前回のあらすじ
隼斗「捜査官に負けて死んだ。と、思ったら生きてて天使な電に出会いました。はい、終わり。」
電「隼斗////は、はずかしいよぉ/////」
隼斗「あ、録音するからもう一回。」
電「もう、知らないのです/////」
隼斗「…ほんま可愛いなあ。あ、あと思いついたら書き綴っていくので立て続けに投稿できたらやっちゃいま
すね。」
ーー鎮守府内 医務室ーーー
⁇⁇「………んぅ、んあ?」
⁇⁇「あ、起きたのです!おはようございます、なのです!」
ゆっくりと目を開ける。知らない天井に、知らない声だ。
てか、ここは?死後の世界にしちゃえらく汚いし血生臭いな。嗅ぎ慣れた臭いだからいいけどさ。
それに誰の声?子供?あ、死後の世界だから天使?
声のする方へ顔を向けると、そこには椅子に座りこちらを見つめる少女がいた。
⁇⁇「……天使がセーラー服着てる。」
セーラー服。嫌いじゃないけど天使ってなんか白い服着てるって話だったと思うんだけどなあ…
イメチェン?趣味?まあいいや、可愛いから。
⁇⁇「はわわ、電は天使ではないのです‼︎でも、なんだか嬉しいのです‼︎」
そう言うと少女は恥ずかしそうにもじもじしてる。
チラチラとこちらを見ては目が合うとまた照れ笑いし両手で頬を抑えてる。
⁇⁇「……電?それ、お前の名前か?」
⁇⁇→電「なのです!特型駆逐艦暁型4番艦の「電」なのです!」
えへへ、と笑いながらピシッと敬礼する。
それを可愛いなあと思いながら眺めていると、瞬間、体に力が入る。
だが同時に疑問も浮かぶ。
⁇⁇(敬礼するってことは警察、CCG関係者の子供か?てか、特型駆逐艦暁型4番艦?って何?
駆逐艦ってのは知ってるけど、それの種類か?んで、電が名前?全くわかんねぇ…)
訳が解らず目を閉じひたすら考えていると、額に触れるものを感じる。
目を開けそれが何か確認すると、それは電の手であり彼女は心配そうな表情でこちらを見ていた。
電「大丈夫ですか?頭が痛いのです?熱は…なさそうですけど、これを貼るのです。
冷んやりして気持ちいいのです!」
⁇⁇「冷たっ‼︎なに?あ、冷えピタか…」
冷たい。しかもかなり冷たい。これ冷凍庫に入れてたんじゃない?ってぐらい冷たい。
でも気持ちいいからいいか。ちなみに私も今貼ってます。
電「冷蔵庫でずっと冷やしてたのです。あ、あと…その、あなたのお名前、教えて頂いてもいいでしょうか?」
⁇⁇「名前?ああ、隼斗っていうんだ。」
電「…隼斗様、教えてくれてありがとうございます!」
⁇⁇→隼斗「いや、様は付ける必要ないだろ。呼び捨てでいいから。」
ぐうぅぅ……直後、部屋に響く音。電は隼斗のお腹に視線を移し、そしてクスクスと笑い出す。
「ちょっと待っててください」彼女はそう言うと部屋を出ていく。
隼斗「……ふう、さて、と。」
まずは状況確認から。ここは医務室かな?そして傷の具合は…再生していない。右手は手首から先がないが、心臓は何故か無傷なんだよな。まあ、だから生きてるんだろうけど。とりあえずゆっくり治そう。あれだけ血を流していたんだ、仕方ない。
それに腹も減ってるし。とりあえず、人間は、いる。同じ部屋に。この血の臭いとは別にもう一つ嗅ぎ慣れた臭い、食欲を掻き立てる人間特有の臭いが満ちている‼︎まずはどんなやつか見てみよう。
隼斗「よっ…と…あぁ、力が入りにくいな。……て、なんだこれ。」
ゆっくりと上体を起こし部屋を見渡す。そこには同じように包帯を巻いた者達が居る。
というか床に転がってる。他には壁にもたれている者も。皆同じく包帯は血が滲み、壁と床には血が染みついてる。
どうりで血生臭いわけだ。つか、よくよく見たら全員女じゃねえか。
隼斗「…っ⁉︎」
直後、脳裏にある光景が呼び起こされる。
かつて共に暮らしていた仲間達、そいつらの無残にも斬り裂かれた死体。臓物は飛び散り床は勿論、天井と壁にもおびただしい血飛沫が…
その中で生き残った数少ない仲間達がお互いに手当していた時と同じ……皆、項垂れて絶望してた。
隼斗「……あの時と同じ。でも、こいつらは“人間”だ。どうなろうが知ったこっちゃねえ…」
そう、人間は敵だ。同情なんてしない、けど…なんでか仲間の姿と被る。悲しくなる、辛く、泣きそうに。
俺は喰種だ。なのに、何故大事な仲間達を糞忌々しい人間共と被らせる‼︎
「あぁ…もう少し調子が戻ったら1人残らず…」と考えているとパタパタと足音が聞こえてくる。
電「お待たせしました。お粥を持ってきたのです。」
