ーーー医務室ーー
〜0700〜
隼斗「……………………」ボケー
………あー、もう朝かあ…怠い。昨日は大変な目にあったな。
もう、あんなのはこりごりだわ。姉ちゃん達恐い。艦娘恐い。喰種より強いよ、絶対。
眠いから二度寝しよう……あと3時間寝かせてー
いや、待て…
「もう朝だぞ!いつまで寝ているんだ隼斗!」
「あんた起きないと命ないわよ?」
「…そう、寝ていたいのなら寝てていいわ。永遠にね…」
………なんて言われかねん。起きます、だから怒らないで姉ちゃん達よ。
隼斗「……はあ、俺喰種だよ?人間と喰種両方から恐れられた夜叉の首領よ?なんでこんなに
怯えてるかな……本当に俺か?この世界に来てからどんどん変わって来たような…」
ムニュ はう///
隼斗「………あぁ?」
なに、今の感触……なんか、声も………………待って、なんか知ってる感触だ。
あの…え、待って。落ち着け思い出せ。あの後確か…確か……んあー!はっきり覚えてねえ!
電「……は、隼斗///その、隼斗になら…いいのです///」
隼斗「………(な、なんで電がああああああああ!しかもなんでシャツ一枚…はっ‼︎待て…
何故俺は上半身裸なんだ…まさか…)
恐る恐る布団を自分のところだけ持ち上げる。落ち着け、落ち着け俺。
大丈夫、大丈夫だから俺は健全な男だ…酔った勢いでなんて……あ、俺が飲める酒ねえわ。
じゃあ……シラフでございますか?左様にございます。いや違うから!
ええい!潔く確認じゃああ!
隼斗「………あ、ちゃんと履いてる…良かったあ…」
電「……///あの、隼斗。その…手が…///」
隼斗「…ん?あ…ごめん。」
安心してホッとしたのも束の間、自分の手が電の胸に当たっていたことに気づく。
……小ぶりだけど、良いではないか!良いぞ良いぞ〜。
あぁ…やっぱ俺変わってきてるわ。
電「隼斗、何も覚えてないのですか?」
隼斗「な、何をですか?」
やめて、それなんか恐い。首を傾げてる電可愛いけど、言葉が恐い!まさか…まさか…!
電「夜、電が来て一緒に寝たいって言ったの覚えてますか?」
隼斗「……んー…あ、そういや…」
ーー昨日 2200ーー
隼斗「疲れた……あいつらマジ恐い。」
コンコン 隼斗、起きてますか?
隼斗「んあ、電?起きてるよー」
ガチャ
電「良かったのです。お願いがあって来たのです。」
隼斗「……お願い?」
あら、可愛い星柄のパジャマを来た可愛い電がいるではないか。可愛いなあ…
つか、お願いってなんだろ。
電「その…電と一緒に寝て欲しいなと思って、って…なんで上半身裸なのですか⁉︎///」
隼斗「……?え、いつも寝る時上着ないから。暑いもん。」
電「そ、そうなのですね///(隼斗の体、いつ見ても引き締まっててカッコいいのです///)」
隼斗「ふあぁ〜……もう疲れから寝るぞー。頭ふらふらする…」
電「あ、待つのです!まだ電気消さないでー!」
慌ててベッドに走って来てよじ登ってくる。可愛い。もう、可愛い過ぎる!
電が入ったのを確認して電気を消す。抱きついてくる電の頭を撫でて……そこからは覚えてない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隼斗「……俺、爆睡してたのか。しかも寝る時いつも上裸なの忘れてたわ。疲れてんのかな…」
電「あはは…長門さん達にかなり詰められていたので仕方ないのです。」
疲れてる、そうだ疲れてるんだ。それに俺が上半身裸なのは解決した…が、何故に電が俺のシャツを着てる?あれ?星柄のパジャマはどこ?
