一夜を姉と過ごし、存分に可愛がられた一夏。千冬の部屋を出て扉を背にした直後、どっと精神的な疲れが押し寄せてきた。その場で座り込みたい衝動に駆られたが、さすがにそんなことをするほど余裕がないわけではない。心はともかく、体は非常に活力に満ち溢れている。
あれだけ出したのに。
千冬の膣内にたっぷりと注ぎ入れ、溢れ出た精液が一夏の股間を濡らす様を思い出す。その上で千冬が楽しそうに腰を振る光景は今も鮮烈に脳に刻まれている。回想しながらの自慰が捗る程度には魅惑的な場面だった。
悪い考えを振り払うように頭を振り、一夏は足を前へと動かした。
教職員寮を出て、すぐ近くにある学生寮に入る。今は早朝に近く、寮内を歩いている人影はなかった。その隙に、と一夏は素早い足取りで自室へと向かった。
箒による宣戦布告後、初めて迎えた朝。何が起こるのか、一夏は具体的なことを想像できなかった。ただ、何か良からぬことが起こるだろうと思っていた。その対象はおそらく、学園の敷地内にいる全ての人間に及ぶはず。
誰かと出会った瞬間に襲われるかもしれない。
「戻る前にトイレ……」
最悪を想定して行動した一夏だったが、生理現象には敵わない。部屋へと向かっていた進路を修正し、寮の端へと向かう。そこには寮内で唯一の男子トイレがある。元々女子トイレだった場所を学園側が一夏のためにと男子トイレに変えてくれた場所だ。変えたと言っても、トイレ前の壁に取り付けられているプレートの絵柄を男性マークに変えただけだ。中には小便器はなく、洗面台と個室トイレがズラリと並んでいる。
トイレに入って個室に入り、用を足す。もしかすると学校内で唯一落ち着ける場所かもしれない。いざという時があればここに逃げ込めばいい。今までの人生で見てきたトイレの中で一番清潔感を保てているということもあり、一夏は安堵した。
誰にも邪魔されず自由な時間。
しかしそれは、用を済ませて洗面台へと向かい、手を洗っている途中で崩壊した。
「あ、織斑君だ!」
扉が開き、女子生徒が入ってきた。
え? と一夏は鏡に映る侵入者の姿を見つめ、手を止めた。
ショートヘアの活発そうな少女。ショートパンツとシャツという飾らない部屋着姿だ。見覚えがあった。確か、同じクラスだったはずだ。
「な、なんでっ」
濡れた手を拭いている余裕もなく、一夏は後ろを振り向いて声を上げる。その矛先となった少女はというと、何故か不思議そうな顔をしていた。トイレに入って一夏の下へと近づく。
その少女の表情に楽しげな色が滲み始めたときには、一夏は洗面台の隅へと追いやられていた。異性の距離感というものを知らないのか、少女が一夏に対して過剰に接近してきたため、一夏は後ずさるしかなかった。
「おはよう、織斑君」
「え、あ、おはよう、えっと」
平然と挨拶され、一夏はしどろもどろになりながらも声を返す。そんな一夏を見て何を思ったのか、少女は自身の顔を指差した。
「あ、私のことわからない? 同じクラスの
気さくな性格。こういう場面でなければありがたかっただろう。
「相川さん……」
今まさに困った状況に陥っている一夏は、その原因である清香に尋ねることにした。
「どうして、男子トイレに……?」
「え?」
言われてもなお、清香に自覚意識はないようだった。寝ぼけているのか。それか、ここが男子トイレとなっていることを認識していないのか。どちらかであってくれればという一夏の望みは叶られることはなかった。
「どうしてって、織斑君知らないの?」
「何を……?」
「今日から、トイレも大浴場も、更衣室も男女共用になったんだよ?」
一夏は濡れていることも気にせず、手で顔を覆った。
聖域は失われた。おまけに更衣室まで。浴場は元々女子しか使えず、一夏も使えるようにしてくれると副担任である山田真耶が言っていたが、こういうことではないだろう。一夏が専用で使用できる時間を設けてくれるはずだった。
「やられた……」
小さく呟く一夏の脳裏には、楽しそうに笑う箒の姿があった。見惚れてしまうような綺麗な笑顔のはずなのに、今はそれが恐ろしい。改めてこの状況の不味さを考え、一夏は血が冷たくなるような感覚を覚えた。
