タイトルが決まらない七つの大罪型チートを持った俺の二次元遊旅 作:恭華
朝早くということもあってか、冷え始める10月の窓の外を幼稚園児、小学生、中学生、高校生、社会人等、どんな街にいても不思議ではない人種が行き来している。
当の俺はと言うと、上半身薄いTシャツに下半身トランクスだけという、寒くないのかお前、と言われても何も言えない格好をしている。
「寒くは無いから問題ない」
冬場になるとちゃんと履きますのでご安心ください。
んっはっはっは、と笑いながら、さっき目を通した簡易説明書に再度目を落とす。
やはり暴食と色欲は文字化けしている。
だがそれは今は良い。 なぜなら、今使ってみようと思っていたのは嫉妬だからだ。
というわけで、簡易説明書を机の上に投げ、絵を描く用に買ったのだが、開けることすらなく放置されている袋に入ったデッサン人形を手繰り寄せてから、可愛い子とかいないかなぁ。 と窓の外に目をもどす。
「~~~?」
「~~~♪」
窓の外を170cm位のJKと、どう見ても小学生くらいにしか見えない身長でスーツを着た綺麗な長い黒髪を持った女性が歩いていた。
それを見逃さずに嫉妬を発動する。
嫉妬の能力は有形無形の所有物の強奪、押し付け。
あの女性に対し、強奪で姿を奪う。 すかさずデッサン人形とあの女性に押し付ける。 1つと1人に押し付ける、というのは出来るかどうか分からないが。
「この袋に入ったデッサン人形があのスーツの女性の姿形だったらいいのに」
嫉妬、というよりは願い事のような感じになっているのだが、なんら問題は無く、袋に入ったデッサン人形は、見た目だけ等身大のさっきの女性になった。
だが、やはり姿形だけだからか、心音はあるのだが、瞳に光は無く、自分でなにか行動しよう、という意思もないようだった。
だが、成功したようだ。
「~~~!」
「~~~?」
外から聞こえてくるさっきのふたりの声は少し遠くなったものの、何ら影響は無さそうに、姿形がデッサン人形に取られているのにも気が付かずに歩いていった。
「……」
その様子を見てから、手で持てるサイズだった元デッサン人形、現〇s並の大きさしかない女性へと目を向け、黙ったままの女性へとスーツを脱ぐように命じる。
「下着とストッキングは脱がなくていい」
そう命じられた女性は、本当にスーツだけを脱ぎ、真っ平らな胸、ぽっこりしたお腹、あまりむっちりしていないお尻、太くもなく細くもないストッキングに包まれた足を惜しげも無く俺の前に晒す。
うん、警察のお世話になりそうだな、この図は……
「じゃあ、まずは朝勃ちを収めて……」
と言いかけたところで壁にかけられた時計を見上げる。
7時42分
大学生2年である俺からしたら割とやばい時間である。
なにがやばいって? 次の8時ジャストの電車に乗れなければ、遅刻確定。 それだけは避けねばならない。
学校にいつも持っていってるカバンと定期の入った財布を掴み、デッサン人形に行ってきます、と言ってから、二階建てアパートの一室から飛び出て行った。
「はぁ……はぁ……間に合った……」
電車に乗ることは出来た。 だが信号機が故障していたため、遅延。
ギリギリ間に合うはずだったのに、遅延のせいで電車を降りてから全力疾走を余儀なくされた。
「おう、遅かったなカヅチ」
こいつは大淀 華羽(おおよど かれは)。 女みたいな名前なのだが、しっかりとしたガタイのいい、わりとかっこいい男だ。 もう一度言おう。 男だ!!
