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「……次は、先日商店街に現れ民間人6名を殺害した化物のニュースです。深海棲艦に次ぐ新たな脅威として突如現れた化物の新たな情報が海軍から公表されました。化物の正体は“グール”という深海棲艦とは別の脅威であることが判明し、また既に横須賀第3鎮守府の東野提督と常駐する憲兵50名を殺害して鎮守府を占拠していることも分かりました。現在、横須賀第3鎮守府は陸海軍による厳重な包囲下にあり厳戒態勢が続いています。」
ポチ
「あの“グール”と呼ばれる化物は人間に対して非常に強い敵意を剥き出しにしていますが、艦娘に対しては一切の敵意は無く非常に有効的で艦娘を保護していると聞きます。深海棲艦と違う点はここですね。“艦娘の守護鬼”と呼ばれるのも当然ではないかと…」
「艦娘“兵器派”と“人間派”の間でも話題になってますからね。“人間派”の間では、あの者を“人間派”に取り込み“兵器派”を打倒して艦娘達を救おうという意見が多くあるそうですが……“兵器派”も“人間派”も殲滅対象と言っている時点でそう簡単にいくかどうか…」
ポチ
「この“グール”に関してですが、映像の様に深海棲艦同様に我々人類の武器では歯が立ちません。また非常に好戦的かつ残忍性が強いと思われます。ですが、それ以上に恐ろしいところがあります。」
「それはどういうところでしょうか?」
「……姿形が我々人間と全く同じであるということです。横須賀第3鎮守府所属の艦娘を除いて、襲う直前まで誰も彼が“グール”だと気づかなかった。深海棲艦は肌が白くまた瞳も青だったり黄色だったりという特徴がありますが、この“グール”は直前まで瞳も姿も人間そのものなんですよ。考えてみてください……自分の周りにいる人の中に“いる”としたら。あなたの隣にいる同僚や友達、上司、彼氏、彼女が実は“グール”でしたということもあるわけです。人間社会に紛れ込み虎視眈々と獲物を狙っている獰猛な肉食獣のように“グール”が存在しているとしたら、これは深海棲艦以上に厄介で危険だと私は思っています。」
「た、確かに……そう考えると普段の生活がどれだけ無防備なのか思い知らされます。同じ人間による犯罪や被害だけでなく、そこに“グール”の脅威もあるとすれば、これまでの様に生活するのは非常に危険ですね。」
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榛名「……ここ最近のニュースは隼斗一色。報道番組だけでなく、特番まで組まれてるし…」
霧島「鎮守府も厳重包囲されて身動きも取れないし。何より街で買い物が出来なくなっちゃったし…これじゃ姉妹揃って水着も買いに
行くことが出来ないわね。ほんと、やってくれたわあの子…」
2人はテレビから視線をずらす。その先にはソファに寝転び気持ちよく昼寝している隼斗とその上に被さる様に寝ている電の姿があった。
金剛「仕方ないネー。こうなったのもその男達に責任がありマース……隼斗の正体を知らなかったとはいえ、自業自得デス。」
比叡「でしょうね。救いようがないです。それに、隼斗が怒るのも無理はないと思うし……私でも怒りますよ。あんなことされたら…」
山城「……比叡さん、あまりその事を言わないで。今は寝てるから大丈夫だけど…もし電が聞いていたら…また…」
比叡「あ、ごめん…そんなつもりじゃ…」
山城「いいの、私こそごめんなさい。あなたに怒るつもりじゃなかったの…ただ…電がとても可哀想で……どうしてあの子がこんな目に
遭わなきゃいけないのか…」
食堂内にテレビの音が虚しく流れる。あれから電は時折発作を起こすようになり、あの時と同じように爪を立てて自分の身体を引っ掻き、時には刃物で傷つけることもある。今では首・腕・身体に入渠しても治らない生々しい傷跡が残っていた。微笑みもいつものような愛らしさはなく、眼もどことなく隼斗と同じような狂気を感じるぐらい不気味さを放つ程だ。
