シャワーで軽く汗を洗い流すつもりが、想定よりも長居してしまった。それもこれも千夏が暴走し、鈴音との交尾を止められなかったのが原因だ。しかし、後悔の念はそれほど大きくはなかった。千夏の幼い脳に、狂おしいほどの幸福と快楽が刻みつけられてしまったから。
母たちによる教育が、着実に千夏を悪い雄へと成長させていた。
「お待たせー」
脱衣所で着替えを済ませ、千夏が椅子に座って扇風機で涼んでいると、髪を乾かし終えた鈴音がやって来た。その格好はタンクトップとショートパンツで、入る前と同じ組み合わせだが、色が違うところから察するに別物のようだ。千夏と同じように、脱衣所にあった別の服に着替えたのだろう。
大人数が使用できる広い脱衣所には、着替え用の衣服や下着が備え付けられていることを千夏は確認していた。女性用の下着を使っていかがわしいことしようと考えていたわけではなく、純粋な興味本位からだった。
簡単に調べたところでは、女性用の着替えは種類が豊富で数も多かった。その一方で、子供向けの服や下着は種類こそ多いものの、枚数は一人か二人分程度だ。もしも千夏以外に大勢の子供が住んでいたとすれば、あれでは足りないだろう。
洗濯をしていてたまたま数が少なかったのか。
それとも、あれで足りる程度の子供しか住んでいないのか。
「なーに考えてるの?」
「わ……」
背後から抱きしめられ、後頭部に胸を押しつけられる。ふにゅんと形を歪めて柔軟さと弾力を伝えてくるそれは、巨乳と呼ぶにはほんの少し大きさが足りないものの、女性らしさを感じるには十分。しなやかでスタイルの良い鈴音にはピッタリだ。
「ママに隠しごとは駄目よ?」
「ぅ、く、くすぐったい……」
顎を指先で撫でられ、千夏は身を縮こまらせて抵抗する。面白がって鈴音が攻め立てる。その攻防は仲の良い普通の親子のやり取りらしく、さっきまで浴室で本気の生ハメ種付けセックスをしていた間柄とは思えない。
「ほらほらぁ。さっさと話しなさいよ」
「な、なんでも、な、ふ、くぅ、ぁ、ははっ……」
鈴音の執拗なくすぐり攻めが続く。もっとも、鈴音は本気で千夏の口を割らせようとは考えていなかったようで、すぐにその動きが止まると、今度は大切なものを守るようにして千夏の体を正面から抱き締めた。
「いっぱい甘えていいんだからね……」
耳元で優しく囁かれ、千夏の目が蕩ける。
抱き締めてくれる母の柔らかい体。優しい声音。そのどれもが千夏には新鮮なことのように感じた。記憶を失っているからそう感じてしまうだけなのだとは思うが、心に染みるような温かさを感じるのは、また別の理由があるように思えた。
「マ、マ……」
「ええ、ママよ」
母を呼び、それに応じた鈴音に背中を撫でられる。
こんな時間がいつまでも続けばいい。
そう思う千夏だったが、ふと横にある鏡が目に入って、無視できない違和感を覚えた。
鏡に映る千夏は、活発的な印象のある茶髪の少年だった。その顔立ちは鈴音によく似ていて、鈴音の遺伝を強く感じさせる。だが、それを認めてしまうと、雅の『私はあなたを産んだ母親』という発言が誤りだということになる。
それに、だ。部屋で雅と過ごしていたとき、千夏の視界に映っていた前髪はもっと色の濃い黒だったはず。そのときはちゃんと鏡を見て自分の容姿を確認したわけではなかったため、断定はできないが。
一度気が付いてしまうと、状況の奇妙さから思考を切り離せなかった。
「さ、そろそろ居間に行きましょう? 朝食とらないとね」
立ち上がった鈴音に手を引かれ、千夏は後ろ髪を引かれる思いで脱衣所を後にした。
これから向かう先には他の母たちもいるのだろう。その前にトイレに行くなどして一人で考える時間を捻出しようかとも思ったが、下手に考えるよりも直接状況を目の当たりにしたほうが早いと思い始めた。
廊下を進んでいると、複数人の話し声が聞こえてきた。
そこに他の母たちと、父親である一夏という男がいるのだろうか。
記憶がない状態での邂逅に対する不安と、親に出会えるという期待感。それらを胸に秘めたまま、千夏は鈴音が開いた扉から居間へと足を踏み入れた。
「千夏か。おはよう」
「あら? おはよう、千夏。遅かったですわね」
「千夏、待ってたよ」
「寝坊か? 私が起こしにいけば良かったな」
「おはよう……千夏……」
「なんだか少し驚いた顔をしているわね。まだ寝惚けているのかしら?」
美女、美女、美女。どこを見ても視覚の暴力。居間にはタイプの違う六人の美女がいた。鈴音と同様にいずれも目を惹く外見をしていて、窓から日差しを取り入れた部屋が彼女たちの存在によってより一層明るく、華やかに見える。
全員がこれほど整った容姿をしていることがあるのだろうか。世界中から厳選された美女を一部屋に集めました、と言われても信じられてしまうくらいに綺麗で、千夏のズボンの中で肉棒が静かに震え始めていた。
その上、鈴音ほどではないが殆どの者が薄着だ。室内は空調が行き届いていてあまり実感は湧かないが、季節としては夏なのだろう。頼りない布地から覗く若々しい肌が魅力的で、千夏は湧き出る唾を何度も飲み下す。
犯したい。
