※この作品はR-18です。

喰種の住む鎮守府   作:ニーとくさん

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第16章

鳳翔の指南を受けて早1週間。基礎の構築から応用まで、そして艦載機運用まで習得を終えた隼斗。鳳翔の指導が上手いのは当然だが何より隼斗の学習能力・適応能力の異常な高さも大きい。それは喰種特有の生まれ持った身体能力の高さとこれまでの豊富な戦闘経験から生まれたものだった。

 

今では1対多数の戦闘でも大した被弾もなく勝利するほどであり他の艦娘達もその成長ぶりを驚いていた。

無理もない。護衛艦無し、対空兵器無し、丸裸の空母1隻に蹂躙されるのだから。

 

 

長門「僅か1週間でこのレベルか。」

大淀「まだ演習しか経験がありませんが、現時点で隼斗に対抗できる艦娘はいません。強いて上げるなら…夕立さんと金剛さんぐらいでしょ

うか。それでも、小破させるのがやっとですよ。」

陸奥「艦娘の戦い方と喰種の戦い方を織り交ぜた新しい戦い方。私達が慣れるにはまだまだ時間が必要ね。でも…見てて楽しそう。私、熱く

なってきちゃった…♪」

 

 

演習終わりで他の艦娘と話している隼斗の後ろ姿を右頬に手を当て小指で唇をなぞるようにゆっくりと動かす陸奥の表情は余りにも色っぽく妖艶だった。女である自分もその表情を見て意識してしまうから男性が見たら恐らく大変なことになりそうだと大淀は思っていた。

 

大淀「……////陸奥さん、破廉恥です///」

陸奥「…え?なんで?」

長門「どうした大淀。陸奥はだいたいこんな感じではないか。強い相手を見つけるとすぐに血が騒ぐ。隼斗と同じ戦闘狂だということ知って

いるだろう?」

 

大淀「そ、そうですけど!でも、その…///」

長門「あぁ…そうだった。大淀はむっつりスケベだったな。すまない、忘れていた。」

陸奥「あ〜、そうだったそうだった。ごめんね大淀♪お詫びに…今晩、私の部屋に来ない?」

 

大淀「えっ///む、陸奥さんの部屋ですか⁉︎」

陸奥「そうよ。良い事、シテあげる♪」

大淀「あっ……///陸奥、さん…////」

 

陸奥に顎を優しく持ち上げられて耳元で囁かれる。すぐ横に陸奥の顔があり、声が、吐息が、陸奥から香る誘われるような甘くて良い匂いが大淀の理性を襲う。もうこのまま、陸奥さんに身を委ねてしまいたい。陸奥さんと気持ちいいことしたい、と。

 

長門「いや私と相部屋なんだから他所でやってくれ。」

陸奥「ごっめ〜ん、忘れてた♪じゃあ、大淀の部屋…あらあら、ちょっと大丈夫?」

長門「はあ…やり過ぎだ。完全にフリーズしているじゃないか。」

 

陸奥「そうねえ〜。それに頭…だけじゃないわね。耳、口、鼻からも湯気が出てるわ。いつからこんな芸達者な子になったのかしら?」

大淀「」シューーー 絶賛排熱中

長門「元からじゃないか?むっつりスケベだから。」

陸奥「それもそうね。ちょっと寝かせたら元通りになるかもしれないわね。」

 

陸奥がそのまま大淀をお姫様抱っこして観戦用のベンチに寝かせてる間に長門は演習組を呼び集める。当然、皆が集まるから大淀に視線が集まり心配する者や話を聞いて失笑する者、そして悪戯する者まで現れてくる。その悪戯を先陣切ってやるのが隼斗で、大淀をお姫様抱っこしてそのまま海にダイブするという荒業を実行し、その後大淀に何度も平手打ちをくらうことになる。

 

隼斗「いたいれふ、おおよひょねえひゃん」

大淀「気絶した人を抱き抱えて海に飛び込む馬鹿がどこにいますか‼︎」

隼斗「ここに。」キリッ

大淀「」ブンッ

隼斗「あぁ〜ん‼︎」バキッ

 

金剛「oh…なかなか良い右ストレートネ。顎外れたんじゃナイ?」

時雨「大丈夫かい?」

山城「気にしなくていいのよ、時雨。自業自得よ。」

隼斗「ア〜…「バキッ…ゴキゴキ…」ふう、久しぶりに外されちゃった。」

 

外れた顎を元に戻すのを確認して長門が口を開く。

 

