※この作品はR-18です。

喰種の住む鎮守府   作:ニーとくさん

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電の悲劇を知り、鎮守府内の人間殲滅を始める隼斗。
何もしらず今日も傲慢に振る舞い提督人生を謳歌する、腐れ豚提督。
それに付き従い、甘い汁を欲しいままにする憲兵。

扉を蹴り飛ばし、挨拶からの死刑宣告。

人間共は怯え、喰種は笑う。

“あらん限りの苦痛と恐怖と絶望を”








第3章

〜食堂〜

 

 

 

提督「な、なんだこの化け物は‼︎深海棲艦か⁉︎お、お前達‼︎この儂を守らんか‼︎」

憲兵隊長「提督殿をお守りしろ‼︎密集隊形を組め‼︎」

憲兵達「は、はは‼︎」

 

転がる者や固まる者など様々だったが号令ひとつですぐさま動き出し、隊形を組みこちらに銃を向ける。

 

隼斗「へー、腐っても軍人だな。お早い行動で…んで、あの豚が偉いやつか。」

憲兵隊長「撃てー!」

 

銃声が食堂内に響き渡る。何百発もの銃弾の嵐。だが、すぐに弾が尽きる。

まあ、飯食いに来てるんだ。予備のマガジンなんて持ってきてないよな…あったところで何もかわらんけど。

それもそうだ。人間の普通の武器じゃ喰種は傷つかない。“クインケ”が必要なんだけど、この世界には存在しないから喰種無双が出来る。天下統一も夢じゃない。鎧袖一触だよ。天才軍師?知らない子ですね。

 

そうこうしてる内に銃撃音が少なくなっていく。

そして再び人間達の表情に恐怖が現れてくる。

 

 

隼斗「……あー、弾切れか。じゃあ、次は俺の番だよな‼︎」

 

6本の赫子を一斉に憲兵達に向けて解き放つ。

まるで生きているかのようにしならせながら次々と憲兵達の心臓を貫いたり、首を吹き飛ばしたりする。

悲鳴が、絶叫が上がる中1人だけ笑っていた。隼斗だ、この状況を心から楽しんでいる。

この一方的な虐殺が楽しくてしょうがない。

傲慢な人間共を圧倒的暴力で叩き潰す、楽しいに決まってんだろ。

とりあえず憲兵は片付けた。

 

提督「こ、この…役立たず共‼︎おい、鳳翔‼︎間宮‼︎貴様ら艦娘達を呼べ‼︎」

鳳翔・間宮「は、はい‼︎」

 

厨房奥へと引っ込み、何やら話をしている。電話でもあんのか?

まあ、どうでもいいけど。

 

 

隼斗「アハハハハハ‼︎お前、何一つ反撃してねえじゃんか。助け呼んでばかりじゃなくてさ

少しは自分の力でどうにかしてみろや‼︎」

 

赫子を提督の両足首に巻きつかせこちらに引き寄せる。悲鳴を上げ必死にテーブルの脚を掴むがそれごと引きずられ、とうとう隼斗の足元に辿り着く。提督は憲兵以上にガタガタ震え、顔の肉がプルプルしてる。

……こいつ、美味しくなさそうだな。無駄な脂肪が多いとあまり喰うとこねえからな…

 

提督「き、貴様…この儂に手を出したらどうなるか分からんのか‼︎艦娘達が黙っておらんぞ‼︎」

隼斗「艦娘を虐げてる奴が何を言ってんのか…あいつらはお前の道具じゃねえよ。それに、お前の仲間が来たとしても無駄。」

提督「な、なんだと…何が言いたい‼︎」

隼斗「1人残らず殺すから。そんなことぐらいわかんだろ‼︎」

 

 

提督の足首に巻きつけていた赫子に力を入れてそのまま圧し折っていく。

豚は悲鳴を上げて上体を起こし足首に手を伸ばすが隼斗に顔面を蹴られ、その勢いで後頭部を床に強打する。

頭を抑え、呻めき、体をもじもじさせている。……男がもじもじしても可愛くねえんだよ。

ふと背後に視線を感じる。ゆっくり振り返るとそこには艦娘達が集まっており、皆先程の憲兵達と同じ反応をしている。

 

 

