魔法少女の(AV)スカウトマン 作:ジェイジェイ先輩
あとエロ描写はほぼなく、説明とヒロイン登場ぐらいです。
———魔法少女。
それは、【ネバーヘヴン】と呼ばれる異世界の技術を利用した、特殊な戦闘集団の呼称である。
主に第二次性徴を迎える前の、思春期の少女達で構成されているが、【魔法】が使えると言う一点において、物理兵器の効かない対【ソウルイーター】戦においては、唯一の対抗手段であった。
一度契約すれば、死ぬまで辞められず、日夜繰り広げられる過酷な戦闘に、少女達は壮絶な覚悟を抱いて立ち向かっている……かと思いきや、実際の所、少女達が懸念しているのはもっと別の所であった。
具体的に言えば、魔法少女としての衣装。或いは、魔法を発動する際の仕草や、魔法の効果そのもの。
彼女達は、大なり小なり、それらに不満を持っていた。
理由は簡単で、
それも、ダサい衣装だから恥ずかしいとか、魔法の効果がショボいから恥ずかしいとか、そういう事ではない。
もっと直接的に、
魔法少女達は知らないが、魔法少女システムとは、そもそもネバーヘヴン側が意図的にそれらの【恥ずかしい】と言う感情を煽るように設計したものであった。
もちろん、幼気な少女達の羞恥の感情に愉悦するとかではなくて、真面目な理由があった。
それを説明するには、先ずソウルイーターの特性について説明する必要がある。
常識であるが、ソウルイーターとは異世界から現れた異形の怪物である。その見た目は千差万別、様々であるが、大抵は見る者にある種の感情を想起させるような形態を取っている。
何故なら、ソウルイーターはその名の通り、
ネバーヘヴンは、ソウルイーターのこの習性に着目した。
つまり、例え核爆発の爆心地に居たとしても、無傷で生還する程のふざけた物理耐性を持つソウルイーターだが、感情エネルギーに対しては、否応なく無防備なのである。
そこで、ネバーヘヴンの高度に発展したコンピュータによる計算の元、ソウルイーターを内部から破壊する程のエネルギーを持つ感情が模索された。
幾億もの電子シュミレーションの元、ネバーヘヴンはついにその感情を見つける事に成功した。
それが、思春期の少女達が発露する、【羞恥】の感情だったのである。
そして、ネバーヘヴンは感情エネルギーを魔法として扱う為の技術を開発した。
それこそが、魔法少女システムである。
それ故に、魔法少女システムでは契約を交わした少女達の深層心理を探り、彼女達が最も恥ずかしいと感じる仕草や格好を的確に判断し、それを強制するような衣装や魔法になるように仕向けられている。
当然、こんな裏事情は魔法少女達には教えられない。
もしも彼女達がこれを知ってしまえば、魔法少女を引退する者が出てくるだろうし、何より、魔法少女達を半ば騙していた事になるのだから、ネバーヘヴンの信用問題に繋がる。
感情を持たない某白いナマモノと違い、聞かなかった方が悪いとまでは開き直れないのである。
しかし、ネバーヘヴンの住人達が感情を持っていた事は、良いことばかりではない。
一つ考えて欲しい。
そもそも、異世界の住人である彼らが、何故別の世界の住人を助けるような真似をするのか。
『ネバーヘヴンは地球に暮らす人々の感情に密接に関係する世界であり、ソウルイーターによって感情を喰らい尽くされると、ネバーヘヴンは滅びてしまう。
だから魔法少女システムは、あくまでもギブ・アンド・テイクのドライな関係であり、地球の人々を守りたいからではなく、我々の世界を守る為に協力しているに過ぎない』
と言うのが、契約を持ちかけた魔法少女候補、或いは魔法少女の関係者に問われた時の為の、表向きの理由である。もちろん、これは嘘ではなく、事実であるし、ネバーヘヴンの住人も
しかし、世界の存続が掛かっているとは言え、魔法少女システムの構築には多額の資金が導入されており、無償で提供する事は些か厳しいものがあった。
そこで、ネバーヘヴンが地球人を助ける、裏の理由に繋がるのである。
これは、魔法少女システムの真実以上に、絶対に、何に代えても死守しなければならないならない超極秘事項なのだが、実は魔法少女となった少女達には、ネバーヘヴンが開発したステルス機能搭載自律飛行超小型高性能カメラが監視に就くのだ。
