※この作品はR-18です。

へたれ提督と生きる為の鎮守府ー抜錨!チャージマン研外伝   作:六本脚のジャイアンS

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明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いします

新年最初の投稿は吸血鬼シリーズの
最新版です

艦娘の守護神と一人の艦娘の出会いを
独自設定で描かせていただきました

本作品内で語られる言葉は、全て本作品
内の登場人物にのみ発せられている言葉です

下品な用語やグロテスクな表現があるかも
しれません、それでもよろしかったら

ゆっくりしていってね


激闘!小笠原05、艦娘の守護神吸血鬼!遭遇編

   

      謹賀新年

 

 

【青葉】

「どーも♪謎鎮の青葉でーす♪新年明けまして

おめでとうございまーす♪

 

【射命丸 文】

「清く正しく射命丸でーす♪本年もよろしく

お願いしまーす♪」

 

【青葉】

「あなた!来たんですね!」

 

【射命丸 文】

「まあまあ、お堅い事は言わずに♪ところで

今回の『秋イベ』に参加された提督の皆さん

お疲れ様でしたー♪」

 

【青葉】

「皆さんにとっての『秋イベ』は実りのあるもの

でしたでしょうか?

因みに作者は何度も神経衰弱になりかけたそう

です」

 

【射命丸 文】

「という訳で、『秋イベ』の総括を一言お願い

します、へたれ提督さん♪」

 

【へたれ提督】

「‥‥えっ?‥‥ええ!?俺が総括すんの!?」

 

【射命丸 文】

「だってあなた、一応は『準主役』なんですから」

 

【へたれ提督】

「なんだよ?『準主役』って?」

 

【青葉】

「そうですねー、立ち位置的には‥‥‥‥‥

 

 『ドラえもん』

 『ブライト・ノア』

 『ハヤブサのジョウ』

 『アナライザー』

 

といったところでしょうかねー」

 

【へたれ提督】

「ちょっと待て!何か訳の分からん括りだな!

最後の『アナライザー』って何でだよ!?」

 

【青葉】

「『パンツ』大好きでしょ?」

 

【へたれ提督】

「やかましい!」

 

【射命丸 文】

「大好きなんですか?」

 

【へたれ提督】

「誤解を生む言い方はやめたまい!!

俺は嫁さん(川内)の履いてるパンツにしか

興味ないの!!

履いてなければあんなの、ただの小さな布地

じゃんか!!」

 

【青葉】

「いや、そんなに真剣に言われましても‥‥」

 

【射命丸 文】

「それは良いとして、総括をお願いします」

 

【へたれ提督】

「‥‥‥何か納得いかないなぁー‥‥‥‥えーー

あくまで作者の心境ですが、目的のレア艦が全く

ドロップ出来ず、というかレア艦自体がドロップ

出来ず、何度も心が折れかけたのは事実です

とは言うものの、最終的にはまあまあの結果では

なかったかなーーと」

 

【青葉】

「それを一言で現すと?」

 

【へたれ提督】

「中々有意義なイベントでした」

 

【射命丸 文】

「本音としては?」

 

【へたれ提督】

「『神州丸』の太ももが美味そ‥‥‥」

 

【川内】

「提督ぅぅ~~?♪♪」

(ハイライトオフ)

 

【へたれ提督】

「いやだから!作者の心境だってばー!!」

 

 

【清霜】

「こんなパパとママですが、今年も宜しくね♪」

 

【アンドロメダ】

「ごひいきに~~♪」

 

【江風】

「//どっ‥‥どうも//」

 

【不知火】

「それでは本年最初の投稿です」

 

【ダブラス】

「はじまりナノー♪」

 

 

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 《激闘!小笠原5、艦娘の守護神吸血鬼!》

       《遭遇編》

 

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(回想)

 

ニューギニア・ソロモン海域‥‥‥

 

 

【木曾】

‥‥その男と初めて出会ったのは、俺が大破し

弾薬も尽きかけて進退極まった時だった‥‥

 

 

 

【木曾】

「お前達は逃げろ!この先に小島がある筈だ!

敵が撤収するまでそこで隠れてるんだ!」

 

【駆逐艦娘】

「木曾さんはどうするんですか!?」

 

【木曾】

「俺は奴等を引き付ける!」

 

【駆逐艦娘】

「そんな!!無茶ですよ!!」

 

【駆逐艦娘】

「木曾さんだって殆ど大破状態じゃないです

か!それに弾薬だって‥‥」

 

【木曾】

「お前らよりは余程マシだ!それに走るだけ

なら問題はない!奴等の注意を俺に引き寄せ

る事が出来るならお前等を生還させる事も

出来るだろう!」

 

【駆逐艦娘】

「木曾さん!!自分一人だけ犠牲になるつもり

なんですか!?」

 

【木曾】

「‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

俺は表情を読み取られないように努めながら

返事を返す‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥俺がそんな殊勝(しゅしょう)な奴に

見えるか?

正直今のお前等は足手まといなんだよ!

今は別々に行動した方がお互いの生還率が

高くなる、俺はそれを計算に入れただけさ」

 

【駆逐艦娘】

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

今更こいつらに何を言ったところで誤魔化しは

効かない、現実を見れば明らかだ

四方は敵だらけ、こちらは弾薬の尽きかけた

水雷戦隊一個、それもとっくに定数を割った‥

 

元々ただでさえ無謀な作戦だった、おまけに

まともな補給も入渠も許されず、連続出撃の末

のこのザマだ

あのブラック提督野郎!常に反抗的な俺が居な

くなってさぞ満足だろうよ!

だが‥‥‥だが、せめてこいつらだけは‥‥

 

 

【木曾】

「安心しろ、俺はお前等の為に自分を犠牲に

するつもりはサラサラない、お互い生きて

帰る為に最善の方法を選んだまでさ」

 

【駆逐艦娘達】

「「‥‥‥‥‥‥」」

 

【木曾】

「分かったら行け!振り向くんじゃねーぞ」

 

【駆逐艦娘達】

「「木曾さん‥‥御武運を‥‥」」(敬礼)

 

 

【木曾】

今では二人になっちまったあいつら、ヨレヨレ

の敬礼を返すと、俺から遠ざかっていく‥‥

我ながら下手くそなフォローだ、誰かが犠牲に

ならなければ誰も生き残れないのはあいつらに

も理解出来る筈だ‥‥

仕方ないだろう?それなら被害は少ない方が

いい‥‥

 

ズバーン! ズバーン!

 

敵弾の弾着による水柱が周辺で吹き上がる

敵は近い‥‥‥

 

 

【木曾】

「ふう‥‥正直、生きるのに疲れちまった‥‥

こうなりゃとことん走り回って奴やを引っ掻き

回してやるぜ!!」

 

 

ーーーーーー

 

 

【木曾】

あれからどう逃げ回ったのかは覚えていない

 

気が付くと俺は、ジャングルの中にいて身動き

が採れなくなっていた、完全に精根尽き果てた

ってところかな‥‥

 

おそらく何処かの島に上陸したんだろう

どうやら俺は沈むのが嫌だったらしい‥‥

俺はまだ何処かで『生』に執着があったらしい

‥‥‥フッ‥‥笑っちまうだろ?

 

 

【木曾】

「‥ハアッ‥‥ハアッ‥‥なんだ‥‥俺まだ‥

‥生きてたのか?‥‥」

 

 

【木曾】

大木に背もたれてへたり込んでいた俺は、全身

に痛みを感じる事で、自分がまだ生きている事

を実感する

‥‥今更何を執着する事があるのか?鎮守府に

戻ってもあのブラック提督野郎にこき使われる

だけだ、奴への恨みも復讐心も今はどうでも

いい、唯一心残りがあるとすれば‥‥

 

 

【木曾】

「あいつら‥‥無事に帰れたかな‥‥」

 

 

【戦艦レ級】

「安心シナヨ♪時間ノ問題サ♪、イズレオ前ノ

トコロニ送ッテヤルヨー♪」

 

【木曾】

「!!!!」

 

 

【木曾】

いつの間にか、俺はジャングルの中で『人型』

の深海棲艦に取り囲まれていた

こんな連中に追い回されていたとは‥‥‥

我ながらよく生きていたもんだ、しかしそれも

ここまでか‥‥

 

 

【戦艦レ級】

「ヨクモココマデ私達ヲ引ッ掻キ回シテクレタ

ナ!ソレモ一隻デ、ソノ根性ハミトメテヤル」

 

【木曾】

「‥‥ふっ♪‥‥これはこれは『レ級』様が

わざわざお出ましとは光栄だな‥‥お前が

俺の死神か?」

 

【戦艦レ級】

「ソウダ!オ前ノ死神ヲ!目ニ焼キ付ケテ

逝クガイイ!!」(ジャキッ!)

 

(ガチャ!ガチャ!ガチャ!ガチャ!)

 

 

【木曾】

周辺で艤装を構える音が連続する、俺を狙っ

ているのだろう、こりゃ跡形もなく消えるな

その時はそう思った

 

 

【木曾】

「‥クウッ!‥‥痛てえ‥‥やるならひとお

もいにやってくれ‥‥全身が痛くてな‥‥

もう痛いのは沢山なんだよ‥‥」

 

 

【木曾】

俺は精一杯、虚勢を張ってみせる‥‥‥そう

これは虚勢だ、全身の痛みが否応なく俺に

『生』の実感を与えてくる‥‥

 

そうだ、俺は本当は死ぬのが嫌なのだ!恐い

のだ!だから醜態を晒してまでジャングルの

中に逃げて来たのだ!

 

俺はこれで終わるのか?‥‥嫌だ!!

 

あの野郎を一発もぶっ飛ばさないうちに

こんな最後を迎えるなんて!!

いや!そんな事、本当はどうでもいい!!

 

ただ生きたい!!死にたくない!!

俺はもっと戦える!!

戦って!‥あいつらを守らなければ!!

 

 

 誰か‥‥助けて‥‥

 

 

 

 

汝の叫び 聴き届けた

 

 

 

【木曾】

「!!?‥‥誰だ!?」

 

 

‥‥ザザザザザザザザザ

 

ベキッ!! ズガッ!!

 

【リ級】

「グエッ!?‥‥」(ドサッ!)

 

【別のリ級】

「ゴバッ!?‥‥」(ドサッ!)

 

【戦艦レ級】

「!?‥何事ダ!!?」

 

【木曾】

「‥‥!なんだ!?」

 

 

【木曾】

薄暗いジャングルの中、草や木々の間を何かが

高速で動き回る様な音が聴こえる

それが通り過ぎた後に、その場にいた深海棲艦

が、ある奴は骨を砕かれ、ある奴は身体を

喰いちぎられて次々と倒れていく‥‥‥

 

 

‥‥ザザザザザザザザザ

バキグシャ!!‥‥

 

【ル級】

「ヒギッ!?‥‥‥」(ブシュー‥‥ドサッ)

 

 

【木曾】

戦艦である筈の『ル級』が、艤装と肉体を

引き裂かれ、体液を飛散させて倒れ込む‥‥

 

 

【戦艦レ級】

「何ガ起コッテイル!!?」(キョロキョロ)

 

【タ級】

「ウワァー!!撃テ撃テェェェーー!!!」

 

【戦艦レ級】

「バカ!!無闇ニ撃ツナ!!」

 

 

(ズドン!ズドン!ズドン!GUBARAAA!!)

 

 

【木曾】

俺を追い詰めたつもりが、今度は自分達が

狩られている、それも相手の正体が分からない

 

深海棲艦はパニックになって四方八方に無闇に

撃ちまくった、木や岩が砕け、山火事が発生

する、俺は初めて認識した、どうやら深海の

奴らも死ぬのは恐いらしい‥‥

 

 

(ベキッ!ベキッ!‥‥ブシュー!)

 

 

それでも効果は皆無だったようだ、山火事の

炎の明かりの中で、首を吹き飛ばされさ奴が

二人ほど見えた‥‥

 

 

【戦艦レ級】

「クソウ!‥チクショウーー!!」

(ズドン!ズドン!ズドン!)

 

 

【木曾】

ついにはレ級までパニックになって撃ちまくる

始末だ、俺のすぐ側にも砲弾が着弾する

 

GOBARAAーーー!!!‥‥‥

 

【木曾】

「ブワッ!!‥ゲホゲホッ‥‥‥馬鹿野郎!!

気をつけろ!!」

 

 

ーーーーーー

 

 

【木曾】

‥‥こんな事がどれ程続いたのかな‥‥

 

(ZUBASHUuuu!!‥‥)

 

【戦艦レ級】

「‥‥ゴッ!?‥‥ゴブッ‥‥‥  」

 

 

【木曾】

気が付くと砲撃は止んでいた

 

あの偉そうだった『レ級』が、炎の中で胴体を

貫かれて宙吊りになっていた

他の奴らは見えない、全員やられたのか?

 

レ級をあろう事か素手で刺し貫いたそいつは

文字通り化け物にしか見えなかった

全身が黒いシルエットで、眼だけが赤く光って

いる、一瞬深海棲艦の新種かと思ったが、それ

なら何故仲間を皆殺しにした?