電「……あ、こ、これは!その…あの、き、着てみたかったのでつい…」
隼斗「……?あ、そうなんだ。で、着心地は?」
電「……とても幸せなのです///」
隼斗「可愛いなあもう…癒されるわあ〜」
電の頭をわしゃわしゃと撫でる。嬉しそうに笑う電を見てると本当に癒される。
電がずっとこうやって笑っていられるようにしなきゃ…さて、そろそろ起きようか。
……ん?あ、パジャマあんなとこに置いてるじゃん。ちゃんと綺麗に畳んでイスに置いてある。上下ともに星柄かあ…駆逐艦、特に電達第六駆逐隊のメンツはみんな似合いそうだよね。
隼斗「……は、上下?」
電「はわわ、動いちゃダメなのです///」
バサッ
隼斗「……んなっ⁉︎」
ズボンを履いてないだと⁉︎しかも俺のシャツを着てるから若干ワンピースみたいになってる…でも、あくまでシャツだからちゃんと隠れてない…あ、ピンクだ。
電「み、見ちゃダメなのですー!」
隼斗「ちょ、ま…なんで跨るんだよ⁉︎」
何故だ。何故そうなる。布団をかければ済むだろう。何故、俺の上に跨るんだ。嬉しいが今は違う…しかもそんな目を潤ませて上目遣いはあかん。くっ…朝から理性が吹き飛びそうだぜ!
ここは…健全な大人の対応をだな…
電「…あ///は、隼斗。その…何か、当たってるのです///」
隼斗「……(いやああああ!違う“大人の”対応になっとるううううう!荒ぶる神よ、鎮まりたまえ!)」
頭の中でこれまで殺してきた捜査官や喰種の顔を必死に思い出す。あの、ほら…偉そうな喰種とか、雑魚のくせに粋がった捜査官とか、俺を馬鹿にしていた喰種の先輩とか……あ、顔覚えてねえわ。
電「……隼斗になら、本当にいいのです。でも、こんな汚れた電でもいいですか?」
隼斗「…汚れた?」ピクッ
電「電は汚れてますよ…提督や憲兵たちに穢されてるのです……たくさん…そんな電でも、ん///」
俺は電を強く抱きしめて優しく唇を重ねる。最初はビクッと体を震わせていた電もすぐに力を抜き受け入れる。逆に、俺の首の後ろに腕を伸ばして自分側に引き寄せる。受け入れるというよりか、強く求めているかのように……
電「……ん//隼斗…もっと欲しいのです。電は隼斗の全てが欲しいのです///隼斗で満たされたいのです///」
隼斗「…お前、そんなのどこで覚えてくるんだよ。」
電「金剛さんと榛名さん、陸奥さんに叢雲ちゃんなのです///」
隼斗「なんか分かる奴もいれば分からん奴もいんな…(叢雲もかあ…あいつむっつり?)」
ペロ チュ…レロォ
隼斗「………?どした?」
電「……あ///つ、つい…その、我慢できなくて。隼斗の胸の傷舐めちゃいました…///」
隼斗「……あぁ、この傷か。普通なら傷痕残らないはずなんだけど、この傷だけは何度再生しても
くっきり残ってんだよね。」
電「人間との戦いで負った傷ですか?」
隼斗「いや、喰種だよ。覇権争いで最後に戦った喰種に付けられた傷…まあ、勝ったけど。」
電「そっか…じゃあ、電が治してあげるのです…ん、チュ……ペロ…」
隼斗「な、なんかくすぐったい………」
電が舌を出して傷を舐めるとこを見てると再び理性が危なくなる。なんて可愛くて、エロい表情してるんだよ…目もとろんとしてるし少し顔も赤いしでもう…我、夜戦(もう朝ですけど)に突入スって文字出て音楽切り替わっちゃう。おい!探照灯消して!恥ずかしいでしょ⁉︎
電「…あ、また眼が変わったのです。」
隼斗「あー、喰種は興奮したり、飢えたりすると“赫眼”化すんのよ。」
電「そうなのですね…だから、ここがこんなに…///」
電の手ががっつりと俺のアレを掴んでる……ちょっと、いつの間に手をパンツの中に突っ込んでんの?
…痴女だ。こんな可愛い天使な痴女は初めて見た。だめ…このままだと、本当に…我慢でき……
電「……?きゃっ!」
電の手をどかした後、抱き抱えてベッドに仰向けで寝かせその上に覆いかぶさるような格好になる。
距離がさっきより近い。すぐそこに唇が…互いに求めてるものが、愛する人がいる。
電「は、隼斗…//たくさん、電の中に来て欲し…」
隼斗「ぽい!」コツン
電「ふあっ⁉︎」
い、いきなり頭突きをされたのです!…とても優しくですけど。な、なんで隼斗は急に頭突きをしたのでしょう?
