家元だから致し方ないとオモイマス
「…わかりました」
軽く答える様なその一言に、一瞬呆気に取られてしまいました。こんな状態の彼でも、冗談めいた事を言うのだと少し驚きました。
しかし…ドクンと一度跳ねた期待地味た胸の鼓動。ですが、それもすぐに馬鹿々しく感じ、自分自身を鼻で笑ってしまう。
顔を見上げると、特に変わった様子もない。…彼なりに気を使ってくれているのでしょうか?
「何人ですか?」
…あら。
「ふふ…隆史君は催眠術でも使えるのでしょうか?」
「まぁ…似たようなモノです」
この冗談を続けるつもりなのでしょう。
普段の彼ならば、苦笑しながら軽口で言いそうなモノですが…相性の悪い日本酒で酔っている為なのでしょうか? そんな冗談を口にする事はあっても顔が大真面目。
本当にリクエストでも何でも聞いてくれそうな感じですね。 まぁ…その様な顔をしていても、どうにも彼との軽口での会話は楽しい。
今回、襲われるつもりで仕掛けました…が、もうそれもどうでも良くなってきました。逆に酔っていてもその気になっている彼ですから…上手く会話で誘導すれば、本気を出してくれそうです。
やはり、しほさんがしないというのが、今回やはり非常に大きい。最初の時…途中から彼女が乱入してきた為に、彼の意識が分散してしまった。
脚は痙攣し、腰が砕けて意識が朦朧としていた時ですけど…しほさんですらそのまま抱き、骨抜きにする程に体力を持て余していたのですから…もしあの時に彼女が乱入してこなかったらと考えると…。
…。
そう…本気。
思わず生唾を飲み込んでしまった…。
「そうですね、試しに一人お願いします」
「…頑張ります」
ふふ…頑張ります…ね。
冗談で返す分、彼はまだ余裕があると考えるのが妥当でしょう。頑張ります…ですか。彼もう一人分、頑張ってくれると言った意味でしょう。
コレならばもう。今度は寝てしまう事もないでしょうね。約…8時間…。コレからその時間だけは誰にも邪魔されない。
この事実だけで、ゾクゾクとした感覚が期待と共に背筋を駆け上がってくる。
とは言っても…ですね? キスだけで一度果ててしまった事も、やはり何処か変なプライドが邪魔をします。それを余裕を見せる事で、誤魔化そうとしてしまった。
しかし…本当に何時脱いだのでしょう? 彼はすでに全裸…。それに合わせる為に私も…あぁ…まぁ最初にコレですかね…。一つ一つ衣類を脱ぐ事で少しでも彼が興奮してくれればと、取り合えず彼の精液でベトベトに汚れてしまっている手袋を取ってしまおうと親指を下に入れた。
ストリップをしてしまう事になりそうですが…彼の目線が少し気になる。えぇ…どう私を見るか…その視線をどう動かすか…興味がとても沸いてきますねぇ。
湿った布が指に引っ掛かりながらも、徐々に手袋を手から抜きく。そのまま趣味の悪い、無駄に派手な部屋からすれば、かなり不釣り合いで質素なガラステーブルへと置いた。
素手になった指には、少しヌメッ…とした感触。何気なく指を擦り合わせ、その感触を確認してしまう。その独特な匂いがまた私を…。
「…っ?」
その手を…手首を後ろから掴まれた。
彼の顎が少し当たった。そのまま髪を掻き分けるながら、キスをするかの様に口を首元へ這わせる。
掴んでいた手首を放し、滑らせながら下ろすと、彼の体温が背中に感じる…。私の胴体付近を優しく後ろから抱きしめた。
そういえば…こういった行為は、今までありませんでしたね…。
首元で感じる彼の息遣いをもう少し感じていたくもありましたが…その彼の顔を首を回す事でどけ…顎を上に上げた。
私の行動の意図にすぐに気が付いてくれたのでしょうね…そのまま唇を合わせて来てくれました。
「んっ…ぢゅっ…はっ…」
口を開き、舌を再度絡ませ、下唇を舐め、少し噛む。
これが始まりの合図とばかりに、彼の腕が動き始めた。
私のお腹を摩る様に移動しながら、私の体を上を手の平が滑る。お腹を、太腿を、胸の上を…。
ただ胸や秘部に触れての直接的な愛撫ではなく、くすぐるかの様に動くこのボディタッチ。まるで全身を愛撫されているかの様。
揉んだりする事もなく、ただ凹凸を確認するかの様に摩り…動く。それに合わせ、徐々に私の全身の感覚が研ぎ澄まされていく。
「んっ…はっ…あ…相変わらず…」
「…?」
本当にこの子…女性の身体の扱いを完全に理解しているかのよう…。
スローSEXとでも言うのか…身体の感覚だけでもなく、この様な愛撫は、気持ちをもまた高ぶらせてくれる。
この位の男の子だと…本当にもっと性欲に正直なのだと思うのですが…彼の行為は何時も相手の為なのであると、嫌でも分ってしまう。
何度を口を吸いあい、少し口が離れれば少し荒くなってきている自身の呼吸が、身体に響く。
マッサージをするかの様に優しく身体を摩り、ほぐす。時折、焦らすかの様な手つき。
私の息を…身体の反応を見て手の動きを変えてくるのが…何処かまたイヤラシイ。
「はぁ…はぁ……んぅっ!?」
…かと思えば…突然、強めに胸を掴まれた。
感情が高ぶってきてた時に、突然コレ…。服の上からというのもありますが、結構な圧迫感。
一瞬だけ少し痛みが走ったが、すぐに手の力を抜き、指で今度は胸を揉み下し始めた。それは先ほどまでとは違い、少し乱暴…乱雑とでも言うのでしょうか?
私の胸の弾力を確かめる様に、少し乱雑に5指を動かす…。
「あっ…はっ…あっ…」
胸の先、服の上から下着ごと強引に乳首を挟もうと指に力が籠った。当然シャツはともかく…下着の厚みに勝てずに失敗し、指の間から滑り落ちる。
それを何度も何度も繰り返すものですから、胸の先端を繰り返し摩られて…いえ、擦られ続けられているモノ。
自由になっていた両腕は、無意識に…でしょうね。彼の口を離すまいと、頭の後ろへと廻し抱きついてしまっている。…その為、必然的に彼の手の動きを受け入れるが如く…胸を突き出している。
彼は私のジャケトを脱がす事もなく、その隙間からいつしか両手で両乳房を…何度も弄ってくれる。
丁寧にして乱雑。両手で私の胸を玩具の様に扱われているというのに、徐々に自分自身の声色が変わってきた。
口を吸い続ける音だけの部屋に、シュッシュッと…布が何度も擦れる音が追加されていた。
あぁ…やはり。
会話があまり無いのが少々寂しくは感じますが、その分彼は行動で示してくれる。それは妙な安心感とでも言うのでしょうか?
