VRMMORPG《ユグドラシル》。
数多くのプレイヤーが参戦し、中には野生のラスボス、非公式ラスボス、勇者、非公式のお助けキャラなどと呼ばれる者達も少なくない。
そんな中、運営の化身と呼ばれる史上最悪のプレイヤーが居た。
個人で
そして名前がウネ………UNEだ。ふざけてるとしか思えない。
一応見た目は人間種ではあるが種族は
そんな彼は、果たして………草原にいた。
「なんでやねん………」
思わず呟く。果たしてここは何処だろうか?自分はついさっきまでユグドラシル内でモモちゃんとあだ名を付けて呼んでいる友達とメッセージで話していたはず。その後、ユグドラシルがサービスを終了するのでお互い連絡を切った。
「むむむ………さっぱりわからないってばよ」
感じる臭い、夜空の寒さ、星の明かり、どれをとっても偽物だとは思えない。ふーむ、と唸ったウネは、まあ良いかと割り切る。なんか知らんがログアウト出来ないし、ならば今暫くこのゲームを楽しめると喜ぼう。うん、それが良い。
基本的にお気楽で娯楽主義で快楽主義な彼はあっさりこの異常事態を受け入れゴロリと横になる。夜風に当たり、星を眺め、大の字で寝るというのかなかなか気持ちいいものだと初めて知った。
「…………うん?」
が、不機嫌そうに眉をつり上げる。悲鳴が聞こえた、剣戟の音が聞こえた、怒号が聞こえた。
不愉快な気分になりそちらに視線を向けるとかなり遠くで村が燃えているのが見えた。
「配下生成………Lv.50。ちょっと静かにするように言ってきて~」
少年がつい、と指輪を光らせると人が生み出される。
これこそ少年が運営の化身と称される一端、
「ほい、これあげる」
そして次に
『錬成賢者の書記』の効果は
ちなみに彼にはプライドがあり、己のイベントに集まってきた連中を騙すような事はしない。
そして彼が持つ最後の
NPCを作り、時には大型のボスや村規模の集団まで作ってイベントを行いアイテムをバラまく。まさしく運営の化身だ。
「およよ?そもそも俺こんなに耳や目良かったかにゃ?いやいや確かにゲームの設定上ではそうですけどねん……」
そういえば今更ながら頬をつねってみる。
「痛いって事は夢じゃないのん!え、まじで?これ、異世界転生ってやつ~!やたー!」
ピョンピョンとその場で跳ねるウネは、そこではたと気付く。
「なしてボクアイテムの使い方解っとよ………」
何気なく普通に使っていたが、考えてみれば可笑しい。NPC作成には本来
「むむむ。考えてもわかんない………まあ馬鹿だしね………およ、メッセージ?はいはーい。ただいま電話にでんわ~。およ、さっきのNPC……え、女を捕まえた?ふーん、もってきんしゃい」
「NINJAだ!にんじゃじゃじゃーん!」
気絶した二人の少女の格好を見て何故か印を結ぶウネ。
「殺しますか?」
「んー、つか何で連れてきたのよ。君さては女好き?」
「この者達は群を抜いて強かったので。主よりたまわった剣がなければ、危うかったかもしれません」
「ほほう。めんごめんご、もう少し強く作るべきだった」
「おやめください!主の望みを叶えられなかったのなら、それは私の未熟のなすところ!」
「お、おうそうか……」
忠誠心たっけー。と引きつるウネはそのまま少女達の頬をムニムニ指でつつく。普通ならこの辺でハラスメントコードが働きそうなものだが………胸を触る。やはり何の反応もない。いや、少女達がピクリと反応したが。
「………主よ、私は席を外します。どうぞお好きなように」
「うん?うん、わかった……」
何か知らんが離れた配下を見送りジーッと少女達を見る。なるほどなかなかかわいい……しかし彼女たちを見ているとなんか、こう…………お腹が空く。
気が付けばウネは少女の細い首に噛みついていた。牙が突き刺さり、血が溢れる。それを舌で味わうと得も言われぬ味が口の中に広がる。
「ん、んぐ………ぷはぁ………」
現実ではクソマズイ栄養食ばかり。故に甘いとかショッパいとかさっぱりだが、美味しいという意味は知っている。そのままゴクゴクと喉を鳴らし少女の首に吸い付き時に舐める。
「ん、ふぁ………っくぅ………」
血管や神経が集中した首筋を舐められ、しかも吸血鬼の牙に痛みを和らげる効果でもあるのか牙を突き立てられた痛みがムズムズとした感覚になり少女が悶える。
牙を放し口元に残った味を堪能する。と───
「あ、美少年。神様からのプレゼント?」
少女が目を覚まし、訳の分からない言葉と同時にウネを抱きしめてきた。