 

結果的とはいえ、何故俺を助けた?

いや、助かったと思うのは早計か‥‥‥

 

俺の勘だか、奴は武器を持って戦える奴を

片っ端から狩っていたんだ

俺が助かったのは、単に俺がボロボロだった

からにすぎない‥‥‥今でもそう考えている

まあ、今となってはどうでも良い事だがな

 

 

【?】

「ハアアアアーーー!!‥‥‥」

(ズッ ズッ ズッ)

 

 

【木曾】

奴はレ級を串刺しにしたまま、俺のところに

近付いてくる、何故かは分からない、分から

ないが自然と恐怖は感じなかった

むしろ、俺自身がこれを待っていたような‥‥

 

これで俺も最後か‥‥何故だろう?‥‥それも

悪くないって気がしてきた‥‥

 

そこで俺の意識はとんだ‥‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

(ザザザ~~‥‥ザザーーン‥‥)

 

 

【木曾】

次に気が付くと、俺は本土の海岸で寝ていた

 

俺は生きていた、その証拠に全身に痛みが

残っている

 

 

【木曾】

「クウッ!‥‥俺は‥‥助かったのか‥‥」

 

 

横を見ると、あの串刺しにされた『レ級』が

息絶えて倒れていた

 

あれは夢ではなく現実だったのだ!

 

あの化け物は、奴は誰だ?何処から来た?

何故俺を助けた?

 

何故俺は、奴を見て安心したのだ?

 

その疑問に答える奴は誰もいない‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

【木曾】

俺はあのクソッタレブラック提督の鎮守府に

戻った、あの二人は無事に生還していた

それが唯一の救いだった

 

元々まともに出撃出来る状態ではなかった

俺達に、無謀な作戦を押し付けた当然の結果

として、ブラック提督野郎の立てた作戦は失敗

に終わった

 

奴は自分の怠慢を棚に上げて、俺とあの二人に

失敗の責任をなすり着けた

奴の脳内変換では当然成功する筈だったらしい

それを俺達が邪魔したとして逆恨みまでした

 

クソッタレ!!

出撃した時は六人いたんだ!残りの三人が

どんな運命を辿ったか!誰のせいでそうなった

のか分かっていないのか!?

当然俺は奴に反発した

 

ブラック提督野郎は何とかして俺に罰を与えよう

としたみたいだが、上手くいかなかった

俺があの『レ級』を討ち取った‥‥と上層部から

思われていたらしく、奴も無闇に手は出せなかっ

た、それがまたかえって奴の恨みを買うことに

なった訳だが‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

【木曾】

『ビンソン計画』なるものが立ち上がった

 

早い話が、艦娘を人工的に強化する為に手段を

選ばない、動物実験まがいの狂気の計画だ

 

あのブラック提督はその話を聞くと、俺を研究所

に躊躇なく送り込む事を決定した

俺は当然反発したが、嫌ならあの二人を代わりに

送ると言われれば、断る選択肢は採れなかった

 

だがここで唯一幸いしたのは、あの『レ級』の

一件だった、俺の存在は研究所の方でも注目して

いたらしく、俺はある意味特別扱いされた

 

 

第8研究機関‥‥‥

 

【研究員B】

「『改』の改修段階で、あの『レ級』を単独で撃破

した噂の軽巡とは君か?これは光栄だ」

 

 

【木曾】

勿論、これは大きな誤解だ、しかし俺はわざと

訂正しない、これを利用しない手はないからだ

俺は善人なんかじゃない‥‥

 

 

【木曾】

「俺を改造したいか?だったら一つ取引をしようぜ

それが果たされたら、俺の身体はくれてやるよ」

 

 

【木曾】

俺が素直に実験体になったところで、あの二人を

ブラック提督野郎が何もしないという保証はない

俺が居なくなった後でも、あの二人を確実に守る

方法はただ一つ‥‥

 

 

【木曾】

「あの提督を鎮守府から追い出してくれ、二度と

戻って来れないように、二度と艦娘に関われない

ように」

 

【研究員B】

「‥‥‥よかろう」

 

 

【木曾】

俺は自分の身体を抵当に悪魔と取り引きした訳だ

翌日、ブラック提督は『事情により辞職』という

形で忽然と姿を消した

あれから今に至るまで奴の姿は一度も見ていない

 

こうして俺は自ら退路を断った‥‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

第8研究機関、研究所‥‥

 

【木曾】

『ビンソン計画』でかき集められたのは、一部の

戦艦や重巡を除けは、殆どが軽巡や駆逐艦、試験

的に揚陸艦など、海軍にとっては運用コストが

比較的かからない艦娘ばかりだった

この俺みたいにな‥‥‥

 

そしてその目的は、たまたま視察に来ていた

将校と研究員の会話で察しがついた

 

 

【研究員B】

「大佐、御協力感謝します、必要な実験サンプル

(艦娘)の確保もお蔭様でスムーズにいっており

ます♪、研究の成果も程なく大佐達に還元出来る

ことでしょう♪

『低コストで運用出来る艦娘を集中的に強化して

、かつ集中的に作戦投入し、短期間で大きな戦果

をあげる』という、大佐の卓見の賜物ですな♪」

 

【三木乃 苗夫】

「お世辞なんかどうでも良い!そう思うんなら

さっさと必要な数の艦娘共を作り出せ!

貴様らはデータさえ採れればそれで気が済む

かもしれんが、俺達は作戦に投入する戦力が

今すぐに必要なんだよ!

軽巡と駆逐艦に絞ったのも、低コストだけが

理由じゃない!一回の作戦で戦力をすり潰しても

奴らの代わりなぞ、いくらでも居るからだ!

貴様らがボヤボヤしていたらそのメリットも

帳消しになるだろうが!!」

 

【研究員B】

「ええ、もちろん、誠意努力いたします♪

(やれやれ、この御仁は本当に艦娘を消耗品と

しか考えていないんだな、まっ、我々も同じ穴

のムジナだが)」

 

 

【木曾】

予想はしてたが、思った以上にこの計画は

クソだった‥‥

 

ここに集められた艦娘達は、前の鎮守府で

それなりの戦果と能力を認められた連中か

俺みたいに、提督に煙たがられて追放された

連中だと後で分かった

 

俺は身体をいじり回され、訳の分からない薬品

を注入され、何かの外科手術まで施され、

戦闘能力を測るテストをさせられ、結果が

思わしくないとまた、身体を改造され‥‥‥

この繰り返しだった、見た事も聞いた事もない

薬品を身体に注射される度に、身体中に激痛が

走り、嘔吐を繰り返した‥‥

 

ここに居た奴らは多かれ少なかれ、そんな施術

を全員施された

聞いた話じゃ、気が狂った奴や命を落とした奴

もいたらしい‥‥

ただ、中には施術が上手くいった奴もいて‥‥

 

 

【研究員A】

「この『神通』(後の紅輪鎮守府の秘書艦)は

凄いですよ!元が優秀な艦娘だった事を差し引

いても、この実働データの数値は驚きです!」

 

【研究員B】

「こちらの『木曾』も中々の数値を出してます

流石、単独で『レ級』を撃破しただけの事は

ありますな、研けば(改造)ここまで光る訳

ですから」

 

 

ーーーーーー

 

 

艦娘を収容する監房‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥ハアッ‥‥ハアッ‥‥‥くそっ!‥‥‥

何が中々の数値だ!‥‥何が研けば光るだ!!

‥‥人の身体‥勝手にこねくり回しやがって!

‥‥‥いってぇ‥‥」

 

 

【木曾】

一日の実験予定が終ると俺達は監房に放り込ま

れる、動く事も飯を食う事も出来ない‥‥‥

 

(うああああああーーー!!!)

 

遠くから艦娘の悲鳴が聴こえる、あの声には

聞き覚えがあった、俺と同じ監房に収容されて

る奴だ‥‥‥

また痛い目に合わされているんだろう、今度は

何の薬品を注射された?

それとも身体をレーザーメスで切られたか?

 

 

(ガチャガチャ!ガタン!ギィィーー‥‥)

 

 

【木曾】

分厚い装甲で出来たドアが開き、さっきの悲鳴

の主が研究員に担がれて監房に放り込まれてきた

 

(ドサッ!)

 

 

【川内】

「‥うっ‥‥あう‥‥う‥‥」(ヒクッ ヒクッ)

 

【木曾】

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

こいつが俺のルームメイトさ、こいつの施術は

妹の『神通』ほど順調ではないらしい‥‥

 

 

【研究員A】

「全く世話を焼かせてくれる!妹はあんなに優秀

なのに、長女は全く平凡だな」

 

【木曾】

「‥‥うるせえよ!‥‥俺達は生きてるんだ!‥

‥‥お前等の都合通りに行く訳ないだろうが!」

 

【研究員A】

「なんだ?実験体が主人に逆らうのか?ここに来

た時点でお前達には何の権利も無いのだ!

これは軍のオペレーションなんだからな!」

 

 

【木曾】

俺はクソッタレ研究員を無視してルームメイト

に声をかける

 

 

【木曾】

「‥‥おい‥‥大丈夫か?‥」

 

【川内】

「‥‥‥‥アタシは‥‥‥誰?‥‥」

 

【木曾】

「‥‥!!?」

 

 

【木曾】

コイツは少なくとも昨日までは自分の事は

覚えていた筈だ!

 

 

【木曾】

「おい!!お前ら!!‥コイツに何した!?」

 

【研究員A】

「他の艦娘を強化する為の実験台にしたのさ

薬品の効果実験、筋力強化の為の外科手術

実験等々‥‥‥

そいつは妹みたいに優秀ではないが、身体は

人一倍タフだからな、お陰でなかなか良い

データが取れたよ」

 

【木曾】

「‥‥この野郎!!ふざけるな!!」

 

 

【木曾】

俺はクソッタレ研究員に飛びかかろうとした

が、身体がまるで言うことをきかなかった

 

 

【木曾】

「‥‥くっ‥‥くそ!‥‥」

 

【研究員A】

「よせよせ、まともに身体を動かす事なんか

今は出来んだろう?

安心しろ、死なせはしないよ、お前達は大事

な商品だ、ブロック海軍に納入するまでは

死なれちゃこっちが困るからな」

 

【木曾】

「ちくしょうー!!まちやがれーー!!」

 

 

(‥‥ギィィーガタン!ガチャガチャ)

 

 

ーーーーーー

 

 

【木曾】

俺や神通の様なケースは稀だったらしい

 

施術を受けた殆どの艦娘は、強さと引き換えに

何らかの障害を抱える事になった

 

ルームメイトだった川内のように記憶を喪失

したり、精神に問題を抱えたり、それまで

培ってきた艦娘としての経験値を全て失い

新兵同然になったり‥‥

 

中には反抗心が強く成りすぎた奴もいたっけ

なー‥‥

 

 

【あきつ丸】

「おのれ!!貴様等の施す施術など、自分は

これ以上受けるものか!!

たとえ抗命罪になろうと!!‥‥」

 

【研究員B】

「電気ショックで黙らせろ!」

 

【警備員】

「‥‥‥‥‥‥」(⚡ビビビビーーー!!)

 

【あきつ丸】

「ぐわあああああーーー!!!」

 

 

あの揚陸艦、噂では上層部の不正を正そうと

して、信頼していた上官に相談したら、その

上官に裏切られて、おまけに不正の罪を全部

なすり着けられた事でここに送り込まれた

らしい‥‥‥そりゃあ人間不信にも反骨にも

なるってもんだ‥‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥ムカつく気持ちは分かるけどよ‥‥

奴も懲りないな‥‥そう思わないか川内?」

 

【川内】

「‥‥アタシは‥‥川内‥‥」

 

【木曾】

「‥‥そうだ、お前は軽巡『川内』だ‥」

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

【木曾】

『ビンソン計画』で身体を改造され、心を

ボロボロにされた俺達は、海軍に再度編入され

それぞれの配属先に散っていった‥‥

 

風の噂では、あの『あきつ丸』とか言う揚陸艦

は、上官への抗命罪を繰り返して、鎮守府と

独房を行ったり来たりしているらしい

 

 

俺は前の鎮守府に戻った、あの二人が俺を出迎

えてくれた、しかしイマイチ元気が無かった

 

理由は直ぐに分かった、新しい提督が、前の

クソッタレに輪をかけて酷いブラック提督

だったのだ

 

なんてこった!

あんな酷い目にあってまであのクソッタレを

鎮守府から追い出したってのに、このザマだ!

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

1年半後‥‥‥

 

【木曾】

俺は戦い続けていた‥‥‥

 

案の定、新しいブラック提督の野郎は無茶な

出撃を俺達に強要し、それを繰り返させた

 

おまけに海軍の中堅将校達がニューギニア・

ソロモン海域の奪還を目的に、改造した俺達

を作戦にごっそり投入しやがった!

それも、まともな作戦も計画も立てず、海図

に印を着けてそこに戦力を頬リ込むだけ‥‥

 

あいつら士官学校で何をやってたんだ!?

