味噌汁を噴き出しながらも、どうにか済ませた朝食後。食堂のテーブル席に座ったまま小休止中。ともに食事を終えた箒が何食わぬ顔でお茶を啜っているすぐ隣で、一夏は文字通り頭を抱えていた。
一夏を悩ませるのは箒との力の差についてだ。女を攻略するという意味では確かに一夏のLv.100チンポは最強なのだろうが、用途は非常に限定的。例えるならば、防御を捨てた近接戦特化の兵器だ。自ら攻める意思が一夏にない以上、宝の持ち腐れだった。
それに対し、箒が有している『精神掌握』は汎用性に富んでいる。箒自身は力を使うことに躊躇いはなく、その力を十全に活かせていると言えるだろう。遠くにいても力の影響は及ぶため、一夏が仮に箒から距離を取ったところで意味はない。
「大丈夫か?」
空になった湯吞みを置き、箒が一夏に話しかけてきた。
ついさっきまで一夏を操り、性行為を衆人環視に晒し、掃除と称して肉棒を咥えていた少女とは思えない。何事もなかったかのように穏やかな表情を見ていると、先ほどの出来事は本当に現実だったのかと疑ってしまう。
だが、本当のことだ。一夏はまた一人少女を手に掛けてしまった。
一夏は食堂入口近くの受け取り口へと視線を向ける。そこで一夏は少女と交わったわけだが、その痕跡は既にない。一夏に券売機として使用された少女は複数の女子生徒によってどこかへと運ばれ、床を濡らしていた精液は若い女性職員によって丁寧に拭い取られたようだ。
後の祭りだ。これ以上考えていても仕方がない。気持ちを切り替えていかなくてはならない。
次こそは、箒の好きにはさせない。ようにしたい。
一夏は頭を抱えていた両手で自身の頬を叩き、気合を入れる。この反省を活かし、次に繋げる。すぐには勝てなくても、それを積み重ねれば光明は見えてくるに違いない。その可能性を信じるしかなかった。
「箒。教室に行こう」
「あぁ」
一夏は席を立ち、箒と共に教室へと向かう。その姿を、食堂にいた少女たちの視線が追う。ある者は信仰対象である神を目の当たりにしたかのように。またある者は恋する乙女のように。一夏に向けられる視線の性質は様々だが、全て好意的なものだ。受け入れてしまえば、一夏を取り巻く状況は地獄から天国へと変わるはずだ。
それでも一夏は受け入れない。修羅の道を突き進む。
自室に戻って登校の準備を整え、一夏と箒は寮を出た。
寮から校舎までの短い道程で、何かが起こる気配はなさそうだった。寮からぞろぞろと後をつけてくる女子生徒の集団もただついてきているだけのようだ。警戒すべきは箒ただ一人なのだが、一夏の警戒など鼻で笑うかのようにすり抜けてくるのだから恐ろしい。
頼みの綱はやはり特性の『リフレッシュ』。それが迅速に発動することを願うばかりだ。
意味もなく力み、油断なく警戒する一夏はそのまま何事もなく校舎にたどり着いた。昇降口で靴を脱ぎ、上靴に履き替える。様々な国籍の少女たちがいるIS学園だが、この辺の規則は日本を基準にしている。
他にも様々な規則があるのだが、その中には男である一夏にのみ適用されるものも存在する。ここが元女子校であるが故に、男だという理由だけで何らかの制限がもたらされるのも仕方ない。一夏はその点を割り切って考えていた。
階段を上り、一年生の教室が並ぶ階へ行き、一年一組の教室を目指す。
教室前。女子生徒が普通に扉を潜る中、一夏は足を止めた。
そして、おもむろに服を脱ぎ始めた。
IS学園において、男子生徒は教室に入る際に全裸にならなくてはいけない。その規則に従い、制服は勿論、中に着ていた下着も脱ぐ。教室の前で肌を晒し始めた一夏、特にその巨大な肉棒を目にして、周りにいた女子生徒が色めき立つ。
何だ? と一夏が周囲の反応に首を傾げる中、箒はにこにこと笑っていた。
機嫌のいい箒。何かまた良からぬことを考えているのだろうか。下着も脱ぎ捨て、裸一貫になった一夏は念のために廊下を見回すが、特におかしな点は見受けられない。まだ、箒による洗脳は行われていないと思いたいが、それを確かめる術もない。
嬉しそうに携帯で撮影してくる女子生徒を他所に、一夏は教室へと足を踏み入れた。