霧島「それにしても…あの映像に映る隼斗の姿、あんなの初めて見るわ。それにあの色、あれは赫子を纏ってるのかしら?」
山城「多分そうだと思う。それに、いつも以上に強度が増してたわ。銃弾が豆鉄砲みたいでね。全部弾かれてたの。」
榛名「……確かに、映像にもその様子が映ってます。赫子って、どういう構造で、どういう物質が使われてるのか気になりますね。
私達が使う艤装と同じ様なものでしょうか?」
比叡「でも赫子は隼斗の体から生えてくるから艤装とは別物じゃないかな?」
扶桑「気になるわね。起きたら聞いてみようかしら?」
榛名「そうですね。他にも気になること聞いてみましょう。」
しばらく談笑を続けていると食堂にぞろぞろと艦娘達が集まってくる。その中には新たに着任、というより戻ってきた「明石」と「夕張」の姿もあった。明石と夕張は着任後すぐに工廠に向かい艤装の整備に取り掛かり、3日間徹夜で全艤装を新品同然にしてくれた。でも包囲中で遠征・出撃が出来ないのでまだ使われていないが…
暁「電、起きて。おやつの時間よ!」ユサユサ
電「……んぅ…暁、ちゃん?」ボケー
暁「そうよ。ほら、寝ぼけてないで起きて。今日のおやつはホットケーキよ♪」
響「電が大好きな蜂蜜とホイップクリームたっぷりのホットケーキだよ。さあ、早く起きて席につこう。」
電「…はわ⁉︎それは早く起きなきゃいけないのです!」ガバッ
2人の言葉を聞いて飛び起き、その場に立ち上がる電。直後、「グエッ」と情けない声が聞こえたので下を向くとお腹に手を当てて少し苦しそうにうなされた隼斗の姿があった。それを見て慌てた電がうっかり足を滑らせてお腹に向かって勢い良く尻もちをついてしまう。部屋に電の「ふにゃー⁉︎」と可愛らしい声と「ブフォ⁉︎」と隼斗の苦しそうな声が響き渡る。
電「はわわ!隼斗ごめんなさい!」
隼斗「………」シーン
雷「もう、気をつけなきゃだめじゃない。隼斗お兄ちゃん大丈夫?」ユサユサ
隼斗「……………」シーーーーン
雷・電「……あれ?」
何度揺さぶっても、何度声をかけても反応がない。まるで屍のようだ。だが、よくよく見ると顔は青ざめてはいるが時折ピクピクと動いたり
唸り声を漏らしてるので一先ず安心する2人。暁と響も隼斗の様子を確認して「多分大丈夫」と言い雷と電をテーブルへ連れて行く。
各テーブルに全員が座り鳳翔と間宮によってホットケーキが配られる。甘くていい匂いが漂い食欲をそそる。
鳳翔・間宮「では、いただきます♪」
艦娘達「いただきまーす♪」
熱々のホットケーキに好みの量でホイップクリームを乗せて、そこに甘い蜂蜜を満遍なく垂らす。追加でバニラアイスを乗せて出来上がり。各々が好きなようにアレンジして盛り付けて食べていく。一部の艦娘は唐揚げやイカリングが盛り付けてあったが。だが、みんな頬を緩ませてホットケーキを頬張っていた。
明石「おいひぃ♪やっぱり一仕事終えた後の甘味は最高よねえ♪」
夕張「分かる分かる!甘味補充で更に創作意欲が湧いてきちゃう♪」
間宮「良かったわあ♪まだまだ沢山あるから食べてね!」
明石・夕張「うひょ〜〜〜〜!」
2人は身を乗り出してテーブルの中央に山積みされたホットケーキを自分の皿へと移していく。
明石「あ…ところでさ、長門。彼のことで話があるんだけどいい?」
長門「彼?あぁ、隼斗のことか。どうかしたのか?」
明石「彼、というより“グール”について色々調べたいのよ。深海棲艦とは違う存在であり脅威である彼と同じ鎮守府にいるんだから
知りたいと思わない?」
夕張「それに赫子のことも興味ありませんか?あれがどういう物質で構造で、何故身体から生えてくるのか。何故…人間しか食べられない
のかも。調べて何か分かれば色々対応できると思うんです。」
長門「まあ、確かに詳しくは聞いてないから気にはなるが……ん?」チラッ
明石「……?わっ⁉︎」ガタッ
夕張「きゃあ⁉︎」ガタッ