長門「隼斗、今のお前なら実戦投入しても問題ないと判断した。今後は艦隊に編入して実際に出撃や哨戒に出てもらう。いいな?」

隼斗「はいはーい、皆殺しにしてやんよ。」

長門「ふっ…頼もしい限りだ。では、早速明日から出撃だ。いいな?」

 

鳳翔「ちなみに誰と組ませるのか、もう決まってるんですか?」

長門「あぁ、決めてある。暁、響、雷、電、鳳翔、隼斗で艦隊を組む。旗艦は暁、鳳翔は隼斗の補佐をしてくれ。」

鳳翔「分かりました。」

長門「では演習もここまでとする。入渠して汗を流し、ゆっくり休んでくれ。明日からまたよろしく頼む。」

 

そう告げると陸奥・大淀を連れて執務室へ戻っていく。他の者達もタオルや飲み物を持って戻る中、隼斗は1人その場に残り静かに海を眺めていた。海、それは今までとは違う戦場。深海棲艦、未だ会ったことのない敵であり、自分と同じ化物。敵も戦場も、戦い方まで何もかもが違うこの世界で自分はどこまで戦えるのか?普通なら誰もが思い、不安になるだろう。だが、それでもしっかり前を向き進む者もいる。隼斗もその1人である。唯一違うのは抱いている感情や考えが常人とはかけ離れているということだけ。

 

電「どうしたのです?不安、ですか?」

 

声がする方を向くと心配そうな表情でこちらを見上げる電が横に立っていた。隼斗は何も言わず電の頭をわしゃわしゃと撫でると再び海に視線を戻して煙草をくわえ火をつける。電も何も言わず隣に立ったまま海を眺める。静かで綺麗な海、風に吹かれて水面は小さく波を立て、磯の香りを運び、空を見れば鳥が飛び、太陽の暖かい陽の光が降り注ぐ。だが、そこが自分達“艦娘”の戦場であり、墓場でもあると考えると怖くなることもある。ふと思う。隼斗はこの海で戦うことに対して恐怖はないのか?これまで戦ってきた隼斗にはそういったものはとうの昔に消えたのだろうか?それを聞こうとした時、隼斗はゆっくりと右手を海に向けて差し出し口を開く。

 

隼斗「今まで多くの仲間や家族を守ることが出来ず失ってきた。すぐ側に、手の届くところに居るにも関わらず守ることが出来なかった。

だから、今度こそみんなを守ると改めて誓う。1人で全てを守ることは不可能だとしても俺は1人も失いたくないからな。」

 

何かを掴むように右手をぎゅっと力強く握り締める動作をしたのち、電の頭に再び乗せて今度は優しく撫でる。その手が少し震えていることに気がついた電はそっと手を伸ばして掴むと自分の胸元に持っていく。

 

電「電がずっと側にいるのです。だから、そんなに怯える必要はないのです。」

隼斗「怯える必要はない、か……(あぁ、俺…震えてるじゃん…)」

電「お嫁さんだから分かるのです♪」

隼斗「ん〜、可愛いお嫁さんやなぁ。幼妻だね、幼妻。」

 

「お〜い、2人ともいつまでそこにいるの〜!」

 

隼斗「あん?この声、山城か?……て、なんで勢揃いしてんの?」

電「あれ?みんな先に入渠ドッグへ行ってたはずじゃ…」

 

振り向くと先に執務室へ戻った筈の長門達やドッグへ向かっていた他の者達がこちらを向いて立っていた。

 

山城「いつまで海眺めるつもり?こっちは中破してるから早く入渠したいんだけど?」

暁「電も早くお風呂入らないと汗臭くなるわよ!ほら、早く早くー!」

電「はわわ!それは嫌なのです!恥ずかしいよぉ…///」チラッ

隼斗「う〜ん、電の汗の匂いは嫌いじゃない。仮に汗臭くなったとしてもそれは問題ではなくむしろご褒美である。つまり、電の汗の匂いは

俺の大好物なので今すぐ嗅がせてくれ!電、さあ…汗だくのまま俺に抱きついてくれ!というか、もう抱くからな!」ガバッ

 

電「はわっ!ほ、本当に汗びっしょりだからダメなのです!あっ…///く、首は…らめなのです…///」

隼斗「クンクン……ペロっ…んん⁉︎味も匂いも最高じゃん⁉︎電、ずっと嗅いで舐めてていい?てかするね。」クンクン ペロペロ

明石「あちゃー、ありゃ完全に変態でロリコンだね。」

扶桑「そうね。でも、隼斗も隼斗だけど…電ちゃんも満更でもなさそうなのよねぇ。」

 