「おーい、織斑君?」
清香が思考に没頭する一夏の眼前で手を振る。しかし、追い詰められた一夏は目の前の変化に対して鈍感であり、清香に応答もできない。
それを好機と見なしたのか、清香がにやっと口の端を上げた。
「えいっ」
伸ばされた清香の右手が一夏の股間を掴む。寝間着用の半ズボンの上から柔らかい場所をがっしりと。衣服越しの肉棒マッサージを始め、「おっきいね……」と赤らめた顔で自分よりも背の高い一夏を見上げている。
「は……?」
一夏は遅れて反応する。
名前も覚えていなかった同級生に、トイレでチンポマッサージ。もたれかかるように身を寄せられ、退路を塞がれている。「よしよし……」と子をあやす母のような慈しみで接しながら、雄を前にして発情する雌の匂いを放っている。
「これから織斑君にはお世話になるから、私もしっかりお世話してあげるね?」
熱い息を吐き、一夏の息子を手で揉み解していく清香。硬く、本来の大きさを取り戻しつつある肉棒とは別に、一夏の心中も極度の緊張状態に入っていた。
どうしていきなり。一夏の体から放たれる、雌を惑わすフェロモン。それは定期的に暴走する可能性も孕みつつも、抑えることに成功していたはずだ。気がつかないうちに漏れていたのか。いや、それはない。既に制御方法を心得ている一夏には、今もまだフェロモンが制御下にあることがわかっていた。
フェロモン以外の何かが原因だ。となれば、原因は明らかだった。
「トイレもだけど、織斑君のおチンポもこれから共有だからね。勿論、篠ノ之さんみたいに選ばれた優秀な母胎が優先されるけど、私みたいに織斑君と接点がない子でも織斑君を癒してあげられるようになったんだよ」
清香が肉棒を手で覆い、むにゅむにゅっと何度も掌握してくる。
「頑張った子、織斑君に気に入られた子は、なんと、織斑君専用の母胎として生きる権利が与えられるんだ。織斑君に使われて、種付けされて、子を産み続ける生活。考えるだけで、すごく幸せだよね」
ニマニマと笑いながら、清香は肉棒を弄る手を止めない。
一夏は逃れられなかった。やろうと思えば力任せにこの場から離れることはできるはずだ。それなのに、一度接触され、甘い言葉を囁かれてヤル気になった肉棒が去ることを許してくれない。下着の内側で、どくんっ、どくんっと期待に震えている。
「織斑君の子作り専用機になれるように、私頑張るからね?」
清香の右手が股間から一度離れ、一夏のズボンに指を引っ掛ける。ぺろりと唇を舌で舐める清香の仕草に魅了され、体内から熱が湧き上がる。駄目だ、と思っても熱の放出は止まらず、欲望に侵食されていく。
その間に、清香はズボンに掛けた指に力を入れ、引きずり降ろし始めた。
ズボンが膝まで下げられ、勝手に足元へ落下した。中に履いていた下着が現れ、大きくテントを張っている様も見られてしまった。動揺、畏怖、興奮。瞠目した清香の表情に様々な感情が走るのを確認した直後、清香の体から膝から崩れて落ちた。
「あぁ……」
抑えきれない感情を声にして、清香は下着越しの肉棒に注視する。
「これが、織斑君の……」
誘われるように再び清香の両手が下着へと移動を始め、勿体ぶることもせず下ろす。
ブルンッと跳ねるように現れたフル勃起中の肉棒にとって、眼前で膝を屈した雌一匹を魅了し尽くすには十分のようだった。トロン、と清香の目がどこか虚ろになる。正気を失い、肉棒しか見えていないといった様子で一点を捉えている。
一夏は目の前で呆気なくメス堕ちした同級生に対し、何もできなかった。
「うっ……」
「うーん、あぁ、素敵ぃ、こんなすごいものがあるなんてぇ……」
清香が顔を近づけ、肉棒に頬擦りをする。温かい息を掛け、雄を湛える言葉を紡ぎ、尿道から溢れた我慢汁を恵みの雨であるかのように顔で受ける。その度に清香の表情が蕩け、幸福の感情が滲み出ていた。
「織斑君、お願い、なんでもする、何してもいいから……舐めさせて?」
雌の必死の懇願に、一夏ではなく、肉棒が首肯するように震えた。
