※この作品はR-18です。

喰種の住む鎮守府   作:ニーとくさん

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第13章 喰種の日常〜お手伝い〜

あぁ…身体がしんどい…肩や腕も痛い、腰も痛い…何より、アレが…

 

あ…意外にも元気です……

 

 

だが今は困る。どうせなら不貞寝でもして欲しいぐらいだ。いや、しろ。でなきゃ、ある意味全て奪われる。言葉が違う、だと?あぁ…そうだった。搾り取られる、だった……

 

 

ハーレムって最高じゃん、と思ってた時期もありましたがそれは違う。凄くしんどいです。大変です。可愛い可愛い美少女達に囲まれて過ごすのは最高だ。こんな俺のことを好きになってくれるんだ…人を喰らう化物“喰種”だというのにさ。だから、本当に…幸せなんだよ。

 

でも、でもね……

 

 

全員まとめて相手すんのはしんどい

 

 

 

戦闘だと余裕なのにこれはしんどい。“男”としての強さが求められるから戦闘とは違うことが分かりました。

俺はまだまだ強くなる必要がある。これじゃだめだ、もっと…もっと強くなってこいつらに…

 

 

少ない回数で満足していただきたいと思います

 

 

 

第13章 〜完〜

 

 

 

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電「はあ…はあ……凄いのです…隼斗のがいっぱい電の中に出たのです。電は…とても嬉しくて幸せなのです…えへへ、もっともっと…

たくさん欲しいのです。隼斗で満たして欲しいのです…あんな醜い人間のなんかいらない…隼斗のが欲しい、のです…」

隼斗「……あ?あぁ、うん。(もう貯蔵量が…)」

時雨「凄い、凄いよ…初めてなのに、こんなに求めちゃった…隼斗、大好きだよ…」ビクビク

 

夕立「あはは…しゅごいっぽいぃ…夕立も初めてだけどぉ……隼斗じゃなきゃだめぇ…」ビクンビクン

叢雲「私も…らめぇ……隼斗じゃないとやだぁ…隼斗になら、毎日襲われてもいい…いっぱい抱かれたい…」ギュウウ

隼斗「ふわあぁ〜…疲れた。もう出し切ったから寝ようよー。何回したと思う?5回だよ5回、俺もびっくりの回数だよぉ…」

 

時雨夕立「でもまだ、こんなに硬くて大きいよ/////」

隼斗「……見た目はそうでも空元気なの。」

叢雲「へえ…確かめなきゃ…」

隼斗「あー、もうしごくなってー「気持ちいい?もっと唾、垂らしてあげる…」…ちょ、ま…馬鹿それ、エロ過ぎ…」

 

叢雲「うふふ…隼斗、感じてるんでしょ?今度は私がいっぱい気持ち良くしてあげる…ん…ちゅ、んはぁ…」

隼斗「ん……叢雲、お前ほんとエロ過ぎだよ…」

電「あ、もう…電ともするのです…」

 

グイッと顔を反対側に動かされ危うく首がどうかなりそうだったが、そんなこと関係ないとばかりに電は唇を重ね舌を絡めてくる。回数を重ねるごとにどんどん激しくなってくる。そんなことを考えてるとふとあることに気づく。

 

隼斗「あ、時雨と夕立…こいつら寝てない?」

叢雲「ん…あ、ほんとね。満足したって顔してるわ。」

隼斗「あーもう、服も着ないで寝たら風邪ひくじゃん。ちょ、もう終わり。2人を寝かすから手伝って。」

電「むう…まだした…「また今度な」…はーい、なのです。」

 

隼斗は時雨を、叢雲は夕立を起こさないよう抱き抱えて枕元まで動かしてゆっくりと寝かせる。電はもう一枚掛け布団を用意、そのまま被せて2枚重ねにする。結構あったかいから風邪はひかないだろう。よく見たら叢雲もあくびをしてとても眠そうだったので寝るように促すと素直に言う事を聞いて横になりすぐに寝息をたてていた。まあ…そりゃそうよ、あれだけやったらそら眠くもなるわ。

 

電「隼斗は寝ないのですか?」

隼斗「んー、さっきまで疲れて眠かったけど…目が覚めた。電もちゃんと寝ないと。明日からまたこの鎮守府は動き出すんだからな。」

 