危うい欲望が顔を覗かせたとき、美女たちが立ち尽くす千夏に近づいてきた。
「ちーなーつー!」
最初に詰め寄ってきた外国人の美女。輝くような金色のロングヘアと、儚く、庇護欲を駆り立てる容姿。しかし彼女の表情を彩る笑顔は明るく、その行動は鈴音のように大胆だ。鈴音の手から奪い取るように千夏を掻き抱き、胸の谷間に迎え入れる。
「むっ!?」
着衣越しと言えど、深い谷間は千夏の顔を埋める。ぐいっ、ぐいっと後頭部を押されるたびに顔中に豊満な胸が襲いかかる。軽く呼吸をするだけで肺を甘ったるい香りが満たし、どうにかなってしまいそうだ。
「シャルロットさん、独占は禁止ですわよ?」
「そうだぞ。千夏は皆の子供だからな」
「あ、ちょっと!」
シャルロットと呼ばれた金髪美女から助けようと、千夏を抱き寄せる二人の美女。
片方はシャルロットと同じ金髪のロングヘアだが、その色は淡く、ウェーブが掛けられている。所作の一つ一つが美しく、上品な空気感が漂う。聖母を思わせる穏やかな微笑と、巨乳なシャルロットをも上回る乳房が千夏の左耳をむっちりと覆う。
もう片方は、艶やかな黒髪が目を惹く日本人女性。目鼻立ちが整った涼しげな風貌。近くで見れば、その面立ちには雅との共通点が幾つか見受けられた。血縁者なのだろうか。切れ長な目を細め、慈愛に満ちた表情で千夏に大質量の胸を宛がう。
左右から迫った乳の壁が千夏の両耳をむにゅりと塞ぎ、頭を挟み込む。
その柔らかさは男を駄目にする。そんなキャッチフレーズが似合いそうな双璧に挟まれ、千夏は身動きが取れない。下手に動けば胸で顔を揉みくちゃにされ、肉棒が完全に目を覚ましてしまうだろう。
だからといって、このままじっとしていても悪化する一歩を辿るのは避けられないが。
「セシリアと箒も人のことを言えないが、気持ちはわかる」
そこへ、新たに一人が加わる。
銀に煌めく髪を揺らし、千夏の背中に寄り添う美女。左は金色で、右は赤色という左右で色の違う瞳を有している。見ているだけでゾッとするような冷たい美貌は微かに緩んでいて、愛おしそうに千夏を抱く。千夏の後頭部に触れ合う胸もまた、男にとって理想的な膨らみを描いている。
「千夏は、共有財産……だから……」
「ママも混ぜなさい!」
背後と左右を囲まれた千夏の前方を塞ぐ、おそらくは姉妹である似た容貌の美女。髪色も瞳の色も同じ。しかし、雰囲気は真逆だ。物静かで髪が長く、眼鏡を掛けた方を月と表現するならば、表情豊かでショートヘアの美女は太陽。
どちらも当然のように美しく、胸の主張も激しいという我が儘っぷりだった。
五人の巨乳がせめぎ合う空間。
「なんで僕だけ除け者に!? ずるいよ、皆! ラウラ、ちょっとごめんね」
「む、狭いぞ、シャルロット」
いや、シャルロットがラウラの横に無理矢理参入することで、背中、左右、前方に巨乳が二人ずつ。計六人が押し寄せ、形作られる女体の檻。ここに囚われれば、どんな男であろうと一時的に自由を失う。
「ぅ、ぷぅっ!? むぅっ! っぐむ!?」
全方位から押しつけられる乳の圧力。高すぎる人口密度の中で、千夏は女体の抱き心地の良さと、熱量と、甘い香りをこれでもかと味わっていく。いくら母を立て続けに二人頂いた千夏であろうと、これにはたじたじだった。
「あーあ、暴走してるわね、皆」
呆れたように笑う鈴音の声が聞こえてくる。見ていないで助けてほしいと思う一方で、やっぱりこのままで良いと思う自分がいる。千夏はそれを自覚しながら、おしくらまんじゅうの乳圧でぎゅうぎゅう詰め状態を体験し、チンポを順調に勃起させていった。
結局は、こうなってしまうのか。
諦めたように千夏はだらんと手足を弛緩させ、母たちの胸の中で恍惚に震える。
ビクンッ、ビクンッと肉棒が跳ねる。思い切り息を吸って密着する乳房から母たちの雌の匂いを吸い込むと、金玉が精子の生産速度を上げた。この先に待つ悦楽を期待しているかのように、窮屈なズボンの内側で竿が臨戦態勢を整える。
「あらあら、皆朝から元気いっぱいね」
雅の声が聞こえてきた。部屋に入ってきて、この状況を微笑ましそうに見守っている。
雅の言う通り、この場に集まった女たちは飢えていた。
六人分の乳房に全方位を囲まれた小さな男の子。まだ少女のような愛らしさを持ちながらも、その股間には世界の覇者に相応しい雄の器官を携えている。そんなギャップが余計に女心をくすぐるのか、彼女たちは笑っていた。
爽やかな朝に似合わない、発情しきった雌の笑顔。
母が息子に見せてはいけない蕩け顔。
それを見せられて、既に雅と鈴音の体を使って性教育の実技を受けた千夏が我慢できるはずもない。
「千夏。朝食前に軽く性教育の勉強だ。さあ、どのママに教えてほしい? 二人選べ」
箒と呼ばれていた黒髪美女に言われ、千夏は悩む。
朝食前までという時間的な問題故か、二人しか選べない状況。いろいろな組み合わせが考えられてしまい、どれが良いかなど判断ができない。いずれも品質が良すぎる雌のせいでどの組み合わせも最高だと感じた。
こうなれば直感で決めるしかなく、千夏は二人の母たちに目を向けた。
千夏が選んだのは、一番落ち着く匂いのする母と、香水の癒される匂いを纏った母だった。