両手で持ったお盆には小さな土鍋とスプーン、そして水が入ったコップがあり、それを横にある机に置く。
そして椅子に座るとこちらを見て、にこりと笑い
電「暖かい内に食べてください。とっても美味しいのです‼︎」
そう言い土鍋の蓋を開ける。湯気が上がり、少しして中身が見えてくる。ホクホクのご飯、卵とネギそして梅も入ってる。
これは電の言う通りとても美味しいそうだし、何より食欲を掻き立てるいい匂い‼︎最高だ‼︎
………って人間なら思うんだろうな。“人間”なら。俺喰種だから、全然思わないしまず食えねえよ。
隼斗「……」(´ー`)
電「……」(*´꒳`*)
あかん、この子の笑顔見たら断れへん……
子供の笑顔には勝てないと思いながら体を机に向けて足をベッドから出す。
隼斗「じゃあ…い、頂きます。……んむ、うんう、っゴフ‼︎(うげええ、まっず‼︎無理無理無理無理無理無理無理‼︎あでも、吐き出す訳にも
いかんしああああああああああ‼︎‼︎‼︎)……ゴクン、ん…んぅぅ…」
電「だ、大丈夫ですか⁉︎お口に合いませんでしたか⁉︎」
何故か顔を青ざめせながら慌てコップを差し出してくる。俺はそれを受け取り一気に飲み干すと深く深呼吸して胸を撫でる。
最悪だ…人間の食い物とかトラウマでしかねえってのに。あぁ…人間の肉喰いたい………
隼斗「いや、急に食べたからかな?ちょっと体がびっくり、って…何してんだ?」
苦笑いしながら電の方を向くと、両手を頭に当てて項垂れ、「ごめんなさいごめんなさい」とぶつぶつ呟いている。
しかもガタガタ震えており啜り泣く声も聞こえてくる。
隼斗「電、だっけ?別にそこまで震えることないだろ。まあ、びっくりしたかもしれんけどさ」
電「ごめんなさいごめんなさい、人間様に不快な思いをさせてごめんなさい‼︎い、電に…お仕置きしてください‼︎」
隼斗「お仕置きって…つかその“人間様”って呼ぶのやめろ。マジでイライラすんだよ…」
電「……っ⁉︎ごめんなさいごめんなさい‼︎」
隼斗「ああああああ‼︎‼︎もうその、「ごめんなさい」もやめろ‼︎とりあえず落ち着け、な?な?」
電の頭を優しく撫でる。少しして落ち着いてきたのか泣き声もやみ、ゆっくりとこちらを向く。
あぁもう目真っ赤じゃん…いくら人間だからって相手は子供だ。流石に強く言い過ぎたか?そう考えてると
電「どうして、そんなに優しくしてくれるのですか?電は悪い事したのに…」
隼斗「いや特に悪い事してねえだろ。強いて言うなら“人間様”て言ったぐらい。名前で呼べばいいの。あと、子供が泣いたら
泣き止むまであやすのが普通じゃん。(人間の子供でも泣かれると流石に…凹んじゃうからなあ)」
電「電は子供じゃないのです‼︎艦娘で…兵器なのです‼︎道具なのです‼︎」
隼斗「……艦娘?(まただ。また訳の分からん単語が…)なあ、電その“艦娘”って何?
それに自分は兵器とか言ってるけど、人間じゃねえの?」
電「………え、艦娘を知らないのですか?艦娘ですよ?深海棲艦と唯一戦える、あの艦娘ですよ?」
また出た。もう、これ以上訳の分からん単語出されても俺の頭じゃ分かんねえな。
天井を見上げ、目を閉じ考える。あの時死んだはず、なのに普通に目が覚めて何故かここで寝てて、天使と思っていたら人間の少女で、艦娘だの兵器だのと言い出して、知らんと言ったら驚かれて……めんどくせぇ、聞くしかねえな。
隼斗「電、質問するから答えて欲しいんだけど。分かる範囲内でいい。」
電「……はい、分かりました。」
今の俺に必要なのは情報だ。だから、聞いた。この世界のこと、艦娘、深海棲艦、気になったこと全部。
電は教えてくれた。この間、全く笑わなかったけど……
隼斗「……つまり人類の味方である艦娘が人間から虐げられ、挙句兵器だの道具だの言い出してはエスカレートしていき、その影響が
戦線にも影響して劣勢気味、深海棲艦が勢いづいている。んで、そこに転がってる奴等も艦娘で馬鹿な人間共の被害者ってことか。」
電「そうなのです…。」
人間ってほんと自分勝手だな。自分の代わりに戦ってくれている艦娘達を労うどころか罵声と暴力を浴びせ、従わない時は更なる暴力を振るう。自分達を守るのが当然だと思ってる。だから、常に兵器だ道具だと言い続け、扱い続ける。でも兵器なら愚痴どころか血も涙も見せないことぐらい分かるだろう。
電「本当は自分の事を兵器や道具と思いたくないのです。だって、同じように“感情”があるのに…
なのに、どうして“人間”と思ってくれないのでしょうか…艦娘は自分の事を人間と思っちゃ駄目なんですか?