窓辺に座って片足を外に出し煙草に火をつける。すぐに電が側に来て膝上に座らせて欲しいと言ってくるので下に落ちないようにしっかり抱き抱えた状態で座らせる。お互い黙ったまま夜空を眺めていたが、その静寂を破るように電が声をかけて来た。

 

電「少し強引だったけど、やっと電のこと…電は、本当に幸せなのです。」

隼斗「ほんと強引だよ。しかも時雨に夕立、叢雲までさ…それを受け入れる俺も俺だけどさ〜。まあ、ビビって抱かなかったわけじゃない。

俺なりに考えてたんだよね…」

電「どう、考えてたのですか?」

隼斗「あんまり口にしたくないけど、電は…前いた提督と憲兵共に犯された。そのトラウマを呼び起こすようなことはしたくなかったんだよ

ね…恐かったんだよ。また電が思い出して自傷行為に走るんじゃないかって。いつか耐えられなくなり精神を病むんじゃないかって…

そう考えると迂闊なことはできねえじゃん。だから、ああ言われても流してたんだよね。」

電「そこまで考えてたなんて…隼斗はとても優しいのです…みんなも優しいけど、隼斗の優しさに救われてるのです。いつも守ってくれてあ

りがとう…なの……です………zzz…」

隼斗「え…この体勢で寝ちゃった。んしょ…叢雲の隣でいいか。」

 

煙草をくわえたまま起こさないように運んで寝かすも、起きてしまった電に隼斗の隣で寝たいと言われ一瞬考えるもそれを承諾。既に3人が寝ており狭苦しいが真ん中になんとかして入り一緒に眠りについた。

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

 

狭苦しいベッドで寝ていた割には目覚めの良い朝だった。天気も良く、鳥の囀りも聞こえてくる。平和だよね…

 

 

コンコン お兄ちゃん、入るねー ガララ…

 

まあそんなわけないよね

 

吹雪「おはよー!おにい、ちゃ………ん?んんん?…えええええええ⁉︎」

夕立「んう…なあに……もう朝ぁ?」

吹雪「ゆ、夕立ちゃん…なんで裸なの⁉︎しかも時雨ちゃんまで…」

叢雲「うーーん…吹雪の声?もう…朝から大きいわねえ…」

吹雪「叢雲ちゃん⁉︎な、なんで叢雲ちゃんまで裸なの⁉︎てかまた胸大きくなってる…」

 

隼斗「……おはよー、吹雪。とりあえずさ…静かにしてて。」

吹雪「ふあっ⁉︎お、おに…お兄ちゃん、その、あの…見えてる////(凄い…初めて見た。あんなに大きいんだ…////)」

叢雲「吹雪ったら照れてる。ほら見て…こんなに大きいけどね、痛くないの。とても気持ち良いのよ?」

隼斗「やめて。また今度な。」

 

叢雲は吹雪に見せつけるように掴んでは上下に手を動かしていく。その表情も色っぽく妖艶な感じで吹雪は更に赤面してしまう。隼斗がやめるよう言うと少し残念そうな表情をするも、すぐに顔を近づけてキスをする。これまた見せつけるように舌を出して絡めている様子に吹雪の顔は真っ赤になり頭から湯気でも出るんじゃないかと思うくらいだった。

 

それでも御構い無しに叢雲は隼斗の胸に垂れ落ちた唾液をジュルっと音を立てて吸い上げ、再び妖艶な表情で隼斗を見つめる。

 

叢雲「ふふ…美味しい…もっと、だめ?」

隼斗「だめ。ほら、電も時雨も起きろ。夕立、時雨起こして部屋戻って準備してきな。叢雲、吹雪を頼む。俺は電を連れて行く。」

 

 

 

各々着替えて準備が出来ると一緒に部屋を出てそれぞれの部屋へ向かう。電をおんぶして廊下を歩いていると昔まだ綾奈が生きていた時のことを思い出していた。何度もせがまれておんぶしてたなあ…今みたいにこうして明るい場所ではなくて薄暗く冷んやりとした地下道だったけどね。

 

電「……ふにゅ…」

隼斗「ん、おはよ電。」

電「んー……はあぁ…身体がしんどいのですぅ…」

隼斗「あれだけすりゃあな…まあ、今日から任務再開だ。俺は変わらずニートだけど。」

電「働かざる者、食うべからず…なのです!」

隼斗「それ鳳翔姉さんがよく言う言葉だな。俺も明石姉にお願いして俺専用の艤装作ってもらおうかなあ…」

 