身体全体にも徐々に熱が上がってきて、その先…行為の続きを望み始めた時、分っていたとばかりに身体に別の感触を感じた。
両脚のふくらはぎ上に触れられる感触。そのままスー…と、脚の肌を下から太腿まで両手で滑らせながら、一緒にスカートが捲られる。
振れた手の平が上に上にと、登ってくる感覚がゾクゾクとした感覚も一緒に連れてくる。口の中の舌が少し激しく動き始めると、その感覚も伴い、合わせて私も激しく動く。
脚の上を滑る手が腰にまで達すると、ストッキングの間に指が入った。それと同時にシャツの間にも指先が入り…下着と胸の隙間へとそのまま入って……。
…。
…え?
とてつもない違和感に、思わず夢中になって舌を絡ませていた口を離すと…すぐに目に入った顔は、変わらず彼のまま。
腕…手…胸と脚…。胸を愛撫していた彼は目の前…。しかし、普通簡単に下ろせるものではないというのに、すでに脚首まで下げられたストッキング。
私に触れた手は4つ。ただその事実に反射的に顔を下へと向けてしまった。
目に飛び込んできたのは、顔は下を向き見ないが…何処かで見かけたシルエット。
信じられない程に胸が脈打つ。
第三者なんてあり得ない。今ここに誰かが入ってくる事、彼は私と…いえ、しかし…と、状況判断する自身の否定と肯定。
どんどんと混乱する頭が、妙に熱くなっていく。胸の鼓動が更に強くなり…膝がカクカクと笑い始めた。
「はい、ちょっと脚上げてもらって良いですか?」
聞き慣れた声。
声を出す事もなく、思わず素直に声に従い右脚を上げた。スッとすぐに縮んだストッキングを抜き出すと、続けて…と左脚も上げろと催促された。
上げられた左足からストッキングを完全に引き抜くと、その脚を下から手を添えた。顔を上に上げ…完全に見えた彼の顔に、それこそ心臓が壊れてしまう程に鼓動が更に強くなる。
あの温泉旅館の行為が、何度もフラッシュバックする。
…それでもと、私もアルコールが入っているとはいえ、今は意識がはっきりとしている。
この非現実的な現状に、どこか頭の隅で生じる【 矛盾を潰す為 】に彼を見下ろし、視覚から違いを探す。
どういった原理なのか…なんの冗談なのか…【 そんな細かい事 】なんてどうでもよくなり、即座に【消え去る】。
彼は彼だ。第三者ではなく、彼自身なのだと…完全に【 確信 】を得ていた。
なぜなら…一度【 私には経験がある 】という。
確信に導く為に、その理由という言葉が自然と頭に刻まれるよう。
刻まれ、納得させ、確信して……【 】する。
「…っっんぁ!!」
足元の彼に気を取られ、後ろの彼の両手がシャツと下着を弄り、私の胸をいつの間にか露出させていた。
絞る様に両手の人差し指と親指で、その胸の先端を少し強く潰した。痛みよりも突然の刺激に熱が更に高まる…。
先程からの離れず感じる背中にいる彼。
足元でこちらを見上げている彼。
現実感と非現実感が同居している。
「すいませんけど…両手で捲っていてくれませんか?」
捲る…スカートの事を言っているのでしょう。私の顔を見上げている彼は、どうしようもなく彼でした。
「はっ…はっ…はっ…!」
後ろから両乳房を玩具にされながら、私は開いていた自身の両手で太腿上のスカートを握る。
少し脚を開きながら、そのスカートの先端を手繰り寄せる様に何度も繰り返す。
徐々に捲りあがって行く様を足元の彼は見ながら、何度か私の顔を見上げてくる。目が合えば合う程、彼は彼なのだと…。
彼が二人…あり得る訳がない状況…と、否定する思考を何度も繰り返す度に、心臓の鼓動を上げ、私の中の熱を高める。
納得し、安心し、否定し…期待する。
それをこの短時間で何度繰り返したか。
…逆に言ってしまえば…思考できるというのは、ある程度の余裕があるという事。
スカートを腰元にまで捲り上げた時、その思考も消え去った。
足元の彼は、私のショーツを目の前にする、顔を押し付けて来た。頭で太腿を押し開ける様に…捻じ込む様に…。
片手で私の脚を少し持ち上げると、ショーツごと上から、私の秘部…その先端に軽く噛みついた。
「んぅあっ!!」
それと同時に溜めに溜め込んだ様な熱い息が、喉元を通り吐き出されてしまう。今まで触れては来ず…焦らされるだけ焦らされた。
その反動もありますが、彼の攻めが凄い…。
「あっ…はっ! …あっ!!」
恥ずかし気も無く大きく声を上げ、その快感に思わず身体が縮こまる。背を曲げ…気が付けば彼の頭に手を添え、身体を支えていました。
彼の動きが一気に動く。ショーツの上から…まさにむしゃぶり付いてきました。
陰唇の形をなぞり、確かめる様に口を這わせ…唇と歯で下着の上から強引に開く。指で下着を少しずらすと、躊躇もなく舌が陰部へと侵入してきた。
先程の優しいペッティングとは極端に違い、今度は遠慮も何も無い。私の中で彼の舌が暴れまわる。ただ膣内を乱暴に動き回るだけではなく、乱雑ですけど浅い所だけ…ほじくる様に…と、しっかりと私を焦らす。
こんな今の私に対して、彼ならば容易いでしょうに…私の快感が解っているのか、決して絶頂にさせようとしない。
一瞬、ゾクッ…とした感覚が走ると、すぐに舌だけを抜き出し、私に聞かせる様に派手に愛液を啜る音を響かせ始める。
「あっ…ぁ…んぅ!?」
突然、後ろの彼に強引に快楽に耐え切れずに縮こまっていた身体を強引に起こされた。
背筋が伸びきった所で片手で顎を掴まれ…顔を向かせらると…また唇を塞がれた。いえ? 塞いだのかもしれない。
…伸びた背筋、顔を固定され、両脚は彼に掴まれている。捩る事も出来ない身体には、秘部から伝わる快感から逃げられない…。
「んっ…ちゅっあっ! はっ…んぅっ!」
ガクガクと膝はまた笑い始め、また何度も往復する絡み合う舌の快感を貪る。唇で彼の舌を扱き…啜る。胸を愛撫する彼の指は優しく…反して秘部を愛撫する彼は激しく荒い。
一人では不可能な愛撫に、刺激と快感と悦楽に徐々に頭の中が溶けていってしまいそう…思考ができなくなってきました。
今、私は…完全に私は期待している。
だってそうでしょう? 非現実的な出来事だというのに、コレが現実だと認識してしまっている。
足元の彼が、誰でもない彼自身だと確信してしまっている自分に思考の処理が追い付かない。
加えて、今までにない…いえ、あの夢で体験した、どうしようもない逃げられない快感と快楽を、またこれから味わえるというのですから。
彼の口を啜り、両手で衣服を捲り、男に向けて脚を開いている私。
…いつの間にか、彼らの動きが止まっていた。息も切れ切れ…何度も胸が動くほどに呼吸を繰り返している自分にも、止められた快楽で気が付いたほど。
二人同時の愛撫に夢中になってしまい、吸いあっていた口の端から涎を垂れ流し、ハッハッハッと細かい息を繰り返しているだけの…そう、まるで犬みたいね…。
「千代さん?」
何故でしょう? とても久しぶりに声を聞いた気がします。そしてとても久しぶりに名前を呼ばれた様な気もしました。
どちらの彼に向けての発したか分りませんが…私に問いかける様な彼の声に……多分…私は返事を返していたのでしょう。彼が次の言葉を口に開いた。
「…なんで笑っているんですか?」
……何故でしょうね?
