「……んぅ…むにゃ、ふぇ?」
あれ…今何時?
「……0300…まだにぇれりゅ…ぅん?」
…この匂い…隼斗が吸ってるタバコ?起きてるのかな。
満潮「……あっ。」
隼斗「……やめとけって。」
電「ケホケホッ…うう、も、もう一度やってみるのです…」
スウゥ〜……フウゥ〜、ケホッ!
電「うえぇぇ…変な味がしてスースーするのです。」
隼斗「だからやめとけって言ったのに。電はタバコ吸っちゃだめ。」
満潮「………」
こんな時間なのに2人は起きてるんだ。いや電は確か早くに寝てたと思うけど…途中で起きたのかしら?
それはいいとして、まさかあの電がタバコに挑戦するなんて驚きだわ。絶対吸わなさそうなのに。これも隼斗の影響なのかな?実際、この前夕立が隼斗の真似して上半身裸で部屋の中を歩いてたし時雨もパンツ1枚で寝てたから完全に影響を受けているとしか思えない。
隼斗「もう吸わなくていいから早く寝なよ。寝るまで側にいるから。」
電「ちょっと目が覚めちゃったのです。もう少しだけ起きて一緒に星を見たいのです。」
悪影響なのかもしれないけど、正直そこまで影響受ける程ずっと一緒にいたってことが羨ましい。
というか今も。ああやってもたれかかって完全に身を任せる電と落ちないようにもう片方の腕で自らの方へ抱き寄せる隼斗達の姿がとても羨ましくて眩しかった。自分はこれまでそんな経験はない。あっても不快な臭いを纏いながら乱暴に抱かれ、犯される時ぐらいだ。物のように扱われ、行為が終われば乱雑に放置されるの繰り返し。そこに好意や愛情は微塵も無い。あるのは汚く醜い欲望だけだ。
でもあの人からはそんなものは一切感じない。同じ男だというのに、やることやってるのに、何故かそう思えなかった。
自分がそう思い込んでいるのか、そうであってほしいと考えているのか正直分からないけど。でも…本当に、どうしてなのかしら…
隼斗「……ん?お、満潮。ごめん、起こしちゃった?」
電「はわわ、満潮ちゃんごめんなさいなのです。」
満潮「え?あ、ううん…ちょっと、トイレ…」
……いやいや、そこは普通に気になって見てたって言えばいいじゃない!何よ“ちょっとトイレ…”って!
はあ…言った以上は行くしかないか。……もうついでにしちゃおう。
/
結局、普通にトイレに行ってしまった。なんだかんだで座れば出ちゃうのね。
というか、あの2人まだ座ってるじゃない。眠くないのかしら?
満潮「…2人とも何してるの?寝ないの?」
電「電はちょっと目が覚めちゃったのでまた眠くなるまでこうしてようかなと。」
隼斗「俺は寝るとこないからこのまま起きてようかなと。」
満潮「……じゃあ私も少し起きてようかなと。」
隼斗「じゃあ満潮も座ればいいよ。足は自分で動かしてな。」
どういうこと?って考えてる間に赫子が身体に巻きついて軽々と持ち上げられる。そしてそのまま窓辺にゆっくりと座らせて身体から離れた赫子は気づけば背もたれになっていた。赫子って本当に便利ね。でも我儘を言えば私は“そこ”に座りたかったなあ。電が座っている場所、どこって言わなくても分かるでしょ?私も隼斗の身体にもたれて座りたいってこと。まあ、今は絶対無理でしょうけどね。
電「あれは何座か分かりますか?」
隼斗「オリオン座っしょ?」
電「え、ロリコン?」
隼斗「あ?んなもんねえだろ。」
電「ふえぇぇ…ほっへがいひゃいのひぇひゅ。(ほっぺが痛いのです)」
満潮「ふふ、ちょっと何やってんのよ、やめなさいってばもう。」
電「ふえぇぇ…」
隼斗「あ、すっげ柔らかい。満潮も柔らかいのかな?」
満潮「ふえぇぇ⁉︎」
隼斗「うわ、すげえ柔らかい。ぷにぷにほっぺ。可愛いなあ。」