色々話していると部屋の前に到着。扉の横には手書きで「第六駆逐隊」と書かれた札がかけられている。電曰く、前提督が消えた後に暁が作成したものらしい。あぁ、どうりで子供っぽい字なんだな…しかも字の大きさが少しバラバラだし、若干斜めだし…まあ、流石暁だ!一人前のレディは一味違うな!って言えばいっか。とりあえずどうでもいいから中へ入ろう。

 

隼斗「おはよーさん、あ……」

 

扉を開けると真っ先に目に入ったのはこちらにお尻を向けて靴下を履きかけてる暁の姿。可愛い熊さんパンツでした。

 

暁「え?ぴゃあ〜〜〜〜⁉︎⁉︎⁉︎…ドサッ!…きゃん⁉︎」

響「大丈夫かい暁?あれ?電に隼斗じゃないか。おはよう。」

雷「2人ともおはよう!でも、いきなり女の子のお部屋にノックも無しで入るのはだめじゃない隼斗お兄ちゃん!」

 

隼斗「ごめんなー。次はちゃんとノックするから…暁、大丈夫?ケツ痛くない?」

暁「いてて…もう、いきなり入って堂々と覗きなんて最低よ!プンスカ!」

隼斗「誰が熊さんパンツに欲情すんだよ…」

 

暁「……⁉︎/////も、もう!子供扱いしないでよね!暁は立派な大人のレディなのよ!」

隼斗電「……(いや熊さんパンツなのに大人のレディって…)」

響「暁、大人の女性はこういう…電みたいな紐パンを履かないとだめだ。だから暁は大人のレディじゃない。」

 

電「はわわ⁉︎響ちゃん、それは見世物じゃないのですー!ちゃんとタンスに戻して欲しいのですー!」

隼斗「まあ、とりあえず降ろすわ。んじゃ、またあとでな〜。」

 

 

4人に手を振り部屋を後にする。とりあえず先も言ったようにまずは食堂へ行き水飲みたい。あとは…そうだな、やることないから明石姉のとこに行って、俺専用の艤装作れるか聞いてみよう。その後は鳳翔姉さんと間宮姉さん達のお手伝い、んで自主練かな。やっぱり日頃から鍛えてないといざって時に戦えないからな。

 

 

 

〜食堂〜

 

 

隼斗「おはよーさん。」

長門「ん?あぁ、おはよう。昨日はみっちりしごかれたか?」

隼斗「まあね。(違う意味で…)」

 

陸奥「おはよう隼斗。あら?昨日以上にやつれてない?お灸そえられ過ぎたのかしら…大丈夫なの?」

隼斗「大丈夫大丈夫。再生力には自信あるからね。(あれだけやっても元気だし、出るもん出てたから…)」

 

大淀「大丈夫ならいいけど…あまり無理しちゃだめよ?」

隼斗「ありがと大淀姉さん。まあ、喰種はそんなやわじゃないから安心してよ。(俺もびっくりする程の耐久力…)」

 

 

昨日の出来事を思い返しながら水をもらいそのまま長門の隣に座る。今日から何すればいい?俺にも任務ってあるの?化物なのにニートとか嫌なんだけど?とか間髪入れずに質問していく。

 

長門「鳳翔と間宮のお手伝い、鎮守府の清掃・補修作業、明石と夕張の整備作業の手伝い、鎮守府の警備、あとは私達の執務の手伝いとか…

他にもまだあるだろうがとりあえずこんなところか。あとはそうだな…あー、分からん。自分で考えろ。」

隼斗「最後は適当に締めくくったね。悲しいなー、可愛い弟泣いちゃうよー?」

長門「……どの口が言ってるんだ。」

 

陸奥「ふふふ、確かに。可愛いキャラじゃないわね。可愛いって私のことを言うのよ?」

大淀「陸奥さんは可愛いというより美人です。憧れちゃいます!あー、私も美人になりたいなー……」

隼斗「そう?大淀姉さんは十分美人だと思うけど。」

 

大淀「や、やだ////もう隼斗ったら朝から何言ってるのよ////もう、嬉し…恥ずかしいじゃない!」

隼斗「なんでだよ。本当のことじゃん。自信持ちなってー♪」

大淀「やだもー///隼斗ってば持ち上げ過ぎよー////」

 