 

ここまで無茶苦茶な作戦が採用されたのは

余りにもふざけた理由からだった

 

俺達をニューギニアに投入したのは、あの

『ビンソン計画』を主導した将校達だった

後で分かった事だか、新しいブラック提督も

その一派の一人だったのだ

 

奴らの『ビンソン計画』は完全に当てが外れ

ていた

 

改造された艦娘達は、あの『あきつ丸』ほど

ではないにせよ、上官や海軍上層部に対して

反抗的になったのだ、俺も含めてな

 

俺達は納得出来ない命令には徹底的に反発

したし、中には反乱まがいの行為まで働いた

奴もいたらしい

なまじ強化されたお陰で、力づくだけでは

抑え切れず、海軍としても俺達を持て余した

ようで、その責任と後処理は計画を主導した

中堅将校に押し付けられた

 

プライドだけは一人前の将校様達はさぞや

トサカに来た事だろうよ

 

奴らは思い通りにならない俺達を逆恨みした

 

俺達は『報復』の目的も含めて、無謀な連続

出撃を強制された、いつもと同じた、逆らえ

ば他の艦娘を単独で出撃させると脅されて、

そう言われれば俺達は断る事が出来ない‥‥

 

いくら俺達が強化された艦娘でも限度って

もんがある、多くの艦娘が犠牲になった

おまけに、その出撃に巻き込まれた他の艦娘

も‥‥‥

 

俺が守りたかったあの二人も

今はもういない‥‥‥

 

 

何故かな?‥‥それでも俺は生きていた‥‥

 

正直疲れていた、確かに俺は戦闘には強く

なったが、身体はボロボロだった

 

疲れて目をつぶる‥‥‥

 

まぶたに浮かんでくるのは何故かジャングル

で出会ったあの『化け物』だった‥‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

深夜、ニューギニアのある島‥‥‥

 

 

【木曾】

今回の出撃は完全に詰んでいた

 

いつも通りの無茶な出撃で、敵と戦い、疲れ

果てて、まともに動けなくなっていた俺は

得体の知れない連中に取り押さえられていた

 

深海棲艦ではない、しかし明らかに人間とは

違う、そもそもこいつらには意思が感じられ

ない

そんな奴らに俺は囲まれていた‥‥

 

 

【木曾】

「ちくしょう!放せ!!何なんだお前ら!?」

(ガタガタ!)

 

【レアリエン兵】

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

【レアリエン兵】

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

眼が真っ黒で、反人反獣のような外観‥‥

自然に生まれた奴らとは思えない

明らかに何かの人体実験の産物だ

 

 

【研究員A】

「そいつ等に何を言っても無駄だよ、自分で

判断する知能なんてない、出来る事といえば

我々の命令で動くことくらいさ」

 

【木曾】

「!!てめえは!!」

 

 

【研究員A】

「どうだい♪我々8研自慢の新作『戦闘用レア

リエン』は、まだまだ研究中の未完成品だけど

、意思なんて余計な物がないぶん、君達艦娘

よりも優秀だよ♪戦って敵を屠るという目的に

特化すればね」

 

 

【木曾】

コイツの面‥‥忘れる筈がない!

俺をこんな身体にした張本人だ!

 

 

【木曾】

「‥‥今更何のようだ!!」

 

【研究員A】

「『ビンソン計画』がガタガタになってるのは

知ってるだろう?それについて近々査察局から

の査察が入るらしい、そうなればフェーズ3の

真っ最中のこの計画も強制終了されるだろう

ニューギニアの作戦も年明けには終了する

そうだから、もうこの計画はお終いさ」

 

【木曾】

「結構な事じゃねーか!それが何だってんだ!」

 

【研究員A】

「相手はあの悪魔のような『土方』だ、恐らく

将校達の殆どは無事では済まされないだろうさ

そして8研も大変な事になるだろう

僕達研究員も安寧ではいられない、でも僕は

逮捕されるなんて真っ平だ、言われた事をやった

だけで何も悪い事なんかしてないんだからね」

 

【木曾】

「この野郎!!よくもぬけぬけと!!」

 

【研究員A】

「研究員のメンバーの中で、独立して会社を設立

させようって話があってね、僕もそれに便乗する

事にしたのさ、その手土産として是非君が必要

なんだよ、木曾君♪」

 

【木曾】

「なんだと!?」

 

【研究員A】

「研究所での君のルームメイト、確か『川内』‥

‥だったかな?あれはとんだ駄作だったなぁ~」

 

【木曾】

「黙れ!!クソ野郎!!」

 

【研究所A】

「身体の頑丈さだけが取り柄みたいな奴だった

っけなぁ~、あとは全く駄目ダメだったけど

実験で記憶も経験値も消えてしまって新兵同然

になっちまったからな~

妹(神通)はあんなに優秀なのにね~、噂じゃ

まだ生きてるらしい、不思議な事もあるもんだ

ね~」

 

【木曾】

「黙れってんだ!!!」

 

【研究員A】

「それに引き換え、君は凄いよ!君の示した

データ値はとても興味深いものだった!

君を実験用サンプルとして持参すれば、僕の

株も上がるというものさ♪」

 

【木曾】

「ふざけるなー!!てめえらのせいで!一体

何人沈んだと思ってるんだ!!

あんな事をまだ続けるつもりかー!!」

 

【研究員A】

「あれは進歩の為の尊い犠牲なんだ、むしろ

『艦娘達』には光栄に思って貰いたいね」

 

【木曾】

「どこまでも救い様のねえクソッタレだな!!

俺はたとえ轟沈しても、てめえらの為に犠牲

になるつもりはねーからな!!」

 

【研究員A】

「いくら喚いても無駄さ、周りを見てみなよ

君を取り押さえてる『レアリエン』には人間

の感情なんて全くない

僕に言われる事をそのまま実行するだけさ

君の提督にはもう話をつけてある、もう

逃げられないよ

君には何かを選ぶ権利はない、君はただの

『兵器』『道具』なんだから♪」

 

【用心棒A】

「演説はどうでも良いから早くしてくれ!

ここはニューギニア、敵のど真ん中だって事

を忘れないでくれよ!」

 

【研究員A】

「うるさいなあ!その為の用心棒じゃないか!

君は黙って僕を警護していれば良いんだ!

作り物の『擲弾兵』の癖に!」 

 

【用心棒】

「ここであんたをぶっ殺して、俺達は姿をくら

ましても良いんだぜ?」

 

【研究員A】

「その前に『レアリエン』が君を引き裂くさ」

 

【用心棒B】

「‥‥‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

いつの間にそこに居たのか、研究員の横に知ら

ない男達が立っていた、スキンヘッドで浅黒い

肌の、同じ顔をした大男が二人‥‥

 

 

【用心棒A】

「そうかい!、じゃあなるべく早くしてくれ!

俺は人間ではないが、アンタの部下でもない!

俺は契約でここに居るだけだ、警護対象が

ガードマンの指示を無視するなら、アンタの

命の保証は出来かねる!それだけは忘れるなよ

!」

 

【研究員A】

「『歩く死体』の分際でえらそうに!僕達8研が

『超合金コア』を開発しなかったら、お前達は

誕生しなかったんだぞ!」

 

【用心棒B】

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

【用心棒A】

「俺が頼んで擲弾兵にして貰った訳じゃねえよ!

ただの消耗品として軍の都合で軍に見捨てられ

て、戦場に置き去りにされたってのに、今じゃ

ある意味ただのお尋ね者だ!

軍に戻ってもどうせ処理機に放り込まれるだけ

だ!こうなったのも半分はお前らのせいだ!!」

 

【研究員A】

「何を!!敗残兵のくせに!!擲弾兵は単独では

世間で生きていく事が許されていないから、

僕達が匿って仕事を与えてやってるんじゃない

か!!」

 

【用心棒A】

「その敗残兵にボディーガードを頼んでリゃ世話

ないぜ!!こんなニューギニアくんだりまで

のこのこやって来て何をするかと思えば!!

たった一人の艦娘を捕まえる為と来たもんだ!!

おまけにこんな不細工なゲテモノ共を引き連れて

よ!!」

 

【レアリエン兵】

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

【研究員A】

「お前ら『出来損ないの擲弾兵』に!僕達の作品

の素晴らしさが分かってたまるか!!」

 

 

【用心棒B】

「‥‥いい加減にしないか、ここは危険地帯だ、

お互い仕事を済ませてさっさと帰るぞ」

 

【用心棒A】

「‥‥ちっ!‥分かったよ!」

 

 

【木曾】

‥‥全く醜い痴話喧嘩だ‥‥

こいつら、結局は自分の事しか頭にないのだ!

 

スキンヘッドの大男の寡黙な方が、俺に話し

かけて来た‥‥‥‥

 

 

【用心棒B】

「‥‥‥俺達が憎いか?‥‥まあ当然だな」

 

【木曾】

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

【木曾】

‥‥‥なんだ!その同類を哀れむ様な目は!

 

『擲弾兵』という奴が何者かは俺も知ってる

軍の管理下から外れた擲弾兵が何故逃げ回ら

なければならないのかも‥‥‥

 

だからってお前に同情なんかされたくねぇ!

お前があの研究員の手先として艦娘を食い物

にしてる事実は変わらない!

お前は俺の敵だ!!

 

俺はこいつらへの憎さ以上に、自分自身の

あまりの非力さが恨めしかった

あんなに苦しいおもいをしてまで肉体改造を

されたのに‥‥‥この『レアリエン』とか言う

獣に俺は手も足も出ない!

結局はあの二人を守る事も出来なかった!

 

また同じ事の繰り返しなのか!?

 

もうどうにもならないのか!?

 

この世界に『神』も『仏』もあったものか!

 

 

【用心棒B】

「‥‥『神様』を当てにしているのか?」

 

 

【木曾】

奴はそんな俺の考えを見透かしたように

言ってくる‥‥‥‥

 

 

【用心棒B】

「諦めろ、お前を救う神はいない」

 

 

【木曾】

俺はこのまま‥‥‥なに一つ守る事も出来ずに

終わるのか?

 

いやだ!!‥‥‥俺は‥‥‥

 

 

 

 神は‥‥いるさ!

 

 

 

【木曾】

「!!?」

 

【用心棒B】

「!!」

 

【用心棒A】

「!!誰だ!?」

 

 

【レアリエン兵】

「!!グルルルル~~!!!」

 

【研究員A】

「なっ!?‥レアリエンが興奮している!?」

 

【用心棒B】

「違う、怯えてるんだ!」

 

 

 

【木曾】

‥‥‥何かが来る!‥‥それは確信出来た

 

ニューギニア‥‥島に上陸‥‥ジャングル‥‥

 

そう!‥‥あの時と同じだ!

 

他の奴らは全員縮み上がっている、あの

『レアリエン』とかいう反獣達も含めて‥‥

 

だが、俺には不思議と恐怖感は無かった

むしろ一種の懐かしさというか‥‥

 

 

【レアリエン兵】

「ゴガアアーーーー!!!」

 

【研究員A】

「おっ!おい喚くな!!言うことを聞け!!」

 

【用心棒A】

「!?おい!!あそこに赤い光が!!」

 

 

【木曾】

「!!‥‥あれは!!」

 

 

【木曾】

ジャングルの暗闇の中に、二つの赤い光が浮かぶ

それはまるで何かの眼が光っているような‥‥

 

間違いない!あいつだ!!

 

 

 

【木曾】

「(‥‥声が‥‥声が聴こえる‥‥‥)」

 

【用心棒B】

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

 

地獄の底から響き渡る様な声が俺達に届く‥‥‥

 

 

 

戦え!  闘え!

 

抗え!  生きろ!!

 

 

【木曾】

「(‥‥‥なんだ‥‥‥なんだこれは‥‥‥)」

 

【木曾】

何故なんだ?‥‥‥‥とても‥‥心地好い‥‥‥

 

 

【用心棒B】

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

闘いとは生きること!!

生きるとはすなわち祈りだ!!

 

はいつくばり! のたうち回り!

 

むせ返る程!呆れ返る程の祈りの果てに!

神は降りてくる‥‥‥

 

 

【用心棒B】

「‥‥祈れば神が降りてくる‥‥だと?

笑わせるな!‥‥教えてやる、神なんぞ

いやしねえ!」

 

 

お前が信じたがった神なぞ

神ではない!

 

神は助けを乞う者を助けたりしない!

 

神は慈悲を乞う者を救ったりしない!

 

それは祈りではなく神に陳情しているだけだ!

 

 

闘え! 生きろ! 人間であれ!

 

それこそが祈りだ!

 

 

【用心棒B】

「‥‥‥ふん、何を言ってる?」

 

【木曾】

この擲弾兵はこの言葉を全否定する気らしい

でも俺には‥‥‥何故か心地好く響いてくる‥‥

 

 

 

 

守るべき者を持たぬものに

 

人間として生きる事を拒絶したものに

 

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「神は‥‥降りてはこない!」

 

 

 

【木曾】

……夜のジャングルの暗闇から現れたそいつは

前回とは違って、一応は人間の姿をしていた

 

大きなつば付きの赤い帽子、丸い縁の

サングラス

コートも血の色のような真赤なコート

 

俺はよく知らないが、西洋の貴族の普段着なら

こんな感じなのか?