そしてこいつの言っているカヅチ、というのは俺の事。 稲真 和希(いなま かずき)。 稲真をイザネ、和希をカヅチ。 ファンタシースターオンライン2に出てくるイザネカヅチみたいな名前だなー、と笑いながら言ったのが華羽だった。
「うるせぇよ……ぜぇ……はぁ……」
肩で息をしながらも、恨めしそうに華羽を睨む。
わりぃわりぃ、と悪びれずに笑う華羽。
傍から(女子から)見ると、この構図は受けがいいのか、女子何人からか「捗る」とのコメントを頂きました。 不名誉です死にそう。
だが今は、教授が来る前に教室に入れたから、そんなコメントが来ても
「あはは、そっかー」
と笑い流すことが出来そうだ。
教授が来る前のわいわいしている講義室をいつもの定位置、華羽が取っていてくれる教室の中間あたりに居座る華羽の隣の隣の席に座る。
するといつものように
「なぁなぁ、俺、昨日の夜に深雪の星8カードとスカーサハ当たったんだよ」
こう、ガチャ自慢をしてくる。
深雪の星8カード、これは魔法科高校の劣等生LOSTZEROの最上位レアカードだ。 俺も欲しいのだが、今一番欲しいのは九亜だ。
スカーサハ、これはグランブルーファンタジーの最上位レアのキャラだ。 エルーンという種族なのだが、ちっこい。 ディアドラ、というドラゴンから別れた分体……という設定だったはずだ。 覚えてない。
「スカーサハは持ってる。 ついでにあの爪は2凸して青龍槍の生贄になった」
なんでそうしたのか自分でも分かっていない。
勿体ないことしたなと思ったのはメリッサべルが出たあとのことだった。
そんな他愛のない話をしていると、年老いた白ひげを少しだけ生やしたの教授が講義室に入ってきた。
そして、何事もなく講義を半分寝ながら聞いていると、不意に華羽に対して面白いことしたい欲が出てきてしまった。
確か、華羽は深雪の様な女性が好みだと言っていた。
ならこれで……と言うふうに笑い、教授にバレないようにスマホを取り出し、深雪の事を検索する。
すぐさま検索結果が表示され、アニメの深雪の画像が現れる。
それを見ながら、華羽の姿形、声、華羽の体は元々こうであったという華羽と他者の認識の3つが深雪と一緒だったら良かったのに、と声に出さず思想しながら嫉妬を発動し、華羽の方を見てみる。
ツンツンしていた赤みがかった黒だった髪が、光が当たれば薄く青くなる長い黒髪に。
ツリ目がちだった目が優しさて凛々しさを備えた目に。
ゴツゴツとしていた体が、柔らかさのある丸みを帯びた体に。
ふぁ……と欠伸をしている野太い声が高い澄んだ声に。
あとは細かい部分が変わっていってるみたいだが、ぶかぶかになった服に阻まれ、中までは分からず終いだった。
だが、二次元キャラを三次元へと移すこと、自身の所有物では無い他人を変化させること、周りのみんなになにか言われてるわけじゃないことから、認識さえも奪う事の3つが成功した。
実験みたいで楽しくなってきた、と内心で笑いながら、隣の深雪(になった華羽)の腕を突っつき
「なぁ、これどういう事だ……?」
とちょっと分からないとこがあったから教えてくれ、という風を装いながら問いかけると
「えぇと……ここがこうでこうなるわ」
と本来の華羽の口調とは違った口調で俺に教えてくれた。
……確かに原作でも達也以外の同学年以下のキャラにはタメ口だったな……と思い出しながらも、ありがとうと言って、講義を聞くフリに戻った。
体の認識を変えたから口調も変わったのかな? と首をかしげながらも講義の終わる時間まで、隣にいる深雪(の姿をした華羽)を横目でチラ見をしていた。
を……文字数が2828……ニヤニヤしそう……!
まぁ、それは置いておいて、イザネカヅチ君……じゃなくて、主人公の稲真 和希君は色んなゲームに手を出してるから、割とどんな話題にも乗っかれるゲーマーなのです。
最近のトレンドゲームはリディー&スールのアトリエ。