どこからか笑い声が聞こえた。可愛らしい少女の声。聞く人によっては違う印象を抱くかもしれないが、少年にとっては酷く恐ろしいもののように感じられた。聞くだけで身が竦み、心が冷え、平伏を余儀なくされる。決して抗えぬ絶対的な存在感。
少年は140センチに届かない小柄な身体を縮こめる。なぜか服を着ていない体に白いシーツを絡みつけ、震えが収まるのを待つ。次第に笑い声が聞こえなくなると、襲いくる眠気に従って意識が落ちていき、心地いい眠りに就いた。
どれほど眠っていただろうか。
少年は目蓋越しに陽射しを感じ、堪らず目を覚ました。
「ん……」
少女のような柔らかい声を漏らし、少年は華奢な体を起こす。九歳くらいの年齢だ。幼いながらも整った顔立ちをしていて将来が楽しみだ。いずれは多くの異性を虜にする爽やかな青年に成長するだろう。
まだぼうっとしたまま、少年は周囲を見渡す。
誰もいない部屋。そこは、少年一人が駆け回るには十分な広さがあった。たまたま目についた部屋の隅には、あらゆるゲーム機や性能の高そうなパソコン、複数のディスプレイが設置されたデスクがあった。長時間のゲームプレイにも耐え得る専用の椅子も用意されていて、娯楽を楽しむスペースのようだ。
他の場所へと目線を転ずると、棚の上に置かれた大画面テレビと、その前に置かれたソファーが見えた。一人で寛ぐにはやはり大きい。まるで複数人と談笑しながらテレビを見ることを想定されたような感じだった。
他にもいろいろと小物は多いが、それらを考慮に入れても部屋はスペースを持て余している。大人ではない小柄な少年から見た景色はさらに大きく感じて、途端に居心地が悪くなってしまう。
「なに、ここ……」
たとえ少年が大人であろうと、大きすぎると感じるだろう巨大ベッドの隅に移動し、少年はシーツに身を包んで周囲を忙しなく見回す。やはり誰もいない部屋には、出入口用の扉も窓もあった。どちらも内側からの脱出を妨げる仕組みではなさそうだ。
監禁されているのではと疑ったが、そうではないらしい。
では、どうして自分は見知らぬ部屋にいるのか。
考えて、少年は自身の記憶を探ってみたところ、不可解なことに気がついた。
「俺、誰だっけ……」
自分で自分がわからない。ここに来る以前の記憶どころか、名前も、年齢も。わかるのは男という性別。股間に垂れ下がる、勃起前にも関わらず分厚く竿を伸ばして丸々とした陰嚢を携えた巨大な一物だった。
巨大、なのか。それすらも判断できない。もしかすると、年齢相応なのかもしれない。
人間として生きる上で必要最低限の知識はあると思っているが、それすらも定かではない。いったいどうすればこのような曖昧な状態になるのか。今の自分が完全ではないことは明確に理解していて、混乱が続く。
震えが止まらない。いったい何がどうなっているのか。
「っ……」
怯える少年の耳は、扉を叩く音を鋭敏に捕捉した。
「入るわね、
続いて女の声が聞こえ、扉がゆっくりと開かれる。
現れたのは、艶やかな雰囲気を醸し出す女だった。外見だけで言えば、二十代後半か。だが、漂う色香はそれ以上の年齢を感じさせる。体付きは非常に肉感的で、触らずとも抱き心地の良さが丸わかりだった。というのも、女が身に着けている衣服は服と呼べるものではなく、全裸にエプロンというスタイルだったからだ。少し小さめの白いエプロンからはみ出た横乳や、前掛けの部分から覗く太もも。括れた腰と、対照的に肉を備えたデカ尻。雄を誘惑し、子作りに励ませるために生まれてきたような女だった。
「おはよう、千夏。昨日はよく眠れた?」
「ぇ、ぁ、え……?」
知り合いに話し掛けるように、平然と会話を続ける女。女は少年のことを『千夏』と呼んでいるが、少年はその名前を初めて聞いた。自分の名前であるかどうかも判断できず、他に千夏と呼ばれる者がいるのではないかと思ってしまった。
あたふたとする少年の下へ、女は近づいてくる。首の後ろで束ねた黒髪を揺らし、目を微笑みで細めながら。歩くたびに、ムチッ、ムチッと音が鳴りそうな卑猥な女体で歩み寄ってきて、そのままベッドに上がりこんでくる。