これは、魔法少女達の精神と肉体の健康状態を図ると共に、彼女達の戦闘を記録し、次世代に活かす、と言う名目でネバーヘヴン内では認可されたものだが、その実態は異なる。何故ならその監視体制はあらゆる場面に適用され、着替えは勿論の事、入浴やトイレでさえも映像として記録されるのである。
つまり、これらの映像は実際の所、ネバーヘヴンに暮らす住民の
しかも、本命はそれらの盗撮ではない。
先程も述べた通り、ソウルイーターは感情を喰らうのだが、魔法という攻撃としてでなければ、それは羞恥の感情であってもいいのだ。
しかも、羞恥の感情を煽るのは、見た目で怯えさせて恐怖の感情を喰らうよりも容易い。
それ故に、ソウルイーターは基本、相手が女性であれば、服だけを破ったり、足を無理やり開いたりと、羞恥を煽る行動をする事が多い。
それは相手が魔法少女であっても同じであり、寧ろ、魔法少女システムが羞恥の感情を煽るように設計されている分、より狙われやすいと言えた。
これによって、魔法少女に成り立ての初心者であったり、強力なソウルイーターが相手であったりすると、大抵の魔法少女は、かなり大胆な格好にさせられてしまうのだ。
ソウルイーターの中には、服だけ溶かす液体や、無数の舌を持つ触手など、様々なシチュエーションが期待できる個体が数多くいる為、魔法少女の戦闘行為は、ネバーヘヴンの成人男性からすれば、感情を喰らう化物の脅威を退けると共に、記録されたえっちな映像が日頃の性欲を満たす為のオカズにもなり得るのだ。
この事実をネバーヘヴンの女性達は知らない。
記録映像は魔法少女達の本名、年齢、スリーサイズと共にAVとして密かに製造され、専門のブローカーを介して個々人で取引される。
そして、その販売で得た利益は魔法少女システムの開発費用に充てられ、結果的には魔法少女システムの無償での提供に繋がっているのである。
絶対にバレてはいけない秘密であり、仮にこれが魔法少女達にバレる事になれば、キレた彼女達によって、ネバーヘヴン……主に成人男性達は滅びを迎えるだろう事が予測できる。
それ故、魔法少女監視カメラの実情はネバーヘヴンの成人男性達の間で秘匿されているのであった。
ネバーヘヴンの住人に感情……性欲があった事で地球人はソウルイーターの脅威を避ける事が出来たのだが、被害を受ける思春期の少女達にとっては不幸な事実であった。
◆
黒い羊のナマモノこと、ジェイジェイ。
見た目は愛くるしい人形そのものだが、なんと中身は子持ちのオッサンである。
そんな彼の仕事は、思春期の少女達を魔法少女に勧誘する事。
勧誘対象の少女達は大体が小学校高学年から中学校卒業までの年齢の為、もしも見た目が中身そのままのオッサンであったら、一発で通報されて色々終わる事間違いなしの職業である。
だが、それは表向きの仕事。
実際の彼の仕事は、幼気な少女達に魔法少女になってもらい、ネバーヘヴンの同志達に、至極の映像を届ける事であった。
……ようは、AVのスカウトマンである。
ただし、そうとは説明せず、無断で。
中々に鬼畜な仕事であるが、ジェイジェイにも言い分はある。
『可愛い女の子のえっちな姿は、見たいだろ?』
言い訳にもなっていないが、これがジェイジェイの本音であるのは確かである。
そもそも、ジェイジェイの結婚相手は魔法少女の一人であり、噂によれば、孕ませてしまった責任を取って結婚したとか。
未成年の少女とデキ婚するぐらいには、生粋の変態であった。
さて、そんなジェイジェイであるが、少し前までは結婚を機にスカウトマンの仕事は引退し、愛する妻と共に仲睦まじい生活を送っていたのだ。
しかし、近年の魔法少女不足が深刻になり、ソウルイーターによる被害が増えた事と、欲求不満な一部の男達から要望があり、数多の魔法少女を契約に導いた事で伝説となっていたジェイジェイにお鉢が回って来たと言う訳だった。
因みに、ジェイジェイが孕ませた魔法少女、つまりは現嫁のAVは異例の発禁になっており、そう言う意味でも伝説になっているのだが……。
兎も角、ソウルイーターに対抗する為、そして、新しいオカズが減って性欲を持て余している同志達の為に、ジェイジェイはその仕事を引き受けた。
そして、現在。
ネバーヘヴンより、漆黒の羊が世界に降り立った。
見た目は羊、中身はオッサン。
ここに、伝説の魔法少女の(AV)スカウトマンが復活したのであった。
◆
「……何故だ……何故スカウトできない……?」
