一夏には、千冬という九歳離れた姉がいる。千冬は姉ではあったが、両親のいない一夏にとっては親のような存在でもあった。一夏が悪さをすれば厳しく叱りつけ、一夏に身の危険が迫れば身を挺して守ってくれた。その代わりに千冬は私生活ではだらしないところがあり、その点は一夏が補った。千冬に恩返しをしようと、家事の全てを引き受け、妻のように千冬を支えたのだ。
そうして二人は家族として一緒の時間を過ごしてきた。
二人の関係に家族の愛はあっただろうが、男女としての愛はなかったはずだった。
昨日までは。
「ずぢゅるるっ、ぶちゅっ、ぢゅるっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅーるるっ」
「う、ぁあっ……」
一夏は呻いた。一夏の肉棒を咥えた女のバキュームフェラによって、体を震わせる。その場でよろめきそうになるが、尻を女の両手で抱きしめられているため、足場はその場に固定されていた。
教職員寮。海を埋め立てた広大な土地に広がるIS学園の敷地内にある建物。外観は高級ホテルもかくやというほどの立派な佇まい。木々に囲まれていて、自然を感じながら穏やかに日々を送ることができるだろう雰囲気。段々と明るくなり始めた空に覆われたその寮内はまだ静かだ。
その寮の一室に、窓に背を向ける形で一夏は立っていた。目の前には、姉である千冬。
「ぐぷぅっ、ぢゅぶっ、ずぢゅぢゅっ、ぐちゅぶっ、ぢゅぶぶっ、ぐちゅっ、ぐぶっ」
一夏はその千冬に、凶悪な外見の肉棒を愛されていた。
「あぁっ……!」
一夏は着ていたラフな私服のズボンを下ろされたまま、ベッドに腰かける千冬の口淫で肉棒を襲われ続ける。千冬は解いた長い黒髪を揺らし、涼しげに整った顔を緩ませ、弟の肉棒を咥え込みながらその弟の顔を見上げている。
そこには、本人の心境を図らずとも容易に察することのできる愛情があった。
「千冬、姉っ……くうっ……」
一夏は増幅した凄まじい快楽の波状攻撃に耐え切れず、達してしまった。
びゅーっ、びゅーっ、びゅるっ、ぶびゅっ、どぷっ、どぴゅっ、どくっ。
「んっ……。ごきゅっ、ごくっ、ごくごくっ、ごくっ、ごくっ……」
待っていましたと言わんばかりに、一夏が放った精液を飲み込む千冬。とても美味しそうだ。それを一夏は体を震わせながら見下ろしていた。普段の凛々しい雰囲気はどこにいったのか、男へと媚びる牝の表情。クールビューティーという表現が似つかわしい人物とは程遠く、高級娼婦のように淫靡な色香を漂わせている。
「ぷはっ……。一夏、美味かったぞ……」
千冬は愛し終えた一夏の肉棒を口から解放し、まだ勃起した肉棒と睾丸を顔の上に乗せている。そして、その肉棒越しに一夏を見続けていた。その眼差しには、自分を魅了し、たやすく女に堕としてしまった男に対する畏敬の念が込められているようだった。
一夏は後悔した。十数分前の自分の愚行を責めた。
なぜ、朝起きて肉棒が変貌を遂げたという異常事態を、千冬へ相談してしまったのか。ルームメイトの箒からの誘惑を振り切って学生寮の部屋を飛び出し、教職員寮の千冬の部屋へと向かってしまったのか。
『朝から何のようだ。馬鹿者』
という部屋のインターホン越しの不機嫌そうな声を聞いたときに、引き返せばよかった。
『助けてくれ、千冬姉……』
しかし、後から悔いることになったとしても、そのときは仕方がなかった。一夏にとって一番頼りになる存在は千冬以外にいなかった。女性に下半身の相談をするのは、と躊躇う気持ちも湧かないほどに一夏の心は追い詰められていたのだ。
一夏の声を聞き、施錠の開いた扉。一夏は寮の部屋に置いてきた箒が追ってきていないことを確認してから部屋の扉を開け、千冬と同じ空間に足を踏み入れた。
『待て、一夏。これは、何の匂いだ? 香水? 違うな、これは……』
