IS起動と同時に、一夏が身に着けていた衣服が全て消失し、全裸になった。それだけでも十分予想外ではあったが、大きな問題は別にあった。
「これ、は……」
男性用貞操帯のように、尻と腰に巻き付いた鉄の拘束具。普通の貞操帯であれば、装着した者が射精できない構造となっているはずだ。しかし今、一夏の肉棒に纏わりついているものは鉄の器具ではない。
人参の形をしたオナホール。更識姉妹が使用した物と同一の悪魔の玩具だった。すぐに稼働を始めるかと思ったそれだが、今はまだ動いていない。動く前に外したいところではあるものの、肉棒をしっかりと包み、拘束具と繋がっていて自分の手ではビクともしない。
また搾取されるのか。戦慄する一夏を他所に、ISの装甲が展開されていく。腕や胴、足。そして白い翼のような形状をした四機のウイングスラスターが背中に備わる。それと、オナホールとチューブで繋がった透明なタンクが五本、腰から下がるようにぶら下がっていた。当たり前のように出現したタンクもまた、一夏のISにはあってはいけないものだった。
一夏のIS、白式第二形態『
「もたもたしてると、逃げちゃうよ?」
束が指で指し示す先を一夏が確認するより先に、仲間たちを捕らえた四機のIS、ジャバウォックがスラスターの光を発して空へと直進していく。間もなく学園敷地内から海上へと飛び出る少女たち見て、一夏は急いで地上から飛び立つ準備に入った。
「皆……!」
束を問い詰めるのは仲間を無事に解放してからにする。
余計な思考を打ち切って、一夏は夜の空へと飛翔した。
一夏が仲間たちに追いつくのにさほど時間は掛からなかった。白式の推進力がジャバウォックのそれを上回っているためだろう。女を捕まえて犯す最低な機能が搭載されたジャバウォックはおそらく戦闘用ではないはずだ。
一夏から逃れるように右往左往と動きながら、ジャバウォックは少女たちの胸や膣内を弄び続けている。ガシュ、ガシュと膣内に機械チンポが出し入れされる駆動音が喧しく音を立て、体の内側を蹂躙された少女たちが悲鳴を漏らす。
「わ、わたくしが、この程度の凌辱で、んっ!? あ、ひぃっ!? あ、あ、ああぁあっ!」
「助け、助けてっ……! あんっ……! んっ……!? やめて、一夏を殺さないで……!」
「そんなに乱暴にしたら、僕のオマンコ、壊れちゃ、あぁっ!? んあぁあっ!?」
「これで、何人目だ……。ん、ぉっ……!? 集団で囲んで、いつまで私を、も、弄ぶ気、だ……」
風を切って逃げ回るジャバウォックから少女たちの声がずっと聞こえてきている。
やはり、被せられたヘルメット型の機器によって少女たちは良からぬ光景を見せられているようだ。しかも、それは映像などという生易しいものでもなさそうだ。実際に自分が体験しているかのように仮想的な空間と五感を強制接続され、犯されているのだと考えられる。どういう状況なのか、何が少女たちを犯しているのかまでは詳細に知ることはできないが、どうせろくな目に遭ってはいない。
一夏は刀剣型の武装、
「皆! 聞こえるか!」
一夏が大声を張り上げるが、少女たちに変化はない。現実世界での刺激は全て断たれ、仮想世界に囚われていると判断して相違ないだろう。完全に操られ、少女たちの手ではやはりジャバウォックを止めることはできない。
束に言われた通り、壊すしかない。
一夏はジャバウォックとの距離を詰めようと、推進速度を上げていく。
そのとき、白式がけたたましい警告音を発した。
「今度はなんだ……!?」
次から次へと思わぬ事態が巻き起こる。一夏の眼前に『警告』という文字が浮かんだディスプレイが無数に表示され、白式の速度が急激に低下を始める。ジャバウォックとの距離が見る見る離れていく。
「動けっ! 動けよっ!」
前に進もうとしても、挙動に制限が掛けられているのか、速度は落ちるばかり。
『警告。これ以上の稼働には、生命エネルギーが必要となります。補充しますか?』
原因不明の状況に陥って混乱する一夏の耳が、女の淡々とした声を拾った。問いかける内容ではあったが、理解不能な内容に一夏は言葉を返すことができない。
『報告。マスター束の承認を受け、搾取を強制的に実行します。なお、搭乗者織斑一夏から所有者の権限を剥奪し、一般ユーザーの権限を付与。以後、管理権限をマスター束に統一します』
どことなく千冬に似た声をした声が白式から響き、一夏のオナホールが稼働を始める。
「ぐっ、あ、が……」
始まってしまった。低い振動音を立て、前後に動くオナホールが亀頭から根本まで余さずに搾り上げる。まるで生身と勘違いしてしまうほどの、品質のいいオナホールの疑似マンコが肉棒をゴシゴシと扱き、一夏に快楽を与える。
「っ、ぁあああっ……!?」
一夏の気のせいでなければ、更識姉妹のときに使用されたオナホールよりも具合が良かった。膣に生えた無数の
決して油断はしていなかった。むしろ、一夏は身構えていたはずだった。
「ぉっ……!」
一夏は簡単に射精へと導かれた。
びゅるるっ、びゅるっ、ごぷっ、どぷっ、どびゅるるっ、びゅーっ、びゅーっ!