電「そ、そんなに電の汗好きですか?///その、は、恥ずかしいけど…脇も舐めて、いいのです///あ、い、言っちゃったのです!////」

隼斗「マジで⁉︎ふぉおおおおおおおおおおおお‼︎‼︎‼︎」

扶桑・明石「あぁ…心配だわ…」はあぁ…

 

 

電をお姫様抱っこで持ち上げ首元に顔を近づけて嗅いだりひと舐めしたり、スイッチ?が入った電に誘われて脇へと顔を移して同じように嗅いだり舐めたり…とにかく変態行為を堂々と実行する隼斗には多くの罵声が飛んできたり、むしろ堂々過ぎて気持ち良いぐらい潔く感じてしまい「まあ…あの2人のことだから“あれ”が普通なんだよね。」と、変に納得?する者もいた。結局、みんなのとこへ来るまで続けていた2人は大変満足した表情をしており、これ以上言っても意味がないと誰もが諦めたという。

 

 

〜翌日〜

 

 

出撃ドッグに並ぶ6人の姿。艤装をつけ各自カタパルトに立ち出撃態勢に移行、あとはゲートが開き順次抜錨するだけの状態になる。

 

整備妖精1「艤装問題なし!カタパルト正常、出撃準備完了!」

整備妖精2「了解。ゲート開放、進路クリア。暁さん、抜錨どうぞ!」

暁「了解!みんな、暁についてきて!出撃よ!」

 

ゲートが完全に開き、暁が大きな声で他の5人に叫ぶと同時に先陣切って抜錨する。続けて響、雷、電、鳳翔、そして最後に隼斗が抜錨。

続けて第2・3艦隊の出撃準備に移り出す。その様子を見ていた長門はある違和感を感じていた。

 

長門「いつもと様子が違うんだが。特に妖精さん達が。」

明石「あ〜、昨日ガ○ダム見たらしくて自分達も真似してみようってなったみたいよ。」

夕張「出撃シーンを何回も見てたもんね〜。私までセリフ丸暗記しちゃいそうだったし。」

 

陸奥「あの信号機みたいなのも妖精さん達が作ったの?」

夕張「そうですよ。ちゃんと青信号が3つ全て点灯したらカタパルトが動く仕組みになってます。」

陸奥「本格的ね…しかも、みんなノリノリじゃない。」

 

「赤城、いっきまーす!」バシュン

「一航戦、加賀。出撃します。」バシュン

「時雨、行くよ!」バシュン

「夕立、目標を駆逐するっぽい!」バシュン

「扶桑姉様!行ってき…!」バシュン まあああああああああああ……

 

扶桑「山城、大丈夫かしら。心配だわ…」

夕張「発進の勢いで首が思いっきり曲がってましたけど、あれヤバくないですか?」

扶桑「出撃直後に首を負傷するなんて…不幸だわ…」

明石「いや不注意なだけですよ。まあ、大丈夫じゃないですかね。なんだかんだピンピンしてますよきっと。」

 

長門「なんだか心配になってきた。うちの鎮守府は大丈夫なのだろうか?」

陸奥「一部アウトだけど、他は問題ないわよ。それなりに成果も出してるんだし、今日から隼斗も加わって更に結果を出せば誰も何も言えな

いわ。言ったら言ったで隼斗が噛みつくでしょうし。」

長門「色んな意味で噛みつくだろうな。とりあえず、今日は無事に帰ってきてくれたらそれでいいさ。」

 

 

 

一方その頃、暁を旗艦とする第1艦隊は作戦海域である鎮守府正面海域へ到着、直後に鳳翔・隼斗による索敵を開始していた。既にこの海域の安全は確保されており、たまに監視の網を抜けて出現する深海棲艦も比較的弱いのですぐに撃破することができる。まずはここから始めて海の戦いに慣れろという長門の考えであり、故に今回この海域が選ばれた。

 

暁「鳳翔さん、敵の反応ありますか?」

鳳翔「いえ、反応ありませんね。静かなものです。」

暁「隼斗お兄ちゃんはどう?」

隼斗「……ねえな。波の音と風の音しかない。敵の姿も見えない。暇だな…」

 