地球に降り立ってから一ヶ月。かつての伝説も虚しく、ジェイジェイのスカウトは悉く失敗していた。
そもそも、ジェイジェイは魔法少女不足をソウルイーターが強力になった所為だと考えていたのだが、それは違った。
曰く、魂だけの存在にされるのは嫌だとか、どうせ三話ぐらいで死ぬんだとか、よく分からない誤解が世間に浸透し、誰もジェイジェイの言葉をまともに取り合ってくれなかったのだ。
誤解は誤解であると説得したのだが、AVに強制出演させるという、ある意味では死よりも酷い事をしている自覚が——結婚してから芽生えた——あったので、ジェイジェイも無理には勧誘できなかったのだ。
それでも、持ち前のラッキースケベスキルが自動発動し、制服のシャツの襟に入り込んでブラジャーの上から胸を触るとか、スカートを誤って下ろしてしまうとか、ちょっとした映像を撮ることはできていた。
だが、これでは目的の半分も達成できていない。
伝説のスカウトマンとして、それなりに自信があっただけに、この結果にはショックを隠せないジェイジェイであった。
しかも今朝、追い討ちを掛けるように上司……というか、王女様から直々に、『Gカップ以上の巨乳の子をお願いっ♪』との指令メールを受け取ってしまった。
一国の王女とは思えないふざけた文面であり、なおかつ無理難題である。
満員電車で人混みに押し潰されながらどうにかそのメールを見たジェイジェイは、苛立ちのあまり、近くにいた中学生らしき少女のスカートを
電車内痴漢にしても大胆な犯行であるが、ジェイジェイ達ネバーヘヴンの住人の姿は魔法少女の資格がある者にしか見えないように工夫されているので、大抵はバレずに痴漢できる。やり過ぎて本国のお偉いさんにバレるとクビになるが。
兎も角、イライラしていても自分の保身はしっかり考えての痴漢であった。
だが、片手でお尻を隠しつつ、もの凄い勢いで振り向いた少女は、運が悪い事にジェイジェイが見えているようだった。
一瞬で冷静になったジェイジェイは、引き攣った笑みを浮かべつつ、ダメ元で魔法少女に勧誘してみた。だが当然の如く断られた上に、少女が降りる駅まで拘束され、危うくトイレに流されかけた。
「小中学生でGカップ以上とは……?そんな究極のロリ巨乳が実在する筈ないだろう……」
仮にも女王からの指令の為、安易に突っ撥ねる事もできないジェイジェイは、乙女のお尻の感触と引き換えに濡れ雑巾となった身体でぶつぶつと文句を言いながら街中を歩いていた。
もちろん、身体が濡れたのは水道で全身を洗ったからであるが、思春期の小中学生は魔法少女としての適性が高いと言う初歩中の初歩を忘れて、許されざる痴漢と言う行為に走ったジェイジェイの自業自得であった。
「——ヤバッ、遅れそう……!」
そんなジェイジェイの横を駆け抜けていく、一人の少女。
セーラーカラーをなびかせ、スカートのプリーツを翻して、眼前を走り抜けていった圧倒的躍動感に、ジェイジェイは暫し沈黙する。
つまりは、バインッ、バインっ!と、たわわに揺れる少女の胸部装甲に見惚れていたのである。
「……確実にGはあったか……」
しかも、着ていた制服は先程ジェイジェイが痴漢した少女と同じものであった。勧誘した時に確認した所、お尻の柔らかい彼女はやはり中学生であったようなので、今目の前を駆け抜けていった少女も、中学生という事になる。
まさに、天啓の如く現れた少女と言えた。
「理不尽な命令でも、一応は王女だしなあ……」
と、そんなこんなで、次の
◆
「——名城こだち、か……」
その日のお昼頃、ジェイジェイは、意外に優れた情報収集能力でもって、新たな魔法少女候補の素性を洗い出していた。
と言っても、あれ程の巨乳はやはり有名だったらしく、一度の聞き込みで大体分かったのだが。
まあ、そんな感じで簡単に判明した名城こだちと言う少女だが、やはり近隣の楓浜中学校の生徒で、学年は二年生だった。
その年の割には背が低く、華奢な身体つき。ツインテールという髪型も相俟って、やや幼げな印象を与えそうだが、胸元の超中学級の、高校でもそうはいないだろう膨らみの存在感がそれを吹き飛ばしていた。
「このレベルのロリ巨乳は滅多に拝めない逸材だぞ……」
校舎近くの高木に潜み、授業を受けているこだちを観察しながら、ジェイジェイは呟く。
