もう何回出しただろうか。一夏は思いながら、真夜中にベッドの上で繋がっているセシリアの膣内に射精をした。四つん這いになって尻だけを突き上げるセシリアの長い金髪を引っ張り、膣奥に押し込んだ肉棒から欲望の塊を撒き散らす。
「ぅっ、おっ……はははっ!」
一夏は涎を口の端から垂らし、狂ったような笑みを浮かべて射精を楽しむ。
本当に気持ちがいい。相手のことを一切考えない種付けセックス。普通に生きていれば現実では味わうことはできないだろう。一夏は自分が置かれた境遇に感謝し、孕ませ奴隷であるセシリアの尻へと、感謝の平手打ちを放った。
「あ、ひっ……」
だらしのない顔を枕に埋めるセシリアが小さな声を漏らして震える。しかし、もはや尻を突き上げていることが精いっぱいな様子でそれ以上の反応を示すことはない。セシリアと繋がってから今に至るまで一夏はセシリアを使い続けたのだ。
一夏は試しに膣内から肉棒を取り出してみた。すると、膣内からはすぐにごぷっと精液が逆流してきた。濃度と量のどちらも一級品の日本産精液がイギリス淑女の膣内から次々と溢れてくる。この様子では、一夏の日本人の遺伝子はセシリアの中で根を張っているかもしれない。
肉棒をセシリアの尻に擦りつけ、精液を拭い取る。
そうしながら次は何をしようかと考えていると、一夏の体に変化が起きた。
「……ぁ」
股間のLv.100チンポを起点として正体不明の何かが生じた。それは徐々に一夏の全身を侵し、あっという間に全身を覆った。一夏が不安がる中で、その何かは一夏の精神を鎮静化させた。昂っていた欲望を鎮め、狂っていた人格を元へと戻す。
『Lv.100チンポの特性『リフレッシュ』。その身に生じたバッドステータスを解消する効果がある。自身にとって不利なバッドステータスであればあるほど発動時間は速まる。今回受けたのは洗脳で、肉体的危機に至る状況でもなかったから、発動はかなり遅くなったみたい。洗脳セックスは楽しめた?』
聞き覚えのある少女の声を耳にして、一夏はやがて絶望を覚えた。
正気を取り戻した一夏が目にしたのは、精液塗れになった金髪美少女の姿。着ていたネグリジェはズタズタに引き裂かれていて、白い肌にはキスマークが大量に残っている。そして、膣口から延々と溢れ出てくる白濁の粘液。
まんまと洗脳に掛かった自分が、セシリアを犯したのだと一夏は理解した。操られていても行為中の記憶は鮮明に覚えている。セシリアの体の魅力は脳内にしっかりと刻みつけられ、もう忘れることはできないだろう。一夏の自慰ネタにセシリアの項目が増えた。あとから、ゲームの回想のように思い出すことが可能だった。
「俺は、何てことを……」
千冬と箒以外に被害を出さないように努めていたというのに、呆気なく失敗に終わった。その失敗の原因となったのが箒だ。箒が使ったであろう、特殊な力のせいだった。
確か、箒は『精神掌握』と言っていただろうか。操られている時の記憶から、一夏は箒に与えられてしまった力の名称を把握する。効果はその名前の通りなのだとしたら、洗脳することも他人の精神状態を調べることも可能なのだろうか。
一夏はベッドの端に座り込み、片手で頭を覆う。
「俺のせいだ……」
一夏が最初に暴走した時、犯してしまったのが箒だった。あの時に力が譲渡されたのだろう。精神掌握の力を得た箒はその力の本質を理解し、一夏のためにと思って一夏やセシリアに洗脳を施した。
その結果がこれだ。二人きりで濃密な種付け。取り返しはもうつかないだろう。
「ごめん、オルコットさん!」
一夏は、ベッドに倒れ伏して放心状態のセシリアに謝罪した。謝って、せめてもの償いとして今はセシリアの体についた汚れを拭うことにした。部屋にあったウエットティッシュを手に取って、精液を取り除く。勿論、膣内の精液も対象だ。
「……ごめん」
膣内に中指を押し込み、自身が出した精液を掻き出す。凄まじい量だ。一人の女性にこれだけの子種を注いだことに一夏は自分で驚愕し、子どもを身ごもったセシリアの姿を一瞬だけ想像した。セシリアの美しい体に宿る、一夏の子ども。一夏は息を呑み、しかしすぐに邪な感情を振り払った。
セシリアの体をある程度綺麗にし終えた一夏は、汚れていないシーツをセシリアの体に掛けた。この行為は気休めだと理解してはいるが謝罪をせずにはいられず、一夏はまた頭を下げてから着替えを始めた。