満潮「うう、い、意味わひゃんひゃい///」
隼斗「あ?ちょっと何言ってんのか分かんない。」
いつもそう。いきなり可愛いだのなんだの言ってきては私を困らせてくる。他の娘にも言ってるのは知ってるけど、この人は女たらしの自覚があるのかしら?それとも無自覚なのだろうか?言われて嫌な気持ちになる訳ないけど、女の子ってそういう言葉は自分だけに言って欲しいと思ってるのよね。私もそうだもん。私だけに言って欲しい、って電の前でそれは絶対言えないけどね。
それはいいとして、こういうやり取りが出来るってとても良いものね。昔じゃ考えられなかった…もう二度とあんな生活に戻りたくない。
屈辱と恥辱、そんな日々の繰り返しから今こうして解放されて本当に良かった。もしあの時ここに辿り着いていなければ自分も含めてこの世からとっくに消え去っているに違いない。それか今も良いようにおもちゃにされているかもしれない…考えただけで吐き気がする。
満潮「ねえ隼斗、私達を救ってくれて本当にありがとう。」
隼斗「んあ?なんだまだ言ってんのか。それはもうあの時十分過ぎるほど聞いたからもう言わなくていいよ。お前らが毎日楽しく生きてるのを見れたら俺はそれで良い。それだけで十分だから。」
そう言って頭を撫でてくる。あぁ…本当にこの人と出会えて良かった。
私達のような艦娘がどれだけいるのか分からないけど、隼斗ならきっと同じ境遇の艦娘を救ってくれるはず。やり方はかなり過激で惨たらしいけど、私達の怒りや悲しみを“暴力”で代弁してくれる。それを肯定し、支持する私は艦娘として失格なのかもしれないけど私はその“暴力”で救われたんだ。だから私は例え間違いだとしても彼の行動を肯定し、支持しようと決めた。
満潮「この恩は絶対忘れない。私はあなたにずっとついて行くわ。例え守るべき人間が敵になったとしても、私はあなたを守る。命をかけて絶対に守るからね。」
隼斗「俺も命をかけて満潮を守るさ。敵がどれだけいようと関係ねえ…俺が全て殺してやる。」
その言葉はとても過激で、暴力的で、それでいてとても頼もしく、心から安心させてくれる。
みんなもそう思っている。言葉はアレだがそこには隼斗なりの優しさと必ず守るという覚悟を感じると。
以前居た世界では誰も守れなかった。だからこそ、この世界では私達を1人も失わず守り抜くと。
その意志と覚悟は鋼の如く何人たりとも砕くことは出来ない。
鬼となり、修羅となり、暴威を以て人間も深海棲艦も関係なく、全ての“敵”を喰らい尽くす。
故に“艦娘の守護鬼”と呼ばれるのだ。
隼斗「てか早く寝ないと起きれないよ。」
電「隼斗が一緒に寝てくれるなら電も寝るのです。」
隼斗「狭いんだよ…んや、いい。電に抱きついて寝る。頭に顔ひっつけていっぱい匂い嗅ぎながら寝る。」
満潮「もうそれただの変態じゃない…」
隼斗「いいじゃん。つか今度満潮にもするから。」
満潮「は、はあ⁉︎意味分かんない!///」
電「どーんと来いなのです!その代わり電は隼斗の首にいっぱいキスしちゃうのです///」
隼斗「あーもう最高。なんか興奮してきた。寝れるかな…」
電「寝かさないのです…///」
満潮「……///(この2人、この状況下でナニする気なのよもう!!私はどうしたらいいのよ!!)」
この後3人川の字で横になったけど、2人はナニすることもなく秒で寝てしまった。
散々あれだけ言っててナニかするのか気になってたけどナニも起きなかった…1人ドキドキしながらチラ見してた自分が恥ずかしいし、あわよくばどさくさに紛れて自分も…いやもう本当に恥ずかしい。
もうこうなったら抱きついて寝てやるんだから!!