提督「よ、よし。よく来たな貴様ら‼︎こいつを殺せ‼︎儂を守れええええ‼︎」

隼斗「………あ、いい事思いついた。おい豚、助かりたいなら俺の要求に応じろ。」

提督「き、貴様の要求などしらん‼︎おい、貴様等早くせんか‼︎……ッ、ぎゃああああ‼︎」

 

提督の両膝に赫子が突き刺される。痛みで動かせば動かすほど、更なる痛みが、激痛が体に走る。

楽しい…本当に楽しいなあ……愉快でならない。

 

艦娘達「あ、あぁ……」

隼斗「お前等はそこで見てろ。別に喰いはしねえから安心してなって……」

 

 

艦娘達の多くは既に戦意はなく大人しくしている者や恐怖に怯え泣き叫ぶ者、中には気絶している者もいた。

とりあえず、誰も手出しはしないんだな。良かった良かった…なあ?豚野郎?

 

 

提督「わかった…わかったから貴様の要求を教えてくれ‼︎」

隼斗「あいつ等を、艦娘を1人の“人間”として認めて接すること。あいつ等は兵器じゃねえ、ましてや人間の道具でもない。

深海棲艦と戦う唯一の存在で謎も多いらしいけど、“感情”や“心”がある時点で“人間”だ。それを認めろ。」

艦娘達「……⁉︎」

提督「なっ……ふ、ふひひ…良いだろう認めよう。(あの電とかいう駆逐艦娘のように扱ってやるわ、フヒヒ…)」

隼斗「…へえ、意外に素直だな。じゃあ、“助けて”やる。」

 

 

残る2本の赫子を提督の両腕の関節に、足首を圧し折った赫子を一旦離した後腹部に突き刺す。

これで四肢の関節を封じたからもう動けない。ゆっくりと痛めつけて殺してやる……

 

 

提督「ぎゃあああ‼︎い、痛い‼︎やめろ、助けてやると言っていたではないか‼︎ッ、あああああ‼︎」

隼斗「言ったな、確かに。でもさ、“命”を助けるとは言ってねえよ?それに、“どう”助けるのかもね…」

 

腹部に突き刺した赫子を体内でゆっくりと動かす。筋肉や脂肪、臓器、血管に神経に骨。あらゆるモノを赫子でゆっくり掻き回し、そして破壊していく。傷口から血が溢れ、小便は垂れ流し、体を痙攣させ、絶叫し泣き叫ぶその姿。

……あぁ、楽しい。ほんっっっと、最高だよ‼︎‼︎‼︎

 

隼斗「っふ…ふふふふ、あははハハハハハハハハハハ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎なあ、人間‼︎どんな気分だ?助かると思ったのに、こんな結末になるなんて

思ってなかったろ?分かるよ、その顔見たら……アハハハハハ‼︎‼︎マジ、ざまぁねえなあ‼︎‼︎」

 

提督「ぎゃあああ‼︎やめろ、やめてくれ‼︎…ッゴフ!……ぐわああああ‼︎」ガクガクガクガク

 

隼斗「あぁ?電もそう言った時にやめたか?違うよな、何度も何度も殴って、蹴って、痛めつけたんだろ⁉︎

それにあいつの……あいつの願いを、希望を踏みにじった‼︎どれだけ願い、どれだけ耐えてきたか…お前に分かるか、人間‼︎」

 

 

無限に湧き上がる怒り。電が負った傷は癒えることはない…希望を潰されただけでなく、希望を叶えると騙され、体を弄ばれ、絶望を叩きつけられたからだ。所詮、艦娘は兵器であり道具でしかないのだと……

許せない…電を傷つけたこいつ等をユルセナイ‼︎

 

 

隼斗「だから…俺があいつの願いを叶えてやる。人間でも艦娘でも深海棲艦でもない、この俺が‼︎

そして立ち塞がる全てを壊し、あらん限りの苦痛を、恐怖を、絶望を刻み込む‼︎死ね、このド腐れ豚野郎‼︎」

 

 

提督「…やめ、やめ、ぎゃああああああああ‼︎‼︎」ブチブチッバキッブチィ

 

2本の赫子が内側から腹部を切り裂き臓物と血を撒き散らし

4本の赫子は四肢の関節から離れ、付け根にそれぞれ絡みつき音を立てて引き千切る。

提督は絶叫し、隼斗は歪んだ笑みを浮かべ高らかに笑う。

 