少なくとも熱帯のジャングルを歩き回る格好

には到底見えない

 

 

(ズッ ズッ ズッ ズッ)

 

【二等憲兵吸血鬼】

「今夜は月が綺麗だ、こんな夜は血が吸いたく

なる♪肉が喰らいたくなる♪だから思わず出て

来てしまった♪」

 

 

【木曾】

男‥‥なのは間違いない、コイツは何を言って

いるのか?

 

 

【用心棒B】

「‥‥‥‥‥‥‥」

 

【研究員A】

「‥‥何でだ!?何でここに人が居るんだ!?

ここは名もない無人島の筈だ!!‥‥だから

ここを選んだんだぞ!!」

 

【用心棒A】

「お前は!!‥‥何者だ!?」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「『憲兵』だ!♪」

 

【木曾】

「『憲兵』‥‥‥だと!?」

 

 

【木曾】

‥‥‥今でも時々思う、こんな派手な『憲兵』も

いたものだ‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「お前が憲兵だと?‥‥‥正気かこいつ?」

 

【研究員A】

「そんな事より!僕達の邪魔をする気か!?」

 

 

【用心棒B】

「‥‥‥おい、逃げるぞ!」

 

【用心棒A】

「はあっ!?お前何言ってるんだ!?」

 

【用心棒B】

「コイツは‥‥‥化け物だ、俺達では歯が

立たない、この艦娘は諦めろ!」

 

【木曾】

「‥‥‥!?」

 

【木曾】

こっちの擲弾兵には、あの男の恐ろしさが

理解出来たというのか?

 

 

【研究員A】

「なっ!?‥‥ふざけるな!!何の為にこんな

ニューギニアの無人島までやって来たと思って

るんだ!!」

 

【用心棒B】

「命あってのものだねって言うだろ?」

 

【研究員A】

「相手は一人じゃないか!!それに僕の造った

『レアリエン』が負ける訳ないだろう!!

仕事をしないなら、もう雇ってなんかやらない

ぞ!!」

 

【用心棒A】

「おい!!仕事を放棄するつもりか!?

『擲弾兵』がたった一人の『憲兵』相手に

ビビってどうするってんだ!!」

 

【用心棒B】

「俺は死ぬのは御免だ、だから今日まで逃げ回

ってきたんだ、俺は降りる」

 

【用心棒A】

「そうかよ!勝手にしろ!!稼ぎは俺が全部

貰うからな!お前との関係もこれまでだ!!」

 

【用心棒B】

「‥‥‥好きにしろ」

 

 

【木曾】

ここに来て、クソッタレ共は仲間割れを

おこしたか‥‥‥

その光景をまるで見世物のように笑いながら

見ている自称『憲兵』‥‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「クク♪お友達の忠告は素直に聞くもんだ♪」

 

【研究員A】

「アンタが本物の憲兵だとして、何しに来た!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「憲兵の役目を果たす為に来た、その艦娘を

こっちに渡して貰おう」

 

 

【木曾】

「こんな所まで‥‥‥俺を助けに‥‥‥」

 

 

【研究員A】

「周りの状況が見えないかなぁ、アンタはたった

一人、こっちには最強の『レアリエン兵士』が

大勢いるんだ!

それにこんな所を見られたら生かして帰す訳に

はいかないだろう?」

 

【用心棒A】

「そういう事だ!ノコノコやって来て、余計な事

に顔を突っ込みやがって!」(パチリッ!)

 

【レアリエン兵】

(ジャキッ!ジャキッ!ジャキッ!)

 

【木曾】

「!!武器を持ってるだと!?」

 

 

【木曾】

『レアリエン』とか言う反獣達は、一斉に

銃を構えた、飛び道具なんて持ってたのか!?

 

 

【用心棒A】

「こいつらは人を殺す以外は何も出来ない無知の

ケダモノ集団だが、トリガーを引くことくらい

は出来るんだぜ!」

 

【研究員A】

「僕の『レアリエン』を無知呼ばわりするな!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「‥‥‥‥‥ククク♪」

 

 

【木曾】

反獣達の銃口が一斉に憲兵に向けられる

なのに‥‥‥‥奴は全く動じない

 

 

【用心棒A】

「俺は憲兵も!憲兵を名乗る奴も大嫌いなんだ!

さあ!どうする?どうする憲兵さんよ!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「ククク♪面白いフリークス共だ♪いい玩具を

持ってるな♪お前自身も含めて♪」

 

【用心棒A】

「やれ!!!」(パチッ!)

 

(ズガガガガーーズドン!ズドン!)

 

 

【木曾】

反獣達の放った銃弾が、憲兵に集中する!

砂煙が舞い上がって憲兵の姿がよく見えない

 

 

【木曾】

「あああ!!」

 

【用心棒A】

「どうした憲兵!!もう終わりか?」

 

【研究員A】

「‥‥‥うん?倒れないぞ!?」

 

 

【木曾】

砂煙の向こう、憲兵の人影は倒れない‥‥‥

弾丸を喰らっても平気なのか?

 

舞い上がる砂煙を突いて、鎖で繋がれた棍棒

の様な塊が飛んできたのはその時だった!

 

 

(ジャラララーーー‥‥‥ベキベキ!!!!)

 

【レアリエン兵】

「「ビギィィィーーー!!!」」(ドシャ!!)

 

【用心棒A】

「!!んなっ!?」

 

【研究員A】

「ああ!!僕のレアリエンがやられた!?」

 

 

【木曾】

骨が砕ける様な音がして、反獣が二匹倒れた!

一瞬射撃が停止する、砂煙の向こうから声が

聞こえてきた

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「‥‥‥238年前、俺にそっくりな男が居た

そいつは不死身だったから弾丸は全て受け止めて

いた、だが俺はお前達のあくびが出るような鈍く

てかったるい銃撃を受けてやるつもりはない!」

 

【用心棒A】

「なにをぉ!!!」

 

 

【木曾】

砂煙が晴れると、そこに無傷の憲兵が立っていた

図太い鎖で連結された、これまた図太い棍棒の

ような柄が三本、それを均等に伸ばして構えて

いる‥‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「対深海用、近接、打滅、破砕戦用、三柄戦闘棍

『ケルベロス』接近戦で化け物を撲り殺す為の

ヌンチャクだ

コイツなら戦車の砲弾も弾き返す」(ニヤリッ)

 

【用心棒A】

「‥‥弾き返す‥‥‥だと!?」

 

 

【木曾】

あのヌンチャクで飛んでくる弾丸を弾き返し

ながら反撃したっていうのか!?

 

 

【用心棒A】

「ふざけるな!!撃てぇぇーー!!」

 

【レアリエン兵】

「ゴガアアーーーー!!!」

 

(ズガガガガガーーー!!!‥‥)

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「ハアアアァァァーーー!!!」

 

(シュンシュンシュンガキガキガキ‥‥)

 

 

【木曾】

憲兵がヌンチャクを振り回す!火花が飛び散る!

弾丸が弾き返されているのはハッタリでは

なかった!

しかもそのヌンチャク、鎖が伸縮自在らしい

 

 

(ジャラララーー‥‥‥ベキベキ!!)

 

【レアリエン兵】

「ヒギャッ!!!‥‥‥」(ドシャア!)

 

【研究員A】

「僕のレアリエンがぁ!!」

 

【用心棒A】

「くそう!!何で当たらねぇ!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「ククク♪‥‥‥銃撃戦をお望みか?ならば

受けて立つとしよう♪」

 

(ズチャ………)

 

 

【木曾】

「でかい!?」

 

 

【木曾】

『454カスール』、銀色に輝く巨大な自動拳銃

 

それは拳銃と呼ぶには余りにもデカ過ぎた!

 

 

【用心棒A】

「!?何てバカデカいハンドガンだ!!」

 

【研究員A】

「拳銃なんかでレアリエンを倒せるものか!

よくも僕の可愛いレアリエンを!………」

 

 

 

クソッタレ研究員の抗議などお構いなしに

憲兵は拳銃を構え‥‥‥‥‥

 

 

BAGOM!!!(発砲音)

シャキイイーーン!!‥‥‥

(空薬莢の排出音)

 

 

【レアリエン兵】

「ゴバッ!!‥‥」GABOM!!

 

 

【木曾】

発砲と同時に、一匹の反獣の上半身が綺麗に

吹き飛んだ!残ったのは両足だけだ‥‥‥

 

 

【研究員A】

「うわあああ!?レアリエンの強靭なボディ

がぁぁーー!?」

 

 

BAGOM!!!

シャキイイーーン!!‥‥‥

 

BAGOM!!!

シャキイイーーン!!‥‥‥

 

 

【木曾】

発砲‥‥スライドが後退‥‥空薬莢が排出‥‥

 

この一連の動作がまるでスローモーションの様に

俺には見えた‥‥‥‥俺は思わず見とれていた

 

GABOM!GABOM!GABOM!!

 

発砲の度に、反獣の上半身が吹き飛んでいく

 

 

【用心棒A】

「なっ!?‥‥‥なんて威力だ!ハンドガンの

破壊力じゃねぇ!!‥‥それに、ただの弾丸

じゃねーな!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「‥‥‥『ランチェスター大聖堂』秘蔵の

『ミスリル銀製十字聖杯』を溶かして造った

ダムダム弾頭に、『超硬化テクタイト』素材の

炸裂貫徹弾頭を組み合わせた特殊弾頭

『13ミリ爆裂徹甲弾』、こいつを喰らって

平気な深海棲艦もフリークスも存在しない」

 

 

【用心棒A】

「そんな弾丸!聞いた事ねえよ!!それに

13ミリだと!?人間が片手で扱えるシロモノ

じゃねえよ!!」

 

【木曾】

「‥‥‥確かに聞いた事がない」

 

【研究員A】

「僕の!僕の可愛いレアリエンがぁーー!!

おーい!レアリエンの敵を討ってくれぇ!!」

 

【用心棒A】

「うるせえ!!それどころしゃねぇ!!

引っ込んでろ!!」(バン!)

 

 

BAGOM!BAGOM!BAGOM!BAGOM!

 

【木曾】

そんな俺達の驚愕を余所に、憲兵は拳銃を

連射していく、まるで大口径の機関砲だ!

 

反獣達は次々と吹き飛んでいく‥‥‥‥

それにしても、あの拳銃の弾倉には一体何発

入ってるんだ!?弾切れになる気配が一向に

ない!

 

 

【研究員A】

「うわあああーーーー!!!」(ガクブル~~)

 

 

【木曾】

ご自慢のレアリエンとやらをボコボコにされて

奴は正気を失いかけていた、いい気味だ!

 

 

【用心棒A】

「おい!!レアリエンを三匹よこせ!!」

 

【研究員A】

「なんだって!?」

 

【用心棒A】

「奴のマガジン(弾倉)に何発入ってるのか知ら

ないが、いずれマガジンを交換する筈だ!

その時を狙って奴に飛び掛からせる!」

 

【研究員A】

「そんな!!これ以上僕のレアリエンを失うのは

‥‥‥‥」

 

【用心棒A】

「他に奴を仕留めるチャンスはねえ!!お前は

少しはレアリエンの事を忘れろ!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「どうした♪こっちは弾切れになったぞ?」

(カシャン‥‥‥)

 

 

【木曾】

どうやら、その『マガジン交換』の時がきた

らしい、弾倉が地面に落ちる音がする

反獣は三匹を残して全滅していた

 

 

【用心棒A】

「!、今だ!!かかれ!!」

 

【レアリエン兵】

「「「ガアアアーーー!!!」」」

 

【木曾】

「ああ!!危ない!!」

 

 

【木曾】

三匹の反獣が憲兵に飛びかかる、憲兵の左手

から光る糸の様なものが伸びて、それが反獣達

に絡み付いたのは、反獣が飛びかかるのと

ほぼ同時だった

 

BAKIBAKIBAKI!!BShuuu‥‥‥

 

後で分かった事だがそれは『カッターワイヤー』

という武器だった

研ぎ澄まされた鋼線(材質は不明)に絡まれて

切り刻まれないものは殆どない‥‥‥‥

 

反獣達は同時にみじん切り状態になった

 

 

【研究員A】

「レアリエンがぁーー!!僕のレアリエンが

居なくなっちゃったよおおおーー!!」

 

【用心棒A】

「‥‥‥なんて奴だ‥‥化け物とはこういう事

か、奴(用心棒B)の言う通りだ‥‥‥‥」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「言った筈だ、仲間の折角の忠告は聞くべき

だとな、さて余興は終わりだ、仕事にかかる

とするか」

 

(ズッ ズッ ズッ ズッ)

 

【用心棒A】

「ううう!‥‥‥」

 

(ズッ ズッ ズッ ズッ)

 

【用心棒A】

「‥‥‥‥‥‥?」

 

 

【木曾】

憲兵は用心棒の擲弾兵をガン無視して、研究員

の所に真っ直ぐに歩いていく‥‥‥

 

 

【研究員A】

「!?うわあーー!!何で!!何で僕の所に

来るんだよーーー!!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「初めにお前に用があるからだ」

(ジャキッ!)