満潮「〜〜〜っ///(馬鹿馬鹿馬鹿!もう…隼斗のせいなんだからね!///)」
/
〜 翌朝 〜
隼斗「……首が痛てぇ…なんでこんなに痛いんだよ。寝違えたのかな?」
電「大丈夫なのです?長門さんに言って今日の遠征休んだ方が…」
満潮「〜〜〜////」
時雨「まあ、本人は気づいてないし見たのは僕だけだから大丈夫だよ。」
私としたことが不覚だったわ。抱きついて寝たのは事実だけど、後ろから背中に抱きつく形だった筈。なのに起きたら後ろから首を抱き込むような形だった。一体どうなったらそんなことになるのか分からないけど、それが原因で隼斗は首が痛いと朝からテンション低めでうなだれている様子。申し訳ない気持ちでいっぱいだが今ここでそれを言うのは恥ずかしくてなかなか言えないでいた。
横では唯一の目撃者である時雨が苦笑いしながら気にしなくていいと言ってくるがそうもいかない。でもちゃんと言えないからモヤモヤがどんどん膨らんでしまう。
吹雪「お兄ちゃん大丈夫?戦闘に支障あったら危険だから今日は休もうよ。心配だよ…」
響「私も賛成だね。何かあってからじゃ遅いからそうした方がいい。」
隼斗「いや…大丈夫、行くよ。特に支障ねえと思うし…それに、隊長に頑張ってもらうから。」
妖精隊長「任せるであります!粉骨砕身、敵を蹴散らしてやるであります!」
黒いローブを身に纏い、節分で使う鬼のお面をつけた妖精が隼斗の肩の上でビシッと敬礼する。
どうやらこの妖精が“隊長”らしく隼斗のことを“お頭”と呼んでいるみたいだ。
というか、一体どこから現れたのか。
雷「この妖精さんは何で鬼のお面をしてるの?節分はとっくに過ぎてるじゃない。」
隊長妖精「これは精鋭中の精鋭であり、誇り高き“隼斗隊”に選ばれた者だけに許されたお面であります!特殊機能付きで我々にしか扱えない代物でありますぞ!」
雷「そ、そうなんだ。そんなに凄いお面なのね。」
妖精隊長「そうであります!凄いのであります!」
一言一言が元気良すぎて圧倒されるだけでなく、ビシッ!ビシッ!ときびきび動きながら言うもんだから笑いそうになってしまう。
しかも語尾の部分では必ず敬礼しているから会話するだけで色々疲れるだろう。色んな妖精がいるものだ。
隊長妖精「お頭!今日は我々に任せて頂きたい!」
隼斗「そのつもりだよ隊長殿。みんなも頼んだよ。」
妖精一同「「御意!!」」
大きな声が聞こえそちらを向けば、これまたビシッと敬礼した妖精達がズラリと並んでいるではないか。
しかも全員が隊長と同じ格好。違いを上げるなら鬼のお面についてる角が1本か2本の違いぐらい。いやほんと一体どこから現れたのかわからない。妖精さんは神出鬼没なんだね。
そうして隼斗隊の妖精が集結したので全員食堂へ、妖精さんは全員隼斗の頭や肩に座って運んでもらう。
なんとも言えない不思議な光景だがここでは日常のひとつに過ぎない。鎮守府に来てまだ日が浅い朝潮達には見慣れない光景ではあるが、今までにない光景であり、ここでしか見れない光景にいつも心躍らされるから楽しくてしょうがない。清潔に保たれた入渠ドッグに豊富な種類が揃っているシャンプーにボディソープ、食堂に行けば間宮と鳳翔が腕を振るった美味しい料理、娯楽の為に設置されたホームシアターにカラオケ、そして各部屋には綺麗でいつもふかふかな布団。
ここまで完備された鎮守府は見たことがなかった。いや実際にはあったが自分達艦娘は使わせてもらえなかったのが正しい。
兵器だから、たったそれだけの理由でだ。心も、意志も、血も同じなのに“人間”として見られないことが辛く悲しかった。
建造で生まれるから仕方ないと言われたらそうだし、入渠するだけで傷が治ることもそう言われるだけの理由にはなるだろう。
だけど納得出来ない自分達がいるのも事実だ。使い捨ての兵器ではなく、同じ仲間として、人間として見て欲しいと思うことはいけないことなのだろうか?口にしてはいけないことなのだろうか?教えて欲しい、私達は一体何者なのかを。
何の為に生まれて、何の為に戦うのか、そして何の為に生きるのか。
人間のおもちゃとして?使い捨ての兵器、道具として?そんなことの為に、都合良く使われて捨てられる為に生まれたのか?