長門の視線の先を見るとすぐ後ろに2人を見下ろすようにジッと見つめる隼斗が立っており、何の気配もなく真後ろに立たれていたことに驚きの声を上げる。隼斗は特に何かする訳でもなくただただ眠そうに立ったまま目を擦りあくびをしてる。そんな隼斗に水を用意した鳳翔が声をかけるとウトウトしながらゆっくりと鳳翔の隣に行き水を受け取って一気に飲み干す。その後も鳳翔に水を入れてもらい飲み続けていた。
明石「び、びっくりした…全く気づかなかったわ。」
夕張「いつの間にいたんだろう。さっきまで寝てたはずじゃ…」
長門「話の途中で起きていたぞ。多分、話の内容が聞こえたんだろうな。ちょうどいい、隼斗こっちに来てくれ。」
陸奥「ほらこっちよ。お姉さんの隣においで?」
隼斗「……ん〜…うん。」
陸奥は1つ隣の席に移り自分と長門の間に隼斗を座らせ、そしてまだ眠そうにあくびしてウトウトしてる隼斗の頭を微笑みながら撫でている。長門も声をかけたり、水の他にも珈琲を用意して渡すなど2人とも面倒見の良いお姉ちゃんだ。
扶桑「隼斗、お腹の具合はどう?電ちゃん、結構な勢いで尻もちついてたけど…」
隼斗「…苦しい。てか、どうやったら腹の上で尻もちを…まあ、電だからいいけど。」
山城「あんた、なかなか情けない声出して気絶してたわよ?「グエッ」だなんて、プフッ!ククク…www」
扶桑「こら、駄目よ山城。思い出しちゃうじゃない…フフフ……www」
隼斗「……何笑ってんだよ、まあいいけど…んで、明石姉と夕張ちゃんは喰種の何が知りたいんだ?」
明石「へっ⁉︎え、えと…身体能力や何故人間しか食べられないのか、何故通常兵器が効かないのか、赫子とは何か、色々ありすぎて
答えきれないなあ……」
夕張「私は赫子が気になります。どういう物質で構造なのか知りたい。もし艤装に応用できるなら戦力強化に繋がるからね。ということで
早速質問いいかな⁉︎いいよね⁉︎」
隼斗「……とりあえず、全員飯食ってからな。」
そういうと席を立ち駆逐艦達が座っているテーブルに向かう。軽く挨拶を済ませた後は電の席へ行きそのまま抱き抱えて膝の上に乗せてもたれかかる様に覆い被さる。電は少し食べにくそうにしているが表情は嬉しそうにしており何度も隼斗の顔を見ては話しかけていた。他の駆逐艦達も楽しそうに会話をしている。
明石「映像の時と全然イメージが違うわね。ここまで違うと全くの別人に見えちゃうわ。」
夕張「駆逐艦の子達も懐いてるし、まるでお兄ちゃんみたい。長門さん、普段の彼はいつもあんな感じなんですか?」
長門「普段は、な。だが、一度人間が私達に直接的又は間接的に危害を加えようものなら修羅となる。映像を見れば分かるだろうがな。
今でも覚えている…初めて隼斗を見た時のことを。目が合っただけで心臓が握り潰されそうな感覚と恐怖、絶望…初めて冷や汗を
かいて震えてしまった。」
金剛「私もデス。隼斗が憲兵隊を1人で相手した時、とても楽しそうに殺してマシタ。引き裂いて、突き刺して、そして肉を喰らう…
とても狂ってる、そう思いながら震えてタネ。隼斗が艦娘の味方で良かったと今でも思いマス…」
夕張「そ、そうなんですね。歴戦の2人がそこまで言うとは思ってなかったですが…」
長門「実際に体験してみたら分かるさ。何ならこの後直に見せてもらうといい。」
金剛「改めて理解できるネ。喰種がいかに恐ろしい存在か…私と同じことを思うはずデス。」
夕張「え、遠慮します…あはは…」
時間は経ち、鳳翔と間宮が用意したホットケーキが全てなくなり全員満足顔でお腹をさすっていた。一方、鳳翔と間宮はカウンターで食後の珈琲を用意しておりそれを隼斗がお盆に乗せて運んでいく。
鳳翔「いつも手伝ってくれてありがとう、隼斗。はい、この珈琲はあなたのよ。」
間宮「本当に助かるわ。この後もお願いしてもいいかしら?」
隼斗「食器洗いだろ?いいよ、全然やるから置いてて。あと、珈琲ありがとう。鳳翔姉さんが入れる珈琲は美味しいから好きだわ。」
鳳翔「姉さん、かあ…まだ慣れないわ///」
間宮「あら、鳳翔さんったら照れちゃってる♪隼斗、私の入れた珈琲も美味しいでしょ?」