 

 

【木曾】

俺はこの時、憲兵を初めて間近で見た

長髪長身の大男だ、顔色は真っ青だが不健康

って訳でもない、事実コイツは強い

 

憲兵はあの恐ろしい拳銃を研究員に向けた

あんな物で撃たれたらクソッタレ研究員は

髪の毛一本も残らないだろう

 

 

【研究員A】

「!?‥‥うっ、うわあああーーーー!!!

けっ!憲兵が人殺しするのかーー!?

ぼっ!僕は8研の天才研究員だぞ!!」

 

 

【木曾】

「天才って、普通自分で言うか?」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「俺は憲兵だ、人間は殺さない」

 

 

【木曾】

その一言にあのクソッタレ研究員は安心

したのか、急に態度がデカくなった

 

 

【研究員A】

「そっ‥‥そうか‥‥‥ふっ‥‥ふはは♪‥

‥そうだ!‥‥そうだよなぁ♪あんたが憲兵

なら、法に触れるような事なんて出来ないよ

なぁ♪あんたに僕は殺せない!だろ?♪」

 

【用心棒A】

「おい!!調子に乗りすぎだ!!」

 

【研究員A】

「フフン♪一塊の憲兵風情が、僕の邪魔なんて

できっこないんだ!艦娘を渡せだって?

冗談言っちゃいけないよ♪」

 

【用心棒A】

「バカ!!やめろ!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「‥‥‥‥‥ニヤリッ♪」

 

【研究員A】

「何処の所属の憲兵か知らないけど、よくも

僕の邪魔をしてくれたな!よくも僕の大事な

レアリエンを破壊してくれたな!!

この責任は取って貰うぞ!!

8研は連邦の機関なんだ!!8研を通して

お前の処罰を!‥‥‥‥‥」

 

BAGOM!!!

シャキイイーーン!!‥‥‥

 

BShuuu!!‥‥‥

 

【研究員A】

「!!?ぎゃああああーーー!!!」

 

【用心棒A】

「撃ちやがった!!本当に撃ちやがった!!」

 

 

【木曾】

クソッタレ研究員の右腕が吹き飛んだ

調子に乗っていた奴にとっては青天の霹靂

だったろう

 

 

【研究員A】

「痛い痛い痛いーー!!!ちくしょうー!!

ぼっ!!‥‥僕の右手をよくもぉーー!!!

僕の右手はこれから素晴らしい発明をして

行く筈だったのに!!どうしてくれるん‥‥

‥‥‥‥」

 

BAGOM!!BAGOM!!

ZUBAZUBASHUuuu!‥‥‥

 

【研究員A】

「ぐぎゃああああああーーー!!!!」

(ドシャア!)

 

 

【木曾】

今度は両足を吹き飛ばされた研究員は、地面に

倒れた、身の程知らずが!

 

 

【研究員A】

「うわあああーーー!!!止めて撃たないで!!

にっ!!人間は殺さないって、さっき言ってた

じゃないかーー!!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「言ったさ、それがどうした?」

 

【研究員A】

「ぼっ!!僕は人間だぞーーー!!!!」

 

 

【木曾】

奴が躊躇なくクソッタレ研究員を撃った理由は

この一言が表しているのだろう‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前が人間だと?笑わせるな!クソガキ♪」

 

 

【木曾】

憲兵はそう言うと、右腕と両足を吹き飛ばされた

クソッタレ研究員に背を向ける

 

 

【研究員A】

「たっ!!助けてくれぇーー!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「喚くなクソガキ、先に済ませる用事がある

そこで待ってろ」

 

(ズッ ズッ ズッ ズッ)

 

 

【用心棒A】

「この‥‥‥キチ○イめ!!俺達を殺しに

来たのか!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「勘違いするな、俺は俺の憲兵としての役割を

果たす為に来た、それ以上でもそれ以下でも

ない」

 

【用心棒A】

「それとこの艦娘(木曾)に何の関係がある!?

何で奴(研究員A)を撃った!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「俺の憲兵としての仕事は、艦娘を守る事、

それは艦娘の命を脅かし、艦娘を傷つける輩を

排除・又は審判を下す事に他ならない」

 

【用心棒A】

「何だ!?それは!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「繰り返しになるが、俺は人間は殺さない‥‥

そしてお前とあのクソガキは人間ではない!」

 

【用心棒A】

「ふざけるな!!俺は金で雇われただけだ!!

この艦娘がどうなろうと俺には関係ない!!

艦娘が欲しけりゃ、くれてやるよ!!

第一!何で俺がこんな艦娘一人の為にこんな

目に合わなければならないんだ!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「艦娘がどうなろうと関係ない‥‥‥か」

 

 

【木曾】

その言葉を繰り返した憲兵の様子が変わった

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前!‥‥‥ギルティ(有罪)!」

(ジャキッ!)

 

【用心棒A】

「!!ちくしょう!!」(ピンッ!)

 

(ボワアーー!!‥‥‥)

 

【木曾】

「!?何だ!!煙幕が!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「『白煙手榴弾』か」

 

BAGOM!BAGOM!BAGOM!

 

【木曾】

憲兵が発砲する!用心棒はそれを高速移動で

ギリギリ躱した!そして‥‥‥‥

 

(ガシッ!)

 

【木曾】

「ぐあっ!!何をする!!」

 

【用心棒A】

「静かにしろ!大人しくしないとこの

『超振動カッター』がお前を貫くぜ!!」

 

 

【木曾】

俺は用心棒に捕まって、刃物を突き付けられた

俺は憲兵から見て人質になってしまったのだ

いくらまともに動けないからって、こんなに

アッサリと‥‥‥情けない!

こんなの、余りにも屈辱だった‥‥‥

 

 

【木曾】

「くそっ!!放せーー!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「フフフ♪あれを躱したか、お前『野良擲弾兵』

だったとはな♪」

 

【用心棒A】

「グフフ‥‥擲弾兵を甘く見たな!憲兵さんよ!

俺はな!この超振動カッター一つで、深海棲艦

の奴らと接近戦を戦わされて、今日まで生き延び

て来たんだ!簡単にやられてたまるか!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「そりゃあ嘘だな♪」

 

【用心棒A】

「何だと!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「そんな玩具で深海棲艦が倒せる訳がない

お前が生き残ってるのは、単に逃げ回っていた

だけだ」

 

【用心棒A】

「お見通しか、それがどうした!擲弾兵になんぞ

成りたくてなった訳じゃない!

俺は他人の為に戦うなんざ真っ平御免なんだよ!

逃げ回って何が悪い!!自分の栄華の為にこの

身体を使って何が悪い!!」

 

【研究員A】

「おおい!!たっ!助けてくれぇーー!!」

 

【用心棒A】

「うるせえぞ!!お前なんか知るか!!

無茶しやがって!契約はもう解消だ!!」

 

【研究員A】

「くそうー!!やっぱりお前なんか『出来損ない

の擲弾兵』だぁーー!!」

 

 

【木曾】

‥‥‥やっぱり醜い奴らだ!

本当に自分の事しか頭にない!

 

俺が人質となる事でこんな奴らがまた野放しに

なるとしたら?‥‥‥‥

 

また同じ事の繰り返しじゃないか!!

 

くそ!俺はやっぱり無力だ!!

 

 

【用心棒A】

「おい!憲兵!!この艦娘がそんなに大事か!?

だったら俺に手を貸せ!取り引きしようぜ!」

 

【木曾】

「何だと!!?くそ!なめやがって!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「‥‥‥熱源‥‥‥確認‥‥‥」

 

 

【用心棒A】

「なあに、難しい話じゃないさ♪俺の逃走に

手を貸せ!この場を見逃すだけでもいい!!

俺は艦娘なんかどうでもいい、こんな物

欲しけりゃくれてやるよ!どうだ、悪い話

じゃないだろ!?」

 

 

【木曾】

くそ!、くそ!!、くそぉーー!!!

何処まで俺をコケにする気だ!

 

だが、今の俺には何の抵抗も出来ない!

俺は何の約にもたたない!

 

こんな俺のせいで、こんな野郎が野放しに

なるくらいなら!!‥‥いっそ‥‥‥

 

 

【木曾】

「おい!あんた!!構わないから、俺ごと

こいつを撃てーー!!」

 

【用心棒A】

「!?黙れ!!この艦娘が!!」

 

【木曾】

「俺の身体はもうボロボロだ!どうせ鎮守府に

戻ったところで、俺にはもう何も守れない!

だからせめて!‥‥‥俺みたいな艦娘がもう

生まれない為に‥‥‥こいつを野に放たない

為に!俺ごとこいつを撃ってくれー!!!」

 

【用心棒A】

「黙りやがれ!!」

 

【木曾】

「‥‥もう、良いんだ‥‥‥一度はあんたに

助けられた‥‥それだけでも、この世界‥‥

‥‥捨てた物じゃなかったと思えた‥‥‥‥

だからもう‥‥‥」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お嬢ちゃん!」

 

 

【木曾】

一番最初にあいつに言われた言葉がこれさ♪

 

 

【木曾】

「誰がお嬢ちゃんだ!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「処女か?」

 

【木曾】

「‥‥‥‥//はあっ!?//」

 

【用心棒A】

「ふざけるな!!こんな時に何言ってやがる

!!」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「質問に答えろ!お前は処女か?」

 

 

【木曾】

何故こんな質問をされるのか、意味が分から

なかった、分かったのは、奴が真面目に質問

しているという事だけだ、その時は‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「‥‥この野郎!!俺を無視するのか!?」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「沈んで行った仲間の敵を討ちたいんだろ?

何かを守りたいんだろ?

このままでは終われないんだろ?

そう思うなら、俺の質問に答えろ!」

 

【木曾】

「!!!」

 

 

【木曾】

俺の考えを見透かしたのか?‥‥‥

 

ええい!ままよ!一度は捨てた命だ!!

答えてやるよ!どうにでもなれ!!

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「もう一度聞く!お前は処女か?」

 

【木曾】

「//ああそうだよ!!俺には男の経験

なんか!!‥‥//」

 

BAGOM!!!

シャキイイーーン!!‥‥‥‥

 

GABOM!!GABOM!!

 

 

【木曾】

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

銃声‥‥‥俺は右の肺に大穴を空けられた‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥‥あっ‥‥‥ごぶっ‥‥‥」

 

 

【木曾】

俺はそのまま崩れ落ちる‥‥‥そして‥‥‥

 

 

ブシャアアアーーー!!

 

【用心棒A】

「‥‥ゴバハァー!!!」

 

 

【木曾】

俺の身体を貫いた弾丸が、用心棒の身体も

貫いた

用心棒の身体から放電現象がおこっている

のが何となく見えた‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「そっ‥‥そんな‥‥‥艦娘ごと俺を‥‥

撃ち抜いた‥‥‥だと!?‥‥」

(⚡バチバチ⚡)

 

【二等憲兵吸血鬼】

「『超合金コア』を撃ち抜いた、そいつを完全

に破壊されればお前は終わりだ」

 

【用心棒A】

「なぜだぁ!!‥‥あの艦娘を!‥‥‥助ける

んじゃなかったのかーー!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「言ったろ?俺は憲兵としての役目を果たす

為に来たと、俺は艦娘の敵を屠る事で艦娘を

守る役目を果たそうとしている」

 

(ガシッ!)

 

【木曾】

憲兵は、用心棒の胸ぐらを掴んだ

用心棒の顔が恐怖で歪む、擲弾兵も命は

惜しいわけか‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「たっ!‥‥助けてくれ!‥‥‥俺だって‥

‥‥俺だって!好きで擲弾兵になった訳じゃ

ないんだ!‥‥好きでこんな事してる訳じゃ

ないんだ!!‥‥‥生きていく為には‥‥

‥‥仕方ないだろ!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「言いたい事はそれだけか?擲弾兵

俺が知ってるある擲弾兵は、お前とは違って

あくまで人間として生きようとしている

地面をはいつくばっても、他人に踏み付けに

されても、それでも奴は人間として生きる

道を選んだ、奴はお前より少しは運が良かった

のかもしれん、しかしそれも奴自身の努力で

掴んだ運だ、お前とは違う」

 

 

【木曾】

憲兵の右手に何かの紋章が浮かび上がる‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前が擲弾兵だからではない、今のお前の

境遇はお前自身が招いた事だ!

お前は人間ではない、人間である事を自ら

拒絶したお前は、擲弾兵ですらない!」

 

 

【木曾】

憲兵は右手を大きく振りかぶった‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「ひいいい~~~!!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「チェック・メイト!」

「ハアアアァァァーーー!!!」

 

ZUBASHUuuu!!!

BAKI!!BAKI!!

