「Ah, such lovely day. Look at the birds crying」
「ぴよっ! ぴよっ! ぴよっぴよっ!」
「それ鳥じゃなくてひよこじゃないですか!?」
「というか鳴かせてる……?」
ハンドルを握る。フォーミュラで修復、干渉を行っているがちゃんと動くことを確認する。キーを入れる必要はない。既にフォーミュラ経由の干渉で動く様に改造されている。そういうありえないハッキングや改造が出来る事がこのフォーミュラというシステム、ナノマシンの実に良い所だと思う。そう感じながら何度かエンジンの調子を確かめながら、問題がないことを確認した。ひよこもハンドルの上から腕へと昇り、マフラーの中へと戻っていく。
「The sun is shining, kids are hold guns and shooting at robots……」
「な、なのは? このお兄さん本当に大丈夫なの? 言ってることが急に不穏になってきたんだけど」
「わ、わたしだって初対面だよユーノ君」
タンデムに乗せた少女・なのはが困惑する様な、反応に困る様な、そんな声を上げながら後ろから此方を確認して来るので、振り返りながらサムズアップを向ける。それを受けてなのはがホッと息を吐いた所で、
ひよこが発電を開始する。放電する電撃が外に漏れることなく、ひよこが潜り込んだマフラーに帯電し、蓄積していく。スパークしながら電撃を纏うマフラーが電撃を帯びるのと同時に、
そこらへんでパクって改造騎乗したバイクを走らせる準備を完了した。もう一度振り返りながらなのはを見た。
「……」
「あ、ちゃ、ちゃんと乗ってますよ……?」
疑問形で応えるなのはにサムズアップを返し、正面を向いた。良い感じにロボットたちが接近してきているのが見えた。もう既にアースラのバリア範囲外に出てから少し時間が経過しているのだから、当然と言えば当然なのだが。とはいえ、遊ぶ準備も完了した。
遠慮なく発進する事にする。
「At day like this, you just got to get crazy」
「なのは、やっぱりこれ降りたほぉぁ―――!!」
「舌を噛むぜ小動物」
間違いなく地球上の法律では違法改造のジャンルに入るであろう改造バイクで一気に飛び出した。一瞬だけ前輪を浮かせながら前へと飛び出し、そのまま正面に居た傀儡兵に突撃し、前輪で叩き、後輪を乗せて、駆け上がりながら左手にヴァリアントアームズを抜いた。
素早く変形するのは片手用ツインバレルショットガン。
傀儡兵の上を駆け上がりながら片手で傀儡兵の胸部に向かってショットガンの引き金を引く。
轟音と共に散弾が胸を粉砕する様に吹っ飛ばし、その衝撃でバイクが浮いた。
「あああ―――!?」
「HAHAHA―――!」
悲鳴を上げる小動物の声を笑い声で吹き飛ばしながら浮かしたバイクで傀儡兵を超えて―――海鳴高速道路に飛び移った。
そのまま全速力でバイクを前へと飛ばしてゆく。雷を乗せたマフラーが微妙にスパークしながら雷の尾を後方へと流してゆく。不思議と、それがなのはや自分を痺れさせる様な事はなく、電気エネルギーだけが蓄積され続ける。そのまま、傀儡兵が飛行による接近を行い始めるのを、バイクの速度を更に上げながら振り切っていく。
「Haha! This is what I’m talking about!」
ジュエルシードへと向かって爆速とでも表現できる速度、荒廃している高速道路の上を占領し、正面に設置されている障害物の様な廃車を回避し、滑りながら進んでゆく。空、地上から追いかけて来るように走っていた傀儡兵の速度を振り切っている為追いつかれることはないが、
正面方面に展開されていた傀儡兵が進路を閉ざす様に出現をし始める。両手でバイクのハンドルを握り、コアユニットへと戻したヴァリアントアームズをマフラーの中に突っ込みつつ、