隼斗「間宮姉さんのも美味しいから好きだよ。」
間宮「もう、私にも姉さんて///可愛い弟だわ〜///」
頬に手を当ててニヤケ顔の2人に特に気にすることなくその場を離れて再び長門達がいるテーブルに向かい、長門と陸奥の間に座る。明石と夕張は待ってましたと言わんばかりにメモを持ち隼斗の顔を見ていた。
隼斗「……で、喰種の何が知りたいんだ?ある程度は聞いてると思うんだけど。」
明石「そうだけど、本人から直接色々聞きたいじゃない。で、早速だけどさ…本当に人間を食べるの?本当に人間しか食べられないの?」
隼斗「食べるよ。そうしないと俺達喰種は生きていけない。それと人間“しか”ってのは間違いじゃないけど他にも喰えるのはある。」
明石・夕張「それは?」
隼斗は煙草を取り出して火をつけ吸い始めると上を向いてゆっくりと煙を吐き出す。その様子を全員が見ている中、隼斗は再び煙草をくわえると2人の目を真っ直ぐに見つめて口を開く。
隼斗「喰種。」
明石・夕張「え、えと…え?なに?」
明石と夕張は表情を引攣らせもう一度問いかける。
隼斗は一切目をそらすことなくジッと見つめたまま煙草を吸い続ける。別に睨んでる訳でも、睨まれている訳でもないのに2人は視線だけでなく身体さえも動かせなかった。
隼斗「だから、同じ“喰種”だよ。散々、人間しか喰えないと言ってきたが…共喰いするんだよ。別に珍しくもないけどね。」
明石「……ほんとに食べるんだ。いや、長門から聞いてはいたけど…そういう発言があったって。でも、どうして仲間同士で共喰いを
するの?大事な仲間なんでしょ?」
隼斗「仲間?共喰い相手のことか?」
明石「当たり前じゃない。他に誰がいるのよ。」
それを聞いた隼斗は突然笑い出し、明石はムッとした表情で見ていた。どう見ても発言が面白くて笑ってるとかではなく、馬鹿にした嘲笑い方だったからだ。
明石「…何かおかしなこと言ったかな?」
隼斗「言ったさ。共喰い相手は“大事な仲間”じゃないのか?って……ククク…アハハハハハ‼︎‼︎‼︎だめだ、全然笑いが止まんねえ‼︎明石姉ぇ…
生きる為に他の命を奪い、喰らうことは生物の本能だろ?どの生物も同族・同種で命を奪い合い、殺し合い、生きながらえる。
何もおかしくない、珍しくもない。だから、同じ喰種だろうが喰い殺す。なのにそれを大事な仲間じゃねえのかって聞くからさ
おかしくておかしくて…」
明石「……でも、あなたはその大事な仲間、ひいては喰種の為に戦ってたんでしょ?」
隼斗「別に全ての喰種の為に戦ったわけじゃない。俺は俺の守りたい者、守ると誓った者の為に戦っただけ。まあ…最後は全てを奪われて
俺は死んだけどね。何の為に力を手に入れたのか…」
煙草を取り出して再び吸い始める。その表情は先程と違い、哀しげでずっとテーブルを見ていた。隼斗は、喰種は確かに化物ではあるがその世界、環境は人間や艦娘と全く違う。これも長門から聞いたが、隼斗は人間喰種双方から命を狙われていた、そんな環境下で育っていたら共喰いすることもおかしくないのかもしれない。隼斗の言うように生きる為に、守る為に必要なことなのかも、と。
隼斗「……さっきは笑ってごめんな明石姉。」
明石「ううん、私こそイラついてごめん。ちゃんと理由を聞いた上で判断すべきね…私も反省しなきゃね。」
隼斗「まあ…喰種を理解するのは難しいと思うけどな。で、メロンちゃんは何が聞きたい?」
夕張「メロンちゃんって…まあいいけど。私は赫子のことが知りたいの。どういう物質で、どういう構造なのか、それを艤装に応用でき
ないか試したいの!」バンッ
興奮のあまり机を叩いて身を乗り出す夕張。横にいた明石と山城は少し驚いていたが夕張は全く気づかず、目を輝かせたまま隼斗を見ていた。他の艦娘も赫子は見ていても実際それがどういうものか分からなかったので夕張同様に教えてくれと次々声が上がっていた。隼斗は再び煙草を灰皿に押し付けると席から立ち上がり上着を脱ぎ始める。