偵察機から逐一報告されるも“敵影ナシ”が続く。せっかくの初陣だというのにこの暇さ。敵がいないことは本来喜ばしいことではあるが戦いの中で生きてきた身としてはあまりにも退屈な時間だった。暇つぶしではないが時折海面を跳ねる魚を見てテンション上げたり、雲ひとつない晴天を仰ぎ見ることしかしていない。警戒を怠ってはいない、だが暇過ぎて怠い。そう思いながら大きくあくびをしている時、偵察機から再び報告が上がる。

 

「敵影確認」

 

 

鳳翔「……!敵の位置はどこ?」

偵察妖精「11時の方向、現在北上中。」

鳳翔「暁ちゃん、11時の方向に深海棲艦を確認。現在北上中だそうです。このままの進路を維持すれば敵の横腹を突く形になります。」

暁「来たわね。みんな、進路そのまま!会敵に備えて攻撃準備!」

 

暁の号令で各自艤装の再確認と陣形を複縦陣に切り替える。先程まで呑気にあくびして暇そうにしていた隼斗も目を擦りながらも周囲を警戒して電の後ろについて進んでいると再び暁が声を上げる。

 

暁「いた!みんな、先手必勝よ!砲撃開始!」

 

暁達4人が主砲を構えて一斉に放つ。その砲撃音と空気を伝わってくる振動や衝撃を初めて受けた隼斗は少し驚いて耳を塞いでいた。ここまで大きな音かつ衝撃とは思っていなかった。だが暁達を見ていると驚いてる訳でもないし、怖がってる訳でもない。みんな鎮守府では見たことないぐらい真剣な表情をしている。流石は艦娘、といったところか。戦乙女と呼ばれることもあるそうだが、その通りだと思う。戦ってても艦娘は綺麗だから、と呑気に考えていると隣から呼ばれてる気がするのでそちらに視線を向ける。

 

鳳翔「隼斗、砲撃音で怯んでる暇はありませんよ。前方の敵はこのまま暁ちゃん達に任せて大丈夫だから、私達は周辺にも敵がいないか警戒

しましょう。私はこのまま西側に、隼斗は南側に偵察機を進めてください。」

隼斗「あ、あぁ…了解。う〜ん、俺も戦いたかったなあ…」

鳳翔「まるで遊び感覚ね。戦闘は遊びではありませんよ。」

隼斗「まあそうだけど…俺まだこっちに来て一度も戦ってないから身体鈍りそうなんだよなあ……」

鳳翔「…はい?“戦ってない”?あれだけ暴れ…「お、敵みっ〜け。これ俺がもらうわ!」…あ、ちょっと待ちなさい!」

 

現在交戦中の敵艦隊後方に別の艦隊を発見した偵察機の報告を聞いて1人隊列から離れていく。後を追って連れ戻そうにも自分も勝手に離れる訳にもいかず、かといって放っておく訳にもいかない。周囲への警戒をしたまますぐさま暁に報告すると、それを聞いた暁は大層ご立腹の様子だったがすぐさま単縦陣に変更、全速力で隼斗の後を追いかける。

 

暁「もー!なんで勝手に離れるのよ!これはお仕置きしなきゃだめね!」

響「怒るのはいいけど、お仕置きはやめた方がいい。返り討ちにされるよ。」

雷「確かこの前も…って、いたいた!うわぁ、相変わらずなんというか…」

電「これだけ見ると、敵さんが可哀想に思うのです。」

 

追いついた暁達が見たのはイ級3体を赫子で串刺しにして、少し離れた場所から砲撃する中破したイ級とロ級、そしてチ級に向けて勢いよく投げ飛ばす隼斗の姿だった。開けられた部分から臓物や血を撒き散らしながら投げ飛ばされたイ級達を避けてイ級とロ級が再び砲撃をしようとした直後、艦載機による爆撃をモロに受けて爆発。そのまま海へと沈んでしまった。その光景を見ていたチ級の動きが一瞬鈍ったのを見逃さず一気に距離を詰めてそのままチ級の首を鷲掴みにして持ち上げてしまう。

 

それでもチ級は抵抗し砲塔を隼斗の顔に向けるが、直後に砲塔ごと腕を引きちぎられてしまう。そしてそのまま6本の赫子で身体をバラバラに引き裂いて仕上げと言わんばかりに掴んでいたチ級の首を胴体から引きちぎる。チ級の断末魔が辺りに響く中、骨と脊髄の一部がついたままの首を上に持ち上げては口を開け舌を出し、そこから滴り落ちる血を飲んでいる隼斗だけがそこに立っていた。

 