電は本当に隼斗を求めているのに……我慢なんてできないのです…
隼斗「ほら、起きるぞ。今日はここまでな。」
電「ど、どうしてなのですか⁉︎隼斗は…電のこと愛してるって言ってたのに…」
隼斗「……まあ、今すぐじゃなくてもいいだろ。それに…」
電「それに?」
隼斗「……こういうのは、もっと時間ある時にしなきゃ長く楽しめないじゃん?」
電「……な、長く、ですか?////じゃあ、時間ある時なら…電と、たくさんしてくれますか?////」
隼斗「そりゃもう……うん、たくさんしよな!……ほい、てことで起きろ。お前は一旦部屋戻って着替えてきな。」
電「はいなのです////隼斗、またあとで///」
電は顔を真っ赤にさせ、パジャマを持って医務室を出て行く。
部屋に残された俺は……とりあえず、窓を開けて煙草に火をつける。いきなりのイチャラブ展開からの18禁突入…
結局俺は…
隼斗「違う“大人の”対応してしまった………あんな可愛い美少女に「時間ある時にたくさんしよな」って…
犯罪臭しかないじゃんか。どうすんのよ…」
でも……
ウヘヘへ、電のあんな姿もええなあ///たまらんわあ///////
隼斗「…………しっかりして俺。こんなキャラじゃないの。こう…頼りになるお兄ちゃんってのが本来の俺であってだな…」
「 隼斗、起きてるの?入るわよ?」
隼斗「ブホォッ!……ゲホッゲホッ…き、器官に入った…」
その声は叢雲か!少しでもタイミングがズレてたら大変なことになってたぞ!
…うち首じゃ。うち首からの晒し首じゃ…
叢雲「……何で震えてんのよ気持ち悪いわね。何?抱きしめて暖めて欲しいの?」
隼斗「いやいいです。一言も言ってないのでいいです。」
叢雲「う、嘘に決まってるじゃない!本気にしないでよ、馬鹿兄貴!///」
隼斗「……うわぁ、分かりやすい。叢雲分かりやすい。ツンデレツンデレ…てか、なんか用?」
叢雲「う、うるさい!用件忘れたじゃない、どうしてくれんのよ!」
うわ、いちゃもんつけてきた。ツンデレじゃない、やからだ。この子やからよ!
恐い、おっかない、ヒエーーー!……で、どうしてこいつは、
隼斗「なんで抱きついてんのさ。煙草吸いにくいんだけど…」
叢雲「いいじゃない別に、兄妹なんだから。それに罰よ罰。黙って抱きつかれてたらいいのよ。」
隼斗「あっそ。煙草臭くなっても知らねえからな。」
叢雲「……いいから黙って吸ってなさいよ…馬鹿…」
むう…なんか今日の叢雲は変な感じがする。いつもなら殴ったり蹴ったりしてくるのに、何もしてこない。明らかにおかしい。つか、いつも殴られ蹴られされてる俺ちゃん可愛そうじゃない?これが逆DVというやつか…泣けるわあ…
………いや本当に変よ。どうしたもんかね、この子は…
隼斗「………なんか怖い夢でも見たの?」
叢雲「………………。」
隼斗「……まあ、抱きついて落ち着くならそのままでいな。」
叢雲「………うん。」
暖かい。電が言ってた通り、隼斗は暖かい…とても、落ち着く。実は…見てしまった。電が昨夜、この医務室に入って行くところを…さっき中で隼斗に跨って…キスをしていたとこを………羨ましいと思った、どうして電だけなの?って嫉妬してしまった。
電はとても良い子、私も大好き。だから、電が幸せなら見守ってあげなきゃいけない…なのに、嫉妬してる。
私も、隼斗のこと…好きになってるんだ……だからこんなに…
隼斗「……あ、叢雲!見て見て、虹だ!」
叢雲「……え?あ…ほんとだ。雨でも降ったのかしら…」
隼斗「すげー!俺虹を実際に見んの初めてなんだよ!あれが本物の虹か!むっちゃ綺麗…はあ、すげえなあ…」
叢雲「……ふふ、なんか子供みたい。どう?初めての虹わ?」