長門「陸奥、隼斗は女たらしか?何を言えば、何をすれば女性が喜ぶのか計算しているのだろうか。」

陸奥「あの子がそこまで賢いとは思えないけど…馬鹿だから馬鹿正直に素直に思ったことを伝えてるだけじゃない?」

長門「なるほど、確かに馬鹿だからな。私の考え過ぎか…」

 

隼斗と大淀のやり取りが続くのを陸奥と眺めていると続々と艦娘達が集まってきて一気に騒がしくなる。するとさっきまで話していた隼斗がカウンターの列を見た瞬間、席を立離れて厨房に入り配膳の手伝いを始める。

 

間宮「隼斗、ハンバーグ定食1つと銀鮭定食3つお願い!その後は唐揚げ定食とネギトロ丼メガ盛り2つずつね!」

隼斗「はーい。ほい、そこにトレー置いて。水は自分で用意しなよ〜。」

 

手と赫子を使ってカウンターに並べられたトレーにそれぞれ注文された料理を置いていく。

 

金剛「oh…流石ですネ隼斗。あれだけの速さなのに味噌汁が1滴も溢れてないネ。」

比叡「ほんといつ見ても凄いですよね。ほら、盛り付けも崩れてないですよ!」

隼斗「金剛お姉様に比叡お姉様、後ろ詰まるから横にずれて。榛名お姉様は麦ご飯で、霧島お姉様はおこげ入りで用意してるから。」

 

霧島「え、本当⁉︎「前そんなこと言ってたじゃん」…覚えてたのね、ありがとう!」

榛名「榛名は嬉しいです♪今日はご褒美をあげましょう!」

 

そう言うと体を乗り出して隼斗を抱き締めて頭を撫でまわす。

 

榛名「うふふ♪隼斗は優しくていい子ですからね。たまにはこうしてご褒美をあげないとって思ったの♪」なでなで

隼斗「あ〜…榛名お姉様めちゃくちゃいい香りがする〜。うひゃー!」ギュウ〜

榛名「よしよし♪…じゃあ、お手伝い頑張ってね!」

 

手を振る榛名にデレ顔で手を振り返していると目の前に加賀の顔がスッと現れる。一瞬ビクッとしてしまうがすぐにいつも通り用意して渡していく。その間ジッと見てくる加賀をチラチラ見ていると赤城が加賀の横でクスクス笑っていた。赤城曰く、榛名がご褒美としてハグしているのを見て、自分もたまにはああいうのをするべきか聞いてきたらしい。「へえ…」と聞いているといきなり加賀が手を伸ばしてきて榛名と同じようにハグをしてくる。そのまま背中をバシバシと叩かれ「更に精進しなさい。」と言ってトレーを持ち席に向かう。

 

赤城はハグではなくまるで犬にするように「よ〜しよし♪よ〜しよし♪」と両手で顔を揉みくちゃにしてくる。そのあとはすぐ加賀の後を追いかけて一緒に座りご飯を食べている。あの2人は毎朝定食と丼メガ盛りを食べるのに全然太らないから謎だ。そんなことがあったがなんとか配膳を終えることができた。途中、鋭い視線が何度も突き刺さることがあったけどね。

 

鳳翔「ありがとう、本当に助かるわ。はい、珈琲よ。」

隼斗「ん、ありがとう。……ぷは〜、うめえなあ。」

間宮「まるでお酒飲んでるみたいね。あ、そうそう。喰種もお酒は飲むの?」

 

隼斗「んー、飲むね。ただ、何を使ってるかは知らない方がいい…と言っても分かると思うけど。」

鳳翔間宮「あはは…や、やっぱりそうなんだ。」

隼斗「そうそう…さてと、片付け始めますかね。2人はゆっくりご飯食べてていいからね。」

 

珈琲を飲み干すとカップを持って洗い場に向かい、先程使っていた調理器具と一緒にまとめて洗い始める。2人はご飯を食べながらその後ろ姿をジッと眺めていた。

 

間宮「隼斗にはこのまま平穏な暮らしをして欲しいです。」

鳳翔「そうですね…以前いた世界とは違う生き方をして欲しい。隼斗の全てを知っている訳ではないですが、あの子は計り知れない憎悪を

抱えて仲間の為、家族の為と戦い続け…最後は全てを失い死んでしまった……この世界でも同じ生き方をしようとしている。私は…

もうそんな生き方繰り返して欲しくないんです。」

 