チ級のバラバラにされた身体の部位も大きな口を生やした赫子がムシャムシャと食べている。流石に砲塔などは吐き出していたがそれ以外の生身の部分は肉片の1つも残すことなく全て平らげてしまったようだ。赫子を見れば顔などないのに何故かとても満足気な感じが伝わってくることが不思議でならなかったが隼斗自身の表情はとても退屈でつまらないといった表情であり、暫し血を啜った後に首を手離す。無残にも引きちぎられたチ級の首は静かに海へと還っていくのを見届けている隼斗に暁は近づいて先程の単独行動について怒りだす。

 

プンスカ怒る暁に苦笑いしながらも謝り再び艦隊に合流した隼斗を待っていたのは眉毛の両端が吊り上がった笑顔をしていた鳳翔が待っておりガッツリ怒られてしまった。その後は大人しく艦隊から離れることなく海域内を哨戒、鎮守府へと帰投していった。

 

 

〜出撃ドッグ〜

 

長門「………で、その格好はどうした。」

隼斗「いや、その…」

 

帰投後すぐに長門が目にしたのは、雷と電のアンカーが腰に巻きつけられ苦笑いする隼斗だった。

その前で腕組みして破裂するんじゃないかと心配になるぐらい両頬を膨らませた暁が仁王立ちしており、誰が見ても大層御立腹の様子だと分かるほどだ。鳳翔も隼斗の隣で苦笑いしているが…少し疲れが見える。

 

雷「勝手に単独行動した罰としてこうしてるの!」

電「なのです!どこにも行けないようにすれば単独行動なんかできないのです!」

暁「ちゃーんと反省してよね隼斗お兄ちゃん!」

 

隼斗「はあ…ごめんなさい。」

響「どんまいだね。でも、勝手な判断での単独行動は本当に危険なんだ。隼斗だけでなく私達にも危険が及ぶ。みんなで一緒に帰る為には

控えて欲しい。以前はどう戦っていたのか知らないけど、これからは艦隊を組んでの行動、いわばチームプレー。だから、ちゃんと反省

しよう。隼斗なら説明しなくても大丈夫だと思うけどね。」

鳳翔「みんなの言う通りです。今回の件はしっかりと反省するように。とりあえず、皆さん艤装を外しましょうか。」

 

艤装を外して再び長門の前に整列する暁達。長門は暁からの報告を聞いていたが鉄製の首輪をされ鎖に繋がれた隼斗の方が気になってしょうがない。その鎖を手にするのは当然だが電であり、とても良い笑顔で隼斗の顔を見上げていた。

 

長門「了解した。哨戒網を抜ける深海棲艦が少しずつ増えてきたか。」

鳳翔「正面海域でチ級を見るのは久しぶりですからね。哨戒も攻略も怠ってはいませんが、少し用心した方がいいかと。」

暁「この前だってル級も出てきたから本当に用心しておかないと危険かも…」

隼斗「なあ、暁。そのル級ってやつ、強い?」

暁「え?そりゃ、一応戦艦だから強いけど…あー!もしかしてまた単独行動企んでるでしょ!」

 

戦艦ル級。両手に盾と主砲が一体化した艤装を持つ深海棲艦であり鎮守府正面海域ではまず見かけない。だが、ここは最前線のひとつということもあり稀に出現しては戦闘することもあった。戦艦・空母勢はさほど苦労しないが駆逐艦達にとっては少し厄介な相手。それを聞いた隼斗は口元に手を当てて考えだす。ル級の強さは?戦い方はどうか?戦艦ということは金剛姉妹と扶桑姉妹同様の火力を持ち、かつ耐久力もあるということ。盾持ちならこちらの攻撃を防ぐこともできてその隙に主砲で薙ぎ払うことも考えられる。だとしたら、その盾を破壊することが出来れば無力化することができ一方的に叩き潰せるってことだ。

 

それにイ級、ロ級、チ級では物足りない。思い切って食べた時に感じたあの感覚、あれは間違いなく人間の肉を食べた時と同じ“快感”だった。どうして深海棲艦が人間と同じ“味”がするのか分からないが、“食べれる”なら結構なことであって空腹を満たすことが出来るわけだ。戦って、殺して、喰らう。本来のやり方が出来ることに感謝だが、先も言ったようにどうして魚みたいな深海棲艦の一部に腕や足があって、そこは人肉と同じ味がするのか。どうして人型に近い深海棲艦も同様な味なのか疑問が湧いてしまう。