「任せたぜ」
「あ、……はいっ!」
未だに片目を眼帯で覆う少女の姿をミラーで確認しつつ、少女が杖を抜いたのを見た。既に姿は白いローブの様な服装―――バリアジャケットへと変更されており、戦闘準備を完了していた。
「行きます!」
「Go, go, go!」
「セット、シューター―――!」
正面、飛び込んでくる傀儡兵に対応する様に9つの魔力の球を浮かべたなのはがそれを一気に放った。片手を此方の体に回して掴む様に体を固定しながらもう片手で杖を握り、振るうことで放つ。一直線に放たれたシューターはなのはに誘導されながら剛速球としてそのまま傀儡兵に衝突し、その姿を貫通しながら破壊する。
それによって正面の敵が破壊されて行く為、何の遠慮する事無く高速道路を爆走していく。だがなのはの攻撃を外れた一体が正面に剣と両手に握って飛び込んでくる。
「すみま―――」
「No worries girl」
コアユニットをマフラーからひよこが弾き、飛び込んでくる傀儡兵に合わせて一気に車体を倒す様に横滑りしていく。そのままコアユニットを2メートルを超える巨大な斧へと変形させながら剣と股の下をくぐりつつ斧を振るう。
剛斧が無理やり両足を破壊して傀儡兵の姿を倒す。それにトドメを刺す事もなく、通り抜けた所を更に前へと進んでいく。それをフェレットが驚きの声を零す。
「言葉だけじゃなかったんだ……」
「聞け、小動物。男が語る時はそれを真実にする時だけだ」
「恰好良いけど無茶苦茶だよ!」
「無茶苦茶でもやる! それが男って生き物だ……!」
「シールド、張ります!」
正面から連続で魔力弾が放たれてくる。それに真正面からなのはがシールドを張った状態で突っ込んでゆく。両手でハンドルを握りつつ、マフラーに溜め込んだ電気をエネルギーへと変換しながら瞬間的にそれをバイクへと注ぎ込んでゆき、ニトロを爆発させるように一気に加速させる。凄まじい風圧を感じながらそれを正面からバイクで食い破りながら、
一瞬で、正面に展開する傀儡兵の前に到達する。
「Fuck off」
「きゃっ!?」
「わわわっ!?」
そのまま、なのはが張ったシールドで弾き飛ばす。傀儡兵の姿が道路脇のビルに衝突してそれを粉砕するのを見届けながらも一切車輪の回転を止めさせる事もなく、全速力で道路を抜けていく。
「滅茶苦茶だ!」
「楽しいだろう?」
「これなら空から行けば良かったよ!」
「そんな寂しいことを言うな……よっ!」
ハンドガンを抜いて射撃しながら正面、邪魔な障害物を弾き飛ばしながらバイクを障害物の少ないルートを通って進んで行く。マフラーから姿を出したひよこがホロウィンドウを作成し、それを横のほうに投げて浮かんでくる。なのはがそれを杖でタップして拡大する。
バイクが凄まじい速度で、マーキングされた地点へと向かって進んでいるのが表示されたホロウィンドウのマップに見える。目的地である最初のジュエルシードの場所へと向かって着実に近づいていた。いや、寧ろかなりいいペースで進んでいるだろう。まぁ、ジークリンデなら既に始末をつけていそうだが。
「見えてきました、目標―――!?」
僅かに反らしていた思考からなのはの声で現実に引き戻されながら正面、高速道路の終わりに出現するジュエルシード守護体の姿を見た。道路の終わりにある空間を塞ぎ、周りを瓦礫だらけにして、そこに静かに君臨する姿は、
「
戦車だった。
それもかなり大きく、そして凶悪とも呼べる雰囲気を纏った。まだまだ距離はあるのに、その砲塔は此方へと向けて回頭を終えていた。
光が、砲塔に収束する。
「アレは無理です」
「見れば解るッ! フォーミュラァ!!」