一夏を出迎え、首を傾げた千冬を見た時に気がつけばよかった。しかし、それも後の祭りだ。一夏はジャージという色気のない恰好をした千冬に連れられて部屋の奥へと行き、ベッドにあぐらを掻いて座り込んだ千冬の前に立たされた。
『それなりの事情があるようだが、いったい何事だ?』
一夏の表情から事の深刻さを悟った様子の千冬。その理知的で美しい顔を見て一夏はほっと安堵の息を吐きつつ、事情の説明をした。今日の朝から起きた出来事を、何の脚色もせず、詳細に。
最初は、「何を言っているんだ、この愚か者は」といった呆れた様子で見ていた千冬。
だが、その表情は徐々に変化していった。酒を摂取した時のように赤く、ぼうっとし始めたのだ。目線は一夏の両手で隠すように押さえられた股間へと向けられ、時折喉が唾を呑みくだして音を立てていた。
『……千冬、姉?』
一夏は様子のおかしくなった千冬を見て、まさかと思った。
精神力の塊のような千冬。一夏の知る限り千冬ほど強靭な心を持った女性はおらず、千冬ならば大丈夫だと高を括っていた。だが、一夏の見通しは甘すぎた。自分の身に起きた異常は想像を絶するものであり、千冬という英傑であっても対処のしようがないものだということを。
『ち、千冬姉っ!? そ、そんなっ……!』
一夏は、千冬に捕らえられた。ズボンを脱がされ、股間に顔を埋められ、臭いを嗅がれた。肉棒へと何度も顔を擦りつけられ、容易く勃起した肉棒を千冬の口で迎えられ、唾液に満ちた口内で舌と粘膜の歓迎を受けた。
その後、千冬のバキュームフェラが始まり、精液の一気飲みに至ったわけだった。
一夏は事の経緯を信じたくなかった。自分はまだ夢を見ているのだと思いたかった。
だが、夢ではない。異常な快感が、一夏の意識を覚醒させ続けている。
「ちゅぽっ、ちゅぷっ、ちゅぽんっ!」
千冬は、一夏の憧れである姉は、一夏のずっしりとした睾丸を口の先に咥えて遊んでいた。肉棒が汚い物だと微塵も思っていない様子で、手や顔で肉棒を愛しそうに触りながら睾丸に愛を注ぎ続けている。
「一夏。お前の一物がこれほど逞しいとは思わなかった」
千冬は鼻先を肉棒に当てて、すーっ、と息を吸った。そして、甘いため息を一つ。
「あぁっ、何ていい匂いなんだ……」
恍惚の表情を浮かべる千冬。一夏はそれを見て、完全に絶望の淵に立たされた。
千冬が堕ちた。あの、千冬がこんなにも簡単に。自分が汚してしまった。後悔の念は一夏の胸中をぐるぐると渦巻き続け、濃度を高めていく。決して消えてなくならず、一夏の良心をじわじわと攻め立てる。
もう何もかも遅すぎた。
眩暈にも似た恐怖を感じる中、一夏は千冬によってベッドへ引っ張られた。精神的な負担によって抵抗する気力もなく、一夏の上に千冬が覆い被さる。これから恋人と愛し合うように期待と欲情に染まった顔で見下ろされ、千冬がジャージを脱いでいく。
露わになった黒い下着。モデルのように均整の取れた肉体が一夏の視線を釘付けにする。経験の浅い男が見れば即勃起間違いなしの肉体。相手が姉とはいえ、経験で言えばまだ素人の一夏は興奮を覚えてしまった。
黒いブラジャーとショーツだけを纏った官能的な女体。胸の柔らかそうな膨らみ、腰の括れ。絶妙な肉づきが肉欲をそそる。いつか、一夏の知らない男に愛されるのだろうと、一夏が密かにもやもやとした感情を抱いていた肉体が目の前にある。
「一夏。私は、お前が欲しい……」
その肉体の持ち主は、一夏を求めた。
「お前はどうだ? 私を受け入れてくれるか?」
一夏は選択権を委ねられた。
その選択で状況が変わったのかはわからない。選択することができず、ただ魅力的な姉の姿を見て息を荒らげることしかできなかった一夏。無回答を肯定と見なしたのか、一夏の股間に移動して尻を向けた千冬。ショーツをずらし、露わになった千冬の陰裂が一夏の肉棒を飲み込んでいった。
そして、結合した。それが、無回答の結果だった。