 

【用心棒A】

「ごがああああーー!!!」

(⚡バチバチ⚡)

 

 

【木曾】

憲兵は用心棒を素手で刺し貫いた

あの『レ級』の時と同じだ‥‥‥

鈍い金属音もする、『超合金コア』とやら

を破壊したのだろう‥‥‥

 

 

【用心棒A】

「‥‥何でだ‥‥‥何故こうなった?‥‥

‥‥‥俺は‥‥ただ生きていたかっただけ

‥‥なのに‥‥‥ごぶっ!‥‥‥」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「辺獄(リンボ)で好きなだけ考えてろ♪

時間はたっぷりある、ククク♪‥‥‥」

 

【用心棒A】

(⚡バチバチ⚡ボウッ!‥‥メラメラ‥‥)

 

 

【木曾】

用心棒の身体から、放電と青白い炎が上がった

『超合金コア』のショートが放電をおこし、

それを発火源として身体の肉組織が燃える事で

起きる現象‥‥‥‥なのは後で聞いた事だ

 

こいつが擲弾兵の最後‥‥‥てやつか‥‥‥

 

 

ーーーーーー

 

 

【研究員A】

「足が!!‥‥僕の足が無くなっちゃったよぉ

ーーー!!!」(号泣)

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「その怪我で心臓発作もおこさずに生きてたか」

 

【研究員A】

「いえええーーー!!!助けてええーー!!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「中々の強心臓だな、お前の事は食っちまう

つもりだったが(ジュルリ♪)‥‥‥」

 

【研究員A】

「ひいいい~~~!!!」(ジタバタ)

 

【二等憲兵吸血鬼】

「その強心臓に免じて、助かるチャンスを

くれてやる、何よりまずそうだしな」

 

【研究員A】

「えっ!?‥‥本当に?‥‥じゃあ早く助けて

!!‥‥‥‥」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「とどめは刺さないでおいてやる、誰かが助け

に来てくれる事を祈るんだな」

 

【研究員A】

「‥‥‥‥へっ?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「ここは赤道直下のジャングルだ、あっという間

に傷口は腐敗を始める、銀蠅(ぎんばえ)が

たかり、うじ虫が湧く、海鳥やら小動物やらが

お前の死肉を喰らいにうじゃうじゃ集まって来

るだろう、それまでに助けが来ればいいな♪」

 

【研究員A】

「‥‥へっ?‥‥‥ちょっと待って‥‥」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「あばよ」(クル→背を向けて立ち去ろうとする)

 

【研究員A】

「ちょっと待ってくれぇぇ!!!ここは地図にも

名前が載ってない無人島なんだぞ!?

こんな所に助けなんか来る訳ないだろ!!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「この島を選んだのはお前の勝手だ、嫌なら

初めからこんな所に来なければ良かったんだ

初めから艦娘を食い物にしなければ良かった

んだ、あばよ」(ズッ ズッ ズッ)

 

【研究員A】

「憲兵がこんな事して良いのか!!‥‥‥

僕たち人間を見殺しにするつもりなのか!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「俺が倒すのは深海棲艦(強硬派)だ」

 

【研究員A】

「僕は深海棲艦なんかじゃないぞ!!?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「艦娘の命を脅かす奴は全員深海棲艦(強硬派)

だ!ブラック提督も、それに便乗する輩も、

あの擲弾兵くずれも、お前もだ!

深海棲艦(強硬派)が相手なら、憲兵として

なお粛清しなければならないだろう?」

 

【研究員A】

「待ってくれ‥‥‥頼む!‥‥金なら!‥‥‥

金ならいくらでも出す!!‥‥‥僕は顔が効く

んだ!色々な所に‥‥‥だからあんたの出世

の手伝いだって出来る!‥‥だから助けて!!

こんな所で‥‥‥‥誰にも知られずに独りで

死んでいくなんて嫌だあああ!!!‥‥‥」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「生きたいか?‥‥‥死にたくないか?‥‥

助けて欲しいか?」

 

【研究員A】

「そうだ!‥‥‥助けてくれよぉぉ‥‥‥」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前が自分の欲望の為に殺して来た艦娘達も

きっとそう思ってた筈だ、それについてお前

はどう考えてる?」

 

【研究員A】

「ぼっ!!‥‥僕は殺してなんかいない!!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前が殺したんだよ!!ウ○コ野郎みたいな

将校どもと結託してな!

艦娘達は人類の為に、命懸けで戦ってきたと

いうのに、お前達はそんな彼女達を欲望の道具

とした!命まで奪ってきた!

艦娘達は苦しかった筈だ!死にたくなかった

筈だ!助けて欲しかった筈だ!

お前は彼女達の叫びに少しでも耳を傾けたか?

彼女達の苦しみを少しでも理解したか?」

 

 

【木曾】

俺は‥‥‥‥いつの間にか涙を流していた‥‥

 

‥‥‥憲兵さんよ‥‥‥ありがとう‥‥‥

もう充分だ‥‥‥‥

 

 

【研究員A】

「あんた何言ってるんだ!?道具は人間の幸福

の為にある物じゃないか!!

艦娘なんてただの道具だろ!?だったらそれを

僕たちの幸福に利用して何がわる!!‥‥‥」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「チェック・メイト!」

(ジャキッ!)

 

【研究員A】

「‥‥‥‥へっ?」

 

 

BAGOM!!!

シャキイイーーン!!!‥‥‥

 

【研究員A】

「ぶわらっ!!‥‥‥  」

BShuuu!!!

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

【木曾】

血肉の臭いでむせ返るようなジャングル‥‥

 

だが、確かに月は綺麗だ‥‥‥‥

 

 

【木曾】

(身体が‥‥‥動かない‥‥‥声も出ない‥

‥‥俺は‥‥‥まだ生きているのか?

あんな銃で大穴を空けられて‥‥艦娘の身体

って結構頑丈なんだな‥‥‥でも‥‥‥もう

これまでか‥‥‥‥)

 

 

【木曾】

どの道俺は長くなかった‥‥‥そう思っていた

 

名前も知らない深海棲艦に沈められるか、クソ

みたいな奴らに道具にされてすり潰される

くらいなら‥‥‥こんな最後も悪くない‥‥‥

 

クソッタレが野に放たれる事だけは阻止した

これで少しはあの二人に顔向けが出来るだろう

最後に艦娘としての勤めらしい事は果たせたと

思う‥‥‥‥

 

でも何故かな?‥‥‥涙が‥‥‥止まらない

 

 

(ズッ ズッ ズッ ズッ)

 

 

【木曾】

あの憲兵が近付いてくる‥‥‥‥足音で分かる

なんだ俺は?‥‥‥まるで乙女みたいにはしゃ

いでいるじゃないか♪‥‥‥

 

 

(ズッ ズッ ‥‥‥‥)

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「奴の『超合金コア』を撃ち抜く為に、お前の

肺を撃ち抜いた、悪いが大口径の銃だ、長くは

もたない」

 

【木曾】

「‥‥‥ヒュウ‥‥‥ヒュウ‥‥‥」

(‥‥良いんだ‥‥‥気にしないでくれ‥‥)

 

【二等憲兵吸血鬼】

「さあ、どうする?」

 

 

【木曾】

どうする?‥‥‥どうするもこうするも俺は

もう‥‥‥‥

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{木曾さん、またそうやって独りでカッコ

 つけて背負い込むつもりですか?}

 

 

【木曾】

!?お前たち‥‥‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{本当は嫌なんでしょ?このまま終わる

 なんて、もっと素直になって下さい♪}

 

 

【木曾】

‥‥‥まだ俺に生きろって言うのか!?

俺には何も守れない、現にお前達を‥‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{木曾さんは、そんな身体になってまで

 最後まで私達を守ろうとしてくれたじゃ

 ないですか、私達、嬉しかったですよ}

 

【駆逐艦娘】

{だから今度は私達が木曾さんを守ります

 こっちには来させませんからね♪}

 

 

【木曾】

俺は‥‥‥‥俺はどうすればいい!?

教えてくれ!!

 

 

【駆逐艦娘】

{木曾さん、木曾さんの中で、もう答えは

 出てるんじゃないですか?

 あとは素直になるだけで良いんですよ}

 

【駆逐艦娘】

{木曾さんの目の前にいる人は、木曾さんが

 待ちわびていた人ですよ、それは木曾さん

 本人が一番分かってる事でしょ?}

 

 

【木曾】

お前達‥‥‥全く、余計な気使いやがって‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{私達の様な目に合いそうな艦娘がいたら、

 助けてあげて下さい、もし不幸にもそんな

 艦娘が生まれてしまったら‥‥‥私達の分

 も含めて敵を取って下さい、お願いします}

 

 

【木曾】

‥‥‥‥分かった、それは約束する‥‥‥

生きてさえいればな‥‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{大丈夫ですよ、木曾さん‥‥‥お願いです

 私達の願いは可能なら‥‥でいいですから

 ‥‥‥どうか、生きて下さい}

 

 

【木曾】

そうか‥‥‥俺はまだ‥‥‥お前達の所には

‥‥‥行く訳にはいかんな‥‥‥

 

 

【駆逐艦娘】

{木曾さん‥‥‥お別れです‥‥ありがとう}

 

 

 

【木曾】

‥‥‥‥‥‥ありがとう‥‥‥さらばだ‥‥

 

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お別れの挨拶は済んだかい、さて、君は

どうしたい?」

 

【木曾】

「‥‥‥うっ‥‥‥うう‥‥」(ガクガク‥‥)

 

 

【木曾】

俺はまだかろうじて動く左手を憲兵に伸ばす

最後の力を振り絞って‥‥‥‥

 

約束したんだ‥‥‥‥死にたくない‥‥‥‥

まだ死ぬ訳にはいかない‥‥‥‥だから‥‥

 

‥‥助けて‥‥連れていって‥‥お願い‥

 

 

【木曾】

「‥‥‥うっ‥‥‥ぐ‥‥」(‥‥ガクッ)

 

(ギュッ!)

 

 

【木曾】

俺の左手は力を失って落ちる‥‥‥それを

憲兵が受け止めた‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「よく言った♪」

 

 

【木曾】

憲兵は俺の左手を引いて、俺の上半身を

起こすと‥‥‥俺を抱き寄せた‥‥‥

 

まいったぜ‥‥この俺が‥‥‥男に抱き寄せ

られるなんて‥‥‥しかも‥‥‥こんな形で

‥‥‥この高揚感はなんだ?‥‥‥まさか

俺にも‥‥‥女が残っていたっていうのか?

 

 

【木曾】

「‥‥‥ハアッ‥‥‥ハアッ‥‥‥」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「汝の願い、聞き届けたり!」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「ハアアアァァァーーー!!!」

 

ガブッ!!

 

【木曾】

「あぐっ!!‥‥うっ‥‥‥」

 

 

【木曾】

憲兵は俺の首筋に噛み付いた‥‥‥

まるで西洋の吸血鬼みたいじゃないか‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥あっ‥‥‥うっ‥‥‥」(ピク、ピク)

 

 

【木曾】

俺の身体が微かに痙攣する‥‥‥

 

血を吸われているのか、逆に何かを注入されて

いるのかは分からない

首筋から流れ落ちる体液の熱い感触だけは

ハッキリしている、そして‥‥‥

 

噛まれた事自体は、苦痛なのか快感なのかも

分からない、ただこの時の俺は‥‥‥

 

 

【木曾】

「‥‥‥ああーー❤‥‥」

(ジュブジュブジュブ~~~‥‥‥)

 

 

【木曾】

下半身の秘部を大量に濡らした‥‥‥

これも後で知った事だが、これはいわゆる

『潮吹き』という奴らしい‥‥‥

 

こんな経験は初めてだった‥‥‥‥

やはり俺は‥‥‥女だったんだな‥‥‥

 

 

【木曾】

「ああ❤‥‥‥気持ち❤‥‥い‥い‥‥」

 

 

【木曾】

フフフ♪‥‥‥俺はとんだ『淫乱女』だったって

訳さ♪

それをこんな形で知る事になろうとは‥‥‥

 

その事実を悟った直後‥‥‥俺の意識は切れた‥

‥‥‥

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

小笠原諸島‥‥‥名も無き小島‥‥‥

 

 

【木曾】

「『特選隊』が聞いて呆れるぜ!弱すぎる!!」

(BARARARARARAーーー!!)

 

【ジュラル特選隊員】

「グエエエエーーー!!!」

 

 

連射性能の高い自動二丁拳銃、その名も

『エボニー&アイボリー・シリアルNO:02』

を科って戦う『赤土鎮守府』所属の

重雷装巡洋艦娘『木曾(改二)』

 

艤装は使わず、二丁拳銃と指揮刀だけで

ジュラル特選隊を迎え撃つ

そして彼女の伴侶にして指揮官‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「チェック・メイトだ!」

 

BAGOM!BAGOM!BAGOM!