◇
ある意味、自分の意思で酒を飲んだのは、初めてではなかろうか…?
しかし、酔いが少し冷めたのか…ある程度思考しができてきた。というか、そんな考えができるのだから大丈夫なのだろう。
酒で鈍った頭に、いかんせん千代さんの【 希望 】が、所々で流れ込んできて、それに対応するだけで精一杯だった。
このスキルってのが、どうにも最近扱いが難しくなってきている気がする。気が付けば【 有る 】。
こちらの都合を図ったかの様に、検索すれば状況に対応できる様に、まるで今そこで造ったかの様に。
それはス【 】
…。
まぁ、それは別に今考える事じゃないな…。
【 そんな事 】より千代さんだ。
襲って欲しい? …とか、ボーダーラインが非常に難しい事を希望されてきた。どかから、どこまでかと…。
酔った俺が前提に来ていたのを考えると、ある程度は手加減無しでして欲しい…って事だったんだろうか?
取り合えず、思った以上に彼女は色々な意味で堕落していた。
しほさんも開き直ったと言っても良いのだろうが、千代さんの場合、少々違っていると思う。
俺との関係を開き直っていただけではなく、その先…背徳感も含め、この今の関係を楽しみ、快楽に対して渇望し始めている。
温泉宿で二人共、積極的というか…俺に対して結構強く迫ってきた。それに対してまぁ…はっちゃけてしまった訳だけど…夢として処理したせいで潜在意識に刻まれてしまったという事なんだろう。
あ~…いかん。
やはり日本酒ってのが、俺はどうも体質に合わない。
プラウダ戦の時のように、妙に頭がスッキリとするのだけど、深く考える事が上手くできなくなる。
彼女の希望に沿って、さっさと酔ってしまえとビールなどよりかは強い酒…という事で飲んではみたのだが、やはりこうなったか。
千代さんの現状を分析してみたのだが、途中から考えが纏まらない…というか、面倒臭くなる。
【 】
…考えるよりも先に、行動に移してしまった方が楽なんだろう…。
そもそもが、今回自分から酒飲んだもの中途半端に理性が残っていると千代さんの希望が叶えそうにないと思ったから…だったか?
まぁ…それなら取り合えづ、目の前の彼女に集中しないとな。
…だけど【 】
な【 】
…で【 】 】
【 】 】 】
「…………」
…一つ、忘れていた。
彼女の希望が沿う様にと、今まで考えて来たが…その中の【 俺 】自身の事を。
ある意味でそれを抜かしてしまっているのは、彼女達に対しても失礼なのではないだろうか?
しほさんと千代さんの為…まぁ今回は千代さん一人だが、彼女達を悦ばせる為だけで、行為そのものに対して【 俺 】が悦んでいない。
文字道理、身を挺して俺を悦ばそうとしていくれているのに、そこを無視していた気がする。
…いやしていた。
こんな関係になってしまったのだから、せめてと思い、必死で彼女達の希望に沿うようにしていただけだと…何故か、今、【 キガツイタ 】
なら今こうして考え込んでしまっていては失礼だ。
「………」
見下ろしてみると前髪で目元が隠れ、表情はよく見えないのだが、その口は薄っすらと…彼女は笑っている。
ならまぁ…コレで正解だったのだろう。この現状を受け入れてくれているのなら、特段もう遠慮することもないだろう。
悦ばせ…悦ぶ。
そうだ、本来SEXという行為は、そういうものなはずだ。
小さく熱い呼吸を繰り返してる彼女の肩は、俺の胸へと預けられている。その千代さんの足元で、俺の思考が停止してしまっていた為なのか、完全に動きが止まってしまっている分身。
激しいのをお望みだったので、そこそこ乱暴に攻めさせてみたのだが、千代さんの反応を見る限り、コレも正解だったみたいだ。
…さて、意識を切り離そうか。リモートではなく、オートで。思考回路は俺と同じだし、消してしまえばそのまま俺の記憶にもなる。
今回は行為に関しては【分身】以外のスキルは使わないでおこう。素の千代さんが、どう変わっているか…正直興味がある。
だから、彼女の希望や欲望が俺に流れ込むようにしていたスキルも切っておこう。【 看破 】だったか? …まぁなんでもいいし、どうでもいい。
さっそく「俺」をオートへ変更した所、すぐに立ち上がった。
真正面から見る「俺」は、鏡をみているのとあまり変わらない。ドッペルゲンガーの様だ…とか、気味が悪いなどの感情は一切浮かばない。
「俺」が立ち上がった時点で、腰…いや、痙攣していたし、脚にもきていたんだろう…下から支えるモノが無くなった千代さんは、その場にゆっくりと…へたり込んでしまった。
さて…。
座っている千代さんは、両手を床に着き下を向いているというのに、はぁはぁと聞こえる程に解りやすく肩を上下に揺らして大きく息を繰り返している。
俺は動くこともなく、その様子を「俺」と一緒に二人で無言で見下ろしている。やはり分身というだけあって、行動パターンは一緒の様だ。
どうでるだろうか? そう、彼女の次の行動が気になる。
…暫くすると、大きな呼吸は止まり、ゆっくりと顔を此方へ向けた。
俺達が次の行動に移る事もなく、ただ自分を見下ろしている事に彼女も漸く気が付いた様だ。
…。
今更だけど、彼女は何故いきなり俺に服を脱ぐ事を希望したのだろう…?
ある程度ならば解るのだけど、細かい事までは把握できないからな…スキル。
お陰で俺が二人、フル勃起した全裸状態で彼女を見下ろしているという図になってしまっている…。
…ん?