なんせ、中学生のサイズではないのだ。小柄なこだちに合わせた制服では、どうしても胸元を押し上げる二つの膨らみを強調してしまう。
こだちもそれは分かっているようだが、歩く度に胸が揺れるのは避けようもない。
半ば諦めたように男子からの視線を受け止めていた。
「……問題は外見より性格の方だが……」
女王からの指令的にも、AVに出演させると言う本命的にも、こだちの外見は合格と言えた。
後は表向きの理由、ソウルイーターを倒すと言う目的の為、できれば清く、正しい心の持ち主である事が望ましかった。
そう言う点で、こだちはどうだろうか。
猫を思わせるやや吊り目の顔立ちは愛らしいが、少々攻撃的な性格を覗かせる。実際、気に入らない事があれば男子や教師にも噛み付いていく、なかなか気の強い質であるらしい。
魔法少女は純粋無垢を旨とする為、折角の(AV的に)逸材であっても、お偉いさん方に拒否されてしまうのではと、ジェイジェイは懸念したのだが——
「———俺の早とちりだったようだな」
窓枠の陰に隠れて室内を覗いたジェイジェイは、口元にニヒルな笑みを浮かべる。
そこは、楓浜中学校の図書室。
些か意外だが、こだちという少女は図書委員長を務めているそうで、貸出カウンターに腰掛けて作業をしていた。
……彼女の手元には一冊の本。
古い物らしく、表紙は汚れ、所々のページも取れかけていた。
そんな本の表紙の汚れを丁寧に落とし、取れかけたページも留め直す。
それらの作業が終わったこだちは、本の表面を撫で、確かに優しく微笑んだ。
本であれ、何であれ、何かを思い遣れる人の心には間違いなく温かいものがある。
こだちもそんな心の清い人間なのだと、長年に亘って人を見てきたジェイジェイは確信する。
魔法少女としての適正は十分ある。
そうとなれば、早速勧誘を始めよう。
◆
ジェイジェイのプランはこうだ。
『こだちのポケットから落ちるハンカチ』
↓
『それを颯爽と拾い上げるジェイジェイ』
↓
『ジェイジェイ「落としましたよ、可愛らしいお嬢さん」(キラッ)』
↓
『こだち「あ……ありがとう……」(赤面)』
「——グッジョブ!!」
ガバガバ過ぎる作戦立案にも関わらず、自画自賛するジェイジェイ。
本当に伝説と呼ばれる程だったのか、疑問になってしまうが、ジェイジェイの本領は、そのラッキースケベの発動率にこそあるのだ。
数分後の結果から鑑みるに、こだちのポケットから偶然にも可憐な花の刺繍のハンカチが落ちかけているのを見つけたのは、その発動が原因だったのかも知れない。
兎も角、ジェイジェイはその作戦を敢行する為、そそくさと図書室に侵入し、その瞬間を待った。
——ひらりと、こだちのポケットからハンカチが舞い落ちる。
今だ……っ!
羊というより猫科の猛獣の如き俊敏さを見せ、ジェイジェイがハンカチへと駆ける——が。
「——あ。ヤバっ」
まだハンカチが空中にある内に、こだちはその落下に気付いていた。踵を支点に向き直り、床から拾い上げようとしゃがみ込む——
「————あ」
ジェイジェイの双眸が見開かれた。
こだちは片腕に本を抱え、もう片方の手をハンカチへと伸ばしている。
図書室には他に人が居なかった事も警戒を緩めた原因だろう。
スカートを全く押さえずにしゃがみ込んだ為、その正面に突っ込む形となったジェイジェイからは、その中身が丸見えとなった。
……白地に四つ葉のクローバー柄、か……。
こだちの可愛らしい下着を記憶に焼き付けるジェイジェイ。
だが、羊は一度走り出したらそう簡単には止まれないのだ。
要するに——黒い羊は、JCの魅惑の下半身へと突貫した。
「んきゃあっ!?」
「………っ!?」
こだちのしゃがみ込んだ両足を通り抜け、ジェイジェイはその中心……可愛い下着に覆われた、こだちの乙女な部分にダイブする。
ぷにゅっと押し付けられた鼻から広がっていく、少し汗ばんだかぐわしい香りと、十四歳の甘酸っぱい体臭を嗅覚に、こだちの鼻に掛かった悲鳴を聴覚に、乙女の触り心地の良い柔肌と、サラサラとした綿の下着を触覚に感じつつ……冷や汗で全身を濡らすジェイジェイ。
……数秒……数分……多分数時間ではない時が経過し、独特の香りにジェイジェイが朦朧とし始めていた辺りで、暗闇の中にあったジェイジェイの世界に光が戻ってくる。
……こだちのスカートから引っ張り出されたのであった。