隼斗「無茶苦茶綺麗だな!もう、えと…うん、すげえ!」キラキラ
目を輝かせて、本当に子供みたい。それに、初めての虹か…
その初めての虹を一緒に見たのが電ではなく、この私。少し、優越感に浸ってしまった。別に、電のことが嫌いとかじゃないからね?私も……電みたいに一緒に居たいだけなんだから。
隼斗「あ、虹見たら腹減った。叢雲、ちょい離れて。外で喰ってくる。」
叢雲「外で?何を?」
隼斗「え、死体だけど…俺人間しか喰えないじゃん?だから、外で今のうちに喰ってくる。」
叢雲「え、えええ…」
なんでそんな普通に言うのかしら…いや喰種なら普通のことか。隼斗も私達と同じ物が食べれたらいいんだけど…訓練とかでどうにかならないかしら?少しでも食べれるようになれば私も含めてみんな喜ぶはず。
叢雲「ねえ、人間の食べ物が食べれるように訓練しない?もちろん、私が用意してあげるから。どう?」
隼斗「………い、いや…やめとく…人間の食い物、無理だ。あんなの食べれるわけがねえ…あんなの食い物と呼ばねえよ…」
叢雲「そ、そこまで言う?」
ちょっと…なんか顔色悪いわよ?喰種にとって人間の食べ物はそんなに不味いのかしら?
隼斗「無理無理無理無理無理。絶対、無理。それに、その訓練に使う飯は叢雲が作るんだろ?」
叢雲「そうだけど…私、料理得意だから自信あるわよ?」
隼斗「……自信あるなら尚更無理。だって、俺のこと思って作ってくれるわけだろ?そんな叢雲の気持ちを踏み躙るようなこと
したくないもん。叢雲に失礼だし、何より申し訳ないじゃん……絶対やだ。」
叢雲「…別に、気にしなくていいわよ。馬鹿…」ギュゥ
……鳳翔さんじゃないけど、いつか絶対食べさせてやるんだから。そうすれば、電みたいに一緒に居ることもできるし、もっと距離が近ずくに違いない。それまでは、一番距離の近い妹として側にいてやるんだから!
そういえば…さっきから私、隼斗の胸に頬を当ててるのよね。よく考えたら…さっきの電みたいなことしてる////
叢雲「………。」チラッ
隼斗「……」
隼斗は、私の頭を撫でながら外を眺めてる。なんか、煙草を吸う姿がカッコ良く見えるような…それに上半身裸ってところが、こう…その、あの……セックスした後みたいな感じがして////わ、わわ私は一体…何を言ってるの⁉︎/////
隼斗「……?なあ、そろそろ空腹も限界だからごめんけど離れてー。もう我慢できないからさー。」
叢雲「が、我慢できないの?…わ、私でいいなら、満足させてあげるけど?////」
隼斗「……どゆこと?」
叢雲「あ…///い、今のは忘れなさい‼︎いいわね、隼斗?」
隼斗「んーー、うん。よく分からんが、分かった。じゃあ、離れて。飯喰ってくるー。」
あぁ…行っちゃった。まだ抱きついていたかったのに…でも、とても幸せ///
次はもっと長くいれるように策を考えなきゃ!よし、頑張れ私!
そう言うと真っ赤な頬に両手を当てながら部屋を出て行った。
ーーー鎮守府 正門前ーーー
隼斗「〜〜〜♪」グチャ グチャ ブチッ
うまーい、人間本当に美味いわあ。生きた新鮮な肉が一番良いけど、今は贅沢なこと言ってられないし…これで我慢しなきゃ。
昨日の戦闘で殺害した憲兵隊の死体を集めて千切っては喰べ、千切っては喰べ……この晴天の下で喰う肉は最高だね。
隼斗「…それにしても、朝から色々あったなあ。電が大胆かつ積極的に誘ってくるし、叢雲も甘えてくるし…
イチャラブ展開、キタコレ!……て、感じなのかねえ。こういうの初めてだわあ…」ムシャムシャ
別に恋愛経験がないわけじゃない。ただ、さっきみたいなことがこれまでなかっただけ。ラブプラス?だっけ?