 

 

 

 

 

隼斗「……ほら、“助けて”やったぞ?」

 

 

 

そう呟いた後、手を伸ばし提督の頭を胴体から引き千切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー艦娘 視点ーーーー

 

〜隼人が食堂で暴れている時の執務室〜

 

 

 

突然食堂にいる鳳翔から緊急連絡があった。

 

「見たことの無い、化物が提督や憲兵を襲っている。提督が艦娘達を呼べと。」

 

その後すぐに銃声が鳴り響き、悲鳴が聞こえた。

執務室にいた私達は驚き、すぐに食堂へ向かった。

 

陸奥「…長門、あまり無理をしないで。あなた、大破してるんだから。」

長門「あぁ、分かっている。陸奥も無理はするなよ?」

大淀「………いっそのこと、このまま提督達に死んでもらえれば…」

長門「大淀……気持ちは分かる。だが、我々は艦娘だ。人間を守らなければならない。」

大淀「それは…‼︎私も分かってます……でも…」

陸奥「その話はあとにしましょ。とにかく、食堂へ行かないと‼︎」

 

 

食堂へ向かう途中で他の艦娘達と次々合流していく。鳳翔と間宮から緊急通信を受けて皆来たらしい。

天候が大荒れの為、各自部屋で待機していて良かった。まさか、こんな事態になるとは思わなんだ。

 

 

金剛「間宮、とても怯えてたネ…」

霧島「早く助けないと…‼︎」

比叡「気合い、入れて、行きます‼︎」

榛名「榛名はいつでも大丈夫です‼︎」

 

赤城「神聖なる食堂で一体何が…鳳翔さん、すぐに助けます‼︎」

加賀「…まだ詳しい情報がないから、慎重にいきましょう」

 

 

暁「電がまだ見つかってないのに…もしかして、その化物に…」

響「暁、まだ分からないだろう?しっかりするんだ。」

雷「…そうよ、電はまだ…それに関係しているなら捕まえて電がどこにいるのか吐かせましょ‼︎」

 

 

 

 

そして辿り着いて目に入ってきた光景。……とても異常だった。

バラバラにされた憲兵達とその生首、床に広がる夥しい量の血、床に倒れている提督とその前に立つ…あれは、なんだ?

 

長門「な、なんだあいつは…」

陸奥「うっ…ちょっと、これ…」

大淀「ひ、ひひ…うわーーーん、怖いー‼︎」

 

比叡「ヒエーー‼︎………うーん…」バタッ

金剛「ちょ、比叡!しっかりするネ‼︎」

榛名「は、榛名は大丈夫じゃないです‼︎」バッターン

霧島「榛名⁉︎榛名ー‼︎」

 

赤城「……こ、これは酷い。あの化物もそうですが、何よりここでご飯が食べれなくなるじゃないですか‼︎」

加賀「…ブレない赤城さん、素敵。」

 

暁「あわわわわ…ぷぎゃぁ…」バタッ ピクピク…

響「暁、しっかりして‼︎」

雷「白目になってる⁉︎レディーのカケラもないわ‼︎」

 

 

隼人「………?」

 

長門「な、なんだあの目は…」

こちらに振り向いて目があった。あの目は何だ…体が動かない。ちょっと目が合っただけなのに本能が危険だと訴えてくる。

抗ってはならない、抗えば死ぬと…幾度となく深海棲艦と戦ってきた私だが、ここまでの恐怖と絶望を与えられたのは初めてだ。

震える体にムチを打って立っているのがやっとだ。冷や汗が止まらない。

 

そんな時、耳を疑う発言があった。

 

「艦娘を人間として認め、接すること。」

 

 

今の…化物の声だよな?

私達は顔を見合わせた。き、聞き間違えではないよな?