まだ登校時間に余裕があるというのに、教室内にはクラスメイトが勢揃いしていた。それどころか、他の組の生徒までいる。一夏が前の扉から教室に入ると、教室後方に用意されていた三脚付きの超高性能ビデオカメラ三台と、複数の生徒たちが持つビデオカメラが一斉に光を放った。
「織斑君、こっち向いて」
「いいよ、もう少し股間を突き出してみようか」
「少ししゃがんでみて。そうそう、いいよー!」
「右手でペニス握って、シコシコしてくれる? あぁ、最高! そのままね!」
さながらグラビア撮影。一夏は教壇に上がってカメラと正対し、適度に引き締まった裸体を披露した。言われた通りにポーズを取り、肉竿を右手で握って扱き始める。徐々に勃起し、反り立ち始める肉棒の様子が写真に収められていく。
「あぁ、織斑君超格好いい。抱いてほしいなぁ」
「犯したい犯したい犯したい」
「エロすぎでしょ。今夜のオカズ決定!」
クラスメイトたちは一夏を注視し、にやつく表情を抑えられずにいた。
自分の席に座って股を開き、自慰をする者。撮影の邪魔にならない程度に一夏に接近し、頭の先からつま先まで視姦する者たち。不躾な視線に晒される一夏本人はというと、妙に高揚している生徒たちを不思議に思いながらも、指示通りにチンポ扱きを行うばかりだった。
一夏の衣服や鞄を持った箒が教室後方で、セシリアともう一人見知らぬ女子生徒と話をしているのが見えた。新聞部と書かれている腕章をつけ、眼鏡をかけた少女だ。何かの話が勝手に進行しているが、耳を澄ませている余裕は一夏にはなかった。
一夏は身体検査を受けている最中だ。この場にいる者たちが目で見るだけでなく、写真にしてIS学園のホームページからログインできる学園関係者専用の画面に投稿。全生徒と教師が空いている時間に確認し、一夏の健全性を確認することになっている。
専用画面には一夏の隠し撮り写真の他に、動画もあるようだ。
一夏とセシリアのセックス動画だ。一夏がセシリアと出会って性交に励み、その場を離れるまでの一部始終が隠し撮りの視点で閲覧できる。それだけでなく、今朝一夏が食堂で行ったセックス動画も投稿されている。後日、IS学園の精鋭たちによって専用画面は改良され、コメント投稿機能も実装される予定のようだ。
誰かから聞いたわけでもないそれらの情報が、一夏の脳内に流れてきていた。
そして、それを常識だと認識させられる。
「次、誰か二人くらい織斑君のチンポ扱いてあげて?」
「はいはいはーい!」
「やる! 私がやる!」
「私だって!」
「ちょっと! 抜け駆けしないでよ!」
「こらこら喧嘩しないの。えっと、そこの二人でいいや」
我先にと手を挙げ、権利を争う中、撮影をしていた生徒が場を諫めて担当者を決める。選ばれた女子生徒二人は手放しで喜んだ後、撮影を取り仕切っているらしい新聞部の指示に従って行動を始めた。
「よろしくね、織斑君」
黒いロングヘアの少女、
「よろしく~」
長い髪をおさげにした少女、
「よ、よろしく」
一夏の両隣の床に膝を突き、一夏に代わって肉棒を握る。左に位置するさゆかが左手で一夏の亀頭と肉棒の中腹を担当し、右側を陣取る癒子は根元の部分だ。二人で協力する形で手を動かし始めた。
「えっと、こんな感じかな?」
「どう? 織斑君」
やり方を探るように肉棒を扱いていく二人の少女の手。経験がないためか拙い技術であるものの、教室や廊下に詰めかけた生徒に見られながら味わう手コキは一夏の興奮を煽る。尿道から溢れた我慢汁が二人の手によって広げられ、ぬちゅぬちゅと音を立てる。
「すごい……」
「硬くて、熱くて、いい匂い……」
我慢汁から立ち昇る雄の臭いが教室に充満し、廊下にも広がる。それまで黄色い声を上げていた少女たちが口を閉ざし、頬を赤く染めた。放心状態に見えるが瞳には性欲に滾っていて、獲物を前にした獣のようだった。
発情した様子で黙したまま一夏の顔をじっと見上げ、忙しなく手を動かすさゆかと癒子。さすがは倍率の高いIS学園に合格した才女らしく、その手コキは見る見るうちに熟練度を増していく。
ぐっちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゃっ、ぬちゅっ、くちゅっ!