ズンッ、と黒く扇情的な下着に覆われた楕円形の尻が一夏の股間に乗った。
軽い重みと肌の温もり。肉棒を根元から先端まで余さずギチギチと締めつけ、温かい熱で支配した膣内。愛液とも先走り液とも違う温い感触が肉棒を伝い、赤い血が一夏の下腹部に垂れ落ちた。
一度にいろいろな刺激に襲われ、一夏は何もできなかった。
気持ちいい。ただ、それだけを思いながら目の前の光景を見つめていた。
千冬の尻が股間で揺れる。千冬は前傾姿勢となっているようで、一夏からは千冬の尻しか見えなかった。弟の肉棒を膣で美味しそうに味わい、上下に運動を続ける淫靡な尻。箒のときとは違い、一方的に搾取される感覚が新鮮で、一夏は容易く果てた。
どびゅーっ、ぶびゅーっ、びゅるるっ、どくっ、どぴゅっ、びゅぶぶぶっ。
姉の子宮に大量射精。罪悪感に襲われながら、背徳感を味わった。止まらない。たっぷりと出してしまった。千冬の子宮は弟ザーメンで真っ白になっていた。それを想像し、一夏はさらに射精した。
たんっ、たんっ、と小気味いい音を立てて千冬の尻は元気に踊る。
いつの間にか、千冬の尻に一夏の手が置かれていた。殆ど無意識だった。柔らかくも弾力のある尻の感触を楽しんでしまっている。そして気がつくと、千冬の尻を覆う黒いショーツはぼろぼろになって乱れていて、尻にほんのりと赤い手の平の跡があった。ジンジンと手の平に痒みを伴う痛みを感じたことから、自分が千冬の尻を叩いたのだと知った。
自分がどんどん、ケダモノになっていくようだった。
千冬とセックスしていた位置が変わり、一夏はマジックペンを手にしていた。自分が、千冬の部屋にある机の引き出しを漁って取ってきたのだ。まるで他人事のようだが、今の一夏には自分の行動が客観的に映っていた。欲望に突き動かされた体とほんの少しの良心をまだしぶとく庇い続ける心が、互いを否定し、別々に切り離していた。
正の字が一つ書かれた千冬の尻。今もなお、揺れている。
パンッ、パンッ、パンッ。乾いた大きな音が響く。
ぶびゅるるるっ、びゅるるるっ、どびゅーっ、びゅーっ、どぷっ、ぶびゅっ、どくっ。
気持ちいい。また千冬の膣奥で精を放ってしまった。一夏は快楽に溺れながら後悔する。一夏の精液を溜めた子宮を、一夏は想像した。その想像通り、姉弟の遺伝子は姉の子宮の中で結びつこうとしていた。卵に向かって蛇行しながら泳いでいたおたまじゃくしの一つが噛みつき、ぷちゅっと繋がった。
それに気がつかない姉弟は絡み合う。
千冬の尻に、正の字が黒い文字で二つ刻まれた。
ごびゅっ、どびゅるっ、ぶびゅびゅぶっ、ごびゅっ、ごぼぼっ、どくっ、ぶびゅっ。
射精。マジックペンで横の線が引かれる。『精液便所』という文字が一夏の手で書かれ、卵子に結合した精子の絵が併せて描かれた。『射精し放題』、『一夏専用性欲処理
どぷっ、どぽっ、どくっ、どぷっ、びゅぶぶっ、びゅく、びゅるっ、どびゅっ。
「あっ、くぅっ、一夏の、子種……!」
「はっ、ぁっ、うぐっ、んっ、はぁっ……!」
一夏は、いつの間にか千冬の長い髪を引っ張り、バックで突いていた。止まらない。体が勝手に動いてしまう。もう、何が正しいのか、とか考える余裕もなかった。睾丸が精子を製造し続け、すぐに千冬の膣内へと供給していく。気が狂いそうな快楽を前に、一夏はセックスをするための機械のような気分になっていた。
室内は情事の臭いに満ちていた。姉弟は絡み続ける。
一夏が正気を取り戻した時には、千冬は精液まみれのベッドでうつ伏せになっていた。全身に淫らな絵や文字が刻まれ、大胆に開かれた股の付け根はどこが淫裂かわからないほどに精液で濡れ、新しい精液をシーツの上にどろどろと吐き出し続けている。
淫らに笑う千冬。自分が汚してしまった姉。ベッドの縁に座ってその姿を見た一夏は、ふらりと背中から倒れてベッドの下に転げ落ちた。