「ありがとう、それじゃあ、いただきまーす」
ご馳走を頬張るかのように口を開き、清香が肉棒にしゃぶりついた。まだ何も言っていない、という一夏の主張は言葉にならず、唐突に始まったフェラチオにただ身を任せることしかできなかった。
「あむっ」
亀頭を咥えられた。両手で肉竿を握っている。
「くぷぷっ」
と、喉奥へ肉棒が誘導されていく。美味しいと心の底から思っているのだろう。陶酔した様子で口腔に肉棒を誘い、唾液に濡れた舌と粘膜で歓迎する。
だが、全てを呑み込むことはできないようだった。口内で咥えられずに余った肉竿を両手でゴシゴシと扱きながら頭を前後に揺らす。
「ぢゅぷっ、ぐぷっ、ぢゅぽぉ、ぐぷっ、ぬぷんっ、ぢゅぼぼぉっ、ぐぷっ!」
頭を動かし、髪を揺する。シャンプーの香りを一夏に届けながら、唾液でとろとろの口マンコで一夏をもてなす。粘膜が纏わりつき、舌がカリ首の溝を擦る。特に裏筋に刺激を咥えられ、一夏は眉を歪めた。
気持ちいい。熱々で蕩けるような口に吸いつかれ、肉棒を自分の意思で取り出せない。一夏は必死に無駄な抵抗を続け、欲望に勝てずに辛苦の声を震わせながら、清香の頭に両手を乗せた。
「ぶぢゅっ、ぢゅぷぅっ、ぐぷっ、ぢゅぼぉっ、ぐぷっ、んぷっ、ぢゅるるるっ!」
立て続けに襲う奉仕。それを一夏の体が受け入れ、勝手に興奮を高めていく。
もう、駄目か。やはり制御が利かず、ここまで来たら一発出すしかない。
「ぢゅぽっ、ぐぢゅっ、ぢゅぞぞぞっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅぼぉっ!」
ごめん。一夏は清香へと謝罪し、膨らみだした興奮の抑制を諦めた。
無駄に抑圧されていたことで興奮がより一層高まった。ちょうどそのとき、清香の右手が一夏の陰嚢へと移動し、ボールを握るように弄り始めたのがきっかけとなった。予想していなかった箇所への奉仕に不意を突かれ、肉棒が震える。
底から立ち昇る欲望。その気配を察知し、一夏が呻いた瞬間、放出が始まった。
びゅるるるっ、ぶびゅるるーっ、どびゅーっ、どぶっ、どくんっ、ぶびゅるっ!
「んんんっー!?」
瞬間、清香の頬が膨らむ。精液が口内に広がり、清香は慌てて喉を鳴らす。突然の襲撃に目を白黒させ、一夏の遺伝子を取り込む。息苦しさのせいで目尻に涙を浮かべ、それでも精液をこぼすまいと懸命な雌の様子に、一夏の心臓が跳ねた。
こんなに一生懸命になって自分を受け止めてくれる。
心が満たされる感覚を抱く一方で、それ以上の恐怖を覚えた。無関係な少女を容易く支配し、従順な雌の思考に変えてしまった箒。絶大な力もさることながら、力を振るう躊躇のなさが恐ろしい。
清香のような状態の生徒が山ほどいる。一人に襲われただけでこれなのに、大勢に求められたときにはいったいどうなってしまうのか。今にも扉が開き、女子生徒が押し寄せてこないだろうかという不安を覚える。
主人が悩む中、肉棒は元気だった。清香という無垢な少女に精液を飲ませ、清香を内側から犯している。もう清香は手遅れだろう。一夏の精液を味わわされ、胃で消化を余儀なくされる。
そんなことをして、堕ちない雌はいない。
「あはぁっ……」
注がれた精液を一滴吸い尽くした清香は、肉竿を扱いて残り汁を口で受け止める。一夏の陰毛が口に入っても構わず、むしろ嬉々としてそれすらも飲み下した。
一滴たりとも零してはいけない。そんな使命感に駆られる清香の手から肉棒の主導権を、射精後に冷静になった一夏が取り返した。「あ……」と言う清香を置いて、一夏はズボンと下着を慌てて上げながら転がるような勢いでトイレを出た。
「織斑君だー」
「もしかしてトイレから出てきたの?」
「えー、織斑君と一緒にトイレに入りたかったぁ」
「タイミング悪かったね」
擦れ違う数人の女子生徒。あと一分ほど脱出が遅れていたら、数人に囲まれ、誘惑されていた。そんな状態になったとき、果たして自分は今みたいにどうにか逃げることはできたのだろうか。
これは、思った以上の地獄だ。
戦いの狼煙が上がって間もなく、一夏は早速音を上げそうになった。