「そ、それでって……」
「難しく考える必要なんてないよ。家族に世間は関係ないし、どうせ答えなんて出ないんだから」
硬直した里緒の手から中身のないカップを取り上げ、自身が持つものと一緒にダイニングテーブルに置いてから腕を引く。里緒はソファーへと投げられ、理紅は無遠慮にその上に乗った。
「理、紅……っ!?」
「答えが出ないものを考えるなんてバカらしい」
「嫌だっ!」
唇を塞がれるが、頭を振って阻止をする。理紅は眉根を寄せ、里緒の耳元へ口を寄せた。
「俺を、怒らせたいの?」
「……っ、いだ、いっ!」
「りぃちゃん」と首筋を噛まれ、ふるりと震える里緒にもう一度囁く。
「俺がりぃちゃんを好きなことに、なんの問題があるの?」
「問題は……っ、あ……やっ」
「ある」と言う前に理紅の手がスカートの内側を撫で、すぐにそこへと辿り着いた。
「ん、く……っ」
「余計なことを考えられないようにしてあげる。そうすれば、りぃちゃんは悩まないよね」
呟くようにそう紡ぐ理紅は、ふたたび首筋に歯を立て、そこを舐め上げる。舌を這わす音が間近で聞こえるのと共に、理紅の手に触れられるそこはすぐに熱を持った。
「ん……、ん……っ、や……理紅ぅ」
「嫌なわりには勃ってるけど」
「んっ……あ、ダメ! スカート……、スカート汚れ、るのは、嫌だっ」
「ん……、大丈夫。すぐに口でしてあげるから」
唇を塞ぎ、舌先を合わせて、掌で包み込むようにそこを刺激する。
「ふ……っ、ぁ、あ……や……ぁ」
「嫌だ」と顔を背けるが、先端を抉られ躯が跳ねる。里緒はひくりと喉を鳴らしながら手の甲で唇を押さえ、なおかつ声を出すまいと噛みしめながら理紅を睨んだ。
「可愛い」
「あ、ん! んー……!」
「嫌、じゃないよね?」
ぐりぐりと何回も抉る理紅は、是見よがしにそこを扱く。濡れた音が鼓膜を刺激し、与えられる快楽に里緒の息は乱れていった。
「ほら、りぃちゃん。解るよね?」
「んぁ、あ……、り、く……ダメ……、スカートっ……っあ!」
理紅が躯を浮かせて里緒の足を広げる。膝裏に添わされる片手は濡れて輝いており、湧きあがった羞恥に目を逸らした刹那、片足はソファーの背凭れへとぶつかった。
抵抗らしい抵抗もできないまま、肝心のスカートは捲り上げられ、下着も膝まで下ろされた。先走りを溢れさせて震えるそれは空気に触れ、熱のこもった理紅の視線に晒される。獲物を見つけたように舌舐めずりをする理紅は、ふたたび里緒を扱き始めた。
「あ、あ……、りっくん、や……ぁ」
「すごいね。少し触っただけなのに、もうこんなだよ」
「そ、そんな、にっ、見るなよ! こんなの、見たって、面白くもないだろうが……。お前と、同じものが付いてる、の、に……っ」
兄弟なのに。――どうしてこんな風になるのか。
腕で目を隠す里緒の内腿を舐めれば、ぴくりと躯が反応する。否が応でも。
「可愛いね、りぃちゃん」
「可愛く、ない。オレが、こうなったのは……、理紅の所為だ」
「うん。解ってるよ。だって、りぃちゃんは俺のものだし」
「あぁっ! や、ぁっ」
かぷりとそれに歯を立てられ、里緒は弓なりに躯をしならせる。目を覆う腕は滑り落ち、涙が頬を伝いだした。
理紅は口に含んだ里緒のものを舌先で愛撫しながら、手で柔くそれを揉みだす。
「あ……、あっ……りっくん、や……それ、や、だって……!」
里緒は制服の胸の辺りを強く握りしめながら頭を振り、時々唇を噛んでは嬌声を漏らした。理紅はそれに煽られるように里緒を攻め立てていく。
「んぁ……、あ、あ……も、出る……、から離せ! 離して……っ!」
懇願しながら制服から手を離して、口元に添える。しかし理紅がやんわりと外した為に塞ぐものがなく、昂る里緒は高い声を上げて果てた。
「あ、あー……!」
出したものを嚥下した後も、理紅の動きは未だに止まらない。残滓も全て口で受け止めるように。
「ひ……ぁ、あ……りっくぅん……」
「――ん……、りぃちゃん、気持ちよかった?」
「バカやろ……マジで、バカ」
ようやく離して口端を舐める理紅に対し、里緒は涙声で震えながらもう一度腕で顔を覆う。
「りぃちゃん。俺は間違ったことをしている気はないよ。りぃちゃんを好きなだけなんだから」
「うるさい」
「ほら、今度は俺を気持ちよくさせて。他のことはなにも考えなくていいから」
もぞもぞと服を直す里緒に語りかけながら横髪を梳き、「できるよね?」と理紅は笑みを溢す。瞬間、里緒は頷いた。
理紅の言う通りに、これには正解なんてない。だからいくら考えても解らないし、きっと時間の無駄なのかもしれない。悩むなと理紅が導くのも、その言葉に肩の荷が下りるのも、いつものことなのだから。
導かれるまま、里緒は理紅の胸を押して起き上がった。そうして床に座り、スラックスの前を寛げていく。現れた理紅のものは緩く勃ち上がっていた。それはいつからなんて、それこそ考えるだけ無駄だ。それを断言できるほどに、理紅は里緒にずっと欲情しているのだから。
「ん……」
「っ……りぃちゃん、」
舌を這わせたたげで、理紅は口元を緩ませていく。口に含んで扱けば、理紅の手が髪に触れた。
「ん、……理紅、気持ちぃ……?」
「りぃちゃんが、してくれるんだから……気持ちよくないわけ、ないでしょ……」
吐息を漏らす理紅は眉を寄せながら里緒の髪を撫でていく。慈しむように何度も。
響く水音の中、理紅の手が顎へとかかる。
「……っ、りぃちゃん、もう出るから、離していいよ……」
理紅自身は喜んで飲むのに、里緒にはそれをさせやしない。当然のように今日も。
口でしたままなのは、小さな抵抗だ。
「りぃちゃん」
「っは……、な、で……?」