間宮「隼斗は…変えれるでしょうか?違う人生を歩めるでしょうか?」

鳳翔「それは隼斗次第です。当然、私達が隼斗を支えて違う生き方を教えることも必要ですが最終的に決めるのは己自身。隼斗自身がその

生き方を見つけることが1番大事だと思います。時間はかなりかかるでしょうが…」

 

2人の会話内容を知らない隼斗は金剛姉妹と扶桑姉妹からトレーを受け取りながら会話していた。楽しく笑い、時にどつかれ怒る光景を嬉しくもあり、どうかこの光景が続きますようにと切実な思いで眺めていた。鳳翔は隼斗に対してある恐れがあった。喰種だからとかではなく、いつか裏切り深海棲艦の元へ行くとかでもない。それは己の命を軽んじていること、己の死に対する恐怖が感じられないことである。

 

以前、鳳翔は吹雪から聞いたことがあった。鎮守府奪還の為に憲兵隊が来た時のことだ。その時、隼斗は左膝から下が千切れ、背中や身体の何箇所か重度の火傷を負っていたにも関わらず他人事のようだったと。そして、“手足が千切れようが身体の一部がなくなろうが気にしない。仲間や家族を失うより良い”と吹雪はそう言われたと言っていた。己の命より仲間と家族の命に重きを置いている、いや…置き過ぎていることを1番恐れていた。いつか隼斗は自分達を守る為に何の躊躇も無く命を捧げるのではないのか?それを止める為に説得しても聞く耳持たず行ってしまうのではないのか?いつものように笑いながら最期の時まで戦い続けるのではないか?

 

考えたらキリがない。このことを伝えても隼斗は変わらないだろう。きっと、“守れたからいいじゃん”と言って笑って終わりそう。でも、それで助けられた者はどう思うか、何を思うか。助けてもらったことに感謝はするだろうが誰も喜ばない。己の無力さを呪う者、悲しみにうちひしがれる者、心を閉ざす者、耐えきれず壊れてしまう者、そして…激しい憎悪を燃やし第2・第3の隼斗になる者が必ず現れるだろう。どれもいいことではない、どれも悲しいことでしかない。隼斗は大事な家族の1人であり私達を支える大きな1本の柱であることを分かって欲しい、自覚して欲しい。このことは自分1人で考えずにすぐにでも長門に伝えようと心に決めるのであった。

 

 

そんなことは一切知らない隼斗は洗い物を終えたことを伝えて食堂を後にする。次は明石と夕張の牙城、工廠へ向かう。艤装作成とお手伝いが目的だ。

 

〜工廠〜

 

隼斗「やほー。明石姉に夕張ちゃんいるー?」

明石「はーい、ここだよ。なあに?どしたのかな?」

夕張「あ、隼斗だ。やっほー♪」

 

山積みされた装備の横から顔を出す2人。どうやら今日非番の艦娘達の艤装点検作業中らしい。工廠の床にも様々な工具や艤装が置かれてあるので足元に注意しながら近づいていく。

 

隼斗「んー、改めて見ると艤装って凄いね。結構作りも本格的で頑丈だしさ。」

明石「まあね。艤装がないと戦うどころか海にも出れないからね。ちゃんとしたもんじゃないと命に関わるから。」

隼斗「大変だねえ…あ、そうだった。お願いがあって来たんだよ。2人に俺専用の艤装を作って欲しいのよ。」

夕張「隼斗も艤装つけて戦うってこと?明石、どうする?」

明石「いいんじゃない?隼斗専用の艤装作ってあげる!早速取り掛かろうか!」

 

明石はそういうと近くにある机に大きな紙と鉛筆、定規を用意する。夕張は整備し終えた艤装を元に戻した後、隼斗の身体の採寸を取り明石に伝え、明石がそれを元に設計図を描いていく。2人の流れるような連携作業によりものの数分で設計図が完成する。

 

明石「よし、こんな感じかな。装備はどうする?希望があれば聞くけど、ないならこっちで勝手に決めてもいいかな?」

隼斗「希望もなにも艤装のことはよく分かんねえからお任せしまーす。んでそのお礼としてお手伝いします。何したらいい?」

明石「お手伝い?んー、何がいいかな…」

夕張「じゃあ私達の部屋を掃除してよ。ちょっと散らかってるから綺麗にして欲しいかな。ちなみに部屋はそこね。」

 