近くの廃車を台代わりにしてバイクを一気に乗せて、そのまま跳ぶ。直後、地上を薙ぎ払う様に戦車の主砲から砲弾―――ではなく、砲撃が放たれた。空気を焦がしながら道路を蒸発させ、直線状に発射される砲撃はそのまま横へと動かされていき、上へ、此方へと向けられてゆく。ビームを放ったまま、そのまま此方を飲み込んで薙ぎ払おうとする動きだったが、
「リリカル、マジカル―――っ!」
なのはが片手を突き出し、それを戦車へと向けた。それがバインドを生み出し、戦車の砲塔を固定した。追従する筈だった動きは一瞬だけ停止し、
その隙にコアユニットを投げた。
空中で剛斧へと変形したヴァリアントアームズがそのまま回転しながら戦車に突き刺さり、
「バスター!」
追撃する様に斧に砲撃が叩き込まれた。
一瞬だけ耐える様に戦車が堪えたが、斧を砲撃によって押し込まれた戦車の姿がへこみ、砕け、そして貫通した。全身で風を感じながら落下しつつ、戦車が爆発するのを目視する。その爆炎を上から押しつぶすように着地し、爆破エネルギーをフォーミュラで奪いながらバイクの推進剤へと変換し、炎に巻き込まれて舞い上がった剛斧とジュエルシードをキャッチして回収し、ジュエルシードの方を指で弾いてなのはへとパスする。
そのままノンストップで次のポイントへと向けてバイクを走らせる。着地の衝撃で少しケツが痛いが、
「Foo Hoo! Yeah!! Yes! That’s what I’m talking about! 見たか今の! 跳んで! 投げて! ビームだ! はっはっはっは!」
「滅茶苦茶だよ……!」
「ちょ、ちょっとドキドキしちゃった……リリカルマジカル、ジュエルシード封印……よし!」
「んじゃ、次に向けてかっ飛ばすか」
「えっ、ノンストップ!?」
「Woo Foo!!」
「あ、危ない! ぶつかる! ぶつかるって!!」
後ろから聞こえて来る悲鳴を無視し、僅かな隙間に車体をスライドさせるように滑り込ませながら走らせ、次のポイントへと向けて更に駆けていく。
「Thank you for you cooperation! Adios!」
バイクから飛び降りながらそれを蹴り飛ばし、正面の傀儡兵に叩きつけて爆発させる。追撃にリボルバーハンドガン―――ハンドガンでありながらリボルバー銃、という前、ネットで見たゲテモノなヴァリアントアームズへと変形し、ツーハンドスタイルでそのまま弾丸を叩き込む。12発を叩き込み終わった所で傀儡兵が爆破炎上し、ハチの巣となった姿から視線を外し、近くにある煙草の自販機を発見する。
その中に拳を叩き込んで、煙草の箱を引き抜く。
「Hmm……好みじゃないけどいいか」
「え、えぇ……」
「そういう事、しちゃいけないと思うんですけど……」
「この煙草が俺の心を癒す。俺の心が癒されると俺が更に強くなる。つまり勝率が上がる。よってこれは許される」
「うん……? うん??」
「騙されちゃダメだよなのは、この人適当なこと言ってるから絶対に」
「良く分かったな」
フェレット、ユーノという小動物の言葉にニヤリ、と笑みを返しながらトントン、と箱を叩いて煙草を出す。それを口に咥え、マフラーの端にくっ付ける。電流を熱に変えて、それで煙草に火をつける。
あぁ―――クソ不味い。相変わらず吐き気がする味だった。口に軽く咥えた状態のまま、炎上する傀儡兵を蹴り飛ばして先へと進む。ツインリボルバーをコアユニットへと戻してマフラーにしまう。
目的地である海鳴臨海公園へとやってきた。度々訪れるこの公園はこっちにもしっかりと存在していたが、その姿は完全に崩壊していると表現できた。草は踏み潰され、木々は折れ倒れ、そして公園の道路はぐちゃぐちゃに砕かれている。自分が知っている臨海公園とはまるで違う、破壊された荒れ地が目の前には広がっている。
「……」
その光景になのはが寂しそうな表情を浮かべ、足を止める。だがそれに気にする事無く、入り口を抜けて前へと進んでいく。アースラでチェックしたポイントはここだ。マーキングされた地点へと向かって進むと後ろからなのはが走って追いかけてくる。