……隼斗なら何て言うのだろうか。全く同じ境遇とまではいかないが、人間に疎まれ、忌み嫌われ、駆除されてきた喰種なら艦娘の現状を見て何を思い、何と言うのか…うん、それについてはとっくに答えているか。
“お前等艦娘はどう考えても人間だろ。最初から言ってんじゃねえか。”
そうだとも、隼斗は最初からずっとそう言っていた。艦娘は兵器、それに対して真っ向から否定してきた。
“俺が言うんだからそうなんだよ”と言わんばかりの勢いで突っぱねて、それでも言う人間に対しては死を与えてきた。
見せしめとして無慈悲で残酷な死を与える隼斗に人間は恐れをなし、艦娘擁護の風潮が強まりこの国は変わり始めている。
突如現れた、たった1人の喰種によってこれまで変わらなかったものが動き出したんだ。
……とは言っても平和的なやり方とは程遠いけど。
/
食堂に着いてからはいつものように全員でご飯を食べる。その後、各々は任務や訓練に向かい新たな1日が始まる。
私は今日非番だからそのまま食堂へ残りお茶を飲んでいた。朝潮は榛名さん達と一緒に近隣海域を通る輸送船の護衛に、霞は赤城さん達と一緒に海域攻略。2人には悪いけどゆっくりさせてもらおうかしらね。
満潮「……(と言っても、何しようかしら。)」
間宮「満潮ちゃん、もうここには慣れたかしら?」
満潮「あ、間宮さん。そうね、とても良いところだからすぐに慣れたわ。」
間宮「それは良かったわ。ここは私達にとって楽園のような場所ですからね。」
満潮「楽園…確かにそうですね。それも隼斗のおかげですよね。私も、朝潮姉さん達もみんなあの人に救われた。あの人が居てくれたから今こうして呑気にお茶を飲むことが出来る。みんなと笑い合って暮らすことが出来る。全部あの人がくれたもの。」
間宮「そうね。私もまさかこんなことになるなんて思ってもみなかったわ。あの頃は苦痛しかなかったの。補給艦でありながらみんなに美味しいご飯を作ることが出来なかった…前提督とそれに従う憲兵さん達だけに作ることを命じられて、みんなには質素なおにぎりとたくあんしか許されなかったわ。それがとても辛くていつもみんなに謝ってたの。私も鳳翔さんも本当に辛くて、悲しかった…」
ここが以前どんな鎮守府だったのかは聞いたことがある。自分達が居たところと変わらず腐ったところだと。
艦娘を道具扱い、資材の横流し、武器や薬物の密輸、経費の架空計上等で前任の提督は私腹を肥やしていたそうな。
時雨や扶桑達は碌に手当てもされず放置され傷が化膿する寸前だったと聞いてるし、電は人間扱いしてやると言われて前任の提督と憲兵全員に犯されたとも聞いた。その時撮られた写真も街で大勢の人間がいる前でこれ見よがしに晒されたとか余りにも酷過ぎる。
つくづく人間は腐っていると思う。こんな人間を守ってきたなんて情けない…
間宮「そんな時に突然現れたのが隼斗なの。弱者を嘲笑い、圧倒的な暴力で命を奪い尽くして、私達の日常を全て壊していったわ…勿論良い意味でですよ?それ以来、この鎮守府は変わりました。みんなで楽しく笑い合える鎮守府になったんです。」
満潮「誰も人間から傷つけられることがない平和で理想的な場所、まさに艦娘の楽園ね。でも他所の鎮守府ではここが何と呼ばれていたのか間宮さん知ってる?」
間宮「何て呼ばれてたんですか?」
満潮「ここは“鬼ヶ島”って呼ばれてたの。人喰い鬼が巣食う魔の巣窟。しかも今は隔壁の建設が始まったからここは陸の孤島になるでしょ?どんどんそれらしくなってきてるわよね。」