1人の人間として生きてちゃ駄目なんですか?もう、こんな扱いは嫌なのです…みんなと楽しく笑っていたいのです‼︎」
電の目から涙が溢れ出す。
それを見て思った。こいつはずっと耐えてきたんだろうと。人間の為に戦い、でも人間達からは虐げられ、それでも健気に戦い続ける。
人間の為、仲間の為…だが報われない。戦闘で傷つき、弱った仲間は大した手当もなくゴミのように放置されるか、人間の捌け口にされるかのどちらかしかない。本当に報われねえな艦娘ってやつわ…報われないのは喰種も同じかな?
まあ、特にこの世界でやることもないし何かの“縁”ってやつかもな。
そういうものは大切にしなさいって姉さん方が言ってたもんねえ…
隼斗「……電、この状況変えてやると言ったら、どうする?」
電「…え、そ、そんな事出来るのですか?隼斗は民間人で怪我人なのですよ?
気持ちだけで十分なのです…それに、電に優しくしてくれて、ありがとう。」
涙を袖で拭い、最初に見せてくれた笑顔で応えてくれた。
もう会話はお終いという感じで椅子から立ち上がりお盆を持つと部屋から出ていく。
残されたのは俺と放置された艦娘が6人。一言も発さないから生きてるのか死んでるのかも分からない。
試しに声かけてみる。返事はない。でも、ピクッと僅かに反応があった。ほんとに僅かだが…
隼斗「……まあ、ゆっくり考えな…」
なんか眠くなってきた、冷えピタ剥がして寝よう…
ーーーーー電 視点ーーーーー
部屋を出てからずっと隼斗の事を考えてしまうのです。
初めて電に優しく接してくれた人。でも、艦娘を知らないというのはびっくりしました。
それに…人間様って呼ばれることに強い拒否感がありました。あれも驚きなのです。
食堂に向かうまでに廊下で何人か憲兵とすれ違うが、その度に廊下の壁際に寄り憲兵に、いや人間に頭を下げる。
「兵器がうろちょろしてんじゃねえよ、俺達人間にぶつかって怪我させる気か⁉︎」
「代わりはいくらでもいるんだから自爆特攻してこいよ」
……時にはこんな事も言われます。
とても悲しくて、いつも泣いてしまいます。
〜食堂〜
電「鳳翔さん、お粥ありがとうございます。でも、あまり食欲が無くて一口しか食べてないですが…。」
鳳翔「電ちゃん、そう…お口に合わなかったかしら…。」
電「いや、そんなこと言ってないのです。胃がびっくりしたのかなって…」
鳳翔「分かりました。他に食べ易い物を考えておきますね。あと、はいこれ。電ちゃんのお昼ご飯ですよ。」
電「ありがとうございます、鳳翔さん。いただきますね。」
お昼ご飯はいつもおにぎり1個とたくあん3枚、あと水。
艦娘はこれしか支給されません。
鳳翔さんも凄く申し訳ない表情でいつもみんなに渡してます。
暁「あ、電‼︎こっちこっち‼︎」
電「暁ちゃん、みんなお待たせなのです‼︎」
いつも座る窓際のテーブル席、ここは私達第六駆逐隊の特等席です。
みんなでいるこの時間がとても幸せなのです。ずっとこうしていたいのです…
響「どうしたんだい、電?何か悩み事かい?」
電「うん…その、色々あってね。ずっと考えてたのです。」
雷「なになに?どうしたの?」
暁「1人で悩んでないで私達にも教えて?」
今日、医務室であった出来事をご飯を食べながら話す。3人とも頷き、時に驚いたりしていた。
みんな会ってみたいということで遠征任務後に行く約束をした。
でも、この遠征任務で全てが変わるなんて思ってもみなかったのです。
この鎮守府だけではなく、艦娘と人間をも巻き込んで…
[名前]隼人:喰種(鱗赫、羽赫の半赫者]
[性別]男
[年齢]23[身長]166[体重]58
[血液型]A
ー転生前ー
15区を拠点とする喰種集団“夜叉”の首領。
当初、表立った活動はなく危険度が低いと思われていたが突如勢力拡大し、15区内最大勢力へと変貌する。
同区で行われた喰種の公開処刑直後、仲間を率いてその場に現れ捜査官、警察官及び見物に来ていた民間人合わせて254名を殺害。この件が勢力拡大の原因と考えられる。同日、SSレート“羅刹”と認定。
翌年に行われた大規模掃討作戦により、“夜叉”の壊滅及び“羅刹”の討伐・死亡が確認される。
ー転生後ー
ブラック鎮守府内の医務室にて目覚める。
電との会話で違う世界に転生したことを知る。
現在療養中。