顔を少し上げ…何かに気が付いた様に此方を見上げた。
千代さんの前後にいたはずの俺達は、彼女が崩れ落ちた際に少し体を動かした様で左右にいる立ち位置。その為…顔を上げた彼女には、左右両方から突き出された男根が視界に飛び込んできたはずだ。
あんな状態の千代さんを見て、大きくならない方が無理というモノ。「俺」の方も、俺と同じく完全にMAX状態。
彼女の表情は、見下ろしている位置と前髪が邪魔をして目元が見えない為、どんな表情をしているか分らない。
分らない…が、表情が分らない代わりに、音が教えてくれた。
ゴクッ…と、大きく喉が鳴る音が聞こえた。
床から手を離し、身体を少し起こした。そのまま両腕をゆっくりと上げていく。
恐る恐る…とでも言うのか、ゆっくりと上げていたその腕が…手がある高さで止まった。
…何かを迷っているかの様に陰茎の前で…ただ手を開いた。
その手の細長い指は、小刻みに震えている。
また一つ…喉が鳴る音が聞こえた。俺は…俺達はその行動に対して何をする事もなく、ただそのまま見下ろしている。
そうだな…千代さんは明らかに迷っている。
…もう彼女の希望は俺には分らない。【 催淫 】も使用していないので、アルコールが入っているとは言え、今の彼女は正気と言ってもいいだろう。
初手から【 催淫 】と使用した温泉宿の時とは明らかに違う。考える事が今の彼女にはできている。
その千代さんが迷っていた。
非現実的な事が起き、分身が明らかに「俺」だと認識しているとはいえ…物理的な男、二人相手だ。
突き出されたソレを手に取るという事は、行為を続けるという意味。それは倫理的にも今までの彼女からしても…それは千代さんの何かが完全に変わる。
俺が指示を出したり…何かを言えばその通りに今の彼女はしてくれるだろう。しかしそれでは完全に千代さんの意思ではない。「俺」という逃げ道を作ってしまう事になる。
だから、敢えて、ここは……彼女に任せる。否定し行為をやめれば、俺はすぐにでも分身を消す。行為自体をやめるだろう。
指を震わせ、徐々に息遣いが荒くなっていく千代さん。
もう今の彼女の「希望」は解らない。どうするかは彼女の選択。それに俺は応えるだけ…。
「はっ! はっ!はっ! 」
知ってか知らずか…千代さんは分身ではなく、本当の俺に対して顔を向けた。
久しぶりに思える程に見えた彼女の表情は、いつもの凛としていた彼女からかけ離れていた。
目を見開き、眉を顰め…唇を湿らせ…笑っている。
その笑いは混乱から来るモノだろうな。人は極度の混乱状態になると…比較的に笑う。それは逃避行為にあたる。まさに現実逃避というやつだ。
いざ実際に行動を起こそうとすると理性が邪魔をするのだろう。前世で何回か見た事があった為にすぐに気が付いた。
犯罪を犯す寸前の人間によく見られた表情…だ。今は別に犯罪を犯す訳ではないのだけど…彼女からすれば等しい行為なんだろう。
これは言うなれば…彼女自身、今までの自分を殺すという行為。
普通の一般人ではなく、島田流家元という立場ある女性…。しかも彼女の人生観では明らかに異質なこの状況…。
行動にすれば酷く簡単な行為。ただ握るだけ。しかし確実に千代さんの中の何かが変わる。
本能的に感じているのか、だからこその助けを乞う様な彼女の表情。俺に背中を押して欲しいのか、止めて欲しいのか…俺には判らない。
だからこそ俺は何もしない。何も言わない。ここまでしたのだから、後は彼女が選べば良い。
…。
時間がどれだけ立ったかわからない。わからないが…時間が経つに連れ、彼女の目は俺の顔から、もう一人の俺へも何度も移る。何度も見比べ、両手の前のペニスに喉を鳴らす。
徐々に口は開き…半開きになったその口からは、喘ぎ声にも似た吐息が何度も吐かれる。
心臓の鼓動に合わせた様に、何度もリズミカルに吐き出される呼吸が…一瞬止まった。
「ぁ…はっ…ぁ…ぁ…」
思ったよりも早かったのか、遅かったのか…膠着が続いてたその状態は、漸く終わる。
…彼女は「 欲 」を選んだ。
何かに吹きかける様に、大きく息を吐き出すと…開いてたを閉じ…両手に男根を優しく握った。指先の熱が少し熱い。
そのまま形を確かめる様に、扱くというよりかは…前後に摩り始める。顔は真正面を向き…何かを噛みしめるかの様に何度か頷いていた。
…彼女の肩が少し震えていたのがわかった。やってしまった…と、後悔でもしているのだろうか? しかし行為をすでに彼女は始めてしまって…それは止まらない。
優しく摩っていて手に力が入り、ゆっくりと絞り出すかの様に手の中のペニスを扱き始める。それを合図に俺と「俺」は一歩…彼女に近づく。
ここまで黙っていたのだが、俺が余りに反応しないというのは、彼女に取っては苦痛になってくるだろう。
「はっ…はっ…っ…?」
ここまでは一切の会話がなかった。その為、俺の行動に一瞬千代さん少しが難色を示した。
左右から両肘を少し掴み、立つ様に上へと上げる。それに素直に従う千代さん。膝が上がり、太腿が上がった時点でその手を離した。
「流石に痛いでしょう?」
土足厳禁とはいえ、床は絨毯使用の部屋じゃない。両膝を立てていればそのうちに痛くなってくるだろう。俺の意向を理解してくれたのか、膝を上げ足を着き、しゃがみ込む様に座り直してくれた。
軽い気使いだったのだけど、千代さんの震えが少し取れた。少しは極度の緊張状態が緩和してくれた様だ。
…まぁそれだけじゃないのだけど。
一度仕切り直した格好になっただが、出来上がった絵は先程よりかなり卑猥。
両手に持ったペニスはまだ離さず、身体を左右から俺達に挟まれる。胸だけは服から露出し、スカートは捲れ上がり太腿は露わになっている。
しゃがみ直したお陰で、亀頭の先は丁度彼女の顔の位置…。
ここで俺と「俺」は、彼女を避ける様に左右にゆっくりと回る。一歩近づけば、ソレもまた近づく。
ソレを握っていた手と一緒に肘が曲がり、彼女の顔に突き出す様に亀頭が更に顔に接近した。俺が二人接近すると流石に狭さを感じたので、特に深い意味はなかったのだけど、それは俺が次の行為を催促したかの様に感じたんだろう。
…千代さんの口が…何も躊躇なく大きく開かれ…舌がゆっくりと出された。顔を反対側へと向け…そのまま「俺」の亀頭の先をゆっくりと舐め始める。
始めは触れただけだったのだが、すぐにその亀頭を舐め回すように大きく動く。まだ少し戸惑っているのか…ゆっくりとした動き。
俺が彼女の頭に手を添え、髪を少し撫でると、こちらに顔を向きなおし、今度は此方の亀頭先を舐め始める。熱い滑る感触に一瞬声がでそうになるが、なんとか飲み込んだ。
「はっ…んっ…ぇぁ…」