「ぁ……」
知らない大人。裸同然の美女。
恐怖を覚え、少年はシーツを放ってさらにベッドの隅に移動する。
が、広いとは言っても、いつまでも逃げられるような大きさではない。すぐに女に追い詰められて、少年は腕を掴まれた。
「わ、ぷっ……!?」
「よしよし、様子が変だけど、怖い夢でも見たのかしら?」
引っ張られた少年はその勢いで女の胸に顔を埋めた。大きい。少年の顔よりも大きい膨らみが二つ。エプロンという布地を間に挟んでいるとは言っても、その布地は頼りなく、熱と弾力を少年の顔面に伝えてくる。
甘い香り。柔らかい。落ち着く。
一呼吸するたびに肺腑を女から漂う芳香によって支配され、心身が蕩ける。逃げようとしていた体は警戒を解き、両手がだらんと体の横に垂れた。すると、そうなるのが当然といった様子で女は少年の顔を自身の豊満な胸の谷間に埋めさせ、後頭部を撫でる。
「怖かったわね。嫌な夢なんて忘れて、ママの胸にいっぱい甘えてね?」
女は左目の下に泣き黒子のある顔に穏やかな微笑みを湛えたまま、少年の後頭部を撫で、もう片方の手で少年の腰を抱く。少年の腰を支える目的で巻き付いていたそれは、段々と下へと移動し、少年の尻を撫でる。
「ぅ……」
少年が小さく声を発するが、女の手は少年の尻を弄るのを止めない。大きさを確かめるように輪郭を辿ったかと思えば、肉の質を確認するように揉み始める。縦横に動かして目いっぱい堪能した後、その手はさらに下へと移動する。
「それとも、他のママたちに可愛がられて、怖い思いしちゃったのかしらぁ?」
ツンツン、と女の指先が突いたのは少年の巨大な陰嚢。ここでどれだけの精子が作られるのか。詳細は不明だが、おそらくは尋常ではない生産性を誇るそこを愛おしそうに指で摘まみ、くりくりと弄ぶ。
「いえ、そんなことはないわよね? だって、あなたは選ばれた雄。この世界を支配する最優の雄、一夏様と私たちの子だもの。母である以前に雄より劣る雌である私は勿論、他のママたちも敵わないものね? パパ譲りのおチンポで返り討ちできるわよね?」
ぎゅうっ、と女の抱く手に力が籠る。
母を名乗る女の乳の圧力を受け、埋もれる少年、千夏。彼はこの状況下に置かれ、股間に熱が集うのを感じた。実の母に対して勃起してしまうのは正しいのか。その判断もできないまま、母の太ももの間に竿をムクムクと伸ばし、表面に血管を浮かばせる。
「あら? 勃起、しちゃったのね? ママのおっぱいで興奮しちゃった? ふふ、いいわよ。私はあなたを産んだ母親だけど、あなたの子を産む母体でもあるの。いつも教えているわよね? 雌は男を劣情させ、孕んで、子を産むことしか能のない下等生物。この私、織斑雅も劣等種なのよ? あなたたちみたいな、優秀な雄には逆立ちしても敵わないの。だからね、滅茶苦茶にしていいのよ? あなたの逞しいおチンポで、おマンコを貫いて、自分が生まれた赤ちゃんのお部屋に、ねっばねば孕ませミルク、どぷっ、どぷっ、て好きなだけ撒き散らしていいの。あなたには、それをする権利があるのよ?」
雄が喜ぶ言葉を連ねられ、千夏の怒張は加速した。
母、織斑雅の太ももの下で、竿を上下に揺らす。尻をガクガクと前後に動かして、既に挿入の準備に入っている。意味不明な状況は続いているというのに、千夏は理解を放置して交尾を優先した。
雄々しい肉棒から供給される欲望は、小さな体を毒のように巡回し、冷静な思考を妨げる。これでいいと結論を勝手にまとめさせ、早く女を味わおうと母の体を両手で突き飛ばす。
「ふふ、私を、ママを犯すのね……。あぁ、一夏様。あなたと私たちの愛の結晶は、すくすく成長しております。どうぞすぐ傍で見守っていてください。私が息子のおチンポに犯されて、孕まされて、新しい主となった息子に平伏する様を……」
ベッドで仰向けになって、両足を開く雅。千夏はエプロンの前掛け部分を掴んで引き上げると、曝け出された雅のマンコに亀頭の先を近づけるのだった。