川に流されるように空を漂いながら、ビクンッと体を震わせて精液を放つ。オナホールにガッツリと捕食されたまま放出した精液がチューブを通ってタンクへと吸い込まれ、見る見るうちにタンクの嵩を増やしていった。
「ぁ、ぁ、そ、んな……」
同じオナホールのはずだが、前回とまるで違う。それはつまり、前回の搾取はまだ手を抜いていたということだ。束が作った悪魔の性玩具が真価を発揮すれば、ここまでの威力になるのだと理解させられた。
『報告。生命エネルギーを感知。白式の制限を解除します』
まだ射精が続く状況で、白式が動き出す。生命エネルギー、精液が補充されたことで一夏の想いを汲み取って行動に移したようだ。随分と距離を離されてしまったが、煽るように遠くの空で旋回していたジャバウォックにはすぐに追いつくだろう。
一夏は、束によって滅茶苦茶にされた白式の仕様を知って歯噛みした。
白式自体のエネルギーとは別に、精液を与えなければ行動に制限が掛けられてしまう。その点を考慮に入れないといけない。そうでないとジャバウォックを壊す前にまた機能不全に陥ってしまい、その間にも過酷な責め苦を受けて少女たちの心身は消耗していく。
馬鹿げたゲームだ。考える者の気持ちが理解できない。
束を理解しようとなどと、もう考えない方がいいだろう。あれは天災だ。制御するのではなく、立ち向かって抗うしかない。
一夏は深く息を吐き、気分を静め、正面を睨み据えた。
「負けるものかぁっ!」
大きく吠えた一夏は、ジャバウォックに立ち向かっていった。
しかし、いくら心を強く持ち直そうと、どうにもならないことがある。
一夏はISを使えるただ一人の男で、飲み込みも速いほうではあるが、操縦が特別上手いわけではない。量産型とはいえ、束が作ったIS四機を同時に相手取るには経験が足らなすぎた。
拘束した少女のポテンシャルを勝手に引き出しているかのように、少女たちの動きの癖を再現したジャバウォックが、一夏を容易く迎撃した。
「こ、このぉっ……!」
蝶のように舞って一夏の振るう雪片弐型を華麗に躱し、装甲に包まれたセシリアの拳が一夏に叩き込まれる。操縦者を守るシールドエネルギーによって痛みは軽減されているが、それでも衝撃はある。軽く吹き飛ばされて空中で体勢を立て直したときには、両側からシャルロットとラウラが肉薄し、一夏の腕を掴んだ。
「んぁあっ!? あぁぁぁっ!?」
「ひぃぃいっ!? んぉおおおっ!?」
二人の喘ぎ声が耳を襲う。一夏は二人を振り解こうとするが、簡単にはいかない。そんな一夏を嘲笑うように、一夏に鈴音が近づき、一夏の眼前に股間を寄せた。
「おっ! おっ! いくっ!? イクイクイグぅううう!?」
両足を開き、股の中心に機械チンポがずっぽりと押し込まれる。鈴音がビクビクと震え上がるのに合わせ、チンポからは膣内へと白濁液が放出されているのがわかった。子宮に入りきらず、結合部から漏れてくる白濁液が一夏の目に映った。
色濃く、強い雄の臭いを漂わせるそれは、間違いなく一夏の精液だった。事前に搾取されたときの精液がここで使用されているのだろう。鈴音たちを孕ませようと、子宮に精液を注入し続けている。よく見れば、ジャバウォックの背面には精液がたっぷり詰まったタンクが装備されていた。そこから汲み上げた精液を少女たちに与えているのだろう。
どこまで人を弄ぶつもりなんだ。
一夏は瞬間的に膨らんだ怒りに任せ、両腕の拘束を振り払った。
「おぉおおおっ!」
正面の鈴音に掴みかかろうと、勢いよく襲いかかる。だが、それすらも躱されてしまう。避けながら鈴音の足が一夏の腹に食い込む。その衝撃で手から雪片弐型がこぼれ、暗い海に落ちて行った。
武器が手から離れてからは、四機は本格的に一夏に嬲った。一夏の無駄なエネルギー消費を加速させようと、わざと攻撃をさせる。不良数人に絡まれるいじめられっ子のような構図だ。たまに一夏に抱きついて喘ぎ声を聞かせ、殴る蹴るの暴行を繰り返す。
統率の取れた動きをするジャバウォックに攻撃を全く与えられず、一夏は無駄な攻撃によるエネルギー消費の代償を支払うことになった。
『警告。生命エネルギー残量低下に伴い、搾取を始めます』
タンクに収まっていたはずの精液がごっそりと減っていた。一夏は気がついていなかったが、タンクは一定周期で光を放ち、中に溜まった精液をどこへ転送しているようだった。
一夏の精液がタンクから姿を消し、代わりに少女たちのタンクに新鮮な精液が補充される。どこから送られてきた精液なのかは言うまでもない。
どぷんっ、ごぷっ、びゅる、びゅるるっ!