亀頭の下に舌を伸ばし、顔を傾けながら裏筋へと滑らせていく。
彼女なりに段々とエンジンとやらが掛かってきたのだろう。「俺」がまた千代さんの頭を撫でると、彼女は反対を向く。離れていく口の代わりにと、握っていた手で何度も扱き始めた。
前回の温泉宿での事を思い出しているかの様な動き…。
「ぢゅっ…ぶっ…じゅっっ…ぼっ」
「俺」の亀頭を口で包んだ。意識を切り離しているので、細かい事は解らない。…が、徐々に音が大きくなっていく。
亀頭のカリへ唇が引っ掛かっているのか、唾液が鳴る音と空気が漏れる音が非常に…。
…っと。
今度は特に催促していないのだが、此方に顔を向けた。即座に「俺」と比べる様に、口内で形を確かめる様に…一気に亀頭へと口を被せた。
顔を上げると「俺」側には、同じく握っていた手を前後に扱いていた。
「じゅっ…ぶっ!」
千代さんの「躊躇」は徐々に、俺という男二人同時に奉仕をしている現実に「興奮」に変わり始めているのだろう。
口が離れている「俺」側の手の動きが、段々と早くなっていく。自身の唾液で濡れている陰茎の上を、その唾液が少し飛び散る程、白い指を滑らせている。
口で奉仕している俺側の動きも、段々と早くなっていく。すでに亀頭先を愛撫する事をやめ、その顔を前後に動かしていた。ゾクゾクとした感覚が背筋を走る。
「ブッ! デュブッ! ジュぷっ…はっ…んっ…んっ」
…。
というか…躊躇が無くなるの早くないですか…? 一瞬酔いが冷めた気がする程に素に戻った気がする…。
亀頭のカリに唇をひっかけ、舌で亀頭廻りを舐め回している。そしてその先から根本まで、指のみで扱き始めた。カリを刺激する様に小刻みに顔を前後させ、それと連動する様にまた指に力を入れ扱く。
「…くっ」
…その舌の動きと同時に来る快感に、思わず声が出てしまった。
その声に千代さんは一度動きを緩めた。顔傾け頬の裏側で亀頭先を擦る。傾けた顔から此方の様子を伺うような目を前髪の隙間から覗き込ませてきた。
俺がどんな顔をしたかわからないが、一瞬満足そうに眼を細めると…その口が離された。彼女の頭には「俺」側の手が乗っている。
それが合図とでも思ったか、今度は「俺」側のペニスにむしゃぶりつく。そう、むしゃぶり付くと言った言葉がしっくりとくる。
「じゅっぽ! じゅっぽ! じゅぶっ…ぶっ!」
あぁ…完全に躊躇が消えたな。
下品な音を響かせながら、口を鳴らす千代さんを見下ろしてそう確信した。
「…千代さん」
「っぶ! はっ…はぁ…はぁ…んぅぅ」
彼女の名前を呼ぶ。すぐに応え、こちらのペニスへとむしゃぶりついてきた。
彼女の名前を呼ぶ。すぐに応え、「俺」のペニスへとむしゃぶりついた。
どやら名前を呼んだ方が良いみたいだ。千代さんは夢中で左右のペニスへと交互にむしゃぶりついていた。
しほさんもそうだが、千代さんも言葉にされる事が好きみたいだ。
…一気にタガが外れた。
徐々に両脚は開き、肘は上がり…ただ口で楽しむだけの姿勢に変わっている。
もうすでにこちらか催促する事も無く、両手のペニスを交互に味わってた。涎で顎がすでにビチャビチャに濡れ…部屋の明かりで唇が艶めかしく光る。
そして思う。
…ちょっと失敗したなと…。
意識を切り離すと、分身からの感覚が伝わらない。口が離れた俺のペニスは、手で扱いてはくれているのだが…物足りなさを感じる。
まぁコレは彼女のタガが外れた辺りから、解消はされたけどな。
それと視覚。彼女が今、どんな顔をして奉仕しているのかが分らないのは、とても惜しい。
そう、とても惜しいので後で確認する為に撮っておこう。
…。
……。
「千代さん、夢中になってくれるのは嬉しいのですが…気付いてます?」
「ヂュッパッ…はっ…はっ…は…い?」
俺が口を開くと…余程夢中だったのだろう。荒い息を繰り返しながら、鈍く光った眼を向けた。
それは俺でも「俺」の方でもなく、真正面。
…もう一人の『俺』。
離れるホールドされていた俺は、離れる事もできず…しかも全裸になっていたので、もう一人出した。
もう一人の『俺』は、真正面で先ほどからスマホを掲げていた。
「っ!? ??!」
千代さんは、突然のもう一人の『俺』を見上げ、左右を見渡し、真正面をもう一度見上げる。
寸分違わぬ分身にすでに頭の処理が追い付かないのだろう…限界まで目を見開いていた。
ただ…『俺』が言った気付いているか? は、自身の存在の事ではない。
その見開いた彼女の目に向かい、手に持っていたスマホの画面を彼女の目の前に向けた。
今回、俺は詰る事は言うだろうが、できるだけ強い言葉を使わない様にしていた。一部、蔑む様な言葉は千代さんには有効だろうが、今回はしない。
だから逆に事実だけを、視覚で見せつけるというのも、手だろうと判断した。
『俺』から向けられたスマホの画面は、俺からも見えた。
開いた脚の上には捲れ上がったスカート。カメラへ見せつける様に下半身を露出し、亀頭へとだらしなく舌を這わしている。
そこからは卑猥な音を響かせながら、二人の男に股を開き、交互にペニスを味わってる女性が映っていた。
千代さんの顔が徐々に青ざめていく…。彼女自身「 欲望 」を選んだとはいえ、ハッキリとした今の自分の姿はショックだったんだろう。
…淫らに口いっぱいに男根を頬張る自身の姿は。
しかし彼女は眼を逸らさなかった。…その青ざめた顔には、すぐに紅色が差し始め…スマホの映像が流れていく度に、呼吸がまた乱れ、熱い吐息が何度も吐き出された。
どんな表情をしているか、此方からは見えないが…『俺』が立ち上がると…何となく理解した。
真正面から彼女の顔へと、もう一本のペニスが突き出される形…一歩前に『俺』が出ると…千代さんは大きく口を開けた。
「おっ…!? ごっっ!!!」
直後、開いた口にペニスを押し込まれた。
奥まで一気に届いたのか…千代さんの苦しそうな声がした。
「あ、すいません…流石に千代さん、エロすぎて我慢が限界だったんで」
…この『俺』は、少々軽いな…。
いかんせんアルコールが入っている俺だけでは味気ないというか、色々支障が出るかと思い…変にテンションが高い俺を設定してみたんだけど…。
変に冷静に思考できてしまっている俺とは違い、こちらの『俺』には遠慮がない。
「んごっ! ごっ! お゛っ!」
両手で頭を掴み、強引に千代さんの頭を乱暴に前後させる。
それでも彼女の両手は左右の俺達のペニスを離さなかった為、頭だけを強引に動かされている様な状況だった。
「少し乱暴な方が良かったんですよね? 俺もすげぇ気持ち良いですよ」
喉まで使う様に、腰を打ち付け始めた『俺』。
