夢ですよねぇ~ 』

『 まこにゃん・どりーむ 』

 

 

『 沙織、最後なんて言った!? 』

 

 

『 んじゃあ、次はみぽりんだね! 』

『 おいっ! 沙織っ! 』

『 ぅぅ…結構、恥ずかしいね…。でも、明かに夢ですよ? 』

『 構いません! …みほさんも感覚が現実の様に感じる…夢ですよね? 』

『 そ…そうですけど…あぅ。じゃ…じゃあ… 』

 

『 何気に一番大胆になったのって…みぽりんだよね 』

『 人は慣れる生き物なんだ 』

『 お姉さんが言うと、真実味が凄い… 』

 

 

「…つ…次は、みほさんですか…あの方も…」

 

 ダージリンは気が付いていない。気が付きようがないだろうが…今の言葉で分かった。

 みほ相手ならば、俺だというのはすぐに分かるだろう。夢の話とは言え…まぁ…そういった経験があると前提条件を既に示している様なモノだ。

 みほの顔を、見ながら…時折俺の顔を見てくる…ダージリン。

 

 そうだ…そうだよ。

 

 この会話を平気で聞いている、あのダージリンだぞ? 初めに気が付くべきだった…。

 

「た…隆史さん?」

 

 ダージリンの瞳の奥に…見慣れてしまった…怪しい光が浮かび上がっていた。

 

 

 

『 あ…因みに、最近はどーなの? 』

『 え…? た…隆史君ですか? 』

『 …… 』

『 そうそう、変な夢じゃなくて 』

『 お姉さん、西住殿が言うときは、彼と言わなくても良いのですね… 』

 

『 ……… 』

 

『 みほさん? 』

 

『 え…えへへ… 』

 

 あ…ダージリンが耳を即座に押さえた…。

 しかし顔から表情が消えた…ついでに変な眼中の光も消えた…。

 

「……」

 

 なぜ、今更…いや、こっちの方が都合は良いけど…

 

『 あ、やっぱいい。その顔でもう、お腹いっぱい 』

『 そうですね、今は惚気は結構です。夢のお話だけで結構です 』

『 …武部殿…五十鈴殿… 』

『 … 』

『 ん? …西住さんのお姉さん? …なぜドヤ顔 』

『 … 』

『 あっ! …そういえば…夜、お姉さんみぽりんのお部屋に泊まっている…よね 』

 

『 ソウダナ。大体いつもは二人でだ 』

 

『 お姉さま…ちょっと待ってください? 「で」? だ? 』

 

『 んっと、私の夢なんですけど… 』

 

『 あっ! ずるいですみほさんっ! そっちのお話も気になりますっ! 』

『 華…アッサリと手の平返したね… 』

『 …恥ずかしがっていた西住殿も、誤魔化す為にすんなりと話し始めましたね…コレが西住流… 』

『 秋山さん…それは違うだろ… 』

 

 

 …。

 

 ………。

 

 よしっ!! ダージリンが、耳を押さえていてくれたお陰で、危機回避っ!!

 

 …。

 

 あ…みほが夢…と、思っている話を話始めようとした矢先…スッ…と腕を下ろした。

 聞こえていないか? …聞いてなかった? 雰囲気だけで判断したの? …とか、色々聞きたかったが、このダー様に今言うのは完全な藪蛇だと思いますから…。

 

 やめとこ…。

 

 

『 …この前…隆史君が、いっぱ出てきまして… 』

 

『 みぽりん…いっぱいって… 』

『 …普通だな。私も割とみる夢だ 』

『 そうですねぇ~…結構な頻度で 』

『 そうだな 』

『 そうですね 』

 

『 あっっれっ!? 見てないの私だけ!? 』

 

 …。

 

 それを普通と言う皆…。

 

 …。

 

 後…沙織さんには、複数分身は使ってない…。

 やはりどうしても抵抗があって…無理。

 

「…私は一人ですが…」

 

「ダージリン?」

 

「なっ!? なんでもありませんっ!」

 

 …。

 

 …なんなのだ?

 

 

『 で…ですね? この前のは割と特殊…というか、なんというか… 』

『 特殊? 』

 

 あ…アレか。

 

 特にみほの場合…アッチの欲求不満が凄かった…というか、思いっきりやってみたいという真相心理に気が付いてしまったので、それに対応したのだな。

 だからと言っても、嬉しくは感じたが、俺以外の男にってのに、酷く抵抗を持っていた様なので…露骨に姿を変えてみた。

 全て俺…しかし、全て現時点での俺じゃない。感覚的に俺だけど、俺じゃないって環境を作ってみた。

 

 

 …よって。

 

 

『 小学校とか…中学校の時の隆史君が…いっぱい… 』

 

 

 




閲覧ありがとうございました。

なんかもう…宴編にしないと、あんこうチーム以外は、なかなか手を出させそうもないので、オールスターはこちらで。
マコニャンに至るまでは、アンケの結果がどう転ぼうが、そのルートに行けるようにと、複線だらけ。妙子さんは…根性でがんばってください。

はい、2コマ堕ち楽しい。。
今回の挿絵は、隆史視点で小説とは別視点で描いてみました。

…休日2日使って何かいてるのか…。

コレでヨカッタノカ。コウデスカ? ワカリマセン。


そして…。




【挿絵表示】




挿絵の2段構え。

ありがとうございました。


…あ、さすがに次回は本編を進めます。











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