「ただいま!」
「おかえりーパパ~。ご飯出来てるよ~……って、あらら?何パパ、女の子連れてきて、やらしー」
王都から少し離れた森の中に存在するシークレットグリーンハウスの中に入るウネ。話に聞く反抗期の娘みたいだと思ってついパパを自称してから以降もずっとパパ呼びになっているのはクレマンティーヌ。
元のビキニアーマーの代わりにウネが作った
「失礼な。こんな見た目だけど姿偽ってるだけでクレちゃんより年上だよこの子」
「あー、じゃあ此奴が噂の「真にして偽りの竜王」か。何々、どーすんの?」
「それを今から調べるんだよ。ええっと、あったあった……」
と、クレマンティーヌ達には読めぬ字で『エロゲー・イズ・マイ・ライフ ヒロインの特長』と書かれた本を取り出すウネ。
「ええっと、褐色………からのロリ、で……ロリババア、はっと……ふむ、ビッチじゃないなら道具による快楽責め?相変わらずあの人は解らんなー」
「な、なんだその本は………なんというか、とてつもない執念のようなものを感じる」
「これ自体はただの本なんだけどな………垢バン覚悟で俺の知り合いが書いた女の責め方責められ方だよ。取り敢えず俺は、食って寝てヤっての三大欲求をついでにやって、この世界をひっかき回すという本題を楽しむ気だからにゃぁ。とはいえ性欲に関しちゃ確かに気持ちいいけど、今までそこまで興味なかったからさ………先駆者の知恵を借りようと思ってね」
パタンと本を閉じると空間にあいた穴にしまう。そして、今度は何処からともなくウズラの卵ほどのサイズのピンク色の卵を複数と見たことがない形をした白い棒のようなものを取り出す。
「最後にギャグボールと手枷足枷………んー、まぁ、見てるぶんには楽しそうだな」
「………あの、いやな予感がするんじゃが」
「大丈夫大丈夫。気持ちいいから……まあ知識だけの童貞が記した本だから、この通りとは限らんけど」
アインズ・ウール・ゴウン。《ユグドラシル》でも高い知名度を誇る異形種ギルド。メンバーはリアルの都合で抜けて行き、残ったのはギルドの長であるモモンガただ一人、だった。《ユグドラシル》サービス終了の二日ほど前、アインズ・ウール・ゴウンと親しく、維持費稼ぎにも協力してくれた友人にして恩人も誘っていたのだ。彼はそれを快く引き受け、恨みをもって襲ってくる宣言したプレイヤー潰してから行く、そういってその日は別れた。
後日ネットで彼の戦闘シーンが流された。相変わらず圧倒的で、最終日にも行けたらいくと言っていたが、またもやプレイヤーに絡まれたらしい。彼には信者もいるので最終日は最早戦争と呼べる規模に膨らんでいたな、と思い出す。
何故今になってそんなことを思い出しているかというと………。
「アインズ様、ウネとは何者ですか?」
先日、アルベドにそう尋ねられたからだ。
シャルティアが洗脳され、命令される前に何らかの理由で洗脳した者が撤退した結果敵対行動をとった者を攻撃するという状態で静止していたのだが、その洗脳された状態のシャルティアを見てアインズが思わず呟き、アルベドが言った言葉が上記のもの。後で話すとその時は流したが………
「皆、よく集まってくれた。面を上げよ」
玉座の間にて、アインズは集まった一同を見回す。ガルガンチュアなどの例外を覗き、全員集まっている。
「今回皆に集まって貰った理由は他でもない。アルベド、私が以前零したウネという名は覚えているな?」
「はい。詳しくは聞いていませんが、あの話の流れからしてシャルティアを操った者でしょうか?」
その言葉にナザリックの一同がピクリと身を震わせシャルティアは恥辱に唇を噛みしめる。操られる前後の記憶がないが、なるほど。ウネというのか、見つけだしたら必ず殺して…………殺して……
「…………?」
殺し、たくない?何故だ?自分を操り、至高の御方と戦わせた原因なのに……
「いや違う。ウネくんは、あくまでシャルティアを操ることが出来る存在でしかない。彼は犯人ではないだろう。彼が犯人なら、そもそもシャルティアはあの場にいなかった。連れて行かれただろうからな」
「アインズ様は、そのウネという物についてお詳しいのですか?」
「まあな。彼は我々至高の41人の友人、あるいは弟、弟子、生徒でもあるからな……私個人としては友人のつもりだが」
「「「────ッ!!」」」
ナザリック一同は凍り付く。勘違いしたとはいえ、そんな存在に敵意を向けたのだから当然だ。
「プルチネッラ」
「はい」
アインズの言葉に純白の衣装を身に纏い、顔には鳥の嘴を模し鼻先が長く伸びた仮面を付けた配下が答える。
「お前の創造の際、ウネ君はその場に立ち会い創造に協力した。アウラ、マーレ、お前達の名はぶくぶく茶釜さんとウネ君が二人で考えたものだ。エントマ、お前の声になるボイスサンプルを源次郎に渡したのは彼だ。デミウルゴス、お前を悪魔らしい容姿にするか、今の見た目にするか、ウルベルトさんと朝まで話し合っていたぞ?シズ、お前の持つ魔銃やマフラーの制作者は彼だ。他にも───」
次々至高の御方方の名が上げられていく。その名が出る度に、ナザリック配下達は約一名を除きまだ見ぬウネという存在に感じる敬意が膨れ上がっていく。
「それに、何より、ナザリックを維持する費用集めに私が行けない時、彼が代わりにかき集めてくれていた。まさしくナザリックの恩人だよ。彼は」
ナザリック配下達は約一名(以下略
「本当は、転位する二日前に我がギルドに誘ったんだが、その前に因縁を終わらせてくると他のカンストプレイヤー達と戦いにいってな………恐らくだが、彼もこの世界に来ている、あるいはくる可能性が高い」
《ユグドラシル》サービス終了までログインしていた、が原因ならそうだ。もちろん、それなら此方に来ているプレイヤーが少なすぎるのであくまで高いだけ、だが。それに数百年前にプレイヤーと思われる存在が現れている事を鑑みるに来たとしても数百年前か、逆に数百年後の可能性だってある。だが──
「シャルティアを操れるほどの何かを所有する仮想敵の戦力が未知数な以上戦力強化は必須。後に行う
「「はっ」」
「この世界においては伝説級になる武具が大量に使用された戦争が過去、あるいは最近なかったか調べろ。それは間違いなく彼の手掛かりだ」
「「かしこまりました」」
そう言って頭を深く下げるデミウルゴスとアルベド。自分の創造の際、創造主であるウルベルトと意見交換をして、今の自分をともに考えたというウネ。それにアインズ曰わく戦力強化に役立つであろう能力。個人としても、ナザリックの守護者の一人としても、是非会いたい。
「………つきまして、その者の種族、容姿などをお教えいただきたく」
アルベドはほんの一瞬だけ顔を歪め、しかしすぐに能面のような笑みを浮かべる。
「彼の者の種族は