この『俺』は、酒飲むとほぼ意識が朦朧としてしまう何時もの俺ならば、考えられない酔い方をしている状態…と、考えていいんだろう。
…イマラは今で遠慮して…というか申し訳なくて本気で出来なかったのだけど、酒の入ったテンション高い『俺』は遠慮がないな。
千代さんを口元から涎をまき散らせ、垂れ流しながらも文字通り「使用している」。口元からグチュグチュと音を大きく響かせながら特に抵抗する事もない。
両手は…流石に余裕がないのか、もしくは苦しい為なのか、俺と「俺」のペニスを握りしめているだけだった。
というか…ちょっと痛い…。
「おい…」
『あ~…そうだな了解』
俺自身で分身と会話したのは初めかもしれん…俺のアレのサイズ的に、イマラは一種の拷問みたいなモノだろう? 千代さんに流石に申し訳なさすぎて『俺』を止める。
それは了解と答えた『俺』も、もちろん解っている。流石にやり過ぎたと思ったのか、一気に口から抜き出した。
「ごっ…はっっ!! はっ…はっ…はぁ…はぁ…」
短時間とはいえ、強引に使われた千代さんの口から抜き出されたペニスが、彼女の唾液が泡立って付着し、口と何本もの唾液の糸が繋がり、何本も切れて下へと落ちていく。
あれで嘔吐かないのは凄いとは思ったが、流石に苦しかったのか…大きく口を開け、自身の唾液にまみれにしたペニスを見上げる様に顔を上げ、何度も呼吸を繰り返し身体を大きく揺らしている。
ペニスに付着する唾液が垂れ落ち、彼女の顔を伝う。呼吸何度も繰り返しているが、ただソレを見上げている眼の色が明らかに変わっていた。
▽
『んじゃ…どうします?』
「んぢゅっ…はっ…はっ…れぁ…んんっ!!」
『俺』が、千代さんに聞いた。
三人の俺に見下ろされ…突き出された左右の亀頭を口元に引き寄せ…同時に舌で舐め回している千代さんに問う。
足の親指で彼女の秘部を刺激すると、熱い吐息を吐き出す。
表面辺りを雑に掻きまわしているのだろう。クチュクチュと愛液が混ざ音が聞こえてきた。
「あっ…はっ…あっ!」
…こいつ、俺のS部分が特化されてでもいるのか? 返事を邪魔する様に、愛撫を繰り返す『俺』。
ヌチッ…と、ネバついた音が響くと、千代さんは体を震わせた。
頭を落とし、両手を俺達の腹下へ移動させると、その震え…痙攣を何度か繰り返し始めた。
…。
俺達は快感を甘受している彼女を邪魔しない様に黙って見下ろしている。『俺』の足指と床を愛液で濡らす…と、先程からこれのほぼ繰り返しだった。
取り合えず、焦らしに焦らし、彼女から乞う様に促している。その効果が有ったのか…3人同時に奉仕する事にも慣れ始めていた。いや、むしろ愉しんでいるのではないだろうか?
俺も悦ぶ事を考えてみたら…どうやら、焦らす行為自体、俺は楽しい様だ。
「はっ…はっ…」
千代さんの痙攣が少し収まると…先程までとは、少し違う行動を起こし始めた。
俺達の腹に添えていた手に力が入ると、俺達を支えに…ゆっくりと体を立ち上がり始めた。
「はっ…はっ…」
完全に立ち上がった千代さん。
周りの風景を確認するかの様に、何かを確認するかの様に…俺達の顔を見比べていた。
そして…久しぶりに彼女の言葉を聞いた。
「隆史君…コレは…どういう…はぁ…はぁ…カラクリなの…かしら?」
やっぱり凄いなこの人…。
「あり得ない事だと解って…はぁ…はぁ…いますが…全員が隆史君だと…頭が理解してしまっている…」
いや? 呼吸を何度も繰り返したお陰で、少し頭が冷え…冷静になれたのか?
すでに何回か、快楽という欲に流されていたんだろう。それでも大きく呼吸を繰り返し、息も絶え絶え…と言った感じだが、当然の疑問を今此処で投げ掛けてきた。
快楽には十分に酔っている…とは思う。アレだけむしゃぶりついてきたんだしなぁ…。しかし軽口を挟む様に、当然の疑問を問いかけてきた。
…理性を残していた。じゃなきゃこんなセリフ吐けん。特に怒っている訳ではないだろうが、熱っぽさを含めた、少し鋭い眼をさせてきた…。
…。
それが…その行動が、俺の中の【 】を大きく膨らませた。
◇
「カラクリって…少し言い回しが古いですね」
目の前の3人がまとめて群がる様に近づいてきた。
遠慮なく露わになっている胸を弄り、お尻を揉みしだく。手を内腿へ入れ、摩り…唇で口を塞ぐ。
顔も喋り方も…表情ですら全て隆史君なのは間違いない。とてもあり得る事ではない事が、現に起きてしまっている。
得に彼の特徴的な体中の傷。小さな傷から胸の大きな傷…。位置、形…がすべて一致してしまっているのが、私の中の疑問を全て消してしまう。
否定し、細かな違いを探そうとしても、逆に全てを納得させてしまっている。
「はっ…んっ…」
「…いや…千代さん。しっかり舌絡めてくるじゃないですか…」
横の隆史君が、野次ってくる。
その通り…先ほどまで、浅ましく彼らを貪っていたというのに、何を今更…。疑問を問いかけ、現状を否定しようとも…身体が応えてしまう。
身体を開き、彼らの愛撫を受けいれ口を吸う。
彼の一人は、お酒を飲んだ状態から余り変わらない。いえ、慣れてきたとでも言うのでしょうか? 少し言葉を交わせる。
彼の一人は、その隆史君をまるでコピーしているかの様。
彼の一人は、いつもの…普段の彼の様。しかし…少し明るいというか…燥いでいる様にも感じる。
幾つもの表情で見知った
残っていた理性で、最後の否定で抵抗をしてみせるも…あっさりと最後の砦が瓦解した。
「んっ! …あっ!!!」
突然、秘部を弄んでいた右側にいた彼が、太い指を2本…強引に侵入させてきた。水音が響く程の勢い…その刺激に耐え切れず、正面の口を吸っていた彼の首元に、唇を離し項垂れ掛かってしまった。
グチグチと音を聞かせる様に躊躇もなくかき混ぜる。…コレも彼の特徴…。相変わらず人を辱めるのが好き…。
「ぁ…はっ…ぁ…あっ!!」
入口の裏を…指の先で強く掻き出すようになぞる。余ったもう片手で胸を掴み、口元に引き寄せ…舌で乳首を弄ぶ。
左側で私のお尻を掴んでいた彼の手が、更に激しく揉みしだき始めた。余ったもう片手で胸を掴み、口元に引き寄せ…歯で乳首を虐める。
下がったていた顎を下から強引に上へと上げられ、口内へ舌がまた入ってきた。その口内自体を愛撫…いえ、犯す様に動き回る。
口から胸…上半身から下半身に掛け、身体全体から感じる快感…そして匂い。薄っすら汗を滲ませていた群がる彼ら。男性の…男の匂いが…一種のフェロモンの様に脳を刺激する。
両胸から、違う快感が遅い…鼻と口…いえ、顔は熱に浮かされ、グチュグチュと音を鳴らし、上下へと抜き刺しを繰り返す。
同時に襲い掛かる快感というのは、こうも凄まじいモノなのですね…徐々に全ての疑問が邪魔になって来ました。