だがなのはが追いついた所で海の見える公園のポイント、
ジュエルシードの守護者が居るべき場所に敵の姿はなかった。
周辺を見渡しても、地形や構造物が破壊されている。物理的に隠れられるような場所はなく、去ったのか、或いは魔法を使って隠れているのか。どちらかの可能性が残されている。だが確実なのは目の前にいないという事実であり、
「いません……ね?」
「あぁ、きっとシャイなんだろうな」
「シャイな敵って……」
「あー……お」
壊れたベンチを見つけた。それに近づき、フォーミュラで干渉する。自分の記憶にある無事だった頃のベンチの姿をロードし、それを上書きする様にフォーミュラで干渉する。そうやって壊れたベンチを残っていた材料で再生し、そのまま腰を下ろす。ベンチの背もたれに寄り掛かる様に、海と公園の広場を眺める。それをなのはとユーノが元の位置から眺めている。
「え、っと……何をしているんですか?」
「見て解らないのか」
咥えている煙草を軽く持ち上げてから咥え直す。マフラーから出てきたひよこが煙いと軽く頬を叩いてくるのを無視する。
「一服だよ」
「あの、ガーディアン探さないんですか?」
「どうやってよ」
「えーと……こう……やって?」
そう言いながらなのはが周りを見渡して歩くようなジェスチャーをするのだが、
「ジュエルシードをこっちも持ってんだ。だったらそれに釣られて来るのを待った方が楽だろう」
「あ、成程」
隠れていようが、此方がジュエルシードを確保しているんだ。相手がこれを必要とするなら出て来る筈。そうじゃなければこの周辺を軽く消し飛ばして確かめればいい。ダメならアースラと連絡して別の手段を取ればいい。無駄な労力を割く必要はない。
だからぽんぽん、と横を叩く。
「So, you might as well sit down and wait while for our friend to arrive……あー、今更だけど日本語の方がいいか?」
「あ、いえ。英語も日本語も解りますから大丈夫です」
「マジか……」
その年齢で日本語も英語もイケるとはかなり凄い事だ。少なくともかなり良い家庭で育っているのは事実だろう。お嬢様と表現できるかもしれないレベルで。
当たり前の話だが、教育には金がかかる。
日本で暮らす以上、日本語は必須だろう。だが英語はそうではない。それを覚えるのは余分と言える部類に入るし、それを覚えさせる事の出来る環境というのは、つまり余裕があるという事でもある。自分は金になるから、という理由で必死に日本語を覚えたが、
それでもこの娘の年の頃は英語しか喋られなかった。
「はぁ、羨ましいなぁ」
「そんな事ないですよ。私とかアリサちゃんとかと比べると全然ですし……いや、それよりも英語とか日本語って地球の言葉ですけど」
「いや、俺地球人だし」
「えっ」
「アレと兄妹とか嘘に決まってんじゃん」
「なんで!?」
「いや、背景設定話すの面倒だし……」
「設定ってなんですか!?」
ユーノとなのはの流れる様な驚愕の声とツッコミに、笑いが堪え切れずに声を漏らしてしまう。それをユーノとなのはのコンビがえぇ、と声を零しながら見ている。
「え、じゃあ、本当に地球人なんですか? ジークリンデさんとの関係は?」
「アメリカ人だよ、日本とのハーフの。アレとはそこらへんで出会って意気投合しただけ」
『終わった後、詳しく話を聞かせてもらえないかしら……?』
『ウチは本当に家族になってもええんやで? どや? 今なら可愛い黒髪ツインテと家族になれるよ?』
リンディが若干ひきつった表情でホロウィンドウに出現し、その横にジークリンデが片手で傀儡兵を持ち上げ、それをハンマーの様に振り回しながらボスっぽい傀儡兵に叩きつけている場面が見える。その両方をひよこが翼で叩いて消し去る。邪魔、と言わんばかりのひよこの態度だった。男らしい。