夕張「え、ちょ…ななな何で脱いじゃうかな?/////」ドキドキ
明石「いや〜、なかなかいい身体してるねえ。」
隼斗「この方が説明しやすいからな。場所も分かるし…」
夕張・明石「場所?」
首を傾げる艦娘達をよそにおもむろに椅子の上に立って背中を向ける。そして、腰の辺りから赫子を生やして全員に見せる。明石と夕張はそれを見ては驚いて声を上げていたがすぐに何かメモを取っていた。
隼斗「赫子には4種類ある。今見てるのが“鱗赫”でちょうど腰らへんから出現する赫子だな。鱗みたいなのがあるから“鱗赫”なんだと。
次はケツのとこで“尾赫”。ま、尻尾だな。んで、次は肩甲骨から“甲赫”。こいつがクソ硬いんだよ。なかなか傷が入らねえ。んで、
最後は肩から“羽赫”。遠距離戦・短期決戦をする時はこいつかな…かなり消耗するけど。」
一通り説明して最後に自身が持つ2つ目の赫子“羽赫”を出現させる。肩から羽を連想させる赫子が揺らめき、それはさながら悪魔の翼のように見える。その場にいる全員がその姿を見ては驚きを隠せずにただただ黙っていた。少ししてようやく沈黙を破るように夕張が声を上げて再び質問していた。赫子を構成する物質と構造、赫子は体内の何処に、どういう物に収納されてるか聞いてはひたすらうなづきメモを取った。
夕張「…つまり、赫子は赫胞と呼ばれる器官に蓄えられていて、捕食の際に形成・出現すると。んーーー、艤装への応用は難しそう…」
明石「仮に搭載出来ても補給は………うん、無理。非人道的過ぎるし。」
隼斗「…非人道的か。まあそうだな、やめとけ。」
この後しばらく喰種や赫子の話が続き、あっという間に時間が過ぎていった。この間も厳重な包囲下にあったがこの食堂だけ全く違う空間にあるような雰囲気だった。包囲した軍に動きがないこともあるが何より隼斗の存在が大きく何かあっても助けてくれる、守ってくれるという安心感が一番大きいのだろう。だから誰一人として取り乱す者はいなかった。
妖精「通信、通信だよ〜。相手は元帥閣下だよ〜。」
大淀「えっ⁉︎元帥から通信⁉︎」
電話番の妖精から通信機を受け取り何やら話し出す。皆黙って聞いてる中、大淀の声だけが響く。
大淀「はい…はい……え、もう一度いいでしょうか?今何と…え、ええ⁉︎」
艦娘達「……?」
大淀「ちょ、ちょっとだけ待ってください!確認を取ります!」
長門「どうした大淀。元帥は何と言っていた?」
大淀「それが、元帥もこの地に来ているそうで直接会って私達と話したいと…しかも、隼斗も同席して欲しいって。」
艦娘「……はあ⁉︎」
食堂に艦娘達の驚く声が響く中、隼斗は浮かない表情のまま大淀を見ていた。
隼斗「爺喰ってもなあ……あんまり美味しくないんだけど…」
長門「食べる前提で言うな。大淀、元帥に承知したと伝えてくれ。こちらから迎えに行くともな。」
大淀「分かりました。では、早急に準備しましょう。」
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元帥「……うむ、すまない。では、後ほど会おう。」
大和「どうでしたか?」
元帥「会ってくれるそうだ。さて、行こうか。」
席を立ち上がり天幕を出る。外には完全武装した元帥直属の海兵隊と艤装を身につけた艦娘達が待機しており一斉に敬礼する。その列の前で腕組みして立っている者が近づいてくる。大和型2番艦の武蔵だ。
武蔵「その表情、相手は承諾したということか。」
元帥「そうだ。そして彼も…さあ、一仕事だ。久しぶりの戦場、気を引き締めていこうかの。」
大和「戦闘しに来た訳じゃ…でも、もし何か不穏な動きがあれば必ず私達が守ります。絶対に。」
元帥「頼もしいな。だが、儂もただ守ってもらうわけにもいかん。まだまだ現役、衰えておらんからな。」
腰につけた軍刀を右手でポンポンと叩きながら笑う。大和に「無理はしないでください」と言われるが気にすることなく歩き出して車に乗る。他の者達が装甲車に乗るのを確認した後、元帥一行は鎮守府へと走り出す。
喰種の住む鎮守府へ……