「あっ…れぁ…はぁ…はっ…んぁっ…」
舌が抜かれ、指が抜かれ…彼らは一歩下がる様に、突然少し離れた。
思わず可笑しな呼吸を続けてしまいました…。息を整えるだけで大変…。
「はっ…はっ…きょ…今日は、口数が少ない…ですね…」
小さな虚勢。彼が酔うと口数が少なくなるのは分かっているのですが…どこか余裕を見せたくて、またこんな事を口にしてしまう。
しかし少し本音も混じっています。見た目に寄らず、彼は結構おしゃべり。その彼が全く喋らないというのは、どこか寂しくも感じてしまう…。
「まぁ…今の状態で口を開くと…」
「結構、ひどい事を言ってしまいそうなんすよ」
大人しい彼と先ほど野次ってきた彼が、同じ考えとばかりに交互に口を開く。
もう一人の大人しい彼もそうだと言わんばかりに苦笑して頭を掻いていた。
…ゾクッ。
また背筋に何か走った。
「はっ…はっ…べ…別に遠慮しなくても良いですよ?」
「そうですか…?」
「まぁ…千代さんがそう言うなら…まぁ…」
「今回、あまり強い言葉を言うつもりはなかったんですが…」
次に自身の喉が鳴った。
…。
彼らは見れば見る程、仕草も口調も何もかも、いつもの隆史君で…。
その事もありまり…行為の最中の彼の言葉…。それが3人…分…。
「んじゃぁ千代さん、そろそろ…」
「…え…えぇ…」
…。
…返事を返してしまった。
敢えてそう許可を取ろうとする彼もまた、彼らしく…。
その為に一旦距離を置いたのだと思うと、コレもまた変に遠慮しがちな彼でまた愛らしく…。
…ここで許可を出したという事は、この3人を同時に本格的に相手にするのを承知する事。
伺うように少し視線を落とす。
…相変わらずエグく程に…思い知らさんばかりに彼らの自身もまた、たくましく…。ソレも3人分…。
先程まで、はしたなく貪っていた、愛らしいという表現とは、遠くかけ離れたグロテクスなソレらは…私の唾液に部屋の照明で照らされていた。
愛撫だけで…アレ…。
私が先程、発言に遠慮をしなくても良いと言ったからもあるでしょう…本当に遠慮なく…私に…選ばせる。
「はっ…はっ…はっ…」
またこの感覚…。
私…私自身に…今までの私を上塗りさせる様な感覚…。胸の鼓動が…耳を内側から通して大きく聞こえてくる…。
すでに後戻りなんてできない。これが夢でも幻でも、先程すでに私は選んでいた。
しほさんがいない、今ならと…彼を独占しようとした結果が…コレ。彼は私の希望以上に…私に彼を独占させてくれた。
目の前の続く信じられない光景に、もはや…期待しかありません。
軽く返事を返すだけで…頭の中が真っ白になり、一気に沸騰したかのよう…。
何と言って良いか分からない…分からないので行動で示そうと、ジャケットのボタンへと手を動かした…。
先ほど一瞬考えたストリップをこんな形でする事になるなんて…ね。しかし指が震えて上手くボタンへ指が掛からな…「千代さん」。
何故か、割と力強く…一人の隆史君が肩に手を置いた?
「「「最初から脱ぐのは情緒に欠けます」」」
…。
………。
…とても彼らしい事を言われました…。
声を態々合わせなくとも…。
「はい、じゃあそこに上がってください」
一瞬、毒気を抜かれてしまった気もしますが…肩に置かれた手でそのまま促されたので素直に従い…弾力のあるベッドへと膝を掛けた。
もう片方の膝も上げ…そのままベッドの上へと完全に上がると…その行動一つ一つが、徐々に近づく…あの温泉旅館での快感を思い出せる。
彼に背を向けている状態ですので彼からは私の顔は見えないでしょう…見えていたら、なんと言われてしまうでしょうか…?
顔に少し力が入っていた。…頬が上がっているのでしょう…。
「…っ?」
ベッドへと上がり、立膝を着いてただけの私の背中を、彼がまた促すように軽く押した。
倒れそうになる身体をそのまま両手を着いて支え、四つん這いの恰好へとさせられた。
ふくらはぎに、掛かる布に感触…。
スカートが半分程に捲れ上がり…露出した下半身を、まさに見せつける様に彼達に突き出している恰好…。
また聞こえる喉が鳴る音…。
もう今までの関係も、今までの私もすでに無い。
隆史君…3人の男性に向けて性器を向け、受けいれる態勢で卑しく待つだけの…自分。
此処まで…遊ばれるみたく散々焦らされ…自覚させられ…解らされた。
…一瞬頭を過った「島田流家元」と言う立場も、「愛里寿」の事も…「夫」という全てが…どうでもよくなる処か…寧ろ私の中の熱を高め、壊していく。
そして改めて…しほさんが頭を過った。
同じく私と完全に同じ立場いる彼女…その彼女が今回はいないと言うこの現状。
…隆史君が3人もいると言う、非現実的な狂った状況を独占できるという【 現実 】。
「はっ…はっ…」
自ずと残っていたスカートを捲り上げていた。
首を下げ…身体の下から後ろを覗き確認すると…彼らの身体が見える。何も変わらない、本当にただコピーしただけかの様な、身体。
この卑しく…涎を垂らしながら…男を受け入れるのを待っている自分…を、彼らは見つめている。
隆史君達は消えていない。手の下のシーツの感触…太腿の内側を滴り落ちる愛液。喉から何度も繰り返す呼吸。
完全に露出した私の入口を「まだか」と、催促するかの様に…自分から尻肉を掴み…広げる。
まぎれもないこの【狂った現実】を自身の立場…全てを含め…私は…確実に享受している。
腰を手で掴まれた感触がした。
腰骨に手を引っ掻け、グッ…と力が込められた瞬間…。
「お゛っ!!!」
内臓を上へと押し上げられたみたいな衝撃に、肺から息が一気に吐き出される。
海老反りに…強引に背筋を伸ばされいる気がする程に、一気に肩が上がり腕が伸びる。
「ぁ…ヵッ…あ゛…」
ガクガクと顎が鳴り…目が見開かれる。その視界がチカチカと光る。
ばつんっとお尻が鳴る音を一回響かせ、お腹の奥…一番熱い場所まで一気に彼が入ってきた。
たった一回だというのに…脚が痙攣…いえ、身体全体がビクビクと小刻みに痙攣する。
「千代さん、前戯はたっぷりとして…散々焦らしたとはいえ…随分すんなりと入りましたね」
あまり抑揚の無い声で、呟かれた。
「千代さん、一突きで潮まで噴いて……盛大にイきましたね」
私を詰る軽めの口調と、ボタボタと…少し遅れてシーツに何か落ちる音がする…。
何と言いますか…焦らされてたとはいえ、彼の最初の一撃は毎回強烈で…一気に私の中が彼の形へと変わってしまう気がします…。
う…上手く声が出せない。何かを言い返そうとするも、押し寄せてきた強烈な快感に頭と身体が追い付かない…。
後…。