でも、はっきりと聞こえた。そして提督があっさりと応じた。まさか、有り得ない…あの男がそんな…

あ、やはりそうだあの気持ち悪い笑顔。あれで私達をいつも舐めわますように見てくるから寒気が走る…

きっと何か良からぬ事を考えているに違いない。

 

でも、考えるだけ無駄だったようだ。

化物が「助けてやる」と言って提督を生きたまま四肢を引き千切り、その後頭部も素手で同じように引き千切った。

 

 

恐怖に震え、絶望した。

 

だが同時に、抗えない程の圧倒的な暴力で命を刈り取られる提督を見ていて、気持ちが空くような思いだった。

 

胸の内に溜まった人間に対する増悪と不信感が洗い流されていく。

こんな風に考えてしまう私達は艦娘として失格だろうか?だが、艦娘の為に怒り人間達を殺していく様に感動すら覚える。

これは、仕方ないと思う。だって、生まれて初めて出会った、私達を人間として見てくれる者だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー隼斗 視点ーーー

 

 

 

 

さて、これで全部…と言いたいけど、死体の数が合わない。

憲兵50と提督1の計51なんだが、ここには49しかない。あれ?見落としてた?ここまで来る時にちゃんと匂いで調べてたけど…

んーーーー、あ…門番の存在を忘れてた。あちゃぁ…外まで気をまわしてなかった。

 

 

ポコポコ ゲシゲシッ

 

隼斗「……あぁ?」

 

振り返るが誰もいない。おかしいなと首を傾げると下から声が聞こえるので視線を向ける。

なんか、ちっこいのがいる。

 

暁「ヒッ…⁉︎こ、この化物‼︎電を…電をどこにやったのよ⁉︎」

響・雷「あわわわわわ…」

 

長門「あ、暁⁉︎待て、落ち着け‼︎」

 

 

ん?なんか食堂の入口からデカイのが来る。……胸がとは言ってない。こう、身長がデカイ。そう、それだよ。

モデルみたい…そのままちっこいやつを抱きかかえて距離を取る。

 

隼斗「……電なら医務室だよ。扶桑達がついてるから大丈夫。」

長門「な、扶桑達を知っているのか⁉︎」

隼斗「知ってるも何も同じ医務室にいたから当然だろ。だいぶ元気になったけど、早く入渠?てのした方がいいんじゃない?」

暁「電は医務室にいるのね⁉︎大丈夫なの⁉︎手出してないでしょうね⁉︎あの子に何かあったら絶対許さないから‼︎」

 

とりあえずなんか誤解されてる感があるので事の経緯を簡単に伝える。

暁・響・雷は顔を青くして食堂を出ていく。

 

赤城「そんな…提督達が電ちゃんにそんな酷いことを……あんまりです、電ちゃんが…」

加賀「彼女は、敵でも救いたいという優しい心を持った子。提督達は、人間はそんな彼女を……頭にきました。」

 

長門「……なぜだ、なぜこんなことに…我々は一体何の為に生まれて、何の為に戦っているんだ。」

陸奥「…長門。」

 

 

……あんまはっきり言わん方がよかったかな。でもまあ、事実だ。残酷だが…所詮人間はそんなもんだよ。

お前らが命張って守るに値しない。俺が艦娘なら見限って殺すね…

 

 

隼斗「まあ、とりあえずお前ら入渠してきなよ。医務室にいる扶桑達も頼むな。俺は後片付けがあるから。

て、ことで厨房内にいる2人。ちょいと教えて欲しいことがあんのよ。」

鳳翔・間宮「は、はい‼︎なんでしょうか?」

隼斗「掃除するからバケツといらないタオルを大量に頂戴。あ、あと消臭剤も欲しいな。ぶちまくからさ。」

鳳翔「では、私はバケツと消臭剤を持ってきますので、間宮さんはタオルをお願いしてもいいですか?」

間宮「ええ、分かりました。確か倉庫にたくさんあったので全部持ってきます!」

 

2人は俺に一礼すると食堂を出て行く。

残りの艦娘達にも入渠するように再度伝えて食堂から出て行かせる。

さて…門番はっと…………俺は目を閉じ耳を澄ませる。

喰種は人間に比べて五感が優れている。聴覚で足音や声、足音から伝わる相手の状態等が分かることも。

俺は鍛えても足音と声しか把握できなかったけどね。

とにかく、それ使って調べたけど既にもぬけの殻だったよ。逃げられたか…ま、餌をたくさん連れて来てくれりゃいいかな。

 

 

その後、鳳翔・間宮から道具を受け取り1人掃除を始めるのであった。

 