あれをやってた喰種がいたな…見せてもらったけど、まあーほんとキュンキュンしたよね。あんな展開になったらそらキュン死しますわ。でも現実は非情だ。なんせ周りの女は男勝りで凶暴…ち、違う、凛々しく美しい…あら?それだと非情じゃないだろって?おかしいなあ…俺の記憶では凶暴……くっ、頭が痛くなってきた!これは記憶操作されてるに違いない!
隼斗「うぅ…い、いつの間に…記憶操作を…ぐぬぬ…」
夕立「ぽーーーい!」ドカッ
隼斗「グハッ!」ズサー
時雨「こら、夕立。いきなり後ろからのタックルは危ないからダメだよ。大丈夫かい、隼斗?」
……い、いきなり背後から強襲されるとは…一生の不覚なり!つか、背中が重い。それに柔らかな感触が…
夕立「はーやーとー!朝から何してるの?お片付けっぽい?」
隼斗「ご、ご飯っぽい…夕立、ちょっとどいてくんない?喰えないんだけど…」
夕立「やだ!夕立、隼斗にくっつきたいっぽい!」ムニュ
隼斗「く、喰いにくいぃぃ…」ふぬぬ…
おうぅ……夕立ったら意外に胸大きいのな…意図的に押し付けてるって感じじゃないのがまた厄介ではあるが、悪くないね!
良いぞ良いぞ〜もっと近う、もっと……あ、し、時雨ちゃんの目が、恐いなあ…
時雨「……隼斗、やらしいこと考えてない?」
夕立「ぽい?」
隼斗「考えてないです。もっと新鮮な人間の肉が喰いたいと思ってるだけです、はい…」
時雨「ふぅ〜ん…そうなんだ…僕の勘違いってことだね。」
隼斗「う、うん…だと思うよ。あはは…」
……恐い。なんか、もう、喰うのいいや。ある程度は満たせたし、夕立の柔らかな胸にも満足…いや、何も考えてない。
色々お腹いっぱいだから鎮守府に戻るかね。
夕立は全く離れる気がなかったのでそのままおんぶして歩くことになった。喜んでるからいっか。もう、夕立も可愛いなあ〜…無邪気な妹だね、うん。時雨ちゃんは……いや、時雨ちゃんも可愛いよ?何?文句あんのか?ある奴は来い、喰い殺してやるよ!
時雨「…そ、そんなに見つめられると恥ずかしいな///」ギュゥ ムニュ
隼斗「……あれ?俺見つめてた?…って、時雨ちゃんもかい…」
時雨が右腕にしがみついてきたと思ったら、思いっきり胸を押し付けてくる。この子も積極的なのね。
時雨「ふふふ…夕立も柔らかいけど、僕も負けてないよ?///」
夕立「隼斗は、変態っぽい!ぽいぽ〜い!」
隼斗「…こいつら最初からわざとやりやがったな。まあ…悪い気はしねえけどな!」
夕立・時雨「やっぱり変態!あはは!」
全く…変態、変態と、失礼な妹達だな。健全なお兄ちゃんだぞ!むう…まあー楽しいからいいけど。こんな風に過ごしたことってあんまりないよなあ。あの時以前の記憶もあまり思い出せなくなってたし、それ以降はもう…血と暴力の記憶が殆どだし…こいつらと出会ってから、楽しいと思えることが多くなった。艦娘には…ほんと、感謝してるよ。
時雨「あ、そうだった。長門さんに隼斗を執務室に連れて来るように言われてるんだった。」
隼斗「執務室?なんだそれ?」
夕立「提督や秘書艦の人達が執務するところだよ!」
隼斗「へー、んでなんでそこに来いと?」
時雨「……大本営から早朝連絡が来たんだって。きっとその事で呼ばれたんだと思う。」
隼斗「大本営?なにそれ?」
夕立「司令部、って言ったらわかるっぽい?」
隼斗「あぁ…軍のお偉いさんがいるとこね。大方、俺とお前らの処分についてだろうな……まあ、そんなことさせる気はねえけど…」
どうせそうだろ。どの世界でも、人間は自分に都合の悪い事は消したがる。ほんと、御都合主義万歳だよ…人間がここの事をどこまで把握しているか分からんが、きっとこいつらも処分対象にするに違いない。可能性のあるものは全て消して、綺麗さっぱりしたいだろうからな。