「千代さん、焦らされる方もそうですが…焦らす方も我慢するの大変なんですよ?」
口を彼が開く度に…最初に私の名前を呼ぶ…。
「あがっ!? あっ! おっ!! お゛っ!!」
バツバツと…今までの彼が嘘だったかのように、突然激しく腰を打ち付けてきた。
ベットの外側に立っていた為に、力が入れやすいのか…遠慮なく全力で当たる肌に、大きな音が部屋に響く。
「まっ! …待って…あっ!! あっ!!」
絶頂がまだ収まっていない中で、私の中を隙間なく刺激する膣内の快感を押さえつけようと身体中に力が入ってしまう。
敏感になっている身体には、この刺激は強すぎる…。それでもお構いなしに、彼は両手で私の腰を掴み、何度も強く腰を打ち付けてきた。
「…やっぱり普段着を着たままの方が、日常の千代さんとやってるみたいで良い…ですよ」
「裸体姿も勿論素敵ですけど、俺はこっちの方が気分でて好きです」
情緒に欠ける…と…言っていましたが…。
…駄目。これは駄目…彼は…彼らは私に話しかけながらも、打ち付ける腰を止めない。私の身体の状態を無視し、私の顔の横で何かを聞いてきたり…すべて彼のペースで行為を続けている。
最初…本当に最初に望んだ、遠慮の無い隆史君が見え始めてきた。
「あっ…あっ…はっ…はっ…」
ギシ…と少しベッドが重みで少し沈み、もう一人の隆史君が真正面で膝で歩きながら近づいてくる…。
両手に力を入れ、シーツを握りしめ何とか体制を保ちつつ…前後に動く身体で顔を上げると…鼻先に彼のモノが…。
それ以上…彼は何をする訳もなく…ただ見下ろしている。
秘部を突かれる度に、彼の陰茎の先が何度も鼻…頬へと当たる…。
3人が全員共、彼だというのは【理解】しています…。しかし今こうして私が見えるのは見下ろしている隆史君のみ。
今更ながらも小さな恥辱が生まれ…眼球のみを動かしながら上を見上げると…彼の手はゆっくりと髪を撫で下ろし…そのまま私の頬で手を止めて…私の目を真直ぐと無表情で見つめてきた。
その…目…。他の男に抱かれている訳ではないというのに……この淫らな痴態を晒す私を、彼はどう思い見下ろしているのか…と、頭に過る。
……ゾクッ
目の前の彼は何もしない。…ただ私を見つめている…。
「はっ…はっ…はっ…」
何度も突かれる度に、彼の陰茎が顔へと近づき離れる。
もうすでに本能で動いている…としか言いようがありません。何もしない彼に対し…口を開け舌を突き出していた…。
すると今度は舌先から表面を何度も滑る…。亀頭の裏を滑り、口内を外れ頬を滑る。
何時しか唾液でまみれた陰茎を口で上手く呑み込めない。何度も外れ…滑る頬に付着した唾液で何度も滑る。口元をまた唾液まみれにし、垂れ流しながら…気が付けば夢中になって舌を、唇を使い…咥え込もうとしていた。
ワザと彼は口に入れさせないかの様に、男根を動かしいる気がしてなかったのですが、それでもお構いなしに口で彼を追う…。
「あっ…はっ…はっ…んっぷっ!!」
ようやく唇で亀頭の先を挟み、捕まえた瞬間…後ろから突かれた衝撃でそのまま唇を抉じ開けて滑り込んでくる。
舌…口内を通して、鼻を通る男臭…と、味。
「んぐっ! お゛ごっ! んぶっ!! 」
一気に口いっぱいに頬張る様に、正面からもう一人の男性を飲み込んだ。
後ろからの突かれる度に飲み込み啜る。唾液がジュプジュプと下品な音で鳴り続け…私の頭の中を匂いと快感で塗りつぶしていく。
犬の様に両手両足を着き、上と下から両方の口で男根を飲み込む。駄目…オカシクナル。これは…本当に…ダメ…。
ゆっくりと腰を動かし…私の口を使い始める彼と…何度も腰を突き上げ、私を悦ばせてくれる彼。
「千代さん、せっかくですし…コレ使ってみますか」
後ろで彼の…少し抑揚のない声がした。
でも秘部を突かれ、口を突かれ…啜り、息苦しさと快感の為に何を言ったのか分からなかった。
「ん゛っ!! ん゛んっ!! はっ…はっ…じゅぶっ! ぶっっぼっ!!」
二人同時に男が私の身体を使い、それを自身から望み悦楽に浸る、淫らな姿。
息継ぎの様に陰茎から口を離し空気を吸うせば…その息継ぎが…本当にまるで犬の様…。
目の周りが…顔が、熱く、すでに感覚が解らなくなっている。
突然、熱さとは逆に…お尻の穴に冷たい感触が走った。
「んぶぉっ…た…あっあっ! たっ! 隆史君!?」
あまりの違和感に、思わず陰茎から口を離してしまった。
「前回、散々使いましたし…愛液でベトベトだ。問題ないでしょう」
前回使った…? 何の事か考えようとしても、そこからまた一気に広がった冷たい感触に思考が飛ぶ。
お尻に…何か入って…っっ!!
「あ゛ぐっっ!!! …あぁ…ぁー…」
冷たい感覚がズルズルとお尻の中に侵入してきた。
異物…としか言いようがない。彼の指でも…ない…。
「せっかく買った物だし、興味有り気でしたよね?」
…もう誰が…どの隆史君が喋っているのか分からない…。
買った物とは…買った…?
「まぁ、こっち用ではないですけど…俺のも飲み込んでいましたし、問題ないですよね」
膣内を限界まで広げている彼の男根をなぞる様に、その異物が私の中で擦れていく…。
苦しさ…? それも当然有りますが…これは…。
「この玩具に千代さん興味があったんですよね?」
お…玩具?
あの自動販売機…の事…あ。あの男性器を模った卑猥なモノの事でしょうか?
こっち用では…ない? あの玩具の形状から、使用用途の大体の予想はつきますが…。
それを…今…?
…。
……カチッ。
「ひぃぎぅ!!!!」
モーター音が響き渡った。お尻へ挿入されたそれが気刻みに強く振動。
腕の力が完全に抜け、ベットへと頭から落ちる。…と、それに連動してお尻が上がる。
「…反応良いですね」
膣内の陰茎と、お尻の中の振動するモノが私の中で当たっ………。
「 ──っっ!! 」
声にならない。
「では俺は、そろそろイきますね」
事務報告の様に呟くと…隆史君の腰の動きが突然早くなった。
腰に彼の体重を感じる。…更にパンパンと肌を鳴らす音が増えた。ゴリゴリと中でぶつかり…更に腰を打ち付ける度に、彼に玩具が当たり…沈む。
異物を出そうと、身体が玩具を吐き出そうと少し浮くも…また押し沈む…。
「あ゛っ!! お゛ぅ!! おあ゛ぅ!!!」
その後…どれ程、打ち付けられたか…彼の動きが止まるまで、この嬌声を彼に聞かせていた。
閲覧有難うございました。
はい、千代さんの内面からゴリゴリ削るのって真面に書いてなかったので今回、立ち位置的にも結構難しく…まぁ宴編ならって事で…。
復帰後の文章、なんかもう回りくどくなってないでしょうか?
本編続けないと…。
挿絵エロの方がいいかなぁ…まぁ描きます。
有難うございました