 

【ジュラル特選隊員】

「「「うーーあああ!!!」」」

 

 

巨大な自動拳銃『454カスール』『ジャッカル』

と『カッターワイヤー』を駆使して戦う

二等憲兵吸血鬼‥‥‥

 

硝煙の臭いが漂う島の上で、二人は背中を

合わせて月を眺める‥‥‥

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「今夜は月が綺麗だな、あの時の月の様に」

 

【木曾】

「奇遇だな、俺もあの時の月を思い出して

いたんだ‥‥‥‥なあ、今更なんだが‥‥

聞いても良いか?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「なんだ?木曾ちゃん」

 

【木曾】

「今夜は‥‥何故かこの傷口がうずく‥‥」

 

 

【木曾】

俺は木曾、あの日、ニューギニアの無人島で

死に損なった、ただの女だ

 

俺の首筋には、あの時の噛み付き傷が今も

残っている‥‥‥

 

‥‥あれから幾年月が経ち、俺は今も戦って

いる、あの日俺は、今の旦那に首筋を噛まれた

が、『ドラキュリーナ』‥‥‥いわゆる女版

吸血鬼にはならなかった

 

その代わり、俺の身体はまるで生まれ変わった

みたいに頑強に、そして更に強くなった

ボロボロだった身体は活性化され、完全に

健康を取り戻した

 

あの噛み付きに何の効能があったのかは

知らないが、俺はこの男の理想を叶える為に

一緒に戦い、一緒に生きる事を決意した

 

まあ、大袈裟にいってしまうとこんな感じだが

要はこの男に惚れ込んじまったって訳さ♪

 

 

【木曾】

「あの日、俺に噛み付いた時、何で俺を吸血鬼

にしなかったんだ?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「分からん、何となくだ、多分惚れたからだと

思うんだが、今となってはドラキュリーナに

しなくて良かったんじゃないかと思ってるよ

木曾ちゃんこそ、何でその傷口を残しておく

んだ?

木曾ちゃんがその気になれば、その傷口は

綺麗に治せるんだがな?」

 

【木曾】

「これか?何となくだ♪多分惚れたからだろ♪

お前に♪」

 

 

【木曾】

この傷は、あの二人への誓いの印‥‥‥

そしてこの男との、大切な絆の証‥‥‥

 

俺の大切な宝物さ、誰が消すものか

 

 

Bushwaaa!! ZUGAGAGA!!

【ジュラル特選隊】

「「ぐわあああーーー!!」」

 

 

『ライトセイバー』の斬撃音と

『ショートボウ』による弓爆弾の炸裂音

‥‥‥‥

 

 

【木曾】

「やれやれ、今夜は大盤振る舞いだな♪」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「俺達だけでやれたのによ!」

 

 

【ジョニーnrsenc一等憲兵】

「なんだ!手応えがないな!せっかくの

運動不足解消がパーだ!」

 

【加賀】

「慢心は禁物だけれど、私達が強すぎるのよ

敵とはいえ、それは酷と言うものだわ♪」

 

 

ZUBASHUuu!!ZUBASHUuu!!

【ジュラル特選隊員】

「「ぐえあああーーーー!!!」」

 

 

今度は『単分子カッター』の斬撃‥‥‥

 

 

【クロード戦艦提督】

「なんだこいつら!この程度の実力で、地球を

制服するだと?『伊勢』や『日向』との稽古

の方が余程ハードだぞ!おとといきやがれって

んだ!」

 

【金剛】

「テートクに相手にされたら、それはそれで

敵いまセーン、でもそれとこれは別デース!

徹底的に叩きまくるネー!」

 

【不知火】

「我々の仲間に手出しした事を徹底的に後悔

させてやりましょう!沈め!!」

(ドゴーーン!!)

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お前ら!俺の獲物だぞーー!!」

 

【木曾】

「まあ、そう言うなって♪みんな仲間想い

なんだよ、俺達と同じさ」

 

 

【木曾】

『ジュラル星人』にたきつけられた

『隙間解放戦線』とか言うチンピラ集団が

俺達の仲間『六本脚鎮守府』にテロ攻撃を

仕掛けようとした

 

俺と旦那でそいつらを粛清した訳だが

今度は黒幕のジュラルと、お人よしの

仲間達が乗り込んで来たって訳さ

 

 

ベキィ!! グシャア!!

【ジュラル特選隊員】

「ギエエエエーーー!!!」

「はっ!化け物だあぁぁーー!!」

 

 

素手でタコ殴りにする打撃音と悲鳴‥‥‥

 

 

【足柄】

「私は狼よ!!化け物とは失礼ね!!よくも!

あの鎮守府に手出ししてくれたわね!!

あそこには子供達もいるのよ!!

全員叩き潰してやるわ!!突撃ぃぃーー!!」

 

 

【木曾】

「ありゃー、相変わらず素手で相手を叩きのめ

してるのかよー」

 

 

(パチーン! パチーン!)

(ズハッ! ズハッ!)

 

【ジュラル特選隊員】

「‥‥べっ!?‥‥」

「‥‥ひぎっ!?‥‥」

 

 

『謎の』指鳴り音が響き、それと同時に

ごく短い悲鳴と共に、真っ二つになる

ジュラル特選隊員‥‥‥‥

 

 

【謎の怪盗カブトムシルパン提督】

「こんな小笠原くんだりまで屍を晒しに

来たか?このクソッタレ殲滅派ども!!

相手になってやる!ただし、真っ二つ

だそ!!」

 

【漣】

「いっけー♪ご主人様ー♪」

 

【神風】

「指令!もうそういう格好で出歩くのは

どうかと思いますけど!?」

 

【謎の怪盗カブトムシルパン提督】

「いやー、何となく癖になってしまって」

 

【神風】

「また変な誤解を招きますよ!!」

 

【漣】

「うーん、多分もう手遅れーー」

 

【木曾】

「おたくら、相変わらず緊張感無いなー」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「おい!!謎提!!俺の獲物返せよ!!」

 

【謎の怪盗カブトムシルパン提督】

「はて?ボキには何の事やらさっぱり?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「惚けるな!!あのチンピラ(活動家C)を

撃った時、指鳴り音が聴こえたぞ!

奴をどうする気か知らないが、あれは俺が

粛清するんだ!!」

 

【クロード戦艦提督】

「おいおい、お前らさっきから何の話をして

るんだよ?」

 

【不知火】

「仕方ありません、この人は怪盗ですから

盗まれたもの(活動家C)は戻ってきません

よ」

 

【金剛】

「エー?これそういう話デスカー?」

 

【ジョニーnrsenc一等憲兵】

「なんだ?面白い話か?俺も一口乗せろよ」

 

 

(ズバシュッ!!!)

【ジュラル特選隊員】

「うわらばぁぁーーー!!!」

 

 

【叢雲】

「あんた達!!お喋りは後にしなさい!!

ここは戦場の真っ只中なのよ!!」

 

【ぼのたん提督】

「早く戦闘に戻っておくれよ!連中、数だけ

は多いんだから!(本当は叢雲の機嫌が悪く

なるのが困るのよ!)」

 

【叢雲】

「何か言った?」

 

【ぼのたん提督】

「‥‥‥いいえ」

 

 

【加賀】

「‥‥ねえ木曾?貴女、何か良いことでも

あった?とても楽しそうな顔をしてるけど」

 

【木曾】

「よう加賀さん、綺麗な月を見てたら少し

昔の事を思い出してな♪」

 

【加賀】

「貴女と吸血鬼は良いコンビですものね

私とジョニーみたいに」

 

【木曾】

「ふっ♪‥‥ありがとよ、加賀さん」

 

【加賀】

「でも、先ずは目の前の事を片付けましょう」

 

【木曾】

「そうだな、行くか!!」

 

 

 

【木曾】

俺の名は『木曾』、『赤土鎮守府』所属

吸血鬼の憲兵と結婚した女

 

これからもこの男と戦い続けるだろう

これからもこの男を愛し続けるだろう

 

これからも、あの二人との約束を‥‥‥

 

 

【木曾】

「大丈夫だ、俺に任せろ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

同時刻‥‥‥ある港町の倉庫‥‥‥

 

 

【ジュラル星人、ハイザKIーX06号】

「‥‥なるほどな、それで世界中を逃げ回って

きた訳か‥‥‥良いだろう、契約成立だ♪

ただし、もう逃げるなよ!

俺と契約したからには、何処にも逃げ場は無い

と思え!作戦はいずれ指示する、オーケー?」

 

 

暗い倉庫の中で、一つの陰湿な契約が成立

した‥‥‥‥

 

 

【用心棒B】

「逃げるのはもう疲れた、もう沢山だ、生きて

行く為に金と寝床さえ貰えば何だってしてやる

さ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

翌朝、六本脚鎮守府‥‥‥

 

 

 

【川内】

「二人ともおはよう、いやここは『お帰り』って

言うべきかな?」

 

【へたれ提督】

「夕べはお疲れ様、昨日は言う通りにしてたよ」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「それは上々、ところで腹減ったー!!」

 

【木曾】

「なんだ、出迎えしてくれたのか?」

 

【サラトガ】

「二人ともお疲れでしょう、先にシャワーでも

浴びられてから朝食はいかがですか?」

 

【木曾】

「そいつは助かる、身体がベトベトだ」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「うーむ、すぐに食いたいが、紳士は身嗜みが

大事だからなぁー」

 

 

【山風】

「‥‥何だか‥‥硝煙の臭いがする‥‥」

 

【海風】

「そこはそっとしておきましょう」

 

 

【UXー01】

「吸血鬼さん、お肉たけじゃバランスが悪いわ

私の漬けた白菜のお漬物も食べていってね♪」

 

【木曾】

「そんな物まで造ってたのか?」

 

【二等憲兵吸血鬼】

「お肉食べたい~~!!」

 

【UXー01】

「好き嫌いはダメよ!」

 

 

【フェニックス】

「ありゃ完全に『小さなお艦』だな」

 

【神威】

「でも美味しかったですよ、神威も漬け方を

教えて貰いましたから♪」

 

【あきづき】

「はい、とても美味しかったです、朝食の

お漬物、良いですねー♪」

 

【川内】

「フフ♪あなたは護衛艦になっても、食には

こだわるよね♪」

 

【あきづき】

「‥‥えっ?それはどういう‥‥」

 

【清霜】

「あきづきちゃん、あまり深く考えなくても

いいよ」

 

【江風】

「そうそう」

 

【アンドロメダ】

「う~~、朝はキツイ~~、メダ子、朝は苦手

なのに~~」

 

【フェニックス】

「宇宙戦艦が、もっとしっかりしろよ」

 

【アンドロメダ】

「それって関係ないしぃ~~!」

 

 

【へたれ提督】

「メダ子、しゃんとしろよ、さあて、俺達は

今から仕事だ」

 

【川内】

「二人とも、ゆっくりしていってね♪」

 

【木曾】

「おう、助かる‥‥‥なあ川内」

 

【川内】

「どうしたの?木曾さん?」

 

【木曾】

「俺のことは、さん付けで呼ばなくていい

『木曾』って呼んでくれ、それでな‥‥‥」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(回想)

 

第8研究機関、研究所‥‥‥

 

 

【川内】

「‥‥‥アタシは‥‥‥使えない艦娘‥‥‥」

 

【木曾】

「そんなこと言うな!!‥‥お前は!お前は!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

【木曾】

「お前は優秀な艦娘さ、誰が何と言おうとな」

 

【川内】

「えっ?どうしたの?急に」

 

【木曾】

「何となく‥‥‥だ♪」

 

【川内】

「よくわかんないけど‥‥ありがとね、木曾♪」

 

【木曾】

「おう♪」

 

【へたれ提督】

「木曾ちゃん!ありがとーー!!」(ウルウル)

 

【木曾】

「あんたが泣いてどうするよ!」

 

 

【川内】

「それじゃみんな!朝からシャキッと行くよ!」

 

【フェニックス】

「軽巡『川内』の台詞とは、到底思えんが‥‥

了解した!いくぜ!」

 

【清霜】

「うん♪ママ、清霜に任せて♪」

 

【江風】

「アタシも頑張る!」

 

【海風】

「はい♪がんばります!」

 

【山風】

「うん‥‥‥やってみる」

 

【川内】

「あきづきは、戦隊護衛をお願いね」

 

【あきづき】

「はい、お任せください!」

 

【川内】

「神威は補給をお願いね、今日の任務は近く

大きな輸送作戦の訓練も兼ねてるから」

 

【神威】

「はい、補給は神威にお任せください♪」

 

【川内】

「今日は戦艦組にも頑張って貰うよ!」

 

【アマルテア】

「✨はい♪お任せください♪です♪✨」

 

【アンドロメダ】

「も~~!川内ったら、何で朝からそんなに

テンション高いのよ~~!本当にこの人

川内なの~~?」

 

【川内】

「頭の上からアソコまで、全部川内だよ!