セシリア、鈴音、シャルロット、ラウラの膣内に機械チンポがズプンッと挿入され、子宮口に当てた亀頭から一夏の精液を接射する。
一夏の精液注がれた少女たちの胎は丸々と膨らみ、さながら妊婦のようだ。これが精液ではなく、実際の子供に置き換わる日も近いだろう。これだけ子種を撒き散らされたのだから、もう妊娠していてもおかしくはない。
妊娠は避けられないとしても、早く助けないと。
俺が助けないと。
一夏は焦る。焦って挙動に精彩を欠き、ますます劣勢に陥る。
攻撃し、避けられ、それでもなお諦めずに攻撃した。
射精をして白式のエネルギーを充填し、再度ジャバウォックに挑むものの惨敗する。もはや一夏は少女たちに精液を提供するだけの道具と化していた。
『あれあれー? 威勢よく飛び出していったのに、一方的にやられちゃったの? とっても無様だね、いっくん。うん、とても情けなくていっくんらしいよ』
何度目かわからない射精の後、息を荒らげる一夏の眼前にはディスプレイが表示されていた。そこには束の姿が映し出されている。いつも通りの笑顔に、少しだけ別の感情が混ざっているように見えた。
『あーあ、結局こんな残念な結果なんだね。ガッカリだなぁ。Lv.100チンポだっけ? 大それた名前だから、もう少し束さんの予想を超える面白い展開になると思ったのに。この程度かぁ。神様って、案外大したことないんだね。それとも、宿主のいっくんがクソ雑魚だからいけないのかな?』
愉しげに言う束。何も言い返せない。
シールドエネルギーはもう殆ど残っていない。一夏の周りを取り囲む少女たちの一撃でも受ければ白式は形だけの鎧と化し、一夏は無力な人間に戻ってしまう。そうなれば、ISによる近接攻撃でも実体に致命傷を受けてしまう。
ここまで追い詰められては、もう敗北を認めるしかなかった。
『でも、少しだけ面白かったから、そこの金髪たちは殺処分しないでおいてあげる。その代わり、一生IS実験用の生体ユニットにするけど、いいよね? まあ、負け犬には反論する権利はないから、素直に受け止めてね? いっくんが弱すぎたせいで、大切な仲間を守れませんでしたって。ふっ、ふふっ、あはははっ!』
腹を抱え、文字通り校舎の屋上で笑い転げる束。
今日会うまでは、束のことを変わった人だとは思いつつも、敵だと認識したことはなかった。しかし、今はもう違う。一夏は心の中で煮えるような激しい怒りを抱えていた。
ISでは確かに敗北した。だが、Lv.100チンポが束に負けたわけではない。まだチンポは勃起している。性欲も満ち溢れ、一人の女を堕とすには十分だった。
それが世界最高の頭脳だろうと、最強の武力を持つ女だろうと、例外ではない。
『腹が立った。神を侮った罰を受けてもらう』
少女の声が聞こえた気がした。
一夏の意識が遠ざかる。夢の中にいるかのような感覚だ。
だが、これは夢ではない。
一夏の体が勝手に動き出す。向かう先はIS学園の屋上だ。
一夏の目的を察知したのか、ジャバウォックたちが一斉に襲いかかるが、振るわれた拳は一夏に当たる前にピタリと止まった。まるで、一夏を傷つけることを体が拒絶しているかのように。攻撃の手を完全に止めたISたちが、一夏の脇を通り過ぎて学園へと静かに帰還を始める。少女たちへの攻めも止まり、機械のチンポは膣から取り出されていた。
一夏はこの状況に、不思議と疑問が湧かなかった。今はただこの激情に身を任せ、自身を虚仮にした生意気な兎に身の程をわからせる。そして、雄を見下したことの愚かさを、雌として生まれた体へと徹底的に刻みつける。
一夏は誰の妨げも受けず、来た道を引き返す。
そして、未だ異変に気がついていない、驕り高ぶった兎の下へと突貫した。
もしかすると、本作の今年の更新はこれで最後かもしれません。
今年もありがとうございました。