そう、他所の鎮守府ではこの横須賀第三鎮守府のことを喰種の根城として“鬼ヶ島”と呼んでいる。
昔話の桃太郎から名付けられたものだが鬼は居ても肝心の桃太郎がいない。軍部、特に艦娘兵器派陣営ではこの鬼を退治する桃太郎になろうと情報収集や対喰種兵器開発に躍起になっているが結果はこれまでのように惨敗。
鬼退治は当分出来そうにもないわね。もっとも私がそんなことさせないけど。
間宮「あら、まるで昔話の桃太郎じゃない。ということは、いつか桃太郎が鬼退治にやってくるのかしら?」
満潮「お供も一緒に連れてくるんじゃない?でも来たとして退治出来るかは別でしょうけどね。」
間宮さんの言う通り、いつの日か桃太郎が鬼退治に来るかもしれない。
でも仮に桃太郎が現れたとして、本当に私達の鬼を退治出来るだろうか?あの人が以前居た世界では白鳩と呼ばれる喰種捜査官が居て喰種を討伐していたそうだが、この世界には存在しない者達。つまりこの世界ではあの人を討伐出来る者は存在しない。私達艦娘の艤装による攻撃が有効打になるけど、艦娘を守る為に戦うあの人を討とうとする艦娘はいないはず。
仮にいたとしても、私が必ず守る。艦娘同士で戦いたくないけど、隼斗を守る為ならこの身体も命も全て捧げて守り抜くと誓ったから。
だって、私あの人のことが……
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隼斗「は、は…ぶぇっくしょーん!あ゛〜…」
暁「わああ!もう、なんでこっち向いてくしゃみするのよ!お兄ちゃんの馬鹿!プンスカ!」
雷「こら、ちゃんと手で口を押さえてしないとだめじゃない。お兄ちゃんってばほんとそういう所だらしないわよね。」
隼斗「んー…ごめん。誰か俺の噂でもしてんのかな?」
響・雷「はいはい、自意識過剰、自意識過剰。」
隼斗「……扱い酷くね?」
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間宮「あら、顔が赤くなってるけど…隼斗のことでも考えてるのかしら?」
満潮「へっ⁉︎」
間宮「うふふ、満潮ちゃんは分かりやすいですからね。ずっと目で隼斗のこと追ってるからみんな気付いてますよ。特に電ちゃんはそういうの敏感に察知してますから。みんなも好きなら一緒に、でも自分が隼斗の1番であることは譲らない。誰にも渡さないって意志がとっても強いのよ。ああ見えてとても独占欲が強いなんて誰も知らなかったでしょうね。」
そのことなら時雨から聞いたことがある。時雨も本当は自分が1番がいいと思っているけど、あの2人の仲は引き裂けないって言ってた。
妹さんの面影がある電をとても大事にしているし、電は電で隼斗に救われて自分が隼斗の1番の理解者になりたい、側で最後まで支えたいと言ってるのを聞くとそんなことはしたくないって。
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時雨「ま、そう言いながらもちゃっかり僕達も混じってるから矛盾してるかもね。」
夕立「でもそれは電ちゃんが良いよって言ったから問題ないと思うっぽい!」
叢雲「そうね。電が良いって言ったんだから問題ないわよ。おかげで私達も隼斗と一緒に寝れるんだからね。」
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う〜ん…てことは私も許可が下りれば問題ないってことかしら?