その後、時雨と夕立達に案内されて執務室に到着。夕立をおんぶしたまま中へ入る。
長門「ノックぐらいしたらどうだ、隼斗。それと、今は真面目な話をしたいから夕立を下ろしてくれ。」
隼斗「……分かった。夕立、またおんぶしてやるから降りてな?」
夕立「…ぽい。ねえ隼斗、どこにも行かないでね…ずっと夕立達と一緒に居て欲しいっぽい…」
隼斗「大丈夫、ずっと一緒…」ナデナデ
夕立「……うん!」
時雨「じゃあ、僕たちは失礼するよ。夕立、食堂で朝御飯食べてこよう。」
時雨は夕立の手を握ると部屋を出て行く。それを見送った後、長門に向き直る。なんとまあ…いつになく真剣な表情だこと…
隼斗「……んで、大本営は何て言ってきた?」
長門「正確に言うと、大本営の大淀からだ。彼女からは私達が化物の被害を受けてないか聞かれた。
あとは、鎮守府の現状ぐらいか…」
隼斗「大淀?え、隣にいんじゃん。もしかして、双子?
大淀「いえ、私はここで建造された大淀なので大本営の大淀とは違います。」
隼斗「………?」
陸奥「私達は資材を使って建造されるの。だから、各鎮守府に同じ個体が存在する。基本的には同じ、でも環境によっては
性格や行動、言動までも変化するみたいだけどね。」
隼斗「なんかややこしいな…」
建造されて生まれる、しかも各鎮守府で同じように建造されるから同じ個体が存在する…なんかごっちゃになりそうだわ。つか、俺も建造されないかな。もしそれが可能ならかつての夜叉よりも遥かに強力な喰種集団が作れる。そうなれば人間共を支配するのに十分過ぎる力が手に入るよねえ。
長門「大本営では、我々とこの鎮守府に対してどうすべきか話し合っているらしい。保護か、解体か…」
隼斗「解体?何を解体すんの?」
長門「……私達だ。」
隼斗「……………………あぁ?」
……今、なんつった?何を解体するって?……私達だ?それってつまり…
隼斗「…処分、殺すってことか?」
陸奥「まあ…そうなるわね。でも、実際に殺されるわけじゃないわ。艦娘としての力を失うだけで、他は何も変わらない。
普通の人間になるだけよ。でも、それは私達の存在意義も失うことになるの…だから、解体を選ぶ艦娘は殆どいないわ。」
大淀「存在意義をなくした艦娘は心が耐えられなくなり自殺するケースがあるそうです。ですが、それ以上に多いケースがあります…」
隼斗「多いケース?」
大淀「………人間による殺害です。」
隼斗「」ギリッ
大淀「ひっ…!」
長門「落ち着け、隼斗。大淀を睨んでも仕方ないだろう…大淀の言う通りで、解体された艦娘は人間に殺されることが多いんだ。
理由としては、兵器である私達が戦場から離れて人間と同じように暮らしていることをよく思わないそうだ。それに今は戦況が
芳しくない。劣勢だ…それが余計に拍車をかけているんだ。「こんなとこでサボってないで、死ぬまで戦え。お前達が手を抜いて
いるから劣勢なんだ」と…「役立たずは死ねばいい」と……悲惨な最期を迎えるんだ。」
聞いてて虫唾が走る。死ぬまで戦え?役立たずは死ね?よくそんなことが言えるな…他力本願のくせに、何も出来ないくせに一丁前に文句だけは言うんだよな、人間ってやつは……艦娘がいるから生きていられるというのに、人間は何を勘違いしているんだか。そんな奴が保護だ?どの口が言ってんだよ。解体だ?俺がお前ら人間を解体してやるよ。
隼斗「……大淀、大本営に連絡出来る?できれば…今すぐがいいな。」
大淀「え、ええ…できるけど、どうする気?」
隼斗「……話し合いに参加してやるんだよ。保護だ解体だとぬかしてる奴等に…
…立場を分からせる必要があるだろ?」