 

 

 

ーーー同日 食堂ーーー

PM1200

 

 

午前中の荒れた天気が嘘のように雲ひとつない快晴になった。

食堂内に気持ち良い風が吹きこんでくる。草の匂い、潮の匂い、雨に濡れた土の匂い…色んな匂いを感じる。

そして食堂のど真ん中で大の字で寝ている喰種が1人。

 

 

隼斗「………疲れた、もう無理。」

ぼけーと天井を見つめたままピクリとも動かない。ん?誰か来るな。

 

叢雲「あら、掃除してるって聞いたから見に来たけどもう終わったのね。」

隼斗「なんだ叢雲か、さっき終わったとこ。疲れたから寝てるー。」

 

叢雲は俺の横に来て座り込む。

 

叢雲「見りゃ分かるわよ。で?提督と憲兵、全員殺したの?」

隼斗「んや…門番殺すの忘れてたから2匹逃した。多分、増援引き連れてくるんじゃない?

ま、その時は確実に皆殺しにするけどね。」

叢雲「……そう。でも、とりあえずはひと段落ついたと思っていいのよね?」

隼斗「いいと思うよ。なんかあっても守るから心配すんな、叢雲。絶対守るからさ。」

 

 

体を起こし大きく背伸びをする。

叢雲の方を見ると顔を赤くしてこちらを見ている。

 

隼斗「…?どした?」

叢雲「……あ、あんた何でまだ上半身裸なの⁉︎しかも返り血落としてないじゃない‼︎」

隼斗「あぁ、いつもこうだから気にしてなかったわ。……もしかして叢雲、裸見て「恥ずかしい///」ってなってんの?」

 

 

バチンッ ドゴッ

 

 

 

叢雲「う、うるさいわね///汚いから早くあんたもお風呂に入りなさい‼︎」

 

叢雲は急に怒り出して食堂を出ていく。………いきなりビンタからのボディブローは、ない。

いくら喰種でもいきなりはあかん、あかんて……

 

隼斗「……艦娘って、力強えなぁ…怒らせないようにしないとな。」

 

 

はあぁ…とため息をつき立ち上がる。風呂入ろう…

あ、場所分かんないや。つかその前に、この死体の残りどうしようかな。

あらかた喰ったけど、流石に喰いたくない所はある………どこかって?漢の主砲だよ‼︎いらねえよ‼︎はあ?珍味じゃねえから‼︎

せや、食堂横の中庭で燃やしたろ。善は急げって言うしね。

漢の主砲満載のゴミ袋を手に取り、中庭へ向かう。盛大に燃やさないと…

 

〜中庭〜

 

 

 

綺麗に手入れされた中庭。

鎮守府の構造が中庭を取り囲むようになってんのな。いや、だから中庭なのか?

よく分かんない。けど、ほんと綺麗に手入れされてるなあ…建物内はボロい所多いのに。もしかして、憩いの場?だからかな?

ベンチも自販機も揃ってていいとこじゃん。俺自販機使わんけど。

 

隼斗「…よし、燃やそう。盛大にな…」

手と赫子を器用に使い落ち葉を集めていく。憲兵達と提督の服も一緒に燃やそう。こんもり盛ってあとは燃やすだけ…だが肝心なものがない。そう、ライターがない。隼斗うっかり、テヘペロ///

 

 

隼斗「……どうしよう。」

 

あ、服漁ればいいじゃん。煙草ぐらいあんだろ。寄越せよ、もう必要ねえんだからさ。俺が吸ってやるよ、てあったー!

煙草7箱にライターも7本ゲット!よしよし…ファイヤーーーー‼︎

 

 

隼斗「お、おお!燃えろ燃えろ〜。」

ふう…煙草吸おう。あ、良かった全部メンソールだ。俺メンソールしか吸わないのよねー

1本くわえ火をつける。あー、久しぶりの煙草なんじゃあぁ…喰った後の煙草は良いねえ…

…………………ん?なんかふわふわしながら飛んでくる。何あれ?え、ちょ…どんどん近づいてきてるんですけど⁉︎

 

 