激しく、それでいて丁寧に。撮影者が手を止めたおかげで静かになった教室に水音が響き、誰もが一夏の股間から目を離せないでいる中、一夏は這い上がって来た熱い精の塊を盛大に吐き出した。
ぶびゅびゅびゅーっ、びゅるるーっ、びゅーっ、ぶびゅーっ、どびゅーっ!
噴水のような勢いで精液が放たれた瞬間、再び場が湧いた。シャッター音や大勢の歓声。射精一つでいったい何を、と一夏は思いながらも射精の快感に身を委ねる。今も手コキは止まず、射精の勢いも衰えない。
「こんなに出て。あぁ、すごい……」
「おチンポ格好いい……」
すっかり一夏に惚れたようで、さゆかと癒子はうっとりとした様子のまま肉棒に顔を寄せた。ちゅっ、と左右から唇で吸いつくようにして撫でていく。金玉を指先で転がすように揉みながら、肉竿に唇を押しつけて射精を促す。手で扱かれるよりも卑猥さが増し、射精が強まる。
「どうかな?」
「気持ちいい?」
チンポにキスを捧げつつ、二人が上目遣いに問うてくる。
確かに気持ちいい。でも、何かがおかしいような。
食堂のときと似たような違和感を抱き、一夏の脳内が現実を異常と認識し始める。
そうして再び一夏が目を醒ますと思われたそのときだった。
「一夏」
箒の声が耳に届き、一夏の違和感が霧散した。
なんだ、今の。と、一夏は首を傾げたが、大したことではないだろうと結論づける。
一夏はただ教室で全裸になり、その姿と射精を女子生徒に見せただけだ。何ら問題のあることではなく、むしろこれ以上ないくらい健全だ。それに対して疑問を抱くというのもおかしな話だろう。
そう思い込む一夏の下へ、箒がセシリアを伴って近づいてきた。
「身体検査は終わったな。そろそろホームルームだ」
「ぁ、あぁ……」
楽しそうな箒に、一夏の緊張が張り詰める。何かされるかもしれないが、授業を受けないわけにはいかない。箒も授業中に大胆な行動に出るとは思えないが、絶対という言葉はない。
「あら、一夏さんの精液がこんなに。皆さん、勿体ないので舐め取ってしまいましょう」
セシリアの呼び掛けに、大勢の女子生徒が集まった。床に平伏し、顔を近づける。舌を伸ばして床の精液を舐め取り始める卑しい雌たち。誰一人として嫌そうな顔はしておらず、ご馳走を口にしたかのような幸福を噛み締めている。
「さぁ、席に着け」
同級生たちを見つめていた一夏だったが、箒に促され、席に座ることにした。身を纏う衣服はないまま、朝のホームルームが始まるのを待つ。椅子に直接触れる尻が妙に冷たく感じて、一夏はもじもじと落ち着きなく身じろぎしていた。