いやそもそも許可もらうって…あ、いや確かにそうか。電と隼斗は付き合ってるからそこ混ざってイチャイチャするには彼女の許可が必要なのは当然のことだ。
いや待てよ?そもそも混ざろうとすること自体どうなの?それって浮気じゃない?でも時雨達は一緒になってあんなことやこんなことまで…じゃあやっぱり問題ないんじゃ…
やっぱりここは大人の意見を聞くのがいいかもしれない。
満潮「ねえ、間宮さんは隼斗のことどう思ってるの?」
間宮「私?そうね、大好きよ♪可愛い弟としてだけど。あ、もしかして私も隼斗に対して恋愛感情があると思ってる?」
満潮「え、違うんですか?てっきりここにいるみんなそうかなって思ってたんだけど…」
間宮「ないない、タイプじゃないもの。」
そ、即答…そんな綺麗な笑顔で即答されたら傷つくわね……
間宮「戦艦・空母勢はだいたい可愛い弟としか思ってないですよ?新しく加わった飛龍さんと蒼龍さんは分からないですけど。この前こっそり大人の女子会をしてた時にその話をしてて実際どーなんだってなったのね?そしたらみんな可愛い弟だと言ってたわ。でも山城さんが少し怪しいのよねえ…別に隠さなくてもいいのに。恥ずかしがり屋さんだから仕方ないか♪」
大人の女子会…可愛い弟…山城が怪しい…
なんか、新たな情報がどんどん出てくるわね。ていうか山城も隼斗のこと狙ってるの?スタイル良いし、魅力的だし、優しいし、私じゃ相手にならないじゃない。とんだ強敵がいたものね。う〜ん…
満潮「はあ…なんか色々考えてると疲れちゃった。」
間宮「そこまで悩むぐらいならいっそのこと甘えたらいいのよ。叢雲ちゃんも最初は同じような感じだったけど今じゃ私達の前でも関係なしにいちゃいちゃしてるんだから。隼斗はともかく、電ちゃんも怒らないから大丈夫よ♪」
満潮「………だといいけど。う〜ん…」
まあ確かに考えたところで何か変わるわけでもないから間宮さんの言う通りやってみようかな。
…電が怒らないことを祈りましょ。
〜数時間後〜
ワイワイ ガヤガヤ
暁「あ〜もう疲れちゃったわ。間宮さーん、お子様ランチお願いしまーす。」
満潮「……⁉︎(暁が来たということは…)」
隼斗「ちげえだろ、暁のはおこちゃまランチだろ?おこちゃまだよおこちゃま。」
暁「う〜〜〜///あ、暁をおこちゃま扱いしないでよね⁉︎馬鹿馬鹿馬鹿!プンスカ!」
満潮「お、おかえり隼斗!///」ガバッ
暁「へっ⁉︎」
隼斗「んあ?おぉ、ただいま満潮。いきなり抱きつくなんて初めてじゃん?寂しかったの?」
…お、おぉ…なんて優しい頭の撫で方。これはずっとされてたいわね。いつまでもしてて欲しい…電はこれを毎日してもらいながら一緒に寝てるなんて羨ましいなあ。私もずっとされながらそのまま一緒に…
時雨「やっとデレたんだ。」
満潮「あ、いやこれはその…その、えっと…///」
隼斗「俺がいなくて寂しかったんだとさ。叢雲と同じツンデレじゃん。可愛いよねえツンデレって、今日一緒寝るか?」
満潮「へっ⁉︎そ、そそそれはつまりその、その!(まさか…“誘われてる”ってことよね⁉︎)」
時雨「あはは、ごめんね満潮。今日は僕と寝るって決まってるんだ。ね、隼斗?」
夕立「あー、夕立のこと忘れてるっぽい。夕立も一緒に寝るんだから今日は寝かさないよ?」
……え、今日は寝かさないって…朝までエンドレスコースってこと⁉︎
そんな長期戦なの⁉︎俗に言う絶倫じゃないそれ!!
叢雲「いやあんた達は明日でしょ?今日は私と吹雪の日だから。」
吹雪「ふぇっ⁉︎そ、そうだった…お兄ちゃん、その…初めてだから、宜しくお願いします///」
響「いやいや今日は私達の部屋で朝までドラえもんを見ることになってる。隼斗、忘れてないよね?」
電「ちょっと待ってなのです。今日は2人きりで朝までずっとって約束なのです。皆さん日程間違えてないですか?」
隼斗「凄いね全部初耳。電、日程って何のこと?俺何も聞いてないんだけど…」
電「隼斗はちょっと黙ってて。」
隼斗「……ごめんなさい。(何も知らないから聞いたのに…泣いちゃう。)」
ちょっと待ってどういうこと⁉︎ほぼ毎日のようにしてるってこと?