セシリアには悪いが、今は優先して対応しなくてはならないことがある。一夏は寝間着用の半ズボンとTシャツを着ると、部屋を出た。
向かう先は、箒の下だ。人の身に過ぎた力を得た箒が部屋を出てからもう数時間も経っている。悪い予感がした。一夏に対して狂った忠誠を誓う箒が力を使うことを躊躇うはずがない。
まずい。一夏は足を速め、生徒が寝静まった寮内をひた走った。
非常口への誘導用の標識が緑色に光る暗い廊下を進み、時折足を止めて音を探る。大きな音が聞こえればそこで何かが起こっているのだとわかるのだが、生憎音は聞こえなかった。ここにはいないか、それとも静かに事を成しているのか。
箒がどこにいるのかはわからなかった。だが、何もせずにじっとしていることもできない。一夏は手当たり次第に箒を探そうと、階段へと足を運んだ。
と、その時、曲がり角から現れた一人の女性とばったり鉢合わせた。
「うわっ。ち、千冬姉!」
「……織斑。こんな時間に何をしている」
千冬だった。ジャージに身を包み、手に持った懐中電灯で周囲を照らしている。
「どうして、千冬姉がここに……?」
「見回りだ。私は一年の寮監だからな。これが終わったら寝るつもりだったが……」
千冬は一夏の慌てた様子を見て、何かがあったのだと悟ったのだろう。
「今度は何があった」
真剣な様子で尋ねてきた千冬に対して、一夏は一瞬戸惑った。やはり、姉に自分が経験した恥ずべき行為を話すのには抵抗があった。だが、もはや今更だとも思い、一夏は事の顛末を全て話したのだ。
神と名乗る少女によって、自身に『Lv.100チンポ』とその他に二つの力が与えられたこと。それが暴走し、箒を犯し、千冬と交わってしまったこと。そしてその際に箒へと力の一つ『精神掌握』が渡ってしまい、力を使った箒に洗脳され、セシリアの体を汚してしまったこと。力を使った箒は行方を眩ませ、それを今追っていること。
全てを聞き終えた千冬は、「なるほどな」と言ってからため息を吐いた。
「嘘ではないのはわかった。だが、それが全て真実だと思うと、頭が痛い……」
「えっと、千冬姉……?」
「悪い。独り言だ。……それよりも、今は篠ノ之を止めるぞ」
「あ、あぁ。でも、どこにいるのかわからないんだ……」
「安心しろ。私に手がある」
千冬はそう言って周囲の廊下を見回した。当然、周りには箒はいない。一夏は意識を集中させて周囲を警戒する千冬を見て、首を傾げた。今まで見たことがないような挙動だ。音を探るわけでもなく、まるで別の何かに頼って箒を探しているかのようだった。
もしかしなくとも、一夏のもう一つの力が渡ったのは、千冬なのだろうか。だが、今までの経緯を話したときに千冬は何も言わなかった。一夏の味方である千冬が力を得ていれば、そのタイミングで打ち明けてくれるはずだった。
それならば、いったい誰に残りの力が渡ったというのだろうか。
「千冬姉」
素直に聞いてみようと考え、一夏は千冬に声を掛けた。
だが、「静かに」と告げた千冬によって一夏の口は手の平で覆われた。
そして、沈黙状態にさせられたまま数秒が経過。
「篠ノ之の気配がする」
「えっ……? ど、どこに……」
千冬の手を口から離し、一夏は周りを見渡した。しかし、誰もいない。
「向こうだ。ついてこい」
そう言って歩き出す千冬。その足取りに迷いはなく、決して適当なことを言っているのではないとわかった。千冬はいつだって真面目で、意味のない嘘をつくような人間ではない。それを知っているからこそ、一夏は安心して後を追うことができた。
だけど、やはり今の千冬に一夏は思うところもあった。
物音が聞こえるわけでもなく、目に見えない場所にいる人の気配など探れるわけがない。確かに身体能力が常人のそれよりもずば抜けている千冬だが、それを成すことができるのは人の枠組みを超えた者だけだろう。
千冬には力が宿っている。それなら、何故一夏にそのことを伝えないのか。
この時、一夏は千冬を疑わなかった。きっと何か事情があるのだろう。箒と同じように一夏の餌食に遭った千冬は、被害を受ける前と変わらない様子だ。Lv.100チンポであろうと、千冬の精神を犯しきれなかったのだ。今も千冬が一夏のためを思って行動してくれることに間違いはない。
千冬は本当の意味で、一夏が現状頼ることのできる頼もしい味方だった。
千冬という存在に勇気を与えられ、一夏は少しだけ前向きな思考を手に入れられた。