夕張が指差す方へ視線を向けると工廠内の一角に以前にはなかった部屋が設けられていた。こんなのあったっけ?と首を傾げながらも部屋の扉を開ける、がすぐに閉じて2人の方を見る。2人も隼斗の行動に顔を見合わせて首を傾げた後、再びこちらを向き同時にどうぞと手を出してくる。隼斗は再び前を向いて扉を開ける。

 

隼斗「……(汚ねえ……)」

 

中を見渡せば、カップラーメンとビール缶、つまみの袋の残骸に汚れた作業着とシャツ、そしてブラやパンツがその辺に脱ぎ散らされた状態であった。潔癖症でもなく、ましてや綺麗好きでもないが流石の隼斗でもこれは汚いと思っており溜息しか出なかった。何よりこの部屋は臭い。2人には失礼だが臭い。臭い。ゴミの臭いもあるが…これだ。この下着…いつから放置しているのか分からないが、臭い。2人からはいい匂いがするけどこれは臭い。

 

隼斗「……はあ…やるしかねえな。」

 

一際大きな溜息をついた後、意を決して掃除に取り掛かるのであった。

 

 

〜1時間後〜

 

 

明石「ふう…こんなもんかな。夕張、そっちはどう?キリのいいとこで休憩しない?」

夕張「そうね。だいたいは出来たからそうしようか。」

 

それぞれ工具を置き大きく伸びをして立ち上がると部屋へと向かうが部屋の入口手前で立ち止まってしまう。

 

明石「え、えええ⁉︎なにこれ⁉︎」

夕張「凄い綺麗になってる…あ!これこの前失くしたと思ってた本だ!どこにあったんだろう?」

隼斗「パンツの下敷きになってた。てかあのパンツは何日放置してた?あれ脱いだまま置いてたろ。すげえ臭かったぞ。」

 

夕張「ちょ、えっ⁉︎そ、そんなに…?てか、なんで知ってるの⁉︎まさか…直接嗅いだんじゃ…///」

隼斗「なんであんな臭えの直で嗅がなきゃいけないんだよ。そんな趣味は無いし嗅ぎたくもない。でも、メロンちゃんの熱烈なファンがいた

としたら直で嗅いで興奮してるかもな。パンツじゃなくて股に挟まれたいとか思ってんじゃねえ?」

夕張「うわ…やだ、気持ち悪い……私そんなことされたら…」

 

隼斗「大丈夫大丈夫、そん時は俺がそいつ殺すからメロンちゃんは安心して生活してりゃいいんだよ。んで、ちゃんと毎日洗濯するようにし

て欲しい。明石姉も。2人とも女の子なんだから最低限の清潔さは維持してねえと彼氏できねえよ?とりあえず、この汚れた服と下着

は今から洗濯機にぶち込んで洗うからその間に2人は風呂入ってきな。」

明石「……もしかして、臭う?」

隼斗「香水でいい匂いはするよ。でも、やっぱ少し臭いわ。」

 

明石夕張「く、臭い⁉︎」ガーン

隼斗「…落ち込むぐらいならちゃんと入んなよ。綺麗な服や下着は箪笥に入れてあるから、正直どれが誰のか分からねえからごちゃごちゃに

なってるかもしれないけどまあいいよね。はい、じゃあ…いってらっしゃい。」

 

満杯になった洗濯籠を持って工廠を後にする隼斗を見送った2人は早速風呂に入る準備を始める。途中、隼斗に自分達の下着を全部見られていることに対して急に恥ずかしくなり顔を赤くして工廠と隣接している入渠ドッグ兼大浴場へと走り込む。そして、かなり入念に身体を洗って互いに確認までしていたそう。

 

その間、隼斗は洗濯籠から下着を取り出し洗濯機に放り込んでいるところを大淀がみんなの下着を漁っていると勘違いして鬼の形相で詰め寄り尋問したのは別の話。そして、その後風呂上がりの明石と夕張が隼斗に詰め寄り匂いを確認させようとしているところを遠征から帰投した叢雲と電に見られ、これまた鬼の形相で尋問されたのはまた別の話である。

 

 

 

 

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