首筋を猫のように掴み上げられ、こだちの顔の前まで釣り上げられたジェイジェイは見る。
……内心の怒りと羞恥を表すように溶岩の色へと染まったこだちの瞳が、目尻に涙の粒を溜めて自分を睨むのを……。
流石のジェイジェイも、これは不味い状況だと理解していた。
いや、ある意味美味しい状況ではあったし、ありがとうございますとお礼を言ってもいいぐらいなのだが、このままでは、好印象を植え付けるどころか、初対面で下着の匂いを嗅ぐような変態として記憶されてしまう。
正直、大体その認識で正しいのだが、スカウトマンとしては、それだけは回避せねばならない。
一度深呼吸し、気を取り直したジェイジェイは、こだちにクールな笑みを向けた。
「こんにちは、真っ赤に染まった表情が素敵なレディ。俺はジェイジェイ。どうか話を聞いてほしい——いや、待ってくれ! 頼む、そのホッチキスを手離してくれないか!?」
◆
羊からホッチキス針鼠へ華麗な転身を遂げたジェイジェイを前に、ようやくこだちは彼の話を聞いてくれる姿勢になった。
とは言え……。
「……魔法少女? 嫌よ、そんなの。なったらもう辞められない。辞めたら死ぬとか……そういう感じなんじゃないの?」
こだちが貸出カウンターに突っ伏しながら気怠げに言う。
グラビアアイドル顔負けのおっぱいが潰れる様を真正面から眺めつつ、正座中だったジェイジェイは嘆息する。
「……だから、そういう噂は全て誤解なんだ。俺たちは魔法少女を魂だけの存在にしないし、三話?で死んだりもしない。
理路整然と、
「そもそも疑わしいのよね。地球とは別の……ネバーヘヴン?そういう異世界の住人であるあんた達が、何でこの世界を守ろうとするのよ?」
ジト目で問いかけるこだちだが、中々鋭い指摘である。しかし、これに関しては対策済みだ。
「うむ。ならば教えよう。——ネバーヘヴンは、地球人の感情と密接に結び付いた世界なのだ」
ジェイジェイは語る。ネバーヘヴンの太陽は地球人の喜びの感情を燃料として燃え、雨は地球人の哀しみの涙が姿を変えたものであると。地球人の夢見る心が土壌に恵みを与えて木々が育ち、誰かを愛する想いが生命を育むのだと。
「——とは言っても、感情の善し悪しは無関係だからな。地球人の間で悪感情が蔓延しようと、そこは関係ない。犯罪が横行して戦争が起こったとしても、それをどうこうしようと地球へ干渉する事はネバーヘヴンとしては無いわけだ」
「……割とドライなわけ?」
こだちは半目になるが、否定はしない。
だが、地球人の問題を彼ら自身が解決できないようであれば、種として、どの道滅びる運命にあるだろう。それは、ネバーヘヴンがいくら干渉した所で変えられない。
——だが、ソウルイーターに関してはそうではない。
あれは地球外からの侵略者であり、善悪関係なく感情を喰らい尽くす、ネバーヘヴンの天敵である。
それ故に、地球人に戦う為の武器を与える事はネバーヘヴンにとって不利益にはならないし、地球人達にしても、侵略者を避ける手立てが増えるのは歓迎したい筈だ。
「——つまり、ネバーヘヴンと魔法少女の関係はギブ・アンド・テイクなんだよ」
ジェイジェイの言葉に、こだちはむぅと唸り、思案する。
「……念の為聞くけど、嘘じゃないのよね?」
自信を持って頷くジェイジェイ。
「信じられないかも知れないが、嘘じゃない。——だからな、名城こだち。
根拠のない噂に惑わされるな。
自分の意思で考えて、その上で俺達に力を貸して欲しい」
ジェイジェイの言葉に、こだちの瞳が迷うように揺れる。
——いけるっ!
短絡的なジェイジェイは、最後の一押しとばかりに真剣な表情でこだちを見つめ、そして告げた。
「俺と契約して、魔法少女になってくれないか?」
魔法少女監視カメラですが、最初は設置型の構想だったので、前話のトイレのような話を考えていたのですが、一話を書いている途中で自律飛行型になった上にステルス機能が搭載されたので、前話の設定と矛盾します。
なので、前話のトイレは魔法少女監視カメラとは関係なく、たまたま盗撮されていたと言う事に変更します。余力があれば編集するかもですが……すいません。
次の話は原作ではカットされていたお風呂回の予定です。
また、描写について批判、要望、アドバイスなどあれば感想にて是非お願いします。
感想返しは基本しない予定で、更には不定期更新ですが作品に反映しますので!