妖精達「キャンプファイヤーダ。ワーイワーイ」

隼斗「……え、何喋ってる?なにこれ…」

妖精1「ボクタチガミエルノ?コエモキコエルノ?」

妖精2「キミニハテイトクノソシツガアルヨ。ヤッタネ!」

隼斗「は、はあぁ…そう、なのです?」

電「なのです!」

隼斗「うおっ⁉︎い、電か…びっくりしたぁ…つか、お前大丈夫か?怪我は?痣は残ってねえか?目は…まだ若干腫れてるけど

あん時よりはマシだな。他に痛い所はないか?」

 

急に左隣に座っている電に驚く。気配を感じなかった…忍びの者か⁉︎

 

電「大丈夫なのです!あの後、長門さん達が来て電達をドッグに運んで入渠させてくれたのです。

みんなで一緒に入って、いっぱい喋って、いっぱい笑ったのです。」

隼斗「……そか、良かったな。もう、お前達を虐げる人間はいないから、お前らの自由に過ごせ。また人間が来たら

俺が殺していくからさ。」

 

煙を吸い、ゆっくりと吐き出す。なんか小人?達は焚き火を取り囲んで歌ったり、踊ったりしてる。

待って、あれ一升瓶だよね?おかしいよね?どこから出したの?

うーーーん、この世界にまだまだ俺の知らない事がたくさんあるらしい。なんか、面白くなってきた!

 

…て考えてると、左手に感触が…

 

隼斗「……?」

電「隼斗…その、ずっと一緒にいてくれますか?」

 

電の小さな手が俺の左手をぎゅっと握り締めている。そして真っ直ぐ俺の目を見つめて離さない。

 

隼斗「…約束したからねえ。ずっと一緒だよ。俺が死ぬまで側で守り抜いてやる。」

電「隼斗……電は、電は……」

隼斗「……」

 

 

電は目を閉じゆっくりと顔を近づけてくる。

 

隼斗「……(可愛いキス顔だな…でも…)」チュッ

電「…!はわわ///」

 

俺は電の唇ではなく、額にキスをして頭を撫でる。

流石に煙草吸ってるから悪いしなあ……それに…あいつら、すぐそこで見てんな。

 

艦娘達「ちょ、ま、きゃあああ!」バターーン

 

 

隼斗「……鉄板ネタありがとうございます。あれは俺片付けねえかんな。」

電「はわわ//おでこにキスされたとこ、見られたのです///は、恥ずかしいよぉ///」

 

電は左腕に顔を埋めてくる。そして、何故か上目遣いで俺を見る。

あぁ……そんな目をウルウルさせて…あかん、あかんで…電、俺は、我慢でき…‼︎

 

 

隼斗「…グハッ⁉︎」

電「え、えええ⁉︎は、隼斗ー!しっかりするのですー‼︎」

 

電にかからないように焚き火に向けて勢いよく吐血する。それは綺麗な弧を描いて焚き火に降り注ぎ、俺はそのまま後ろに倒れて地面に頭を強打して意識を失った……思い知った、この世界で唯一喰種である俺を倒せる者…

 

 

それは俺が守ると約束した、電だった。

 

 

 




[舞台]ブラック鎮守府(正式名称:横須賀第3鎮守府)

深海棲艦による大規模侵攻後、新たに作られた鎮守府。最前線のひとつであり、後に喰種の存在が明るみになり、防壁で囲われる程危険であるということから畏怖して鬼ヶ島鎮守府と改名される。
隼斗が前提督を殺害後、現在占拠中。


■電
心優しい少女。初めて優しくしてくれた隼斗に思いを寄せる。
前提督と憲兵達の非道が原因で隼斗以外の男性に対して拒絶反応が現れてしまい精神不安定な一面が残る。


■喰種集団“夜叉”
隼斗を首領とする喰種集団。非常に好戦的で残忍な殺害方法をする事で当局から危険視される。
当初の構成員は12名と少なく、また彼らによる被害は少なかったが喰種の公開処刑以降から活動が活発化しこの頃から残忍性と好戦的な面が顕著に現れるようになる。15区最大勢力となってからの構成員は500名と膨れ上がり、15区内の喰種の間では「15区に住むなら傘下に入るか、餌になるか」迫られる程の絶大な力を保持していた。だが、本部や近隣の支部、そして15区支部合同による大規模掃討作戦により壊滅。
15区内からの完全駆除が確認された。
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