昨日ホラー映画見たからたまたましなかっただけで、もし見てなかったら誰かとしてたかワンチャン私だったかもしれなかったってこと?
これが全て本人の許可なくこっちで勝手に日程組めばあとは実力行使で問題ないってことよね?
…てことはやっぱり私にもまだまだチャンスはあるということか。
ならば…!
満潮「きょ、今日は私が隼斗と一緒に寝るんだから譲ってよ!」
ここはひとつ思いっきり、そして大胆に攻勢に出るのみね!
「「「……はあ?」」」
満潮「……ひっ⁉︎(あ、あれ?なんか…みんな目が恐くない?恐くない⁉︎)」
時雨「あはは…いや〜、まさかそう来るなんて予想外だね。本気で言ってるの?」
夕立「……夕立達を差し置いて隼斗とヤるっぽい?いい度胸っぽい。」
あれー?なんかピリついた雰囲気が漂ってるんだけど、何これ?ちょっとヤバくない?
夕立にいたっては目が紅くなってるし、時雨も危ないオーラを発してるし…
叢雲「こうなったらやるしかないわね。2000に演習場へ集合、そこで決めましょう。」
吹雪「またやるんだ…よし、私だって負けないんだから!」
響「私は目的が違うからパス。隼斗、明日でいいよ。」
電「じゃあ叢雲ちゃんの言う通り、演習場でいつものように決めるのです。」
なんてこと…大胆に攻めたらとんでもないことになってしまった。まさかこんなことになるなんて予想外なんだけど。
日程決めが演習場で決められるってことは戦って勝った者から選べるってことよね?そういうことよね?じゃあこれから私はあの5人と戦わなきゃいけないのか…練度は然程大きな差はないけど、問題は…
夕立「ガルル…叩き潰してやるっぽい…!」
時雨「ふふ、僕も同じこと考えてた。」
叢雲「誰だろうと関係ないわ。潰すだけよ。」
電「ヒヒヒ、潰す潰す潰す潰す潰す潰す…!」
満潮「……」
いやいや、いやいやいやいや、本来の性格はどこに行ったの⁉︎てか電めっちゃ恐っ!
夕立時雨叢雲電「「「……………」」」二イィ…
吹雪「みんなちょっと落ち着こう?恐すぎて暁ちゃんが白目剥いて泡吹いちゃってるから!ど、どうしよう…」
隼斗「うわ、蟹みたい。隠し芸で使えるね。」
いやいやいやいや、そこ何呑気なこと言ってるの⁉︎この状況でそれ言うかな⁉︎
普通こういう時って止めに入るもんじゃないの?いいのこれ?ヤバくない?もう意味分かんないったら!
霞「あんたの発言からこうなったんだから仕方ないでしょ?朝潮姉さんもやる気満々でちゃっかり参加してるからね。」
朝潮「この朝潮、夜の隼斗さん争奪戦に参加します!隼斗さん!私が勝ったら是非夜を共に過ごしてください!////」
隼斗「ん?うーん…勝ったらね。」
満潮「え、ちょ、朝潮姉さん⁉︎はあ…もうこうなったらやるしかないわね。いいわ、勝負よ!」
こうして“夜の隼斗争奪戦”が決まり、来たる2000に備えて各自動き出した。
各々の胸の内に宿る熱き大炎が闘争心を更に滾らせるこの状況で満潮も己の野望を実現すべく立ち上がる。
今宵、共に一夜を過ごすのは誰か。
己が望みを叶えたいのなら戦い、勝つ他なし。
眼前の敵を蹴散らし、一掃せよ。
乙女の中の乙女達…出てこいや!!
赤城「あら、加賀さんったらすぐ熱くなっちゃうんだから。」
加賀「お恥ずかしいところを見せてしまってごめんなさい。つい気分が高揚してしまって…」
飛龍「……(今のナレーションって加賀さんがしてたんだ…)」
蒼龍「……(出てこいやの部分めちゃくちゃにてりゅ…)」
実況は赤城、加賀でお送りする乙女達の熱き闘いは近い。
「ハアアァ〜………ヤルカ…」二イィ…