一夏は千冬の後に続いて廊下を進み、階段を降りて学生寮を出る。まさか寮を出るとは一夏も思ってもいなかった。人がいる場所に箒がいると思っていたからだ。しかし、千冬の足は人のいる学生寮や教職員寮から離れていく。
並木道を横断するように抜け、ひたすら真っ直ぐ向かう。
この先には海が広がっている。真夜中のこんな場所に人などいないはずだ。
一夏のその想いとは裏腹に、白い制服を着た少女の後ろ姿が映った。綺麗な黒髪。ポニーテールに結んだ長い髪が風に揺れる。遠い夜空に浮かぶ月を見上げ、海へと続く道を隔てた柵を前にして佇んでいる。
「篠ノ之」
一夏が声を掛ける間もなく、千冬がその少女、箒に向かって話しかけた。
後ろを振り向く箒。驚いた様子もなく、柵に手を置いて穏やかな笑みを二人に向けた。
「こんな時間に無断で外へ出るな」
「すみません。織斑先生」
「今回は処分を下さないが、次は罰を受けてもらうぞ」
「はい。すみませんでした」
箒は頭を下げた後、顔を上げる。箒は楽しげだった。いったいここで何をしていたのか。ただ、海を見ていただけとは到底思えない。箒の思惑を図りかねた一夏だったが、今は他に聞くべきことがある。一夏は箒に歩み寄り、箒の両肩を掴んだ。
「箒。聞きたいことがある」
「あぁ。何でも聞いてくれ、一夏。私で答えられることなら何でも答えよう」
一夏を正面にしても箒の態度は変わらない。自分が行った何かを期待し、笑みを零しているようにも見える。考えすぎだろうか。一夏は変わってしまった箒を見て、不安な気持ちで胸がいっぱいだった。
「箒には今、力が宿っている。それは『精神掌握』っていう力だ。それに間違いは?」
「一夏の言うとおりだ。私には、一夏から貰った力がある。とても素晴らしい力だ。人の心を操ることも、やろうと思えば把握することもできる。今の一夏は、とても心がざわついているな。欲望は、落ち着いているようだ」
信じたくはなかった。それでも、箒の口から告げられては信じざるを得なかった。
「ごめん、箒。それは全部、俺のせいだ……」
一夏は、千冬にしたように箒にも事の経緯について説明した。信じてもらえないかと知れないが、箒にも伝えておかなくてはならない。一夏の暴走によって被害を最も受けたのは箒なのだから。
「本当に、ごめん……」
「謝るな、一夏。この力を得ることができて、私は後悔していない。この力があれば、理想郷を作れるだろう。一夏以外の人間がお前に従う理想だ。見目麗しい女は皆、お前の遺伝子を後世に残し続けるための母胎となるんだ」
箒は言いながら一夏の頬に手を伸ばし、撫でる。
「一夏、待っていてくれ。お前は自分の欲望に従ってくれていればいい。母胎も金銭も居場所も全部私が用意する。お前のために、世界中の人間をぜーんぶ操ってやるからな。ふふっ、あははっ! とても、とても楽しいなっ! あははははははっ!」
一夏を見つめる箒の瞳は昏く、ぞっとする冷たさを秘めていた。その瞳のまま笑う箒は狂気に満ちていた。
それでも、一夏は箒から目を背けることはしない。肩に置いた手を離すことはしない。
「違う。それは、俺の理想じゃない」
「そうだな。優しい一夏はそう言うよな。それじゃあ、想像してみてくれ。お前好みの女達が皆、胎でお前の子を孕んだ姿を。皆、腹を痛め、栄養を分け与えてお前の子を育てるんだ。全ては、お前を悦ばせるために。お前は女に子どもを産ませ、また乱暴に種を植え付けてやるんだ。女の体が壊れれば、捨ててもいいだろう。女はいくらでも補充が可能だ」
箒に言われるがまま一夏は想像してしまった。そして、その想像を実現したいと思う心の暗い部分も確かに存在する。
「今、想像して悦んだな。そうだ。一夏は心の奥底ではそうした理想を求めている」
「違う」
「一夏はそういう人間だ。それでいいんだ」
「違うっ……!」
一夏は堪らず息を荒らげ、箒に反論する。自分がそこまで下衆な人間ではないと思いたかった。欲望に支配されている時はともかく、理性に準じて生きている時にその考えを肯定するような人間にはなりたくなかった。
「箒、もう力を使わないでくれ……! 俺にはそんな理想は必要ない」
「駄目だ」
「なんでだよっ……!?」
箒の肩を掴む一夏の手に力が入る。その痛みすらも箒にとっては快感のようで、妖しい色香が表情に広がる。それは一夏の欲望を呼び覚ますきっかけとなりそうで、一夏は箒の肩から手を離し、慌てて後ろに後退した。
一夏から自由になった箒は、後ろへと下がった。