サラ子さんは上空警戒をお願いね♪

サラ子さんが居てくれると安心出来るから」

 

【サラトガ】

「はい♪サラ子が制空権をお守りします

川内さん、今朝は絶好調ですね♪

夕べの夜戦(意味深)は素敵でしたか?」

 

【川内】

「✨うん♪❤とっても気持ち良かっ‥‥‥

///はわわわ!!///」

 

【アンドロメダ】

「何となく予想はしてたけど、そういう事

かい!!」

 

【清霜】

「ママはやっぱりこうでなくちゃ♪バッチリ♪

バッチリよ♪」

 

【江風】

「‥‥‥もう突っ込む気力もない」

 

【へたれ提督】

「‥‥という訳で、出撃じゃい!」

 

 

へたれ提督が久々の陣頭指揮をとって

小規模な輸送護衛任務に出撃である‥‥

 

大きな輸送作戦が年明けにひかえていた

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

六本脚鎮守府の食堂‥‥‥

 

 

【衣笠】

「いらっしゃい♪沢山食べていってね♪」

 

【瑞鳳】

「良かったら卵焼きもどうぞ♪」

 

【木曾】

「ありがとう、いつも助かる」

 

【衣笠】

「助けて貰ってるのはこっちもだからね♪」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「(ガツガツ!モグモグ!)」

 

【木曾】

「ゆっくり食べろよ、誰も取りゃしないから」

 

【雄一少年】

「相変わらず凄い量食べるなぁ~~」

 

【ナナ】

「何処に入るんだろうね?」

 

【天龍】

「この男の胃袋を、普通の定規で計る事なんて

出来ないんだよ」

 

 

【二等憲兵吸血鬼】

「(ガツガツ!モグモグ!)」

 

【木曾】

「♪♪~~~」(ニヤニヤ~♪)

 

【二等憲兵吸血鬼】

「(ガツガツ!)‥‥うん?どうした木曾ちゃん?

俺の事見て?顔に何か食べかす着いてるか?」

 

【木曾】

「見てるだけだよ♪気にするな~♪」

(ニヤニヤ~♪)

 

【天龍】

「おい!何だよ木曾!?さっきからニヤニヤして

気持ち悪いなーー!」

 

【木曾】

「♪♪~~~❤」

(ニヤニヤ~♪)

 

 

 

この時世間は、『ハロウィン』の季節を迎えよう

としていた‥‥‥‥

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

二等憲兵吸血鬼と木曾ちゃんの出会いシーンを

独自設定としてつくってみました

 

いかがでしたでしょうか?

 

所々に、気になる登場人物(あきつ丸とか)も

居ましたね、それらが絡み合って今の展開に

繋がっている訳で、自分でも整理しないと

大変です

 

時系列としてはこの後で、『モルグで新ヒーロー

が誕生するハロウィン新喜劇』が展開する事に

なる訳です

 

 

今回の設定は、あくまで独自設定になります

提督諸氏の皆さんの作品作りに何らの制駐を

加えるものでは決してありません

 

吸血鬼憲兵さん、ご協力感謝します

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(エピローグ)

 

 

ミンダナオ島、ダバオのホテル‥‥‥

 

 

『欧州ブロック海軍、親善派遣艦隊』の駆逐艦

『Zー1028』『Zー1018』の二隻が

二隻の輸送船と護衛の(阿武隈)水雷戦隊を

供なって、ダバオの港に入港した‥‥‥

 

彼等派遣艦隊は、交代の護衛隊が到着するまで

ここに待機している

随伴していた『鷹尾少尉』と水雷戦隊はここで

別れる事になる

 

 

ここまでの航海は鷹尾少尉にとっても刺激的な

出来事の連続であった

 

先ず、洋上で恐ろしく巨大な戦艦『紀井』と

遭遇、それは『海軍特別警察隊』の一員

『リンガ特設連邦鎮守府』の所属艦であった

 

それもそれで刺激的な出来事であったが

その後に起こった喜劇(?)は、鷹尾少尉に

とっても『Zー1028』の乗組員にとっても

刺激的‥‥というより衝撃的であった!

 

彼等は突然、その海特警の元締め

『ヒィッツ提督』の来訪を受けたのだ!

広い洋上を航行中の駆逐艦の艦内に突然

外部から現れた『謎の登場』をした男‥‥

そして、その秘書艦と思われる一人の

『妙高型』重巡洋艦娘‥‥‥

 

驚愕し続ける鷹尾達を余所に二人は、挨拶も

そこそこに鷹尾少尉に質問する

 

それは彼が把握している『海特警』に関する

噂の数々‥‥‥‥

それは大半、悪意によって捏造・歪曲された

噂に過ぎないと、鷹尾少尉本人も思っていた

 

『ヒィッツ提督』は、輸送任務を重要視して

海軍では冷や飯食いの自分を評価してくれた

こんな提督が噂の様な悪人の訳がない!

 

しかしここで問題は、鷹尾少尉が語る海特警

の、というより『ヒィッツ提督』本人への

悪評の内容の数々であった‥‥‥

彼はその内容が、海特警全体や艦娘に対して

ではなく自分個人に対してのものが殆どだと

知って安心した(ショックを受けてないとは

言っていない)

 

側にいた重巡洋艦娘は納得出来なかったが

 

しかし、話が『漁食家』という話題になると

ヒィッツ提督の様子が段々と変化していく

 

その内容は、ヒィッツ提督が他人の秘書艦や

嫁艦を、時には艦娘への甘言、時には権力を

盾にした強行手段を用いてその触手を伸ばし

艦娘達を食い物にする、そして用が済んだら

簡単に捨ててしまう‥‥‥

まさに悪逆非道の限りをつくしながらも

その権力で海軍に君臨する『影のオフィサー』

‥‥‥‥‥

 

自分で説明しておきながら、鷹尾少尉も何か

アホらしくなってくる

 

 

【鷹尾 和則】

「‥‥何だよこりゃ!?海軍の奴ら!こんな事

本気で信じてるのか!?

まるで何処かの『同人誌』に描かれてる様な

内容じゃないか!だとしたら誰だよ!?

こんなの描いたのは!?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

【秋雲】

「‥‥‥‥えっ?」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

ここで鷹尾少尉から語られた内容は、ヒィッツ

提督にとってはショックが大きかったようで、

というよりショックの蓄積が臨界点に達した

ようで‥‥‥

彼は青い炎を発すると、そのまま灰になって

崩れ落ちてしまった!

 

(アイエエエ!!ナンデェーー!!?)

 

こんな凄まじい事が起こってただでさえ理解

が追いつかないのに、その後に起こった内容

はある意味、更に衝撃的だった

 

それを見た連れの重巡洋艦娘は、悲哀と慈愛

の眼差しで見ながらも、まるで『またやっち

ゃったか‥‥』といった感じで、平然と灰を

回収し始めたではないか!

 

彼女にとっては、こんな事が日常なのか!?

鷹尾少尉と乗組員達が固まっているのを余所

に、彼女はヒィッツ提督のなれのはての灰を

回収すると、そそくさと帰っていった‥‥‥

 

【羽黒】

「‥‥‥それでは失礼いたします」

 

異常事態のオンパレードの中で、羽黒の

冷静さと健気さは、鷹尾少尉や乗組員達に

かろうじて平静を取り戻させた

 

 

だが、驚愕はまだ終わらない‥‥‥

 

 

翌日も二人はやって来たのだ!しかも!

 

 

【ヒィッツ提督】(外見変化)

「あたいはいなくならないわよ!!!」

 

【羽黒】

「あの後一晩、お姉さん達と一緒に、四人で

じっくり『慰めエッチ❤』をしました♪❤」

 

【鷹尾 和則】

「ええ‥‥‥‥」

 

 

それだけを言い残して帰っていったのだ!

 

 

【Zー1028艦長】

「だから君達!何処からどうやって入って

どうやって帰っていったの!?」 

 

 

ダバオに到着するまで、艦長の疑問に答える

者は誰もいなかった‥‥‥

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

あれは現実だったのか?‥‥‥

 

ええい!しゃあない!切りかえていけ!

 

 

ここはダバオのホテルの一室‥‥‥

 

『Zー1028』の艦長が個人的に部屋を借りてい

るらしい‥‥‥

 

鷹尾少尉は、艦長に連れられてその部屋に来て

いた、部屋には鷹尾少尉と艦長、そして‥‥‥

ベッドの上で怯えた様子の一人の女性‥‥‥

 

今、この部屋にいるのはこの三人だけだ

 

 

【Zー1028艦長】

「彼女は8か月前、我が海軍が遠征中に

『ミクロネシア海域』で保護した者だ

艦娘に極めて近い存在なれど、どうも純粋な

艦娘とは少し違うらしい

それに今彼女は、自分の本来の姿を失って

いる、今のボロボロの姿は本来の彼女の姿

ではない

それが悪かったのか、彼女は何ヶ月もの間

『呪いの使者』として、海軍はもとより、

軍全体の権力争いの道具として利用され

忌み嫌われてきた‥‥‥

彼女には何の罪もないのにな‥‥‥」

 

 

女性は新しい服に着替えてはいたが、全体

としてボロボロの印象だった

きっと相当酷い目にあって来たのだろう

鷹尾少尉を見る彼女の目は、呪いの使者の

貫禄なぞ微塵もなく、怯えきっていた

 

 

【鷹尾 和則】

「そんな彼女が何故ここに?」

 

【Zー1028艦長】

「私が密かに連れ出した!」

 

【鷹尾 和則】

「えええ!?」

 

 

軍の資産を、一艦長が勝手に持ち出したと

なればただでは済まない!

しかし、この艦長はあえてそれをやった

 

 

【Zー1028艦長】

「本国に置いていても彼女は政争に利用される

だけで不幸のままだ!

あるいは命の危険にも晒されかねない!

我々の文化圏には『魔女狩り』というものが

あるのは知ってるだろう?」

 

【鷹尾 和則】

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

【Zー1028艦長】

「私には艦娘を指揮する能力はない、ましてや

幸福にする事など、だが放っておく訳には

いかない!

私が彼女を東洋まで連れて来たのはある意味

賭けではあったが、私はその賭けに勝った

らしい、君のような男に出会えたのだから」

 

 

この艦長、自分の事をどれだけ買い被っている

のだろう、しかし、彼は本気だ!

こんな事までしたんだ、もう後には引けない

だろう、鷹尾少尉もそれだけは理解できた

 

 

【鷹尾 和則】

「艦長は‥‥‥俺に何を望んでるんです?」

 

【Zー1028艦長】

「彼女を、君の国に連れ帰って欲しい!

君の秘書艦として、彼女を幸福にしてやって

欲しい!!」

 

【鷹尾 和則】

「えええええーーー!!!?」

 

 

ある程度、予報はしていた、しかし実際に

聞かされるとやはりショックは隠せない

 

 

【鷹尾 和則】

「彼女を‥‥‥俺が!?」

 

【プリンツ・オイゲンR】

「貴方は‥‥‥誰なの?」

 

【鷹尾 和則】

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

 

 

艦娘と人の出会いは『運命と縁』‥‥‥‥

 

その運命と縁に導かれて今、一組の男と女が

ダバオのホテルで運命の出会いを果たした

 

 

そして、鷹尾少尉の海特警との関わりは

まだ始まったばかりであった‥‥‥‥

 

 

 

 

【ヒィッツ提督】

「わたしはいなくならないわよ!!!」

 

【デストリア】

「顔が変わっても、そんな事絶対起こらないから

もう大人しくしてくださいデス!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

        [出 演]

 

へたれ提督(六本脚鎮守府)

謎乃提督ヒィッツカラルド(謎の鎮守府)

クロード戦艦提督(リンガ特設連邦鎮守府)

ジョニーnrsenc一等憲兵(現KLG)

二等憲兵吸血鬼(赤土鎮守府)

ぼのたん提督(ぼのたん呉鎮守府)

鷹尾 和則(帝国海軍補給部(この時点では))

 

川内(六本脚鎮守府)

足柄(謎の鎮守府)

金剛(リンガ特設連邦鎮守府)

衣笠(六本脚鎮守府)

不知火(リンガ特設連邦鎮守府)

木曾(赤土鎮守府)

叢雲(ぼのたん呉鎮守府)

瑞鳳(連邦統合海軍省査察局)

 

清霜(六本脚鎮守府)

アンドロメダ(六本脚鎮守府)

江風(連邦統合海軍省査察局)

海風(連邦統合海軍省査察局)

山風(連邦統合海軍省査察局)

 

サラトガ(六本脚鎮守府)

天龍(六本脚鎮守府)

あきづき(六本脚鎮守府)

青葉(謎の鎮守府)

漣(謎の鎮守府)

神風(謎の鎮守府)

秋雲(謎の鎮守府)

 

神威(六本脚鎮守府)

フェニックス(六本脚鎮守府)

アマルテア(六本脚鎮守府)

ダブラス(謎の鎮守府)

 

戦艦レ級

その他深海棲艦

 

研究員A(第8研究機関)

研究員B(第8研究機関)

用心棒A(野良擲弾兵)

用心棒B(野良擲弾兵)

レアリエン兵(第8研究機関)

 

三木之 苗夫(アジア・オセアニアブロック海軍)

 

ハイザKIーX08号(ジュラル特選隊)

 

ジュラル特選隊員

 

Zー1028艦長(欧州ブロック海軍)

 

プリンツ・オイゲンR

 

射命丸 文

 

雄一少年(天龍児童園)

ナナ(天龍児童園)

 

あきつ丸(六本脚鎮守府)

 

UXー01(六本脚鎮守府)

デストリア(謎の鎮守府)

 

羽黒(謎の鎮守府)

 

加賀(現KLG)

 

 

 

 




本作品は二次創作であり、かつフィクションです
本作品における設定及び固有名詞は全て架空です
本作品には実在の人物や特定の団体に対して
誹謗中傷する意図は全くありません
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