「え、じゃあ、何で海鳴に……?」
「I came here to meet Shirou Takamachi」
「……お父さんに?」
やっぱりこの子の父親だったのか、と確認できた。これで何とか、この事件が終わったら親父の遺言の方を、漸く果たせそうだな、と口に出す事無く安堵しながら、まぁ、と声を零す。
「親父の遺言を果たす為にな。海を渡ってこっちに来たんだ。で、海鳴にやってきたらこんなことになっててな」
「あ……その、なんだか申し訳ありません……」
「なのはの他に現地の魔導士が居たなんて……」
まぁ、自分は特殊なケース―――いや、特殊すぎるケースだから、話をしても意味がない。だから細かい事情までは話すつもりはない。だけど色々と確認が取れただけ、今は良しとする。良しとしておく。なんか、もう、色々と考えたり取り繕ったりするのが面倒に感じているからそういう事にしておく。
頭が痛い。
「えっと、お父さんにはどんな用事だったんですか?」
「ん? 金を返しに来たんだよ」
「え?」
「借金の返済。どうしても金がなかったころに助けてくれたのが士郎さんだったらしくてな。最後の遺言に、どれだけ時間がかかっても良いから、絶対に貰った金を返してお礼をして欲しいって頼まれたからな」
なので家財を全部売って金に換えてきた。家も土地も家具も貴重品も大体全部売り払って、それを一つの通帳に叩き込んで全額、ギリギリで揃えた。まぁ、想い出の品とか色々とあったのだが、それでも受けた恩の事を考えるとこれぐらいはやって当然だろうと思う。
生きているのだから、後は何とかなる。
「お父さん、そんな事してたんだ……」
「お前の父親はクッソ立派な人だよ。俺は面識ないけど」
「……はい!」
そう告げられたなのはは誇らしいのか、嬉しそうな笑みを浮かべている。とはいえ、彼女は自分が傷つけば、無理をして今の様な状態になった彼女の姿を見たその父親や母親が、彼女自身の事をどう思うのか、解っているのだろうか?
解ってやっているのであれば相当酷い。解らずにやっているのなら地獄でしかない。どちらにしろ、なのはが戦闘に出ている状況はあまり、良いものじゃなかった。
とはいえ、
故に何も言わない。当たり障りのない会話だけして、終わらせる。
そして空気を震わせる魔力の胎動に、漸くガーディアンが昼寝から目覚めた事を知覚する。近づくと同時になのは共々、座っていたベンチの上から起き上がる。軽く背筋を伸ばしながら体をひねり、体を軽くほぐす。それに合わせてひよこがマフラーからコアユニットを弾き出す。
それを剛斧へと変形させて、地面を砕く様に叩きつける。拳を合わせ、指を慣らしながらひよこが放電によるマフラーへの充電を開始する。
空気が震える。上空に影が差し、ゆっくりと鋼鉄の翼を広げながら降りて来る巨大な鋼の姿が見えて来る。今までの傀儡兵よりも大きく、そして力強さの感じられる姿は完全に人型を逸脱しており、なのはを超えるエネルギーが込められているのが解る。サクッと破壊した戦車の後でパワーアップでもされたのだろうか?
どちらにせよ、
空から降りてきた機竜が僅かに魔力の光を纏いながら咆哮を轟かせる。力強く振るわれる翼は暴風を生み出して土埃を舞い上げて来る。
「っ、ジュエルシードを動力に組み込んだんだ! あんな不安定なものを……!」
「Well, that does sound fun」
「欠片も楽しそうじゃないですよ!」
わっはっは、となのはの言葉に笑いながら地面から剛斧を引き抜いて担ぐ。
―――遊びの時間、再開。
開始前から借金していた無職住所不定低学歴23歳児ひよこ以下。
何故飛ばないの? という質問に対する答えは、バイクの方が格好いいからに尽きる。