「この冷たい世界の中で、小学生時代にお前と過ごした記憶はいつも温かかった。その温もりに縋って、私はこの六年間生きてきた。そして、IS学園に入学して、一夏と交わって改めて思い知ったんだ。一夏の素晴らしさを。お前はきっと、この冷たい世界すらも温かく包み込んでくれる。私はそう信じているから、この世界に住む有象無象を支配してお前色に染め上げようと思った。これは世界のためでもある。一夏のためにもなると、今も思っている。だから」
一歩、また一歩と後退し、箒は柵の前で止まる。
「一夏。私を止めたければ、死ねと命令してくれ。私は喜んで、海の藻屑と成り果てよう」
「な、んで、そうなるんだよ……」
「私は止まる気はない。仮に私が生きたまま軟禁されたとしても、力を遠隔で使い続けるだろう。だから、私を止めたければ私の命を絶て。そうしなければ、大勢の人間が犠牲となる。さぁ、どうする? 私の命も、一夏の自由だ」
できるわけがない。箒も被害者なのだ。だが、やらなければ数多くの者が犠牲になる。小を切り捨て、大を救うか。小を救うために大を犠牲にするか。一夏はどちらを優先すべきか、悩みに悩んだ。
どうすればいい。一夏はすぐには結論をつけられず、答えあぐねた。
「一夏」
そのとき、横で静観していた千冬から声が掛かる。
「千冬姉……」
「無理をするな」
「でも……」
そう言って俯く一夏の肩に触れてから、千冬は箒へと顔を向けた。いったい何をしようというのだろうか。一夏は顔を上げ、二人のやり取りを見つめることしかできなかった。
「箒。一つ確認してもいいか?」
「どうぞ」
千冬からの問いに、箒は余裕の表情で頷き返した。
「お前は、一夏の意志を完全に無視してまで理想とやらを実現させるつもりか?」
しかし、箒の表情は困惑へと変わった。
「いえ……。私にとっての理想は、一夏が自分の意志で世界を統治することです。ただ操られているだけの一夏では、完全な理想にはなりません。一夏にはゆっくりと時間をかけて堕ちてもらい、自身がこの世界の支配者に足る人間だと自覚してもらいます。そのためなら、何千、何万という人間を犠牲にすることも厭わないつもりです」
「そうか。ならば、提案がある」
「提案、ですか?」
「あぁ。一夏と箒。お前達で勝負をしろ」
「勝負? 千冬姉、何を言って……」
「勝負に使用する場所はIS学園の敷地内。この範囲であれば、各自が持つ力を自由に使って構わない。箒の勝利条件は、一夏を完全に堕とすこと。一夏の勝利条件は、Lv.100チンポの制御に成功すること。負けた方は、勝った方の言い分に積極的に従うこと。いいな?」
「千冬姉! それじゃあ、皆が犠牲になる!」
一夏が千冬に食って掛かる。IS学園の教師であるはずの千冬が、IS学園にいる者達を切り捨てたかのような発言をしたのだ。迷っていた一夏と違い、結論を出した千冬だが、その結論に納得ができない一夏だった。
一夏からの反論に、千冬は真剣な顔で一夏の顔を見据えた。
「今の箒が力を手にしてしまった以上、遅かれ早かれIS学園は箒の支配下に置かれる。もはや、他の者達を助けることはできないだろう。心苦しいのはわかる。だが、過程を考慮に入れていけるほど、お前達が得た力は生易しいものではない。今はよりよい結果だけを見据えて行動しろ。一夏。お前が勝負に勝って、箒に支配された者を救え」
一夏は言葉も出なかった。それしか方法がないのだと理解してしまったからだ。
一夏の沈黙を見て反論はないと判断した様子の千冬が、続けて箒へと問いかけた。
「箒はどうだ。この勝負、引き受けるか? それともくだらない提案だと断って、今すぐ全てを支配するか? お前には必ずしも提案に乗らなければならない理由などないだろう。一夏を拘束して快楽を味わわせ続けたほうが効率がいいだろうからな」
「いえ、受けて立ちますよ。こんな私でも、有象無象を操るのには後ろめたい気持ちもあります。勝負として力を使うことを許してもらえるのはありがたい。正々堂々と、力を使って一夏を手籠めにしてみせます」
箒の答えに、千冬は納得したように頷いた。
「よし。それでは決まりだ。勝負は明日の朝から。IS学園の敷地内でならば自由に力を使ってもいい。ただし、人命を脅かす行為は絶対に避けろ。以上だ」
一方は力を否定し、もう一方は力を肯定している。力に翻弄された若き二人の性戦が、ここIS学園で始まろうとしていた。