喰えれば正味どうでもいい、だが謎ではある。

 

隼斗「(元々人間だったとか?それがなんかの拍子に深海棲艦に化けて人間共を襲うようになった…まあ、人間が襲われるのはいいとして

艦娘が襲われるのは困るなあ。艦娘襲わず人間だけ…いや、そうさせない為に艦娘は生まれてきたんだよな。つまり、艦娘と深海棲艦

は戦う運命にあったってことか。人間と喰種のような構図だな。)」

雷「……?ねえ、何考えてるの?凄い難しそうな顔して。」

暁「もー!無視しないでよ!」ぽこぽこ

隼斗「あ〜もう、いてえな。暁、もう二度と夜トイレついてってやんねえからな。1人で頑張って行くんだぞ。」

暁「え"っ⁉︎そ、それは…もう!隼斗お兄ちゃんの意地悪〜!」

響雷電「…(まだ1人で行けないんだ…)」

 

隼斗「まあいいや、とりあえず風呂入る。長門姉、もう行っていいだろ?」

長門「ああ、構わない。色々あったようだがちゃんと帰って来てくれて良かった。おかえり、隼斗。」

隼斗「ただいま、お姉ちゃん。んじゃ、行くわ。」

 

暁「ちょ、ちょっと!降ろしてよー!」

電「はわわ!引きづられちゃうのです!ご主人様を引きづるのは悪い子なのですー!」

雷「何やってんのよ、電。しょうがないわね、手伝ってあげるわ…って、ちょっと、何で⁉︎こっちは2人がかりなのにー!」

響「強靭な首だね。なら、私を肩車しても問題ないということだ。よっと…んしょ、失礼するよ。」

 

おい、響。なかなか柔らかい太ももしてんな そう?気に入ったかい? 浮気なのです!隼斗は電の太ももが大好きなのです!

どうでもいいから降ろしてよー! どれだけ変態なのよ!見境なしなんてダメじゃない!

 

半泣きで怒る暁の首根っこを掴んで持ち上げたまま歩き出す隼斗、それに引きづられる雷と電、何故かよじ登って肩車してもらっている響。いつもと変わらない様子で5人は出て行くも鳳翔だけはその場に残り長門の隣に立っていた。

 

長門「隼斗の初陣はどうだった?独断による単独行動はもういいとして、それ以外でのことを聞きたい。」

鳳翔「戦闘に関しては問題ありません。空母としての役目もきちっと果たしてましたから戦力としては申し分ないかと。ただ、独断で動くの

が不安です。艦隊行動が出来ないとなると作戦行動に支障が出ますし、何より響ちゃんが言ったように仲間を危険に晒すことになりま

すからね。その辺はあの子も重々理解しているとは思いますが…当面の課題ですね。」

長門「なるほど、了解した。今後も出撃してもらう予定だから私からも言っておく。鳳翔も入渠してゆっくり休んでくれ。今日の夕食は間宮

と叢雲が用意しているから安心していいぞ。」

鳳翔「あら、そうなんですね。では、お言葉に甘えさせていただきます。」

 

 

その後、風呂場へと向かった鳳翔が見たものは暁達と先に帰投して湯船に浸かっている赤城を旗艦とした第2艦隊一行、そして何故か加賀の背中を洗う隼斗の姿だった。

 

加賀「あ、鳳翔さん。お疲れ様です。」

隼斗「鳳翔姉さん、赤城姉が来るの遅いって文句言ってたよ。茹でタコになりそうだってさ。」

鳳翔「え、いや…な、なんで隼斗がここにいるんですか⁉︎ここは女湯でしょ⁉︎」

隼斗「そうだけど。え、何か問題でもある?一緒にはい…て、おい響!まだ髪洗ってねえだろ!こっち来い!」

響「嫌だね。あまり髪を濡らしたくないぃぃぃぃぃ…」

 

逃げるように湯船に浸かろうとする響を赫子で掴み上げては加賀の膝に座らせる。それに反応して加賀も響が逃げないよう後ろから抱きしめるから響は抵抗することなく諦めたようだった。その後は加賀に髪を洗ってもらい、その加賀は隼斗に背中を流してもらい、隼斗の背中を電が流すという謎の光景が出来ていたが、もう既に鳳翔はツッコむことを辞めてその光景をただ眺めることにした。

 

そしてこの日以降、隼斗は毎日駆逐艦達と一緒に入ることになり望まずとも変態ロリコンの地位をより盤石にしていくのであった。

 

 

 

 

 

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